卒園アルバム制作のヒント
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2021.9.7
卒園アルバムいらない…廃止や希望購入制に思うこと
こんんちは…卒園アルバム制作メーカー“キッズドン!”の宗川 玲子(そうかわ れいこ)です。
今回は「卒園アルバムいらない…廃止や購入希望者制に思うこと」としてお届けします。
カメラマンが幼稚園・保育園に来園して写真撮影を行い、ネット販売で購入するという仕組みが定着し、親は我が子の園生活を高画質で取得できるようになりました。
また、お母様の労働時間が長時間化する傾向の時代となり、有志のアルバム委員を発足しても、制作に充てる時間が十分に取れないという問題がここ2年程で急増しています。
これらの事から「我が子の写真は手元にあるし、アルバム制作の時間が無いのであれば、いっそ作らなくていいのでは」という選択肢が生まれ、保護者への問いかけによる多数決制で「作る-作らない」を決議してる現状が多く見られます。
また、「作る作らない」の一刀両断では無く、購入希望者を募り、その応募者の部数のみ制作するというケースも多く見受けられます。
このブログをご覧になられてる方は、恐らく「アルバムを制作予定でその運営に関わる方」だと思われます。
あるいは「一部の保護者からアルバム購入、または制作を反対されてるアルバム委員の方」かもしれません。
または「昨年まで制作していたが今年から不要論が出ており困惑している」という心境の方かもしれません。
正直、私個人が「アルバムを作りましょう!」と声を大にしてアルバム不要と思われてる方を説得しようとは思いませんし、不要と思われてる方の考えを否定する権利もありません。ですが「アルバムが欲しい」「アルバムを作りたい」と思われてる方のその心意気や思想はとても大切なものであり、決して間違いでない選択であると唱えたいのです。
その想いに基づいて、卒園アルバムを「我が子に残すこと」について記したいと思います。
目次
卒アルならではの価値
卒園アルバム以外に、卒業アルバム、ご自宅で写真を収録しているアルバム、フォトブックなど多種多様なアルバムが存在します。それでは卒園アルバムがこれら他のアルバムと異なる点は何でしょうか。
それは目を見張る成長と、人格形成の基礎を作り上げたかけがえの無い年月が凝縮された記録である事に他ありません。
保育園であれば、0歳または1歳という自らは何も出来ない年代から、喜怒哀楽を伴い、人と関わる事ができる人間性が確立される年長期までの記録がまとめられたもの…それが卒園アルバムです。
単体写真とアルバムの違い
前述に「写真販売が定着し我が子の園生活はそれで事足りる」ことを、卒園アルバム不要の理由とされると記しました。
ですが、家庭にある写真は、当然ながら「我が子のみ」または「我が子中心」の写真であり、そこに関わる友だちや先生、成長を促した行事全体の景観や空気を見いだす事は難しいと思われます。
アルバムは全園児はほぼ公平の数で掲載されており、卒園生は「自分だけではない平等制」を感じることでしょう。
また、当然ながらアルバム掲載に使用の写真は「カメラマン撮影」のものだけでは無く、先生が撮影した写真、アルバム委員撮影の写真など、非売品も数多いのが事実です。
カメラマンは「個」を中心として撮影しますが、先生や保護者は「シーン」を中心とした複数の園児や、全体のシチュエーションを収める傾向にあります。
この事から保護者が手元に持つ写真だけでは、園児の「園における成長の基」を知る要素が不足してると言えます。
そして様々な写真が集まり、ページとなり、1冊の記録となる…。園での生活や行事によって成長が促される様が手に取るように再現されるのは、卒園アルバムならではのものと言えます。
デジタルとアナログ
スマートフォンの普及と進化により誰でも美しい写真の撮影が可能と言われ久しいです。
写真撮影が許されてる園では運動会、発表会、親子遠足など主要行事では、保護者のスマホやデジタルカメラに多くの写真が収められます。
「これだけ大量の写真があるからアルバムは不要」と主張される方もいるでしょう。
一家庭における写真とアルバムの相違点は前項での記載通りですが、デジタル記録は備えるべき事があります。それは「消滅の可能性がある」点です。
スマホでもパソコンでもある日突然起動しなくなる、あきらかに故障と見られる症状が続くことが、青天の霹靂のごとくやってきます。この時データ救出が出来れば良いですが、出来ないケースも多々あるのが事実です。
こまめに撮影した画像をバックアップし、それでも心配でクラウドに保存…といった几帳面な行動をされてる方ならまだしも、殆どの方が「端末に入れっ放し」の為、この非常事態で「思い出」が消滅することがあります。
スマホは炎天下にされされての高温故障、水回りに落下しての水没などのリスクを伴います。
その点「紙」は未だ優秀な記録媒体とされており、仮に日の当たる場所に置かれて色褪せても、水に掛かりコーティングが少し禿げても、全体の雰囲気は識別出来ます。
日頃からデジタルガジェットの記録を整理されてない方による「スマホにたくさん写真があるから」の発言は、思い出消失の危険と隣り合わせであると言えます。
この比較でも分かるように「紙媒体」をたばねた「アルバム」は思い出の記録としては最良と言えるでしょう。
アルバムは卒園児のもの
そもそも卒園アルバムは「卒園生を対象にし、卒園生に贈られる」記念品です。もちろん卒園生の保護者にも喜ばれる内容という概念も大切です。
卒園アルバムを持たない理由
