卒園アルバム制作のヒント
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2021.10.24
こどもと作ろう卒園アルバム(後編)100均で揃える卒アル素材と活用法
今回は、こどもと一緒に卒園アルバムを制作してみては…という提案の後編です。
記事は「前編」「後編」に分かれ、次のような紹介の構成になっています。
- こどもと一緒に制作する理由
- こどもの「作る」能力は卒アル制作にマッチ
- かけがえのない親子の時間
- 素材購入は100円ショップで
- 選ぶ素材とその活用法
- 安定した作業は「簡単な課題提供」で
「こどもがいると集中できない」という前提で作業される方が多いと思いますが、事の進めかたでは、誰よりも優秀なクリエイターとして力を発揮してくれます。
意外にも私より上手…作業が想像以上にはかどった…なんてことも大いにあります。そして何よりその時間は、唯一無二のかけがえのない親子の時間となります。
尚、このシリーズ前編は下記リンクよりご覧いただけます。
- こどもとの制作の流れがわからない
- どんなものを用意するればいいの?
- 我が子は飽きっぽいから…
- 切り貼りのアイデアを知りたい
こどもにプラスアルファのお楽しみを
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
親子で作ると決めたら、どんな手順でことを進め、何をしてもらえれば良いでしょうか。
私は「常にワクワクした気持ちを持たせる」ことを意識しながら作業を行うのが良いと思います。
いささか抽象的ですが、作業自体にプラスアルファの楽しみが付いてくる…といった表現になるでしょうか。
そのプラスアルファに該当する一例が「写真を装飾する素材や作業ツールの購入」です。
今回は、その素材やツールの購入と、それを実践でどう活用するかを合わせてご紹介します。
素材の買い物
こどもが大好きな100円ショップは、切り貼り制作用素材の宝庫です。
はさみやカッター、のりなどのツールはもちろん、原稿を装飾する色紙、千代紙、付箋、マスキングテープ、調理用品(?)など、卒園アルバム制作の視点で眺めると、実に便利この上ない商品が陳列しています。
こどもに購入の権限を与える
例えば上限1,000円で「写真のフレームとなる折り紙を選んで」という具体的なお願いをこどもにして、その購入内容には口を挟まないようにします。
これによりこどもは、多数並ぶ折り紙を真剣に比較検討して、10の折り紙を選びます。後に制作の際に、その折り紙が写真のフレームや背景としてマッチしなかったとしても、こどもは大満足なはずです。
親からしてみれば「なんか変だけど大丈夫かな」との心情を持つことがあるかもしれません。
ですが、アルバムを受け取る側からすれば、恐らく全く気にならない点だと思います。反対にその手作り感が見る方を魅了し、心温まるページとして映ることでしょう。
それでは100円ショップの商品の活用方法についてご案内します。
折り紙・千代紙・色紙
ひと昔前、折り紙、千代紙と言えば、単色カラーか和風テイストに限定されてました。
ですが昨今は幾何学模様やパターン画、青空や森林をスキャン&加工したレタッチ画、パステルグラデーションなど多種多彩なデザインが登場しています。
これを切り貼りに活かさない手はありません。下に記したような活用方法はいかがでしょうか?
フレーム(写真枠)
写真の外周を囲む形で紙を敷きます。加工例は次の通りです。
背景
パターン画や単色の千代紙や折り紙をつなぎ合わせて1枚の背景にする手法です。見開きサイズ(平均で約A3横サイズ)までとなると骨が折れますが、例えば1ページ(平均A4縦サイズ)の半分程度であれば、こどもでも綺麗に接続可能と思われます。
また単色のA3用紙を文具店かネット通販であらかじめ購入しておき、ランダムに変形の背景を敷くのも良いでしょう。
メインタイトル
太めかつ丸文字風で購入紙にアウトラインを親が書き、その切り抜きをこどもが行うと良いでしょう。
一文字づつ異なる千代紙で作る、1文字づつ異なる単色折り紙で作る、全文字共通色、またはデザインで作る、いずれも「味のある」タイトルとなるでしょう。
ふせん
単純な四角形のふせんではなく、星形、雲型、吹き出し型、細身の長方形など、変形タイプを選びます。
フレーム
写真に大きさが合わなくても、背面にふせんを敷くだけでフレームらしく見えるものです。他の写真と比較して強調したいものだけ、このような工作を加えても良いでしょう。
タイトルバック
メインタイトルやサブタイトル、キャプションなどの背面にふせんを敷きます。直接ふせんに記述しても良いでしょう。
吹き出し
吹き出しタイプのふせんそのものを使用しても良いですし、サイズが合わない場合は、ふせんをカッティングして使用します。
マスキングテープ
切り貼りの王道とされてるマスキングテープ(以下マステ)。ネット通販で見るとあまりにも膨大な種類があり、どれを選んで良いか分からなくなる状況に陥ります。
100円ショップにも多数のマステがありますが、かなりセンスの良いものをより抜きしているので、選びやすいでしょう。
原稿外周のデコレーション
原稿の外周にマステを貼り、内枠のデザインと見せる手法です。原稿全体がフレームに囲まれた体裁となり、引き締まる印象になります。
