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2024.12.15
卒園アルバム用の写真撮影、先生はスマホそれとも一眼?機材選びのノウハウと体験談
こんちは卒園アルバム制作メーカー キッズドン!の宗川 玲子です。
今回は「幼稚園・保育園の先生が写真撮影をする際のおすすめ機材」についてお話しします。
お話しのポイントは
になります。
- 保育中の撮影、どの機材が使いやすい?
- スマホで撮影して大丈夫?
- 古いコンパクトデジカメ撮影の写真は使える?
- 機材の予算はどのくらい必要?
- 複数のカメラを使い分けるべき?
目次
はじめに
卒園アルバム用の写真撮影で「どの機材を使えばいいのか」という相談を、私たちキッズドン!は日々数多くいただきます。
特に先生方からは「スマホで十分なのか」「一眼レフは必須なのか」「コンパクトデジカメという選択肢はどうか」など、撮影機材選びに関する具体的な質問が寄せられます。
これらの質問に対する答えは「どの機材でも良い写真は撮れる」というのが結論です。
大切なのは機材選びの前に、次の3点を整理することとなります。
どんな環境で撮影することが多いのか
- 室内が中心か屋外が中心か
- 動きのある被写体か静止した被写体か
- 朝・昼・⼣方など時間帯による光の条件は?
撮影にかけられる時間はどのくらいか
- 保育の合間を縫っての撮影か
- 行事の際は撮影に専念できるか
- 同僚の協力は得られるか
撮影者自身のスキルはどの程度か
- スマホカメラは使いこなせているか
- デジカメの操作経験はあるか
- カメラの専門用語をどの程度理解しているか
冒頭からいささか固い表現で申し訳ございません。
ですが、これらの要素を踏まえずに「最新の一眼レフを購入したものの使いこなせず、結局スマホ撮影に戻った」という声を実際に耳にします。
この記事では、保育現場での実例を交えながら、各撮影機材の特徴と使い分け、そして失敗しない選び方について詳しく解説していきます。
まずは次章から、先生方が抱える具体的な撮影の悩みと現状を見ていきましょう。
1.先生が抱える撮影の悩みと現状
保育現場での写真撮影は、想像以上に難しい課題が山積みです。先生方からよく耳にする悩みを、具体的に見ていきましょう。
撮影時間の確保が難しい
・「子どもたちの安全管理が最優先なのでカメラを構えている余裕がない」
・「行事の時は進行役もこなさないといけないから撮影に集中できない」
このような声は、保育現場で頻繁に聞かれます。
特に0~2歳児のクラスでは、予期せぬ行動への対応が必要なため、両手がふさがるカメラの使用は現実的ではありません。
そのため必然的に「片手で素早く撮影できるスマホ」に頼らざるを得ない状況が生まれています。
カメラの扱いに不安がある
・「一眼レフを持っているけど、オートモード以外使いこなせない」
・「設定変更をしている間に決定的瞬間を逃してしまう」
・「マニュアルを読んでも専門用語が分からない」
カメラの進化により機能は充実しましたが、その分操作も複雑になっています。
特に35歳以下の先生方はスマホカメラには長けている一方で、一眼レフやコンパクトデジカメの操作に苦手意識を持つ傾向が顕著です。
園児全員を公平に撮影したいる
・「行事の写真を見返すと、特定の園児ばかり写っていた」
・「活発な子は自然と写真に収まるけど、おとなしい子の表情が少ない」
・「後で保護者から『うちの子があまり写っていない』と指摘された」
卒園アルバムでは「公平な掲載」が重要です。
しかし実際の撮影現場では、活発な園児や表情豊かな園児に自然とレンズが向きがちです。
この課題に対してベテラン先生は、1シーンの撮影後にカメラモニターで速やかに「撮影した園児」を確認し、撮影不足の園児をリストアップして次のシーンで集中して撮影する…という工夫をされています。