冒頭に記した「購入希望制による未購入者」や「制作中止をせざるを得ない状況」は、ひらたく言えば「卒園生に必要無い」と判断されてると推察します。そして「価値の無いものにはお金を出せない」という思考もあるでしょう。
「制作する時間が無い」といった物理的理由はいたしかたありませんが、それ意外に
・めったに見ない
・高額出費に対する閲覧頻度の低さ
・反対派への同調圧力
などの意志もあると思います。
アルバムが無かったとして、今後月日が経過した後、「なんで卒園アルバムが私には無いの」と質問してくるお子様はいないでしょうし、生活に困ることもありません。
ですが、アルバムとはそもそも「めったに見る」ものでは無く、ある時幼稚園・保育園時代が想起され「そういえばアルバムあったな…」と手を伸ばし、ページをめくって想いを当時に馳せる…という役割を持ちます。常に目につく所に保管されていれば、その頻度は上がるでしょう。
さらに幼少の兄弟がいれば、毎日のようにアルバムを開き、自分の姉や兄を探し、同じ園に通園されていれば喜んで掲載されてる行事に共感するでしょう。
スマホ写真ではだめなのか
仮にアルバムが無い場合でも「スマホ」の写真を見て同様の感動を得るかもしれません。
ですがスマホの写真こそ日頃から頻繁に閲覧しないもの。フリックを重ねて探し出すのに時間を要し、家族で一緒に画面を見ることは出来ません。
また卒アルは単体写真と異なりドラマティックに「デザイン」が施されています。この演出で見る側の楽しさも膨れ上がり、見開きにしたアルバムを家族皆で楽しむ事ができます。
卒園生も保護者も当時を振り返る事の出来る大切な媒体、そして兄弟や後世に受け継がれてゆく我が家の歴史となるのが卒園アルバムなのです。
いざという時のために
天災等の被害による再現性
先日こういうツイートをしました。
これに続いてもう1件ツイート。
震災から8年たった今でも「当時の思い出」を求める人は多く、またその支援を継続する方の行動に頭が下がります。
思い出サルベージ活動
2011年3月11日に発生した東日本大震災。宮城県山元町は津波の被害が甚大であり、多くの世帯の思い出が波にのまれました。
その後、被災現場からは大量の写真やアルバムが回収され、山元町だけでも70万点以上に上がったそうです。
その泥まみれとなり、水で色褪せた写真を洗浄し、特定展示して持ち主を探して手元に届ける「思い出サルベージ」という活動があります。
下記の動画はその活動の一部が描かれています。
動画の後半では、写真を探しに来られた方が少しでも早く検索が出来るように回収された写真をデジタル保存しているシーンがあります。
その作業に携わった写真家の方は「写真を見ることでその当時の事を鮮明に思いだす事ができます。それが写真の一番の力」と話されています。
震災から4年が経過した頃では、その内40万点が持ち主の手に返却された事を聞くと、いかに人にとって思い出の記録が大切なのかを痛感します。
当然このような大災害での被害を想定して、写真管理をされる事は無いと思います。
ですが、写真やアルバムは「めったに見る事はないが、その存在は将来において思い出を得るための大切なもの」です。この事から「卒園アルバム」は一生の中のとても大切な記録として残すべきと考えます。
そのアルバムは、たとえ特段おしゃれでなくても、ページ数が少なくとも、中身がイマイチでも、全く問題ありません。形としてある事、それだけでも重要なのです。
不要派への投げかけ
廃止を検討中
廃止理由は制作の負担を無くすことが最多です。保護者のアルバム委員であれば
・負担があまりにも大きい↓
・風評により誰もが委員を避けたがる↓
・いっその事廃止で良い
園の先生であれば
・負担があまりにも大きい↓
・労働環境改善の必要性↓
・廃止
といった事由が主な所と聞きます。
予算的都合もあると思いますが、制作負担が廃止の一番の理由であれば、制作を業者に任せるという選択肢があります。
丸投げで業者制作とした場合、お客様の作業は「写真の選定」と「原稿確認」に限定されます。
写真選定は園児を良く知っている保護者や先生でなくては出来ないものであり、また必然と愛情を傾けながら写真を見ていく必要がある事から、業者依頼であっても「愛情を注ぐ」制作である事に間違いありません。
希望者購入制
不要を明確に唱えてる方へは、必要論で説得することはむしろ心外とされるため、その方の意志を尊重するべきと思われます。
ですが「買おうか、やめようか…」と迷われてる方には、今一度このブログで書かれてる「卒園アルバムを残すことの大切さ」をお話しされてみてはいかがでしょうか。
思い出は後からお金で購入できるものではありません。その数千円のために、将来に持って行ける思い出や記録を薄めてしまうのは、なんともいたたまれない事です。
もし、予算で折り合いが付かぬのなら、せめて形として残すことだけに的を絞り、安価なアルバムで調達するのも選択の一つでしょう。
おわりに
今回は「我が子に残したい卒園アルバム 廃止や購入希望者制に思うこと」をお届けしました。
様々な境遇があり、断腸の想いでアルバム廃止等に至った経緯もある事でしょう。これからアルバム制作予定のある方、希望者のみの購入で制作する予定の方は、その機会があるだけでも幸せなのかもしれません。
将来の我が子が、かけがえのない成長時代の記録を見た時にどのように想うか…。そんな想像力を高めてアルバムを手元に残されてはいかがでしょうか。
(2020年7月11日追記)今回の記事に関連したブログ記事がありますので、よろしければ下記よりご覧ください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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