卒園アルバム制作のヒント
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2025.1.15
卒園アルバムに”動画”を組み込もう-二次元バーコードを使った新しい演出方法
こんにちは、卒園アルバム制作メーカー キッズドン!の宗川 玲子(そうかわ れいこ)です。
今回は、従来のブックタイプの卒園アルバムに動画を組み込む新しい記録方法についてお話しします。
スマートフォンでQRコードを読み取ると動画が再生される…。
そんな魅力的な仕掛けが施された卒園アルバムが注目を集めています。
写真だけでは伝えきれない子どもたちの表情や声、動きのある思い出を、手軽に振り返ることができる画期的な方法として保育現場からの関心が高まっています。
- 動画付きアルバムの魅力とは
- QRコードを貼り付けるだけでいいの?
- 動画は何分くらいが適切?
- 保存方法は安全?長く見られる?
- 制作の手間はどれくらい?
- 費用はどのくらいかかる?
- 保護者からの評判は?
アルバムと動画のメディアミックスが生む新しい記録方法
デジタル時代に生きる子どもたちにとって、静止画と動画を組み合わせた記録はより豊かな思い出となります。
しかし、それは決してブックタイプのアルバムを否定するものではありません。
むしろ両者の特性を活かすことで、これまでにない魅力的な記念品が生まれます。
従来の卒園アルバムの課題
近年、保護者の方々から「スマホで日常的に写真を撮影している」「クラウドで共有されている」という声をよく耳にします。
こうした状況から、従来型の卒園アルバムに対して次のような課題が指摘されています。
- イベント写真中心の画一的な構成
- 日常の園生活の様子が十分に伝わらない
- 子どもたちの声や動きが表現できない
- 保護者が既に持っている写真との重複
メディアミックスという選択肢
これらの課題を解決する手段として、ブックタイプのアルバムと動画を組み合わせる手法に注目が集まっています。
アルバムをめくりながら、そこに収められた写真が動き出す瞬間は子どもたちの心に強く残る体験となります。
スマートフォンで手軽に閲覧できる利点
現代の保護者にとって、スマートフォンは最も身近なデバイスです。
アルバムを見ながら、その場で動画を再生できることは、思い出を共有する新しい形として受け入れられています。
特に、祖父母の方々との思い出共有の際に効果を発揮します。
家族で集まった時に「このシーンを動画で見てみよう」という自然な会話が生まれ、世代を超えたコミュニケーションのきっかけとなっています。
このようにブックタイプのアルバムと動画の連結は、単なる技術的な進歩以上の価値を生み出していると言えます。
次の章では具体的な動画の組み込み方について解説していきます。
動画をアルバムに組み込む3つの方法
アルバムに動画を取り入れるにはいくつかの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、園や保護者の方々の状況に合わせて選ぶことが大切です。
動画の扱い方一つで思い出の残し方が大きく変わってきます。
二次元バーコードによる動画リンク
アルバムの各ページに二次元バーコードを配置する方法です。
編集済動画をYoutubeなどの動画配信サイトにアップロードし「URLを知る人しか閲覧できない」限定公開設定にします。
そのURLを二次元バーコード(代表的にはQRコード)化してアルバム紙面に掲載する手法です。
先生からのメッセージページや運動会のシーンなど、動きのある場面に設置することで、その場で動画を見ることができます。
アルバム紙面への配置のポイントとしては、
- 写真を邪魔しない位置に設定
- 読み取りやすい大きさを確保(2cm四方が目安)
- 白地の余白部分に配置が理想的
などが挙げられます。
二次元バーコードの作成
バーコードの作成はとても簡単です。
今回「QRのススメ」というサイトを紹介します。
Youtubeなどの動画配信サイトから発行されたURLを「QRのススメ」の「さっそく作る」と書かれた窓にペーストします。
瞬時にQRコードが出来上がり、ダウンロードされた画像ファイルをアルバムに配置するだけです。
動画配信サイト利用は管理方法が課題
アルバムのQRコードを読み込み、即動画配信サイトの動画が流れる…
最も簡易的で扱いやすい方法ですが、問題はこの動画サイトのアカウントを「誰が」「いつまで」管理するかになります。
本来であれば未来永劫に記録として残しておきたいところですが、それは不可能に近いと言えます。
このため、動画配信サイトでの閲覧ができる期限は「3ヶ月」などとスパンを区切り、それ以降は次に紹介する方法で動画を見ることをお勧めします。
