卒園アルバム制作のヒント
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2022.5.14
卒園アルバムのレイアウトを「見開きページ横断」で作ろう!
今回は、卒園アルバムのレイアウトを 「ページ横断のスタイル」 で構成するメリットについてお話しします。
園の行事の写真を改めて見てみると、横長の構図で撮影されてるものが意外にも多いことに気づきます。
この横長構図の写真を、できるだけ大きく、魅力的に見せる方法として 「ページ横断レイアウト」 が活躍します。
- レイアウトがうまくいかない
- 広がりのあるレイアウトの参考を見たい
- どんな製本タイプでもページ横断できるの?
- どんな行事がページ横断型に向いてる?
目次
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
通常、卒園アルバムの原稿をつくる「レイアウト」と言えば、下の図のような流れですよね。
時系列に沿って「上から下に向かって」写真を配置し、「折り返して隣のページの上から下に」向かう…
ですが、取り扱う写真が「横長」となると、1ページ分の横幅では理想の大きさにならないということがままあります。
- 顔の表情が認識しずらい
- きゅうくつな感じがする
- 本番の時のスケール感や感動が伝わらない
といった不自然さを感じつつ、妥協することもあるでしょう。
そもそも横長のシーンとは?
ここまでお話をして「横長になる写真ってどんな行事のシーン?」と思われるかもしれません。
いくつか事例を挙げてみます。
- 組体操で横一列に並ぶ
- 綱引きなど園庭はじからはじまで使用した種目
- ダンスや体操などの全年齢園児での種目
- ゴールから撮影した園児横一列に疾走してくる徒競走
- 合唱をパノラマ撮影
- 合奏をパノラマ撮影
- 劇のフィナーレ
- 共同制作した大型鯉のぼりを持って記念撮影
- 夏祭りでの盆踊り全景を引きのアングルで撮影
- 男子グループ女子グループごとでの記念撮影
特に 発表会は気づくと「半分以上が横長構図」 ということも…。
そしてこの横長写真を1ページでレイアウトしていくと、えてして単調となり、なんともつかみどころのないデザインになりがちです。
そこで「ページ横断レイアウト」なのですが、それの実施の前に確認しておくことがあります。
そのアルバムは横断レイアウトができるか?
契約している、あるいはこれから契約しようとしている 「アルバム制作業者」の「アルバム」はページ横断レイアウトにふさわしいかどうか を事前にチェックする必要があります。
ページ製本方法
- 1.見開きでの原稿制作が許されてるか
- 2.片面1ページづつの制作ルールではないか
上に挙げた内容を、まず初めに業者に確認します。
1.見開きでの原稿制作が許されてるか
見開きでの原稿制作が許可されてる場合は「ページ横断レイアウト」が可能です。
原稿を右左ページで切断することなく製本されるため、横断写真にずれがおきたりしません。
2.片面1ページづつの制作ルールではないか
製本仕様の都合で「片面制作」と決められてる場合、横断レイアウトは難儀と言えます。
右と左の写真が結合した際に「ずれ」が起きる、裁ち落とし(ページサイズを揃えるために天地左右を数ミリカット)による左右写真結合の際の誤差、などが発生する可能性があります。
横断のため切断した、その切断部付近に全く人物がいないのであれば施工はできますが、横並びとなった人物が過密な場合は、上の理由により避けた方が良いでしょう。
そしてもう一つ、製本仕様に関連してチェックするべき項目があります。それは、
ということです。
ページを開いた中央部の状態を確認
見開きで原稿制作ができる場合、その製本は次の2つのいずれかになると思います。
- 1.ページが180度完全に見開く
- 2.中央部が谷状に沈み込む
1.ページが180度完全に見開く
フラットにページが開閉できる仕様は、最もページ横断レイアウトに適しています。
右ページと左ページの境界線は「折すじ」だけのため、横断部の近くに人物が密接していても、その写真の配置は問題なく行えます。
私どもキッズドン!が提供する「ハードカバーフルフラットスタンダード」がこれに該当します。
2.中央部が谷状に沈み込むく
製本接合の都合、右ページと左ページの結合部が谷状に沈み込むことから、中央部の閲覧がしにくいのが特徴です。
無理やりページを開けば見えないこともないですが、出来れば自然なページめくりで原稿全体が見える方が好ましいでしょう。
この仕様は、ページ数が多ければ多いほど沈み込みが深くなりますので、その点を考慮の上、レイアウトを検討する必要があります。
製本仕様に応じたレイアウトを検討
