卒園アルバムのつくりかた
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2022.9.25
卒園アルバムの発表会ページデザインはかなり大変
年長ハイライト行事と言えば 「発表会」や「生活発表会」 ですよね。
元気いっぱいに声高らかに歌う「合唱」、たどたどしくも真剣な表情で演奏する「合奏」、セリフを忘れ周りに助けられながら進行する「劇」など、こどもの成長ぶりをひしひしと感じるイベントです。
当然この発表会は感動の記録として卒園アルバム掲載となるわけですが、制作を前にすると、想像以上にデザインレイアウトに苦慮することがあります。
それは一体なぜでしょうか。
今回は「発表会ページの制作は意外に大変」というテーマでお話しいたします。
- 発表会の撮影ポイント
- 発表会のレイアウトのコツが知りたい
- 観覧した時の感動が表現できない
- スマホ撮影の写真で大丈夫?
目次
このブログの動画版がございます
このブログをダイジェストにした動画がございます。お時間のない方はどうぞこちらをご覧ください。
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子(そうかわれいこ)です。
「発表会の制作が意外に難しい」と冒頭で触れましたが、他の行事と比較して、発表会はどんな特徴があるかを、卒アル制作の観点でいくつか挙げてみます。
そして、問題となる点については解決策の一例を示したいと思います。
発表会の特徴
- 1.横長写真が多くなる
- 2.音で伝わる要素が多い分それを再現しにくい
- 3.室内撮影のため撮影条件が悪い
- 4.公平掲載が保ちにくい
これらの特徴はレイアウトデザインに影響し、制作難易度のハードルを引き上げます。
特徴を詳しく見ていきましょう。
1.横長写真が多くなる
恐らくこの「横長写真」の扱いに戸惑うことでしょう。
発表会は、とかく「横長写真」中心の構造となります。例えば…
- 合唱合奏は横一列に並んで行われる
- 遠景撮影で全体を収めても観客をカットすると横長になる
- 劇も複数名が横並びで演技するシーンが多い
などがその要因です。
この「横長写真」をレイアウトすると次のような現象が起こります。
例えばL版サイズの縦横比率の写真であれば、横一列に3枚掲載できたものが「横長写真1枚しか掲載できない」という状況になります。
「でも横長写真を縮小して3枚を横一列で並べれば?」
という声もありますが、そのレイアウトにより「写真に写る園児」が極端に小さくなり、表情や仕草を読み取ることができなくなります。
大きく掲載する目的で「写真点数を減らす」か、縮小して詰め込み「止むを得ず写真の魅力」を低下させるか…
判断が難しいところですが、次のような解決策があります。
- 1ページ単位でなく見開き横断でレイアウトを構想する
- 集合写真をメインとしそれ以外の写真は原則「個人」で
- 横長→短幅→横長→短幅…のリズムで配置
1ページ単位でなく見開き横断でレイアウトを構想する
1ページに横長写真を収めようとすると、冒頭に挙げたような無理が生じます。
そこで 2ページの見開きでの構成 にして、ページの境界となるセンターを横断するようにレイアウトを行うと、無理のないサイズ感、かつ自然な雰囲気で構成が出来ます。
この横断レイアウトをテーマにしたブログ記事がありますので、詳しくはこちらをご参照ください。
集合写真をメインとしそれ以外の写真は原則「個人」で
もし、あなたの園の発表会が「保護者撮影OK」の場合、思い切って集合写真を中心とした構成をしてみてはいかがでしょうか。
通常、発表会のページ構成を考える際「どうやったらあの感動の場面を再現できるか?」をテーマに頭を悩ますでしょう。
ですが、各家庭で「我が子の感動の場面」は保護者のカメラやビデオに収められてるのが一般的です。
それであれば、卒アルページでその再現をあえて組むのではなく「合唱」「合奏」「劇」などそれぞれの演目ごとの集合写真を撮影し、それを大型掲載して絶大なインパクトを与えてみてはいかがでしょうか。
もちろん集合写真だけではもの足りなさがありますので、集合の周囲に「園児単体」のより抜き画像を散りばめ、バランスを取ると良いでしょう。
