卒園アルバム制作のヒント
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2022.9.11
卒園アルバムの「縦撮り写真」をどう扱うか?をお客様の談話で解説します
今回は「縦撮り写真」の扱い方についてお話しします。
保護者が卒園アルバム用の写真撮影を行う場合、スマホカメラの使用が顕著です。
一眼レフに勝るとも劣らぬ精度を発揮し、美しい画を手に入れることができるのですが、スマホ撮影には1点共通の傾向があります。
それは 「縦撮影」の比重が高い」 ということです。
実は 「縦位置で撮影された写真」は 「横位置で撮影された写真」と比べて、 レイアウトが難しい ということをご存じでしょうか。
今日ご紹介するお話しは、アルバム制作担当だった栃木県在住の磯村様(仮名:以降、磯村さんと表記)がこの「縦撮影写真」をどう扱ったかという体験談を元に、縦写真の取扱い方法をお伝えします。
レイアウトや今後撮影方法のヒントとしていただけると幸いです。
- 縦撮り撮影の写真ばかりで対応できる?
- 縦写真をうまくレイアウトできない
- 横写真と縦写真どちらが映える?
- 撮影の注意点を聞きたい
目次
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こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
磯村さんの体験談を紹介する前に、なぜスマホの撮影の場合「縦位置写真」が多いのか、その理由を挙げてみたいと思います。
- 片手でスマホを固定してシャッターが切れる
- かわいらしくユーモラスな全身撮影が絵になる
- SNSの構図が縦撮り主流でありその習慣から
単体での写真としては、魅力に溢れ、どの写真も捨てがたいと「選定」に迷われることでしょう。
ですが冒頭でお話しした通り、複数の縦位置写真を良好なバランスでレイアウトするのは意外に困難。
そんな事実に直面した、栃木県在住の磯村さんのお話しを紹介します。
卒対委員となった磯村さん
磯村さんは、年長の祐也君を保育園に預け、月曜から金曜までフルタイムワークをこなすお母様です。
裕也君が年長進級の際に、2歳年上のお姉さんの卒園対策委員になった経験を買われて他薦され、同卒対委員に。
5名の卒対メンバーをまとめるリーダーとして役を受け渡されました。
2年前の試練を教訓に
磯村さんは2年前の苦い卒対経験を語ります。
「当時のリーダーがオリジナルにこだわるあまり、その制作作業の量が尋常ではなく、フルタイムワークの私にはとてもカバーしきれるものではありませんでした。
アナログでの温かみを出すため、プリント原稿の切り貼りで制作し、写真点数は1ページ30点以上、見開きで60点以上、さらにデコレーションキットを多用して背景など見える隙間のないほどに埋め尽くすデザインに統一されました。
一向に制作が完了せず、終盤では6名の委員全員が大きなストレスを抱え「2度と卒対にはなりたくない」と音を上げるほどでした。
その時の教訓を活かし、今年の代では「半分を保護者制作、半分を業者制作」として負担を軽減することとしました。」
委員が受けるであろうストレスを事前にリスクヘッジ(危険回避)し、円滑の制作が進行できるよう努めることができるのは、経験者ならではの力量といえます。
万事考え抜かれた計画が出来上がり、他の卒対委員のメンバーもその計画に称賛-賛同したことで、ほっと胸をなでおろす磯村さん。
あとは計画に沿って作業を進めるばかりと思いきや、時代を反映した「別の問題」が首をもたげました。
撮影はカメラマンから卒対委員に
今年の写真撮影は、昨年まで依頼していたカメラマン撮影を取り止めて「卒対委員」で行うことに。
その理由は「制作負担軽減のための業者制作に予算を割く必要があった」からです。
磯村さん含む6名のうち5名のスマホが過去2年に購入したものとあり、カメラの性能も高いことから、委員全員がカメラマンとして活躍しようと決意したそうです。