今までお話した内容を整理すると、原稿レイアウトは、各製本仕様によって次のようなケースが導かれます。
1.ページ見開き制作ができてフラットに開閉する
人物の顔が中央部に掛からなければ、見開き前面を使用して、どんなレイアウト行っても支障ありません。
ダイナミックな構想でレイアウトを楽しみましょう。
2.ページ見開き制作ができて中央は谷状に沈む
ページ横断で制作できますが、できるだけ中央部への人物配置をさけましょう。
無理やり横断させるのではなく、人物以外の背景が少しだけ隣ページにはみ出すだけでも、広がりを感じさせることができるものです。
3.片面ページ制作で中央部は谷状に沈む
写真自体のページ横断は避けた方が良いでしょう。
ですが、写真の進む方向を左ページから右ページに向かう形にはできますので、左右ページの制作を同時に進めて広がりのあるレイアウトデザインに挑戦してみてはいかがでしょうか。
レイアウト方針の基本
上の図のように、レイアウトは右から左に進行し、一番右はじに到達したら、改行して左ページの左側から継続する… といった流れです。
この時 「何が何でも横に進む」と決め込まず 、状況によっては縦に写真をコラージュしたり、大型の縦写真を配置したりすることも大切です。
と、いいますか、恐らく全ての写真を横方向につなげていくのは無理でしょう。
例えば次の図です。
発表会で合唱のシーンを横方向に進めていき、左はじに到達した時点で「合唱写真」が1枚だけ入らない。
改行して左ページに配置すると、まとまりがなくなってしまう…
といった事象は頻繁にあります。こんな時は、右ページの左はじ部に数枚のコラージュを作ってまとまりを演出するなどの技法で対応すると良いでしょう。
もっぱら、その後、周辺の写真の調整が必要となりますが、そこで頭を悩ますのも、レイアウトデザインの醍醐味と言えます(笑)。
それでは最後にページ横断レイアウトの事例を紹介しておわりにしたいと思います。
ページ横断レイアウト事例
横断進行レイアウト
上の写真は 「園の一日」 をページ横断スタイルで制作したものです。
この例のように「時系列」を明確にして表現するページも、横断レイアウトに最適と言えます。
なるべく視点の切り替えをなくし、流れるように見せることで、アルバムを見る方は自然に閲覧ができ、ユニークさも感じていただけるでしょう。
中央大型写真配置レイアウト
中央、あるいは上部に大きな写真を配置することで、ワイドスケールを表現できます。
卒園アルバムだけに限ったことではありませんが、閲覧者は 「ページをめくった時に目に飛び込んでくるインパクト」 で感動の量が異なります。
まず大型の写真でインパクトを与え、個々の細かい写真に引きつけて、全体を楽しんでいただく…
理想の卒園アルバム原稿と言えます。
上部に大型横断写真を配置の際の注意
中央、あるいは上部に大型の写真がある構図で、中央より下の部分の写真量が少ない場合、安定感を保つことが出来ないのが通例です。
これにより、横断写真が大きければ大きいほど、その下には密度の高い写真(複数で写る写真や、個別写真を多めの点数で)を掲載すると良いでしょう。
ボトム大型写真配置レイアウト
一つ上の事例とは逆のサンプルです。
底辺に大型横断写真を配置することで、抜群の安定感を生み出すことができます。
この際、意識的に「大胆なサイズ」で配置することで、見る方に大きな感動を与えることができます。
横断写真を大型にすれば、当然その他の写真は小型化されますが、肝心なのは「メリハリ」です。
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はみだし横断レイアウト
写真の中央部を「見開きの中央部」に合わすのではなく、 「少しだけ隣のページに進入する」 形でのレイアウトです。
これにより見開き全面を上手く活かしたレイアウトとなり、これだけでもスケール感が生まれます。
人物にかからないように調整するのに一手間掛かりますが、「思いっきり中央横断にバーン!」という配置に勇気が出ない場合、この方法をお試しください。
おわりに
今回は、卒園アルバムの見開きページを横断してレイアウトする手法を紹介しました。
発表会の合唱や合奏、運動会の組体操など、横長構図のシーンは思いのほか多く存在します。
写真選定を行い「横長で見せた方がいいな」という内容が多い場合は、ぜひ製本仕様を確認の上、今回のレイアウトにチャレンジしてみてください。
終わりにキッズドン!提供のテンプレート(フレーム素材セット)がありますので、実際のデザインに活用したり、参考にしていただければ幸いです。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)