細々(こまごま)と写真が並ぶのではなく、究極に写真点数を絞り込んで、選ばれた写真が破格サイズで掲載されてるシンプルデザインは、アルバムを見る方にきっと驚きと感動を与えます。
横長→短幅→横長→短幅…のリズムで配置
横長写真を連続で並べると、レイアウトに無理が生じたり、不自然さを感じたりすることを前述しました。
そこで「横長写真」その右横に「短幅(出来れば正方形か正円)写真」その右横に「横長写真」その右横に「短幅写真」…
といったリズム感あるレイアウトを「見開きページ横断」でレイアウトしていくと、全体がまとまりある構成となります。
2.音で伝わる要素が多い分それを再現しにくい
発表会当日に聞いた「歌声」や「楽器の音色」、そして「劇中のセリフの数々」をどうしたらアルバムページで再現できるでしょうか。
完全な再現は出来ませんが次のような方法が挙げられます。
- 1.歌詞や楽譜を掲載
- 2.吹き出しやキャプションで主要なセリフを掲載
- 3.QRコード記載で動画サイトへリンク
1.歌詞や楽譜を掲載
会場の背景を取り入れた構図で 「遠景全体撮影」 を行い、背景部分に歌詞や楽譜を掲載すると効果的です。
ある程度の文字の大きさが必要となることから、余裕のある紙面構成の場合許される方法と言えましょうか。
いずれにしても「背景を取り入れた全体撮影」はタイトル表記等にも使用できますので、撮影で押さえておくべき1枚となります。3
2.吹き出しやキャプションで主要なセリフを掲載
特に「劇」で有効な「セリフ掲載」手法。
主要なシーンを時系列で並べ、吹き出しやキャプション表記を用いて、ストーリーを伝えます。
あまり細かくし過ぎると、紙面全体が雑然とした雰囲気となり、雰囲気を壊してしまいます。
あくまでも「ポイントを絞って」構成することをお勧めします。
3.QRコード記載で動画サイトへリンク
「発表会動画」を Youtube等の動画サイトにアップロード し、そのURLを限定公開設定でQRコード化して、アルバムに表示します。
これにより「音系」は完璧に再現されます。
動画サイトのアカウント取得や、公開期限をどうするのか、また音声だけにするか、映像も見せるのか… などを取り決める必要がありますが、現代ならではの表現方法として見る方からは喜ばれます。
3.室内撮影のため撮影条件が悪い
事前の検討事項として 最も重要な点 と言えます。
室内撮影ゆえに光量不足、さらに動きのある撮影のためブレやピンボケが生じやすい…
などの支障が立ちはだかります。
仮に「暗い環境の撮影を苦手とする」スマホカメラを中心で撮影した場合、肉眼で見た感動を写真で再現するのは困難でしょう。
- 1.カメラマン派遣
- 2.デジタルカメラで三脚撮影
1.カメラマン派遣
予算があれば、といいますかぜひご予算を確保していただきたいのが、カメラマンの派遣です。
光量不足をクリアすることはもちろん、素人では普段手にしない望遠レンズで「迫力の近景画」を収め、さらに精度の高い遠景での全体構図も見事に撮影します。
おそらく「カメラマン派遣でもっとも良かったと思う行事は?」と聞かれて、異口同音に「発表会」と答えることでしょう。
2.デジタルカメラで三脚撮影
コンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフを使用し、三脚固定での撮影を行います。
お勧めなのが、該当のカメラで 「リハーサル」 を一度行うことです。
このリハーサルは、実際に園児の演技をお願いするものではなく、発表会の舞台の場所で卒アル委員がモデルとなることを前提としています。
出来れば担任の先生に相談し「本番とだいたい同じ光の環境」を作っていただき、それの基、撮影設定を色々試してみることです。
この光の環境は「カーテン開ける・閉める」「会場照明全灯・消してスポットライト」程度で構いません。
撮影は、フリーハンドですと、カメラに補正機能があっても必ず手ぶれを起こしますので、機動力が低下したとしても三脚使用をお勧めします。
4.公平掲載が保ちにくい
特に「劇」では、役柄による登場回数やセリフ量によって「露出度」が異なるため、アルバムへの掲載も偏りが生じます。
掲載が少ない園児の分は「合唱や合奏」でバランスを取れば…という方法もありますが、この演目は「静的」な絵であることから、同じような写真が並ぶこととなり、面白みを出すことができません。