USBメモリーやSDカードでの提供
アルバムとメディアをセットにして配布する方法です。
デジタル機器に不安のある方でも扱いやすくパソコンやテレビで見る際に手軽です。
この方法のメリットとしては、
- インターネット環境が不要
- 長期保存に適している
- 家族で大画面視聴がしやすい
クラウドストレージを利用した配信
スマートフォンやタブレットでの視聴に適した方法です。
二次元バーコードを読み取ると、クラウド上の動画にアクセスできます。
長期保存を見据えたダウンロード方式の提案
クラウドストレージでの共有は便利ですが、将来的なデータ消失を防ぐため、動画のダウンロードを推奨しています。
園からの案内で以下の点を保護者の方々にお伝えすることをおすすめします。
- 動画は必ずダウンロードして保存
- 複数の保存場所を確保(スマートフォン、パソコン、外付けハードディスクなど)
- 可能であれば定期的なバックアップの習慣化
クラウドも動画配信サイトと同様の課題が
前述した「動画配信サイト」のアカウント管理と同様、クラウド保管も「誰が」「いつまで」管理するか課題が残ります。
このことからダウンロードをしてローカルデバイスに残す、USBメモリーなどにバックアップを取るなどの方法が最も堅実的と言えるでしょう。
どの方法を選ぶにしても、子どもたちの成長を記録する大切な思い出です。
保護者の方々の利用環境や、園での管理のしやすさを考慮して決めていくことが望ましいといえます。
次の章では、アルバムに組み込む動画の制作ポイントについて詳しく解説していきます。
動画コンテンツの制作ポイント
動画制作は難しそうに感じるかもしれませんが、あまり気負わずに始めることが大切です。
子どもたちの様子を記録した写真と動画があれば、工夫次第で魅力的な作品に仕上がります。
お勧めの制作アプリ
動画編集をスマホで行う場合、次のアプリが人気です。
PowerDirector
スマホだけで多種多様な編集ができる本格的アプリ。そして初心者にも使いやすい設定がされています。
Canva
ブックタイプの卒園アルバム制作にも適してることから、キッズドン!では何度も「オンライングラフィックツールCanva(キャンバ)」を紹介しています。
そのキャンバには動画編集機能も搭載しており、非常に使い勝手が良く、かつ初心者向けになっています。
iMovie
I-Phoneをお持ちであれば標準搭載のiMovieで全ての動画編集がこと足ります。
(※各アプリのダウンロードは個人の責任に於いて実施いただきますようお願い申し上げます。)
1テーマあたりの適切な再生時間
動画の長さは視聴者の集中力に大きく影響します。
保護者会や謝恩会での上映、家庭での視聴など、様々な場面を想定して時間を設定しましょう。おすすめの再生時間としては、
- 全体で10分程度が理想的
- 1つのテーマごとに2分から3分
- 写真スライドショーは1枚あたり4秒から5秒
長すぎる動画は、視聴者の関心が途切れやすくなります。
短めの動画を複数本用意するなど見る側の立場に立った構成を心がけましょう。
長尺動画が必要な場合もあり
例えば上の動画にような先生からのメッセージや個人プロフィールを園児に語ってもらう場合と、その他のイベント動画を合わせると、あっという間に20〜30分に達してしまいます。
ですが、これらの内容は時間の問題ではなく「必要不可欠」であるジャンルとなるため、長尺をあまり気にする必要はありません。
視聴者は「だらだら」が苦手
避けたいのは「だらだらと見せること」です。
定点位置撮影で創作ダンスをはじめから終わりまで見せる、発表会でのオフショットが延々と続くなどがその一例です。
どうかご留意の上編集計画をお立てください。
写真と動画の使い分け方
全てを動画にする必要はなく、写真と動画それぞれの良さを活かした使い分けがポイントです。
動きのあるシーンは動画で
以下のようなシーンは、動画での記録がおすすめです。
- 運動会の小グループ単位での競技や演技
- 生活発表会の名場面
- 先生からのメッセージ
- 友だちと交流する園庭での遊び
個人にフォーカスするものではなく「その時の雰囲気」を収めるのに動画は適しています。
また「特徴のある仕草」「声を発するもの」「連続する笑顔」などの表現にも向いています。
集合写真は静止画で
次のような場面は、写真での撮影が効果的です。
- 子どもたちの笑顔のアップ
- クラス全員での記念撮影
- 行事ごとの集合写真
- 作品展示の様子
じっくりとアップで見せたい「個人の笑顔」などは写真が効果的です。
この際「ゆっくりとズームアップ」していく効果(iMovieでは“Ken Burns効果”)を写真に与えると、動きが加わり印象的になります。
