卒園アルバム制作のヒント
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2021.10.13
卒園アルバム:“切り抜き”だけが切り貼り制作ではありません。
今回は卒園アルバムの切り貼り制作で、切り抜き写真だけでなく、四角写真や丸型写真も使用すると、さらにクオリティアップが図れることについてお話します。
四角や丸型写真の特性や、切り抜きとの相性を知ると、制作の応用範囲が広がり、一段と作業が楽しくなります。
- 切り抜き構成が今ひとつ映えない
- 切り抜きしたいけどうまくできるか心配
- 自己満足の制作と思われたくない
- 切り抜きを120%良く見せるには
切り抜きはとてもかわいいけれど…
こんちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
卒園アルバムの「切り貼り制作」というと、人物のシルエットに沿って切り抜かれた写真が、所せましとレイアウトされてるページを想像されると思います。
写真に動きがあり、手作り感は子どもたちの気持ちを和ませ、何よりも先生や保護者の愛情が垣間見れる点が、切り貼りの特筆すべき長所と言えます。
ですが、切り抜きだけで構成をすると…
- 雑然として見にくい
- 余計な空間が目立つ
- 制作に労力がかかる
などの短所もあり、写真1点1点を「より良く見せる」ことを追求するのであれば、この点を留意しておく必要があります。
そこで今回は、卒園アルバムを切り貼り制作する際に、人物の切り抜きだけでなく「四角や丸」でカットした写真も合わせると、よりデザインが磨かれるというお話をいたします。
四角や丸の写真と、人物切り抜きの双方が響き合い、メリハリを持つ原稿となるでしょう。
四角写真採用のメリット
はじめに四角等の写真を使用するメリットを紹介します。
- 普段見慣れた形状は安心感をもたらす
- シャープなエッジが原稿を引き締める
- 中途半端な切り抜き形状の一部を隠せる
- 切り抜き集合による雑然性を緩和させる
掘り下げてみます。
普段見慣れた形状は安心感をもたらす
写真と言えば横長長方形の形を誰もがイメージします。
原稿内に四角や丸の形があると、普段見慣れているものがあることで無意識に安心する作用が生まれます。
シャープなエッジが原稿を引き締める
切り抜きはゆるいカーブの連続で輪郭が形成されてることから、それらの形が密集すると、アルバムを見る側にとっては「どうも居心地の悪い」印象を受けることがあります。
これを緩和するのが四角写真。切り抜きのファジーなカーブとは対局にある「シャープなエッジ(直線や正円)」が視線を引きつけ、良好なバランスを司ります。
中途半端な切り抜き形状の一部を隠せる
例えば基の写真が腰から上でのアングルであり、これを切り抜きに使用すると、当然底辺が「スパっ!」と直線でカットされます。
別の例では両手を大きく左右に開いてる写真で、手のひらが切れてしまっている、頭部の先端がわずかに切れてる、など、このような写真を単純に使用すると、不自然さが生まれてしまいます。
ここに四角や丸の写真があると、その写真で「スパっ!」と直線でカットされた一部を隠し、不自然さをなくすことができます。
切り抜き集合による雑然性を緩和させる
切り抜きは、見る方によっては乱雑に感じ、本当の写真の良さが伝わらない場合があるというデメリットがあります。
ここに四角や丸の写真が加わることにより、そのイメージを緩和させることができます。
製作者によっては「全てを切り抜きで統一する」というコンセプトを持たれる方もいるでしょう。ですがその場合、見る方に「自己満足」と解釈されぬよう、切り抜きにふさわしい写真を吟味し、綺麗な空間を意識して、見やすいレイアウトを念入りに考えることが大切と言えるでしょう。
円型写真採用のメリット
「丸」はデザインを行う上で最強のフォルムと言えます。
- 強烈なアクセント
- 柔らかい
- かわいらしい
- 重なりに不自然さが無い
などのメリットがあります。仮に切り抜きだけ、あるいは四角の写真だけで構成されてる原稿に「丸型」フレームを配置すると、それだけでその原稿は「やさしい雰囲気」になります。
つまり丸型が強いアクセントとなり、原稿全体の「統一されたイメージ」をいい意味で崩してくれる役目を果たすのです。
これが丸ばかりですと、反対にうざったく感じるので使い過ぎには注意が必要です。
そして丸型使用の最大メリットは「重なりに不自然さが無い」という点です。
丸型は重なりに不自然さが無い
例えば四角と四角が重なる場合、どうしても重なる部分が綺麗に見えません。ですが丸と四角ではその違和感をあまり感じなくなります。
切り抜きとの重なりも丸型の「円弧」が切り抜きの底辺を装飾して、綺麗な形をつくります。
このように適度に丸フレームを入れることで、原稿のクオリティは格段にアップすることでしょう。
四角写真レイアウトの一例
中央配置
大型の集合写真を大胆に中央配置するレイアウトは、恐らく他を引き寄せぬ位のインパクトを生み出します。
切り抜き中心の構想であっても、あえてメインビジュアルをセンター配置の四角写真にすることで、それを囲む切り抜きが活きいきと力を帯びてきます。
多少勇気のいる配置ですが、写真点数がさほど多く無い場合に試してみるのはいかがでしょうか。
底辺センター配置
底辺に大型写真を配置すると、原稿全体に「安定感」をもたらします。
ピラミッドのごとく、上層部は「軽い雰囲気の写真」から始まり、下方に進むにつれて「重い雰囲気の写真」とするのが、締まりのある原稿制作の理想です。
ですが、底辺は「中途半端」な切り抜きを配置するにも適した場所であることから、底辺は切り抜きにゆずり、その上部にさほど大きく無い四角写真を横一列に並べても良いでしょう。
コラージュの一部が四角
複数の写真を貼り合わせて1枚画に見せるコラージュへの使用も効果的です。
4枚コラージュの対角線上に四角写真、もう一つの対角線には切り抜きが枠を飛び出して配置する構図は、楽しさを引出します。
丸型写真レイアウトの一例
治りきらない写真に適用
レイアウト構想を進めていく上で「どうしてもこの写真数枚が入らない」という壁にぶつかることでしょう。この時の救世主が「丸型フレーム」です。
前述で「丸型は重なり合っても不自然さを感じない」と説明しました。
このことから、丸型フレームでトリミングできる写真をピックアップし、既に配置されてる切り抜き写真や四角写真の「空間部分」にまたがって配置すすると良いでしょう。
原稿の縁近辺に配置
仮に四角写真や切り抜き写真を原稿の縁付近に配置して、このページの完成品を見ると「なんか窮屈だな…」と感じるかもしれません。
それだけ、原稿の天地左右の余白取りは、綺麗に見せるための必須条件といえます。
ですが「丸型」は、かなり縁に近づいても、四角や切り抜きと比較すると「窮屈感」を感じさせません。円弧の余白部分があるからですね。
これにより、どうしても原稿の縁近くまで写真が来るレイアウトの場合、いくつか丸型を「縁側」専用として置くと良いでしょう。
おわりに
今日は、卒園アルバムを切り貼り制作する際に、人物の切り抜きだけでなく「四角や丸」でカットした写真も合わせると、よりデザインが磨かれるというお話をいたしました。
アルバム制作は、制作者が自由に作ることが大前提ですが、仮レイアウトの段階で、その自由な発想で並べてみた雰囲気に違和感を得るようでしたら、ぜひ、今回の手法を試しに取り入れてみてください。
意外に眼から鱗のように、クオリティが進展するかもしれません。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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