天地左右が「等幅」になるよう貼り付けるのがポイントです。
区切りライン
1ページもしくは見開きページに、複数の行事を掲載する場合の「区切りライン」としての使用。
マステ自体の幅だと太すぎる感があれば、上下をカットして細身に加工しシャープな印象にしましょう。
フレーム(写真枠)
台紙に写真を貼り付けた後に、写真の天地左右にマステを貼るだけで立派なフレームが完成します。
ですが、マステフレームは主張性が高いため、強調したい写真や、同一グループ(同じような写りの連続した写真群)に施すのがより効果的です。
写真の一部をマステで貼り付け
写真を囲むのではなく、写真の四角(よすみ)や対角線状に「留める」見せ方です。
写真はもちろん「ノリ」で接着してますが、あたかもマステで留めてあるように見せます。アナログ的な、そして手作り感が生まれ、写真だけの貼り付けよりも温かみを感じます。
シール
シールはあくまでもアクセントして使用することをお勧めします。あまりに浮いて見える、派手すぎる、背景やそのページの雰囲気にマッチしていないなどのリクスを意識して選択する必要があります。
シールの注意点
シールの注意点、それはスキャンの「癖(くせ)」に準じます。次のようなシールは、原稿をスキャンする際に「正確な読み取り」が出来ない可能性があります。
- 高さがある
- 金と銀
- キラキラ系
- 極端に細いライン
シールは写真と写真の間の空間を補完する、ページのコンセプトを後押しするなどの効果があります。
こどもに選択をお願いする際は「あまり華美でなく、平坦で、でもかわいらしいもの」と伝えると良いでしょう。
ステーショナリー
この機会に「自宅にありそうでないもの」をまとめて購入しておきましょう。
- こども向きで安全性の高いはさみ
- 親がカッターを使う際に重宝するカティングマット
- スティックのり、テープのり、極細ペンタイプのり
- タイトルを装飾するマイルドライナー(筆のように描ける蛍光ペン)
- コンパス
- 薄手のグローブ(指紋避け)
などが主要な所でしょうか。
道具箱
建前は、購入品を収納する役目であり、作業終了後にこどもに「道具箱への片付け」をお願いするきっかけとなります。
ですが、本音は「全ての原稿制作が終了した後」に、購入して未使用なものや、ステーショナリー一式を「道具箱」と合わせてこどもにプレゼントするためです。
折り紙やマステは何かとこの後も使うことでしょう。ですので、道具箱選びは、ぜひお子様の趣味に合わせてお買い求めください。
簡単な課題がこどものやる気につながります
親子共同制作での購入品例と活用方法を紹介しましたが、安定した「こどもとの制作」を保つ秘訣はなんでしょうか。
ご家庭の趣旨や、お子様の性格やスキル度合いがありますので、一概に決めつけはできませんが、
ことと言われています。
例えば、「折り紙を縦横10cmの正方形にカットして」といった程度です。恐らくこどもは定規を取り出し、折り紙に線を引いてカットすると思いますが…
- 定規は「0(ゼロ)」から合わすか「1」から合わすか
- 垂直に線を引く方法
- 引いた線の「線自体」を切るか「線の内側」を切るか
などの疑問が浮上し、これを親に質問して解決をみつけ、達成感をその都度得ながら前に進みます。
「簡単な課題→疑問→質問→解決→実践→達成感」この繰り返しがこどものワクワク感を高め、飽きることなく作業を続ける秘訣となるのです。
実践の場では「いかにきれいにカットするか」「いかにきれにノリ付けするか」「いかに写真に合う素材選びをするか」といったクオリティを求めるのは避けるべきでしょう。
こどもにお願いした内容は、その結果を全て良しとして、こどもの興味を損ねることのないよう意識されると良いでしょう。
人物切り抜き
最後に、親子制作を実践された委員の方から興味深い話を伺いましたので紹介します。
次の内、こどもカット作業をお願いするにふさわしい内容はどれだと思いますか?
- 人物の輪郭に沿って忠実にカットする
- 少し背景を入れてざっくりカットする
- 四角や丸にカットする
回答は意外にも1の人物の輪郭に沿ってカットであると経験者の方から伺いました。
それは、カットする「ターゲット」が明確であるからです。仮に2番をお願いした場合、どのあたりまで背景を入れて良いかの検討がつかない場合があります。さらに均等幅に切ることが出来ないケースも。
3番の四角や丸は、こどもにとって簡単すぎると不服がでます。
ここは時間がかかっても良しとして、一番面倒とされる1番の作業をお願いしてみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回は「こどもと作ろう卒園アルバム」の後編、100均で揃える卒アル素材と活用法についてお話ししました。
もちろん、制作に全く興味を示さぬお子様もいらっしゃるでしょう。そんな時は素材の買い物だけ一緒に行動する、親が制作してるそばで、素材の折り紙を渡して遊んでもらう…そんな行動だけでも十分でしょう。
「親が行動していることと少しでも同じことを、時間を共にして自分もやっている」というこどもならではの誇りと安心感が大切ではないかと思います。
ぜひ素敵な時間をお過ごしください。
尚、このシリーズ前編は下記リンクよりご覧いただけます。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)