卒園アルバムのつくりかた
BLOG Archive
- 卒園アルバムTOP
- 卒園アルバムのつくりかた
- 卒園アルバムの先生ページはテンプレートを参考に計画しよう
2022.7.9
卒園アルバムの先生ページはテンプレートを参考に計画しよう
大なり小なり 先生紹介ページ は卒園アルバムになくてはならないページです。
あなたが作ろうとしている先生ページは、どんなデザインをイメージしてますか?
理路整然と個別の写真が並ぶスタイルや、全員集合の1枚写真のみのデザインなど色々な見せ方があり、その見せ方はページ数や先生の意向と擦り合わせによって決まります。
そして思いのほか手間が掛かるのも先生ページの特徴。
今回は、先生ページの制作を効率良く進めるポイントと、デザインテンプレートを用いての表現方法の紹介をしていきます。
- テンプレートが見てみたい
- 名前の表記の仕方は?
- 全員載せるべきなのか
- メッセージを一緒に載せるべき?
目次
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
今回は先生紹介ページについてお話しします。
記事の流れとしては
- 検討する内容
- テンプレートの紹介
の順に進めてまいります。初めは、先生ページを作成する上で「検討するべき内容」についてです。
検討する内容
先生ページのデザインは「大きな(くく)括り」から「小さな括り」に向かって内容の検討をするのが通例です。
大きな括りとは「使用できるページボリュームの検討」など、小さな括りとは「氏名表記はひらがなか漢字か」といった細部の決め事を示します。
この検討の順番が逆になると、理想としていたデザインを実現できないといった結果を招くため、注意が必要です。
検討順序としての一例は下記のような感じです。
- 1.先生ページに割くページボリュームの決定
- 2.写真は集合かクラス単位か個別か
- 3.メッセージをいただくか
- 4.写真は提供いただくか新撮か
- 5.氏名はフルネームかペンネームか
- 6.メインタイトル
それでは順を追って解説いたします。
1.先生ページに割くページボリュームの決定
先生ページのボリュームの考え方は、大きく分けて次の2通りとなります。
- 1.お世話になった感謝の意と恩師の記録として、行事ページより優先して紙面を割く
- 2.できるだけ多くの「園児の写真」を載せたいため、先生ページに大きな紙面は割かない
全体のページ数も上の内容に関係してきます。
例えば24ページや36ページの多ページ仕様では、上記のいずれかを公平に検討できますが、8ページや12ページの少ページ仕様ですと、おのずと先生ページは小型化せざると得ない状況となります。
余談ですが、過去2年間のコロナ禍でのアルバム制作では、行事の中止が相次いだ影響により、ページ構成の変更を余儀なくされ、12ページ仕様でも先生に6ページを割いたケースがあります。
傾向としては、行事ページを中心に構成し、余裕のできたページ数で先生分を制作する。時が経過し行事に変更が生じてページに余りが出た場合、先生ページを増量するといったやり方が顕著です。
2.写真は集合かクラス単位か個別か
写真掲載には次の3通りがあります。
- 1.先生全員による集合写真
- 2.卒園時期におけるクラス単位写真
- 3.個別写真
掘り下げてみましょう。
1.先生全員による集合写真
先生用に割けるページが1ページ、もしくは半ページ程度の場合に多く見られる掲載方法です。
大型の集合写真が掲載され、写真下に氏名がずらーっと掲載されているデザインになります。
この集合写真、実は撮れそうでなかなかそのチャンスが無いという問題を抱えます。
先生が(ほぼ)全員揃う場はどんな時でしょうか。
一番のチャンスは卒園式、二番目は発表会と言われています。
卒園式にアルバムを渡す予定であれば、このタイミングは狙えませんが、卒園後納品であれば、卒園式撮影を特にお勧めします。理由として
- 1.フォーマルスタイルのため衣服が気にならない
- 2.女性職員の場合メイクも普段以上に心がけている
- 3.晴れの場のため笑顔になりやすい
などが挙げられます。
2.卒園時期におけるクラス単位写真
クラス単位のグループ写真で構成する方法です。概ね次のような区分が主流です。
- 園長先生含む「事務室」
- 年少
- 年中
- 年長
- 一時預かり
- 早朝延長保育士
- フリー
- 給食室
- 用務・ドライバー
- 保健師
このケースに限らず全ての写真撮影のポイントとも言えるのですが、園児は下記2つの雰囲気のうちどちらを好むでしょうか。
- 1.直立不動での記念撮影スタイル
- 2.ポーズを決めたり顔芸をする「弾けた」スタイル
言わずもがなですが、これは圧倒的に「2」の 弾けたスタイル でしょう。
弾けた雰囲気で写る先生こそ、自分たちが長年見てきた本当の先生の姿だからに他なりません。
ポーズや顔芸のほかにこんな仕掛けも好評を得ます。
- 先生お気に入りの「園の場所」を背景に撮影
- 園児が親しんだ「おもちゃ」を両手に持ってポーズ撮影
- 手を広げて口元にあてがい、吹き出しをセットして「一言メッセージ」
- 花を手に持って「花言葉で祝福の言葉」
いずれも先生の園児に対する愛情が伝わってきます。
先生が協力いただけるのであれば、このような一工夫を相談されてはいかがでしょうか。
3.個別写真
先生一名づつを撮影し、卒園生紹介ページのような体裁で並べてレイアウトする方法です。
長所短所は次の通りです。
- オーソドックスで一般的である安心感
