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2024.12.8
卒園アルバム制作業者泣かせのちょっと笑える『あるある』シーン10選
こんにちは、卒園アルバム制作メーカー”キッズドン!”の宗川 玲子(そうかわれいこ)です。
13年間卒園アルバムのデザインと製本印刷に携わってきた中で、時折「あれっ?」と首をかしげることがあります。
そんな業者泣かせの『あるある』シーンを、今日は少しユーモアを交えながらご紹介したいと思います。
でも今回のお話しは決してお客様を責めているわけではありません。
むしろ「そうなりますよね」という気持ちの方が大きいのです。
早速紹介していきましょう。
- アルバム制作で業者が困ることってどんなこ?
- なぜ写真は大きいサイズが必要なの
- おまかせコースでデザイン変更できない理由は
- アルバム制作でよくあるトラブルの予防法は
- データの送り方で気を付けることは
目次
なぜ『あるある』を紹介するの?
卒園アルバム制作はお客様にとって初めての経験であることがほとんどです。
そのため「こうすれば良かったな」と後から気づかれることも少なくありません。
このブログでは、業者が(ちょっと)困る場面をご紹介することで、これから制作依頼をされる方の「あっ、気をつけなきゃ」というヒントになれば良いなと思い書いています。
『あるある』の裏には理由がある
時々「なんでこんなことを…」と思ってしまうことでも、お客様からすれば「知らなかった」「気づかなかった」という背景があるものです。
お客様の環境が昔とは違う
スマートフォンが主流となった今、パソコンでの作業に不慣れな方が増えています。
また写真をSNSで共有する機会が増え、画質や解像度を気にされない方も多くなってきました。
業者からの説明不足も一因(反省)
私たち業者も「ご存知で当たり前」という先入観念があり説明を省いてしまうことがあります。
「知っているはず」と思い込んでいた情報が、実はお客様にとって新しい内容だったということも…。
これから紹介する10の『あるある』シーンは、どれも思わずクスッと笑ってしまうような出来事ばかりですがその背景には必ず理由があります。
その理由を知ることで、よりスムーズな制作進行につながればと思います。
1.写真送付時の『あれれ?』
メールの受信トレイを開くと「1/35通」「2/35通」…と延々と写真が送られてくるシーン。
思わずため息が出てしまいますが、こんな送り方になってしまう理由を見ていきましょう。
オンラインストレージ使用のハードル
デジタルカメラで撮影した写真をパソコン(またはスマホ)に取り込み、オンラインストレージにアップして共有する…。
私たちにとっては当たり前の作業ですが、普段からパソコンに触れる機会が少ない方にとっては想像以上にハードルが高いものです。
スマホユーザーならではの発想
スマホでLINEを使う感覚で「1枚ずつ送ればいいんでしょ?」という考えになるのも無理はありません。
むしろ丁寧に1枚1枚確認しながら送ってくださっているお気持ちが伝わってきます。
ですがこの送付方法ですと「万が一の取得漏れ」「ダウンロードに費やす時間的負担」があり、出来ればフォルダにまとめて収録し、圧縮zip形式に変換して送付いただくことをお願いしています。
オンラインストレージで写真を送る
私どもが理想としている写真送付は、前述にも記した「オンラインストレージ」を介しての方法です。
「ギガファイル便」や「ファイヤーストレージ」といったサービスサイト名をご存知の方もおられましょう。
送付方法はとても簡単です。
- 1.写真を一つのフォルダにまとめて入れる
- 2.1.のフォルダを「圧縮zip形式」に変換
- 3.オンラインストレージをブラウザで開き2.の圧縮ファイルを選択
- 4.送信完了後に発行されるURLを業者にメールで通達
業者はご連絡いただいたURLにアクセスし、画像をダウンロードするといった流れです。ぜひご活用ください。
コラム:「反省です!」- Mさんの後日談
「35枚の写真を35通のメールで送ってしまい、後からキッズドン!の制作スタッフの方から『さぞ大変だったでしょう』と声を掛けられました。送信ボタンを35回も押していた私も実は大変だったんです(笑)。今思えばギガファイル便など、まとめて送れる方法を聞いておけば良かったなぁと。でも、その時はそんな便利な方法があるなんて思いもしませんでした。」
2.小さすぎる写真サイズの謎
「せっかく素敵な写真なのに…」と思わずつぶやいてしまうほど小さいサイズの写真。
アルバムに使用するには心もとない画質に業者は頭を抱えてしまいます。
写真サイズが小さくなるつの理由
真サイズが小さくなってしまう原因は主に次の5つです。
- カメラの画質設定が最小になってる
- SNSにアップした写真を保存し直して送る
- スマホの容量節約設定が自動的に働いている
- メール送信時に自動で圧縮される
- スマホアプリで加工後書き出した画像を送付
サイズが小さいとどうなる?