このような動画に「効果」を与えることをエフェクトと言いますが、これを特集したブログ記事がございます。
写真は「その瞬間を切り取る」ことができ、動画は「動きや声を伝える」ことができます。
両者の特徴を理解して、場面に応じた使い分けを行うことで、見る人の心に残る思い出作りができるでしょう。
次の章では、実際の動画とアルバムを組み合わせた演出例を紹介していきます。
動画とアルバムの連携演出例
ここでは、実際の園行事や日常生活での具体的な演出例をご紹介します。
運動会シーンでの活用方法
運動会は写真だけでは伝えきれない感動がたくさんあります。
アルバムのページをめくりながらそのシーンの動画を見られるような工夫をします。例えば、かけっこのシーンでは、
- アルバム写真:スタートとゴールの瞬間を大きく配置
- 動画:スタートからゴールまでの一連の流れを収録
- アルバム:動画の二次元バーコードを写真の近くに配置
生活発表会での実践例
合奏・合唱や劇など、子どもたちの一生懸命な姿を残すのに最適な行事ですが、定点位置一箇所での長尺撮影をそのまま動画にすると、見る人が退屈に感じます。
次の点に留意することをお勧めします。
- 基本「全体の流れは各家庭で記録」している
- ハイライトシーンのみを採用
- 全体を通して動画を作成したい場合は「各シーン10秒以内」のダイジェストで
つい制作する側は「感動をあますことなく全部」と構想しがちですが、見る側にとってはポイントだけ押さえてあれば満足されるものです。そして記録するポイントとしては、
- 通し稽古の様子は動画で
- 衣装を着た記念写真はアルバムに
- 本番での演技は動画で
- 終演後の笑顔は写真で
などが一例となります。
日常の園生活の切り取り方
運動会や発表会といった行事以外にも、園生活には記録したい場面がたくさんあります。
普段の遊びや給食の時間など何気ない日常も大切な思い出です。
むしろこれらの「日常」は保護者が立ち入れない領域であることから、運動会のようなビッグイベントよりも記録としては貴重になります。
- 食育での初めての包丁料理
- 園庭で思い出に残りそうな遊具での遊び
- 読み聞かせシーン
- リトミックなどの特別授業
などがその一例となります。
先生からのメッセージ
動画で残したいトップシーンと言えば「先生からのメッセージ」でしょう。
仮に10年または20年後にこの動画を見た時、子どもたちは「自分の礎を築いてくださった方」からの言葉として大きな感銘を受けるに違いありません。
写真や文章では伝えきれない先生の声や表情を、動画で補完することができます。
メッセージ収録としては下記のようなものが挙げられます。
- 先生の表情がよく見える位置で撮影
- 明るい自然光の入る場所を選ぶ
- 園児との思い出話を交えて語ってもらう
- アルバムにはメッセージの一部を文字で掲載
ですが、先生にこの出演をお願いするのはハードルの高い課題と心得ておいた方が良いでしょう。
- 多忙で時間が取れない
- 動画で撮影されること自体が苦手な先生もいる
- メッセージを読む際の台本作成の問題
- 撮影時に使用するカンニングペーパーの準備
など、とにかく想定以上に「時間」がかかるのです。
この演出を実際に経験された先生は「カメラの前に座ってレンズをみつめ“よーい、スタート!”でしゃべり始めるのが苦痛だった」と感想を述べられました。
この撮影方法ですと「NGを出しちゃいけない」「どんな風に私は撮られているのだろう」といったストレスが生まれ、かえってうまく喋れなかったと聞きます。
これの対応策として「インタビュー形式」があります。
保護者の1名が「Aちゃんの特徴はどんなところですか?」という問い掛けをし、事前にメッセージを用意していただき、ある程度頭に内容を記憶してる先生から、回答をいただきます。
後に「インタビュアー」の部分をカット編集して使用するというものです。
自然体のいつもの先生を撮影することができて好評だったと聞きます。
ブックタイプアルバムの写真を大幅に削減
見る方に喜ばれるブックタイプの卒園アルバム作成のポイントの一つとして
というものがあります。
人は数多くのものを一度に見せられても、結局記憶に一つも残らないという特徴があり、反対に数点のものであれば注目度が高まることから印象に残ると言われています。
せっかく「動画」を連携するのですから、ここは思い切って1ページあたりに掲載する写真をできるだけカットして、カットされた写真は「動画のスライドショー」で見せるといった方法も検討すると良いでしょう。
ひと昔前の「詰め込むだけ詰め込む」アルバムは、この現代に受け入れ難いものがあります。
「私がアルバムをもらう立場だったらどう感じるか」