初回撮影は春の親子遠足
コロナ禍の影響で、過去2年中止になった「春の遠足」が今年は開催とあり、さらにこのページの制作は「卒対委員の手による」ものとあって、6名の撮影には相当な気合いが入りました。
遠足出発から園への帰路までの間、撮影した写真は実に「1300枚」。
ざっくりと閲覧するには「どの園児も隔たりなく公平に撮影」されており、「みんないい表情で画質も良好」なため、膨大な枚数におののく反面、写真確保の安堵感と嬉しさを感じたそうです。
でも、何か違和感が…
気づけば縦写真が8割
それは1300枚の写真のうち8割が「縦位置での撮影」であったことです。
磯村さんは写真を初見の際は、この問題に気づきませんでした。
それを気づいたのは「原稿制作」でレイアウトをし始めた時です。
縦位置撮影の写真が多いレイアウトは難しい
磯村さんは縦写真のレイアウトに苦慮しました。
- 縦長のオブジェクトが横一列に並ぶのは異様な雰囲気
- 多くの縦写真に「横撮影写真」を組み込むと意図せぬ空間ができる
- 縦幅を取ることから、紙面を理想の「縦方向区分」ができない
などの事象が良好なレイアウトを阻みます。
切り抜きをしても、四角フレームをつけても、どちらもしっくりこず、制作は思いのほか進行できぬ事態に。
業者からアドバイスを受けることに
そんな悩む磯村さんに、業者からメールがきました。
それは2年ぶりの遠足再開の予定を知っていた業者が「いい写真撮れましたか?」「デザインはいい感じに進まれてますか?」という、世間話程度のお伺いメールでした。
磯村さんは、この話題に関連づけて「縦撮影写真ばかりでうまくレイアウトできない」という心境を業者に吐露したとのことです。
業者はその状況を聞いた後、磯村さんにいくつかの 「縦写真の扱い方」をアドバイスしました。
縦写真の扱い方
この章では、業者が磯村さんにアドバイスをした「縦写真の扱い方」についてご案内します。
コラージュする、左右に背景を敷いて横写真に錯覚させる、思い切ってトリミングしてしまうなど「見せ方」で縦写真を意識させないようにする一例です。
コラージュする
例えば「縦写真」3枚を横方向に並べ、かつそれを2段でつなげ、合計6枚を「一つのフレーム」で囲むことにより、このグループは「横位置写真」として見せることができます。
境界線無しの密接でもいいですし、同サイズの空間を設けて配置しても良いでしょう。
そこに写る写真は「同じシチュエーション」のものにすると一体感が生まれ、アルバムを見る方もすっきりとした表現に好感を持っていただけると思います。
コラージュをテーマにした関連記事がございます。
左右に背景を敷く
単体の縦写真の扱いとして、写真の左右に背景を敷いて、それを一つのオブジェクトとしてフレームで囲み「横位置写真」に見せる方法です。
この左右に敷く背景は、出来れば「原稿全体に敷く背景」と同系統の色彩であると効果的面です。
意図せぬ空間もこれでカバーできる
縦写真中心の中に「横写真」を組み入れると「意図せぬ空間」ができることがままあります。
そんな時、その空間部分を上記の「左右背景加工」を空間部分のサイズまで広げて配置すると問題解決となります。
空間をいかす
空間の扱いに触れたので、ついでにお話しをしますと、空間は絶対あってはならないことなどありません。
- 空間がきれいな形をしている
- 空間から見える背景画が美しい
- 空間に行事に関連したイラストなどの挿絵が配置されている
このような見え方および造作がされてる場合は、無理に空間を埋める必要はないでしょう。
このことから「空間が発生しやすい縦写真」の特性を逆に活かして、うまい空間表現をすることも一考と言えます。
思い切ってトリミングする
全身写真ならではの「かわいらしいポーズ」や「ユニークなしぐさ」をあますことなく表現できてる写真も多いでしょう。
ですが、レイアウトバランスを考慮するのであれば、思い切ってトリミングを行い「横位置撮影」の体裁にすることも、時には大切と言えます。