印刷用の写真は、画面で見る時よりもはるかに高い解像度が必要です。
例えば、スマホの画面では綺麗に見える写真でも、A4サイズに引き伸ばすと、ぼやけてしまったり、ギザギザが目立ってしまったりすることがあります。
できるだけ元のサイズが大きな写真を送っていただけると私たち業者は嬉しく思います。
コラム:「まさか綺麗じゃないなんて…」- Yさんの後日談
「スマホの画面で見るとすっごく綺麗な写真だったのに、プリントすると画質が荒くなってると指摘されました。私の中では『デジタルデータだから、どう使っても同じクオリティ』って思い込んでいて…。業者さんに『スマホの画面サイズと印刷サイズは違うのです』と教えてもらって、やっと理由が分かりました」
スマホやスマホアプリに潜む落とし穴を解説したブログがございます。
3.突然の画質劣化に困惑
2.小さすぎる写真サイズの謎と重複する部分があるのですが、とても大切な内容なので「画質劣化」を改めて挙げました。
スマホ画面でピンチインをして写真の高精細であることを確認したお客様。
「元々はキレイな写真だったのに…」。受け取った写真データを開いてみるとなぜかモヤモヤとしたような画質に。
これはなぜ起こったのでしょうか?
それはSNSや写真加工アプリを通過したことが理由のトップになります。
SNS経由の写真はなぜ劣化する?
LINEやInstagramなどのSNSで共有された写真は自動的に圧縮処理が行われます。
これは通信量を抑えるための仕組みなのですが、アルバム制作には大きな影響を与えます。
よくある劣化パターン
- LINEでやり取りした写真を保存
- InstagramやFacebookからダウンロード
- スクリーンショットで保存
- メール設定で自動で圧縮される
- スマホアプリで加工後書き出した画像
画質を保つ3つのポイント
できるだけ元の画質を保ったまま写真を送っていただくために、以下のポイントを意識していただけると嬉しいです。
- カメラやスマホで撮影した写真を直接送付
- オンラインストレージを使用する場合は画質圧縮設定をOFF
- 画像編集アプリを使う場合は、高画質で書き出し
- アプリで高画質出力がない場合は使用しない
コラム:「まさか劣化するなんて…」- Mさんの後日談
「みんなで共有しているLINEグループから写真を保存して送ったら『画質が粗くて使えません』と連絡が。元々は高画質な写真だったのに、LINEを経由しただけでこんなに劣化するなんて驚きました。今では撮影データを直接送るようにしています」
写真画質の改善について解説したブログがございます。よろしければご覧ください。
4.お客様情報の不備で困惑
「サンプルアルバムを送付したいのですが…」と電話口で困惑するキッズドン!のスタッフ。
メールをのぞくとそこには電話番号とお名前だけ。肝心の送付先住所が書かれていません。
あれ?住所って書いてなかったっけ?
キッズドン!のお問い合わせフォームにおける「住所欄」は「必須」になってるのですが、住所記載が途中であってもクリアしてしまいます。
ここで良くあるのが「番地まで記載がない」。入力したおつもりだとは思いますが、恐らく日頃自動入力に慣れてるが故のミスだったのでしょう。
そして直接「代表メールに」にご依頼いただく際の「住所完全記載漏れ(笑)」。
こちらから「申し訳ございません、住所を教えていただけますか?」と電話でお願いすると「あ!住所書いてませんでした!」と笑い声で返ってくることも…。
急いでいるあまり基本的な情報を書き忘れてしまうことは誰にでもあるものです。
5.アナログとデジタルの狭間で
全く悪気のないアナログ派のお客様は、何か現代のデジタル全盛時代に「ほっと安心できる」存在です。
FAXで送られてくる文字情報
「ピロリロリロ…」とFAX着信音が鳴り送られてきたのは手書きの文字情報。
かわいらしい文字で「たのしかった園での毎日」「はじめてほうちょうを持ったよ!」「お別れ遠足 at 江ノ島水族館」など、行事や生活を楽しむ園児の姿が目の前に浮かびます。
ですが、アルバムに掲載する文字はデータでいただく必要があるんです。
なぜデータが必要?