の想像力を巡らせて、ぜひ最良のコンテンツ制作をされてください。
写真点数について解説したブログ記事がございます。併せてご覧ください。
最後に、私どもキッズドン!が提供している動画アルバムについて触れさせていただきます。
おもいでアルバム ザ・ムービーの活用
動画とアルバムの組み合わせをより効果的に実現する手段として、キッズドン!の「おもいでアルバム ザ・ムービー」をご紹介します。
写真選びから動画編集、アルバム制作までをトータルでサポートする仕組みとなっています。
4本の短編動画制作の特徴
卒園アルバムを動画化する際、1本の長編作品にするのではなく、複数の短編に分けて制作するのがポイントです。
おもいでアルバム ザ・ムービーでは、10分以内の動画を4本制作することで、視聴する側の集中力を保ちながら、様々な角度から思い出を振り返ることができます。例えば、
1.卒園生の紹介をテーマにした動画では、一人一人の園での様子や将来の夢を語るシーンを収録。
2.保育園での一日を切り取った動画では、登園から降園までの子どもたちの様子を時系列で構成。
3.春夏秋冬のハイライト動画では、季節ごとの行事や活動を凝縮して表現。
4.そして先生からのメッセージ動画では、日頃の感謝の気持ちを込めた言葉を収録する
といった具合です。
それぞれの動画は独立した作品でありながら、4本を通して見ることで園生活の全体像が浮かび上がってくるような構成となっています。
また、動画は納品後に保護者の方がカスタマイズすることも可能です。
例えば、お気に入りの音楽に差し替えたり、コメントやナレーションを追加したりと、オリジナリティのある作品に仕上げることができます。
インデックスアルバムとの連携
本サービスのもう一つの特徴が、動画で使用した写真を再構成したインデックスアルバムです。
これは単なる写真の羅列ではなく、動画のシーンに合わせて効果的にレイアウトされた見応えのある作品となっています。
動画で使用した写真の効果的な再構成方法
インデックスアルバムは、動画のバックアップとしても機能します。
例えば、スマートフォンやパソコンの故障でデータが消失してしまった場合でも、アルバムがあれば思い出を振り返ることができます。
また、アルバムの各ページには二次元バーコードが配置され、写真と動画を行き来しながら楽しむことができる仕組みとなっています。
園児や生徒の紹介ページには、動画でのインタビューシーンの静止画とともに、アンケートで答えてもらった「好きな給食メニュー」や「将来の夢」などの情報も掲載。
このように、動画とアルバムを組み合わせることで、それぞれの良さを活かしながら、より豊かな思い出作りを実現することができます。
また、制作に関わる負担を軽減できることも本サービスの大きな特徴と言えるでしょう。
思い出をみんなで楽しむ
ここで制作された動画は「卒園アルバムとして各ご家庭で楽しむ」ものでありつつ、もう一つ活用できることがあります。それは、
という楽しみ方です。
卒園式内、または終了後に保護者や先生も含めて「上映会」を開催する、スマホにダウンロードした動画を大画面テレビにキャストして家族みんなで見る、園の説明会のプレゼンコンテンツに流用など、様々な活用事例があります。
卒園・卒業という大切な節目に、子どもたちの成長を様々な形で記録に残す。
そんな新しい思い出作りの形としてぜひご検討いただければと思います。
このサービスについては、よろしければ下のバナーより特別サイトに移動のされてご覧ください。
おわりに
卒園アルバムの形は、時代とともに変化を続けています。
スマートフォンの普及により、日常的に写真や動画を撮影できる環境が整い、それらを活用した新しい記録方法が生まれています。
動画とアルバムを組み合わせることで広がる可能性は私たちの想像以上です。
運動会での力走する姿、発表会での堂々とした演技、給食時間の笑顔あふれる様子など、写真だけでは伝えきれない子どもたちの成長を、より立体的に残すことができます。
また、スマートフォンで手軽に動画を見られる仕組みは、家族で思い出を共有する新しい形を作り出しています。
アルバムをめくりながら「このシーンを動画で見てみよう」という会話が生まれ、世代を超えたコミュニケーションのきっかけともなっています。
写真と動画、それぞれの特徴を活かしながら、子どもたちの成長を多角的に記録に残す。そんな新しい卒園アルバムのスタイルとして動画との組み合わせを検討されてはいかがでしょうか。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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