行事ごとの撮影シーンが異なる
・「運動会は動きが速くてピントが合わない」
・「お遊戯会は室内が暗くてブレてしまう」
・「お散歩では両手が必要だから、カメラを持って行けない」
行事によって求められる撮影スキルは大きく異なります。
例えば運動会では「動体撮影」、発表会では「暗所撮影」というように、それぞれに適した撮影テクニックが必要です。
しかし、全ての行事に最適な1台の機材を選ぶのは難しく、ここに機材選びの悩みが生まれる原因があります。
これらの課題を踏まえた上で、次章では各撮影機材の特徴と、それぞれの場面での使い分けについて詳しく解説していきます。
2.各撮影機材の特徴と使い分け
それでは各撮影機材の特徴を、保育現場での使用を前提に詳しく見ていきましょう。
スマートフォンの特徴
最新のスマートフォンは、その高性能なカメラ機能から「スマホ一台あれば十分」と言われるほどです。
スマホ-メリット:常に携帯、直感的操作
- 両手がふさがる保育中でもポケットから素早く取り出せる
- 片手での操作が可能で、シャッターチャンスを逃さない
- 直感的な操作で設定変更も簡単
- 撮影後すぐにLINEなどで同僚と共有できる
- ポートレートモードで自然なボケ味も表現可能
- 広角レンズ搭載機種なら集合写真も簡単
スマホ-デメリット:暗所での撮影、望遠撮影
- 室内の発表会など暗い場所では画質が低下
- 運動会などの遠距離撮影では画質が粗くなる
- デジタルズームでの拡大は画質劣化が著しい
- バッテリー消費が激しく、長時間の撮影に不安
こちらの記事も併せてご参照ください。
コンパクトデジカメの特徴
スマホとデジタル一眼の中間的な存在で、特に初心者の方に選ばれています。
ですが上位機種のコンパクトデジタルカメラは(以下コンデジと略)一眼レフに勝るとも劣らぬ実力があります。
コンデジ-メリット:軽量、オート機能の充実
- スマホより高画質、一眼より軽量というバランスの良さ
- シーンに合わせた撮影モードが充実
- 光学ズームで遠距離撮影も対応可能
- 操作がシンプルで直感的
- 予備バッテリーの携帯で長時間撮影も安心
- 価格もリーズナブル
コンデジ-デメリット:暗所でのAF性能
- 暗い場所でのオートフォーカスが苦手
- レンズ交換ができないため用途が限定的
- スマホと比べて起動に時間がかかる
- データ共有には手間がかかる
こちらの記事内にもコンデジの魅力を紹介した内容がございます。
一眼レフ/ミラーレスの特徴
プロフェッショナルな写真撮影が可能な反面、操作の習熟に時間を要します。
さらにミラーレス一眼は軽量かつコンパクトなことから、今後保育教育の現場で活躍することは間違いないでしょう。
一眼-メリット:画質、暗所対応力
- 暗い室内でも高画質な撮影が可能
- レンズ交換で様々な撮影に対応
- 運動会での望遠撮影も美しく収める
- 自然なボケ味で印象的な写真に
- RAWデータでの撮影で後補正も可能
- バッテリーの持ちが良好
一眼-デメリット:重量・操作の複雑さ能
- 重量があり終日の携帯は負担大
- 操作習得に時間がかかる
- レンズ含め高額な投資が必要
- 保育中の携帯は現実的でない
- 機材が大きく目立つため園児が警戒することも
下のボタンからミラーレス一眼の長所短所を紹介したブログをご覧いただけます。
各機材にはそれぞれ一長一短があり、「これさえあれば完璧」という機材は残念ながら存在しません。
次章ではこれらの特徴を踏まえた上で、行事別の最適な機材選びについて解説していきます。
3.行事別おすすめの撮影機材
幼稚園・保育園での行事は、その特性によって最適な撮影機材が異なってきます。
ここでは主な行事別に、おすすめの機材とその選定理由を解説します。
運動会での撮影
屋外競技(徒競走、組体操)
光学ズームで離れた場所からの撮影が可能で、運動会特有の「動体撮影モード」が搭載されているものが多いです。