1番は「誤植(文字が誤っていること)防止」です。
お客様からデータ(メモ帳やテキストエディターに入力)でいただければ、それをコピー&ペーストして使用できます。
このことからお客様には「入力されたテキストデータに誤りがないかを入念に確認」いただくようお願いしています。
コラム:「手書きが一番!と思っていました」- Nさんの後日談
「私、字を丁寧に書くのが得意で、FAXなら手書きの温かみも伝わると思ったんです。まさか文字を1文字ずつパソコンに打ち直すなんて…。後からスタッフの方に『手書きの内容を再入力すると間違いのもとなんです』と教えていただき、なるほど!と納得。以来、パソコンが苦手でも、スマホでメール入力するようになりました」
6.予算交渉での困りごと
「もう少し値引きできませんか?」「他社さんはもっと安いみたいです」。
お客様からの価格交渉はありますが、ちなみに私どもは値引きには一切応じておりません。
強引な値引き要請にちょっとため息
アルバム制作には、実は目に見えない多くのコストがかかっています。
例えば、写真の画質補正や色調整、デザインワーク、校正作業など。
現在では製本に使用する「紙代」と印刷に使用する「インク代」が高騰し、業者としても限界まで利益を下げて対応しています。
そして何よりお客様の大切な思い出を形にする責任があります。
コラム:「今思えば無理な要求でした」- Tさんの後日談
「最初は『写真を並べるだけでしょ?』って軽く考えていて、値引き交渉していました。でも完成品を見て驚きました。写真画質が綺麗に整えられていて、デザインレイアウトも素敵で。後からスタッフの方に『1ページにどれくらいの工程があるか』を教えていただき、自分の認識の甘さを反省しました」
7.デザイン変更依頼の板挟み
お客様から写真をお預かりして、私どもキッズドン!がデザインレイアウトを行う「おまかせコース」という制作プランがあります。
このコースには規約が設けられていて「デザイン指定不可、完成した原稿のデザインレイアウト変更不可」など「いたしません」項目が細かく取り決めされております。
ご成約の際、この規約事項にご承諾をいただくのですが、それでも「ここの写真をもう少し大きく」「背景の色を変えて」など修正要望をいただくことがあります。
ですが私どもとしては様々な理由からこのご依頼を承っておりません。
なぜデザイン変更を断るの?
デザイン変更をお断りする理由にの一例を紹介します。
- デザインの一貫性が保てなくなる
- 修正の繰り返しで納期に影響が出る
- 変更の度に品質が低下するリスク
- 他のお客様との公平性の観点
- 制作工数オーバーによる利益圧迫
現在私どもキッズドン!が提示してる「卒園アルバム料金」はアルバム代と制作費用の合算金額です。
例えば「ハードカバーフルフラットスタンダード24ページ」は1冊7,980円です。10冊のご注文で79,800円ですが、一般的なグラフィックデザイン会社に24ページ分のアルバムデザインを依頼した場合、恐らくこの金額でも受けていただけないでしょう。
私どもとしては、できるだけ多くの方がお求めいただける料金として提示していることから、これ以上の値引きに応じることは心苦しくとも出来かねることをご理解いただければと思います。
コラム:「任せて正解でした」- Wさんの後日談
「代表者から規約のことを聞かされていなかったことから、写真を送付した段階で『こうしたい、ああしたい』とたくさんの要望を出してしまいました。制作スタッフの方から『おまかせコースの規約とその理由』を丁寧に説明していただき要求は全て撤回に。出来上がったアルバムは、私の想像以上の出来栄えでした。プロにお任せして本当に良かったです」
お客様がどのような理由で「おまかせコースを選んだのか」を紹介しているブログがございます。
8.スマホ校正での危険性
「校正確認完了です!」とご連絡をいただいたものの、納品後に「名前が間違っています」と指摘を受けることがあります。
お客様はスマホでの校正作業を行なっていたのですが、そこには大きな落とし穴が潜んでいます。
小さな画面で見落とすリスク
通勤電車の中や家事の合間など、スキマ時間でサクッと校正確認をしたい気持ちはよく分かります。
でも全体を俯瞰して見ることができないスマホの小さな画面では、以下のような見落としが起きやすいのも事実です。
- 漢字の細かい違い(「斉」と「斎」など)