腰から上、胸から上、顔だけアップ…など、幾つかのアングルを試行してみて、最も良く見えるトリミングターゲットを決めましょう。
トリミングをテーマにした関連記事がありますので併せてご覧ください。
切り抜き
磯村さんの場合、2年前の卒対制作での「切り貼り制作に辟易」のトラウマから、全ての写真を切り抜きすることは毛頭考えにはありませんでした。
できれば全ての写真を「四角と丸」でカットし、場合によってはフレームをつけて演出する…
この程度の簡易造作でのデザインの予定でしたが、 アクセント的に数点「切り抜き」を入れると「縦写真を活かした構図」 になってきます。
切り抜きにふさわしい縦の全身写真
実は全身がユーモラスな姿で写る「縦写真」こそ、切り抜きに最もふさわしい写真であり、これに使用しない手はありません。
人物のシルエットに沿った緻密な切り抜きである必要はなく、ざっくりと背景を残した切り抜きでも十分に絵になります。
ただし、磯村さんの2年前の切り抜き地獄のように「多量の切り抜きを敷き詰めるように配置」することは、アルバムを見る方でもあまり望まぬ傾向であり、避けるべきです。
四角フレームでの縦写真が「横方向」に2枚ならび、切り抜きを1枚挟んで、その横隣に四角フレームの縦写真がある…
といった形でメリハリを設けると、原稿全体に活気が生まれます。
切り抜きに関連するブログをご案内します。
それ以降の撮影の課題となった
業者からのアドバイスを受けた磯村さんは、その方法をメンバーと共有し、積極的に方法を取り入れて制作を進めました。
そして「意識しないと縦撮影写真ばかりになる」という課題を教訓にし、親子遠足以降の撮影は「横位置も撮影」を撮影開始前にスローガンとして唱え、意識して撮影に臨まれました。
縦撮影と横撮影を使い分け
しばらく「撮影」→「制作」を繰り返してると「この写真は横で撮影するべきだった」「こんな時は縦で撮影しておいて場合によってはトリミングで横配置できるな」などと撮影のテクニックがついてきたとのことです。
撮影初期のころは「縦ばかり」「意識しすぎて横ばかり」であったものが、中盤ころからは、そのシーン、その被写体を見て瞬時に「縦か横か」を見極めてスマホを構えるようになったとのことです。
普段からスマホ以外のカメラを扱われてる方にしてみれば当然のことですが、日々スナップ程度の撮影、ましてやアルバムレイアウトを目的した写真など経験の無かった方からすれば、この変化は大変なものと思います。
無事完成
磯村さんと5名のメンバーは、このような課題を解決し、無事自己制作の原稿を作り上げました。
個人情報保護の観点から、それをお見せすることはできませんが、園児と保護者の皆さんを笑顔にする、素晴らしい力作であることに間違いありません。
今回磯村さんはページ全体の5割を「業者制作」としてコラボレーションしました。
このコミュニケーションがあったが故に、問題に対する解決策をいち早く提言してもらい、素早く制作に落とし込めた…と、感想を述べています。
おわりに
今回は、縦写真に問題を抱えたお客様の談話をベースに「縦撮り写真」の扱い方についてご案内しました。
意識していないと「縦撮影」が多くなるスマホカメラでの撮影。
高画質、高品質ゆえに誰もがカメラマンの役割となる昨今ですが、多量の縦撮影写真を、卒園アルバムのレイアウトに反映させるのには骨が折れます。
複数の縦写真をコラージュする、左右に背景を敷いて擬似横写真として表現する、思い切ってトリミングして横写真に転換、アクセントとして切り抜きをして活用など、うまく縦写真の特性を活かしてレイアウトすることが、ワクワクするデザインを生み出す秘訣です。
そしてスマホ撮影の際は「意識して横撮影」も取り入れ、縦横無尽に写真が活用できるとベストです。
もし今回の磯村さんのような談話がありましたら、ぜひお聞かせください。心よりお待ちしております。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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