また、天候による明るさの変化にも自動で対応してくれます。
望遠レンズを使用すれば最高の画質で撮影可能です。
ただし機材が重いため、長時間の撮影では疲労を考慮する必要があります。
最新機種であれば十分な画質は得られますが、デジタルズームの使用は極力避けましょう。
広角レンズ搭載機種なら組体操など全体を収める撮影に効果的です。
屋内競技(遊戯、ダンス)
体育館など比較的暗い環境でも、高感度撮影で綺麗な写真が撮れます。
動きの速い踊りなども、連写機能で決定的瞬間を逃しません。
最新機種は暗所性能が向上しており、ポートレートモードを使えば雰囲気のある写真も撮影できます。
運動会の撮影やページ作成のノウハウを紹介したブログがございます。
発表会での撮影
ステージ上の演技
舞台照明下での撮影は一眼カメラの真骨頂です。高感度撮影と優れたオートフォーカス性能で、暗所でも確実に撮影できます。
動画撮影はスマホが便利です。最新機種なら暗所でも十分な画質が得られます。
舞台袖からの撮影
狭い場所での撮影や素早い撮影が必要な場面では、コンパクトで機動力のあるスマホが重宝します。
フラッシュ禁止の環境でもナイトモードで対応可能です。
発表会の撮影やページ作成のノウハウを紹介したブログがございます。
日常保育の撮影
園庭での遊び
常に携帯できる手軽さが最大の利点です。予期せぬ園児の表情や行動を逃さず撮影できます。
防水機能付きなら水遊びの撮影も安心です。
室内活動
室内の明るさに適した露出で自動撮影してくれます。
マクロ撮影モードを使えば、製作物の細部まで綺麗に収められます。
静物撮影や計画的な撮影の場合はコンパクトデジカメ、突発的な撮影にはスマホと、状況に応じて使い分けるのが理想です。
このように、行事の特性に合わせて機材を使い分けることで、より効果的な撮影が可能となります。
ただし、これはあくまで理想的な使い分けであり、実際には予算や保管場所の制約もあるでしょう。
次章では、そういった現実的な制約も考慮した機材選びの判断基準について解説していきます。
4.撮影機材の選び方と判断基準
前章で各行事に適した機材をご紹介しましたが、実際の選定では様々な制約があります。
ここでは現実的な判断基準について解説していきます。
予算で決める
園の予算規模によって、以下のような選択肢が考えられます。
予算3万円未満の場合
- 高性能スマートフォンを活用(すでに所有している場合)
- エントリークラスのコンパクトデジカメ
- 中古のコンパクトデジカメ
予算3~8万円の場合
- 高性能コンパクトデジカメ
- エントリークラスのミラーレスカメラ(キットレンズセット)
- 中古の一眼レフカメラ(標準ズームレンズセット)
予算8万円以上の場合
- 新品の一眼レフ/ミラーレスカメラ
- 複数のレンズを揃えることも検討可能
- 予備バッテリーや外付けストロボなどの周辺機器も考慮
撮影頻度で決める
撮影頻度によって、投資すべき金額や機材の種類が変わってきます。
週1回程度の撮影合
- スマートフォンでの撮影がベスト
- 特別な行事の時だけコンパクトデジカメを借用
週3回以上の撮影
- コンパクトデジカメの常備を推奨
- スマートフォンと使い分け可能な機種選定
ほぼ毎日撮影
- 眼レフ/ミラーレスカメラへの投資を検討
- バッテリー2個以上の運用を推奨
撮影環境で決める
園の環境によって、必要な機能が異なります。
室内が主な撮影場所
- 高感度撮影に強い機種を選択
- 手ブレ補正機能は必須
- フラッシュ撮影の可否も確認
屋外が主な撮影場所
- 防塵・防滴機能付きが安心
- 光学ズーム機能は重要
- 画面の視認性も考慮
両方での撮影が多い
- 汎用性の高いコンパクトデジカメ
- 状況に応じてスマホと使い分け
複数台持ちの検討
理想的には複数の機材を使い分けることをお勧めします。