- 句読点の位置
- スペースの数
- 他のお客様との公平性の観点
- 文字の詰まり具合
特に要注意な個人情報
園児の名前や誕生日など、個人情報の校正は特に慎重にお願いしたい部分です。
もし間違いがあった場合、修正シールでの対応となり、修正対象者の保護者の方が「修正後に再度印刷」を要求されるケースもあります。
再印刷の場合、請求額が2倍となるため余分な費用負担と時間がかかってしまいます。
個人情報の確認は「数人で」「何回も」を鉄則とさて作業をお願いしています。
コラム:「反省しきりです」- Yさんの後日談
「通勤電車でさっと確認して『OK』を出したんです。でも後から『娘の名前の漢字が違う』と気づいて焦りました。結局シール対応することになり余計な手間とコストをかけてしまって…。今思えば、パソコンやタブレットなど大きな画面でじっくり確認すれば良かったなと反省しています。」
9.コミュニケーション不足による停滞
多忙な毎日を送るお客様にとって、業者からの確認問い合わせは何かとわずらわしいものです。
恐縮しつつもメールや電話で連絡を取るのですが、全く進展がないと当方も不安になってきます。
返信が途絶えるとヒヤヒヤ
「この写真の解像度が低いのですが、別の写真はありませんか?」「掲載する文字の確認をお願いできますか?」。このような確認メールを送っても、なかなかご返信をいただけないことがあります。
お客様とのやり取りが遅れると以下のような影響が出てきます。
- 制作スケジュールの遅延
- 品質面でも妥協が必要に
- 確認事項が累積しお客様の負担が増加
制作はキャッチボールのような作業です。
お互いにタイムリーなコミュニケーションを取ることでより良い作品に仕上がっていきます。
コラム:「返信忘れで大変でした」- Sさんの後日談
「仕事が忙しくて確認メールをずっと後回しにしていました。『まぁ、あとでいいか』って。気づいたら1週間も経っていて、制作に影響が出そうだと慌てて返信したんです。スタッフの方は『お急ぎですよね』と心配してくださって…。以来、メールチェックは毎日の習慣にしています」
10.推奨点数オーバーの写真送付
「1ページあたり25点までを推奨」とご案内しているにも関わらず、50点以上の写真が送られてくることも。
コップから水が溢れるように、原稿紙面から思い出が溢れだしています。
ご承知いただきたい点として、写真が多ければ多いほど良いアルバムになる…とは限らないということです。
なぜ25点までなの?
写真の点数制限には理由があります。
- 1枚1枚の写真の良さを引き立てるため
- 見やすいレイアウトを実現するため
- ページ全体のバランスを保つため
- 最小写真サイズでも表情を認識できる
多すぎる写真のデメリット
写真が多すぎると、かえって以下のような問題が発生します。
- 個々の写真が小さくなりすぎる
- 大切な瞬間が埋もれてしまう
- ページが雑然とした印象に
- 見る人の目が疲れる
コラム:「少ない方が良かった!」- Nさんの後日談
「とにかく思い出をたくさん残したくて、運動会のページだけで60枚も送ってしまいました。でも出来上がりを見て、確かに写真が小さすぎて表情まで分からない…。スタッフさんの『ベストショット25枚で十分です』という言葉の意味がやっと分かり、その次からは大幅に点数を減らしてお願いしました。」
おわりに
10の『あるある』シーンをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
どのシーンも、決して特別なことではありません。むしろ、初めての経験だからこそ起こりがちな出来事ばかり。
私たちもそんなお客様の気持ちに寄り添いながら、より良いアルバム作りのお手伝いをさせていただいています。
これから卒園アルバムの制作依頼を考えていらっしゃる方は、このブログが少しでもお役に立てば嬉しく思います。
最後に、このブログに登場してくださった方々は、みなさん後から「いい思い出になりました」と笑って話してくださいます。
そう、困ったこともいつかは楽しい思い出に変わります。
どうか物おじせずに、楽しい卒園アルバム制作に飛び込んでください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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