解決のひとつとして「発表会」単一行事で「掲載枚数の公平性」を取るのではなく、 アルバム全体で公平性をとる 方法があります。
仮にA君が他の園児と比較して3枚掲載が少ないのであれば、運動会で「活躍してるシーン3枚」を他の園児より多く掲載します。
この発表会に限らず、この手法を取ることにより…
という違和感を払拭するこができます。
関連のブログ記事がありますので、併せてご参照ください。
発表会ページのアイデア
最後に、発表会ページの「表現アイデア」をいくつか紹介します。
衣装の特徴をキャプション表記
衣装の制作者(それが園児ならなおさら)であれば、その衣装にどういった特徴を持たせたか、どんなこだわりがあるかを伝えたい気持ちがあるでしょう。
役柄はいくつかのカテゴリーに分かれますので、その分類ごとの「グループ写真」をポーズ付きで撮影し、写真の上にキャプションを載せます。例えば…
- (かつらから矢印が出ていて)3種の毛糸を合わせたよ
- (上着から矢印が出ていて)実はこれ紙なんです
- (しっぽから棒線が引かれていて)靴下にスポンジを詰め込んで作ったよ
さらに各役名とそのキャラクターを1行で書くと、さらにユニークさが広がります。
衣装は苦心の力作から簡易制作のものまで幅広くあると思いますが、記録として残すことにより、後年の閲覧の楽しみが増えます。
背景を取り込んだ構図も必要
特に劇の場合、舞台に使われてる 「背景画」 にも注目したいところです。
先生の手による制作、園児も参加しての制作、歴代のものを使用… など様々です。
この背景を全てカットし、出演者のみに寄って撮影した写真だけでは、面白みに欠けると同時に残念な気持ちになります。
出来れば、全ての写真に背景を入れるまでもなく、数点は「背景全体」が見える撮影を行い掲載することをお勧めします。
舞台の雰囲気を把握しやすくなるほか、写真間にメリハリがついてデザインとしても質の向上に繋がります。
観客がどうしても入り込んでしまう
発表会で歯痒いのが 「最前列の観客」「スマホを高い位置で固定して撮影する保護者」 が写真に入り込むことです。
もし園に相談を持ちかけ解決できるのであれば試していただきたいのが
- 撮影メンバー用の区画を最前列の中央に設けられないか
- カメラは頭上より上に上げずに撮影
を提言してみることです。
過去に聞く事例でも「当然無理と言われると思ったが、すんなりOKをいただきアナウンスしてくれた」というケースが意外に多いのです。
近年ではコロナ対策として「学年ごとに保護者を入れ替え、かつソーシャルディスタンス実施」の情勢から、上記の方法がやりやすくなったというのも一因です。
もしこの要請が受け入れられない場合「トリミング」でばっさり観客部分をカットしてしまいましょう。
「トリミングしないで足元まで入れたい」という気持ちもお察ししますが、それをどれだけアルバムを見る方が期待しているでしょうか。
我が子の舞台の姿は、保護者の方が撮影しているはずです。
観客の後頭部が映ることでの違和感に比べれば、不完全であっても上半身のみの演者の姿の方が数段絵になります。
トリミングに関するブログ記事を紹介します。
おわりに
今回は「発表会ページの制作は意外に大変」というテーマでお話ししました。
横長写真が多くレイアウトの苦慮、歌声や音色、名セリフの数々を再現できない、室内で光量不足のため素人撮影が難しい、公平掲載がしにくい…
などビッグイベントにして障壁も多いと言えます。
解決方法として、見開きパノラマ横断掲載を試みる、吹き出し等の文字情報を駆使してシーンを再現、カメラマンを派遣、アルバム全体で公平掲載を行う等を提案いたしました。
最も大切なのは事前手配と言えます。
撮影場所の確保や、撮影環境の確認と設定の試行錯誤、遠景による全体を入れる構図が中心か、集合写真をメインにするか、それとも個人中心のレイアウトか…
などを構想し、その計画に基づいて当日に撮影を行うことにより、制作は格段にスムーズな進行となります。
どうぞ今回のポイントを抑えられ、素敵な発表会ページを制作してください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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