スマホ+コンパクトデジカメの組み合わせ
- 日常はスマホで撮影
- 行事はコンパクトデジカメを使用
- 予算目安:5万円程度
スマホ+一眼カメラの組み合わせ
- 通常保育はスマホ
- 行事は一眼カメラ
- 予算目安:10万円以上
複数台持ちには以下の課題もあります
- 保管場所の確保
- 充電の手間
- 使い分けのルール作り
- データ管理の複雑化
これらの判断基準を総合的に検討した上で、園の実情に合った機材選びを行うことが重要です。
次章では、選んだ機材を最大限活用するための具体的なテクニックについて解説していきます。
5.各機材での撮影テクニック
それぞれの機材の特性を活かした、実践的な撮影テクニックをご紹介します。
スマートフォンでの撮影のコツ
手ブレ対策
スマートフォンは軽量であるがゆえに手ブレが発生しやすい機材です。
両手でスマートフォンを持ち、肘を体に付けて三角形を作るように構えることで、ブレを最小限に抑えることができます。
特に室内など光量が少ない場所では、この安定した構え方が重要になります。
明るさ調整
スマートフォンの画面をタップすると表示される「明るさ調整」のスライダーは、実は重要な機能です。
例えば逆光での撮影時、園児の顔をタップしてから明るさを少し上げることで表情まで綺麗に収めることができます。
特に帽子を被っている園児は顔に影ができやすいため、この調整が効果的です。
ポートレートモードの活用
最新のスマートフォンに搭載されている「ポートレートモード」は、園児の個人写真撮影に大変有効です。
背景をほどよくボカすことで、まるで一眼レフで撮影したような印象的な写真に仕上がります。
ただし光量が十分にある環境でのみ使用することをお勧めします。
ズーム撮影の注意点
光学ズームと電子ズームの違いを理解することが重要です。
光学ズームはレンズの焦点距離を変えて拡大するため画質が劣化しませんが、電子ズームはデジタル処理での拡大のため画質が低下します。
運動会などでの遠距離撮影では、必ず光学ズームの範囲内で撮影するよう心がけましょう。
コンパクトデジカメでの撮影のコツ
シーンモードの使い分け
コンパクトデジカメの強みは、様々な「シーンモード」が用意されていることです。
例えば運動会では「スポーツモード」、室内の製作風景では「マクロモード」というように、状況に応じて最適なモードを選択します。
カメラが自動で最適な設定を行ってくれるため、失敗が少なくなります。
意外に重宝-ズームレンズ
コンデジの光学式ズームは、ホームビデオカメラのように長距離にいる被写体を、目前にいる姿で撮影することができる優れものです。
例えばキヤノンPowerShot SX740 HSは光学40倍ズーム&高速連写を可能とします。
一眼レフでこれを実現するには300mm望遠レンズを使用する必要があり、非常にコストパフォーマンスに優れてると言えます。
また運動会にありがちな「被写体を見失う」を補助する機能や、被写体が近づいても離れても、一定の人物サイズにズームが追尾する機能もあります。
これに高速オートフォーカスと、約7.4コマ/秒の高速連写で決定的瞬間を逃しません。
このことから、時に一眼レフを超える貴重な一枚を手に入れることがコンデジで叶う場合があるのです。
一眼カメラでの撮影のコツ
オートモードの活用
一眼カメラは多機能ですが、保育現場では基本的に「オートモード」での使用をお勧めします。
特に慣れないうちは、設定変更に時間をかけるよりもシャッターチャンスを逃さない撮影を優先すべきです。
オートモードでも、一眼カメラならではの高画質と美しいボケ味は十分に得られます。
レンズの使い分け
標準レンズは室内での活動写真に、望遠レンズは運動会や発表会での舞台撮影に、というように用途に応じてレンズを使い分けます。
ただし、レンズ交換の際は必ず安全な場所で行い、その間は園児から目を離さないよう、他の先生と連携を取ることが重要です。