- デザインを多く必要としないため制作の面で作りやすい
- 先生を公平に掲載することができる
- 固い雰囲気となり面白みに欠ける
- 撮影に時間が掛かる
- 単体撮影は複数名撮影より緊張感が増して笑顔が作りにくい
- 全員掲載の場合それなりの紙面を割く必要がある
ここまでは3種の写真掲載の方法についてご案内しました。
3.メッセージをいただくか
先生からのメッセージは、いつまでも心に響く大切な記録であることは言うまでもありません。
卒園アルバム以外に「卒園文集」制作の予定が無い場合、出来れば一言で構わないのでメッセージを頂戴したいところです。
そしてメッセージには次のような仕様があります。
- 担任から園児個々に向けた個別メッセージ
- 担任から卒園生一同に向けたメッセージ
- 各先生から卒園生一同に向けたメッセージ
- 園長-主任-担任など特定の役付職員から卒園生一同に向けたメッセージ
紙面サイズや掲載仕様によってスタイルが決まってくると思いますが、多く見られるケースは「役付職員から卒園生一同に向けたメッセージ」です。
個人ページを設けた場合は「担任から各園児に向けた個別タイプ」がこのページのレイアウトに組み込まれ、先生紹介ページでは園長のみのメッセージにとどめるのが一般的です。
個人ページのレイアウト例については、キッズドン!の「1冊づつ異なる個人別ページ」の案内をよろしければご参照ください。
メッセージ制作には十分な時間が必要
「園児に対する思いは語り尽くせぬほどあるけど、文章にするとなると事態は変わってきて…」というのが先生の本音でしょう。
卒園生全員に向けたものであればまだしも、個々に書くとなるとその負担は想像を絶します。
尺を揃え、文調を整え、出来れば他の園児と内容はかぶりたくない…
そんな条件を頭の中で交差させつつ文章を書くには、相当な時間が必要となります。
このことから、次のようなスケジュール計画を推奨します。(卒園式にアルバムを渡すことを想定しています)
- 5月に先生ページの紙面構成を確定
- 6月に先生にメッセージ制作の相談→量や文字数も含めて
- (先生から承認を得て)同月中に先生メッセージの仕様を確定
- (数が多い場合)8月にはメッセージカードを提供
- 12月中旬に回収目標
上の計画では「先生がメッセージを書く期間は4ヶ月間」あり、十分な日数と言えます。
仮にこの期間が1ヶ月であった場合、恐らく先生は締め切りを守ることは難しいでしょう。
先生からのメッセージが予定より遅延し、納期までのスケジュールを立て直し、混乱するケースも少なくありません。
「メッセージ作成期間はあればあるだけよい」 をテーマにお進めください。メッセージが直筆であれば、その伝わり方が強まることは確かです。
達筆でなくとも、園児は日頃見慣れた先生の文字で言葉が書かれてることに感銘を受けます。
このことから出来ればメッセージ制作は直筆でお願いしたい所です。
過去に先生向けのブログ記事でこのようなテーマを書きました。
執筆を苦手とする先生もおられることでしょう。間違えることができないため、1つのメッセージに掛かる時間も相当です。
テキスト入力で制作することで、先生の負担を軽減できるのであれば、その方が良い場合もあります。
先生にメッセージを依頼する際「直筆かタイピングか」の選択肢を設けて提案することが大切と言えます。
タイプの場合は、手書き風フォントを使って、文体に柔らかさを出すと良いでしょう。
4.写真は提供いただくか新撮か
園児が見ている「今」の先生を思い出に残すためにも、写真は「アルバム用にあえて撮影する」のが好ましいと言えます。
また、カメラの精度も向上していることから、過去に撮影した写真より高精細となる期待もあります。
先生撮影禁止の園もある
園によっては保護者による先生の撮影を認めず、過去に撮影された「個々」の写真を使用するよう促されることがあります。
そしてその写真の使用に不満がある際は、先生ページ自体を無くすようにと持ちかけられることも…
提供された写真を見ると、少し古めかしいというか、時代を感じるというか、華やかさからは遠い雰囲気であることが顕著です。
このような場合、次の交渉で良い写真が入手できるかもしれません。
先生自身が「自分のお気に入りの一枚」を選ぶことで、そのページも総合的に華やかなものになるでしょう。
写真は以前に撮影したものでも良いですし、または新たに自撮りしたものでも構わないという条件をつけます。
この方法が、思いのほかスムーズに園長に受け入れられ「先生の違う一面が見れた」と、好評のページに仕上がった例もあります。
5.氏名はフルネームかペンネームか
先生の氏名表記は、一般的に考えれば「漢字でフルネーム、漢字の上に読み仮名」となるでしょう。
ですが最近は「普段から園児が呼びかけてる◯◯せんせい」が段々と増えてきています。
例えばその先生の氏名が「山田 麻子(やまだあさこ)」で、普段から「あさこせんせい」と呼ばれてるなら「あさこせんせい」と表記するのです。
園児からしてみれば、先生の氏名を「フルネーム」で知らない可能性があります。
普段の呼び名(あさこせんせいのような)で表記をすることで、瞬時に名前と写真の関連づけができるというわけです。
このときの表記方法は、やわらかい雰囲気を出すために「ひらがな」を使うことが多くなっています。
6.メインタイトル
メインタイトルはアルバムの大見出しのことを示します。
圧倒的に多いのは「お世話になった先生がた」です。
ほかには次のようなものがあります。
- だいすきなせんせい
- せんせいたち
- ほいくえんのおとな
- せんせいありがとう!