6.よくある失敗とその対策
写真撮影の失敗は、機材の種類に関係なく共通して起こりやすいものです。
ここでは、特に保育現場で多い失敗例とその具体的な対策を紹介します。
手ブレによるボケ
保育現場での撮影は、突発的な場面が多いため手ブレが起こりやすい状況です。
特に室内や夕方の撮影では、シャッタースピードが遅くなることでブレが顕著になります。
対策として、まず撮影時の姿勢を意識しましょう。
カメラやスマホを持つ手の肘を体につけ、安定した三角形を作ります。
また、シャッターを押す瞬間に息を止めることで、さらに安定した撮影が可能になります。
室内での撮影では、窓際や明るい場所に園児を誘導することも有効です。
「もう少し明るいところで見せてね」と声をかけることで自然な表情も引き出せます。
暗すぎる/明るすぎる
特に発表会や遊戯会など、照明条件が難しい場面で起こりやすい失敗です。
ステージ上は明るいのに客席は暗い、という環境では機材が適切な露出を判断できず、どちらかが真っ黒や真っ白になってしまいます。
この問題は、撮影前の準備で大きく改善できます。
本番前のリハーサル時に実際の照明条件で数枚のテスト撮影を行います。
その結果を確認し、必要に応じて露出補正や撮影位置の変更を検討しましょう。
また一眼カメラやコンパクトデジカメであれば「スポット測光」モードを使用することで、園児の顔に適した露出で撮影することができます。
ピントが合わない
動きの速い園児を撮影する際、最も頻繁に起こる失敗です。
特に運動会や遊戯の撮影では、オートフォーカスが園児の動きに追いつかないことがあります。
この問題に対しては、あらかじめ園児が来るであろう位置にピントを合わせて待ち構える「先読み撮影」が効果的です。
例えば徒競走であれば、ゴール前にピントを固定しておき園児が来たところでシャッターを切ります。
また、スマホでの撮影時は画面をタップしてピントを合わせた後、そのまま指を離さずシャッターを切る「タッチシャッター」機能を活用すると、ピントズレを防ぐことができます。
決定的瞬間を逃す
運動会での第一位のテープ切りや、発表会での決めポーズなど、二度と撮り直しのできない瞬間を逃してしまう…。これは全ての先生が経験する失敗です。
この対策として最も効果的なのが「連写モード」の活用です。最近のスマホでも連写機能は標準装備されており、シャッターボタンを長押しすることで複数の写真を連続して撮影できます。
また、一人で全ての瞬間を撮影しようとせず、同僚の先生と役割分担をすることも重要です。
「私は全体を撮るので先生は個々の表情をお願いします」というように、撮影範囲を分担することで、より多くの決定的瞬間を記録することができます。
次章では実際に現場で撮影されている先生方の具体的な工夫や体験談をご紹介します。
7.先生たちの体験談から学ぶ
実際の現場で撮影を担当されている先生方から貴重な体験談が寄せられています。ここでは特に参考になる事例をご紹介します。
スマートフォン派の声
「最初は『スマホじゃ本格的な写真が撮れないのでは』と不安でした」と話すのは、5年目の村田先生。しかし実際に使ってみると、その機動力に大きな魅力を感じたそうです。
「特に2歳児クラスでは、突然の笑顔やつぶやきなど、一瞬の表情を撮影することが多いんです。その際、ポケットからサッと取り出せるスマホは本当に重宝します。最新機種に変えてからは、室内でも綺麗に撮れるようになりましたし、保護者の方からも<自然な表情が撮れていていいですね>と好評です』
コンパクトデジカメ派の声
3年前にコンパクトデジカメを導入した山下先生は、その使いやすさを高く評価します。
「運動会での使用を主目的に購入しましたが、今では室内行事でも大活躍です。光学ズームがあるので、園児を遠くから撮っても綺麗な写真が撮れます。また、スポーツモードや夜景モードなど、状況に応じた撮影モードが充実しているのも心強いですね。何より、電池の持ちが良いので、長時間の行事でも安心です」
一眼レフ派の声
ベテランの木村先生は、10年以上一眼レフを使い続けています。
「確かに重くて大変です。でも、発表会や運動会など、大切な行事の写真は一眼レフにしかない良さがあります。特に室内の発表会では、暗い中でもブレずに撮影できる強みを感じます。ただし、使いこなすまでに時間がかかったのは事実。最初の1年は基本的な操作を覚えるだけで精一杯でした」
複数機材併用派の声
「状況に応じて使い分けることで、それぞれの良さを活かせています」と話すのは中島先生。
「日常の保育中はスマホを使い、運動会や発表会などの行事ではコンパクトデジカメを使用します。特に行事の際は同僚と分担を決めていて、私がコンパクトデジカメで全体写真を撮る間、他の先生がスマホで個々の表情を撮影する、といった具合です。そうすることで、より多くの思い出を残すことができています」
これらの体験談から見えてくるのは、「最適な機材は環境によって異なる」という事実です。
大切なのは自分の環境や撮影スタイルに合った機材を選び、それを使いこなしていくことでしょう。
次章では、これまでの内容を踏まえた上で重要なポイントをまとめていきます。
8.まとめ:機材選びで大切なこと
ここまで様々な観点から撮影機材について解説してきましたが、最後に機材選びの本質的なポイントをまとめていきましょう。
使いこなせる機材を選ぶ
高機能な機材を持っていても、それを使いこなせなければ意味がありません。
特に保育現場では、シャッターチャンスを逃さない「即応性」が重要になります。
例えば、一眼レフカメラで最高の写真が撮れたとしても、設定に手間取っている間に園児の笑顔が消えてしまっては本末転倒です。
まずは自分が無理なく操作できる機材を選び、徐々にスキルアップを図っていく――そんな現実的なアプローチをお勧めします。
園の撮影環境に合わせる
園の環境は千差万別です。日当たりの良い園庭がある園もあれば、室内活動が中心の園もあります。
また、行事の規模や頻度によっても必要となる機材の性能は大きく異なってきます。
自園の特徴を客観的に分析し、それに見合った機材を選ぶことが結果として最も効率の良い選択となります。
高額な機材を導入する前に、まずは「どんな写真を撮ることが多いのか」を見極めることが大切です。
同僚との連携を考える
写真撮影は、決して一人で抱え込む必要はありません。
むしろ複数の先生で協力することで、より充実した写真が残せます。
機材選びの際も、「園全体でどう活用するか」という視点が重要です。
例えば、スマホとデジカメを使い分けるなら、誰がどの機材を使用するのか、データの共有方法はどうするのか、といった運用面までを考慮に入れると良いでしょう。
将来的な使用も考慮する
機材の選択は、単年度だけでなく、長期的な視点で考えることをお勧めします。
今年度の予算で高額な機材を購入する場合、来年度以降の保守や消耗品の費用まで考慮に入れる必要があります。
また、デジタルカメラの場合、5年程度での買い替えも視野に入れておくと良いでしょう。
技術の進歩は日進月歩であり、特にスマートフォンのカメラ性能は年々向上しています。
将来的な買い替えも含めた計画を立てることで、より合理的な選択ができます。
最後に一番お伝えしたいのは「機材選びに完璧な正解はない」ということです。
それぞれの園の環境や、先生方の撮影スタイルに合わせて最適な選択は変わってきます。
この記事が、皆様の機材選びの一助となれば幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
(宣伝になります)
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