- いつもそばにいてくれたせんせい
- みんなのことわすれないよ!
個人的には「ほいくえんのおとな」が斬新で好みなのですが(?)、タイトルありきの体裁とするか、園児からの気持ちを込めるかの2種選択となります。
例えば「幼稚園・保育園」が主体となった制作したアルバムなら「せんせいたち」などのタイトルありきのもの、保護者が制作したアルバムなら「せんせいありがとう」などの気持ちを込めるものにすると不自然さがなくなります。
ぜひ知恵を絞ってすてきなタイトルを創造してください。
先生ページのデザイン一例
最後に、先生ページのデザイン例を掲載いたします。
テンプレートとしてデザインのヒントになれば幸いです。
1.オーソドックス+メッセージ
見開き2ページ中、左ページには「園長-主任-担任」の3役の写真とメッセージを掲載し、右ページにそれ以外の先生全員を掲載する仕様です。
メッセージを重視し、かつ「大きい枠」と「小さい枠」に格差を設け、全体にメリハリを与えています。
2.クラス単位+ラフレイアウト
クラスごとの写真を、ゆるいシェイプの枠で囲み、ラフな感覚で配置した例です。
ボトムにはクラス担任2名からのメッセージとアンケートを掲載しました。
3.集合写真+園の風景
片面ページに集合写真と、4点の園のイメージをシンプルに配置した例です。
上部に配置した大型の集合写真の下には、先生氏名が入ります。
このように園の風景と先生紹介の相性は良く、積極的に使用したいレイアウトです。
4.個別写真+園の風景2
左ページには園舎外観を大胆に配置し、さらに数点の園の風景を載せました。
右ページは個別タイプで先生全員を掲載しています。
5.メッセージ+個別掲載
左ページの上部には、コラージュ形式で「メッセージと園の風景」をランダムに掲載しています。
下部と右ページ全体を「個別」に先生を「円形」で表示し、おしゃれ感を演出しました。
6.メッセージ+クラス単位
4ページ構成中、はじめの2ページをご覧いただいています。
左ページは「担任の先生」だけをフィーチャーしたページで、写真数点、大型メッセージ、アンケートで構成しています。
右ページ以降はクラス単位での「写真+メッセージ」のパターンで進みます。
7.大型メッセージ+クラス単位
左ページ上部に「園からのメッセージ」を長文掲載、その下からクラス単位の掲載を極めてシンプルな形で表現しました。
8.集合+スナップ+メッセージ
左ページ上部は「先生との触れ合いを収めたスナップ」、その下に集合写真を掲載。
右ページはメッセージをコラージュで掲載しました。コラージュの場合「手書きメッセージ」ではうまく構成できないため、手書き風フォントを使用してテキストタイピングしています。
9.クラス単位+メッセージ
クラス単位での2名の先生を「四角枠」と「丸枠」で掲載し、その右隣にメッセージを載せるスタイルです。
きっちりグリッドに沿って8分割されてるため、安定感があり、見る方に見やすさを与えます。
10.大型メッセージ+個別
左ページには園長先生からのメッセージを「日本文と英文」で縦方向に表記、左ページは個別に先生を紹介しています。
おわりに
今回は、先生ページの制作を効率良く進めるポイントと、デザインテンプレートを用いての表現方法の紹介をしました。
先生ページと言って思い浮かぶのは、卒園生紹介ページのように、個別写真が理路整然と並ぶスタイルではないでしょうか。
ですが、楽しい雰囲気を演出する目的として、クラスごとの複数名ショットを砕けたポーズつきで撮影したり、先生一同を集合写真で収め、思い思いの顔芸やポーズをつけてもらったりと「園児が良く知ってる先生」に近づけて掲載する方法もあるのです。
そこに添えるのは担任の先生からのメッセージであり、アルバムを開くたびに心温まる言葉に心が打たれます。
紹介したテンプレートをヒントとされ、先生がそのページから飛び出してくるような、素敵なページを作っていただけると嬉しく思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
SNSで情報更新をお知らせします
ブログや、フリー素材の新作、ニュースなどの更新情報を、ツイッターとインスタグラムでお知らせしています。フォローしていただき最新情報をお受け取りください。