卒園アルバムのつくりかた
BLOG Archive
- 卒園アルバムTOP
- 卒園アルバムのつくりかた
- おしゃれな卒園アルバム-あなたはどっち派?ポップVSシンプル-比較してみます
2025.1.14
おしゃれな卒園アルバム-あなたはどっち派?ポップVSシンプル-比較してみます
こんにちは、卒園アルバム制作メーカー キッズドン!の宗川 玲子(そうかわ れいこ)です。
キッズドン!にご成約いただく8割のお客様が「おまかせコース」をお選びになります。
おまかせコースとは、お客様がページごとに写真選定を行い、あとはキッズドン!が写真補正、最良のトリミング、レイアウトデザイン、印刷製本を一貫して行う卒園アルバムの制作方法です。
お客様から事前のデザインやレイアウトに関するリクエストはご遠慮いただいてますが、2025年より「ポップスタイル」か「シンプルスタイル」のいずれかのみ選択(※)いただけるようにしました。
今日はその異なるデザイン仕様を比較しながら、特徴を解説すると同時に、あなたのデザインのヒントになれば幸いです。
おまかせコースについては下のボタンより専用ページをご覧ください。
(※ハードカバーフルフラットライトはシンプルのみとなります)
- 卒園アルバムのデザインを見てみたい
- カラフルで可愛らしいデザインのアルバムにしたい
- スタイリッシュでシンプルな構成のアルバムを見たい
- アルバムを見る人はどんなデザインが好ましいの?
- デザインについて全く知識がなく学びたい
目次
ポップスタイルかシンプルスタイルか
冒頭で「ポップスタイルかシンプルスタイルか選べる」とお伝えしましたが、あなたは「一体なんのこと?」と首を傾げるかもしれません。
まずはじめにこの2つのデザイン仕様について紹介いたします。
ポップスタイル
シンプルで普遍的な平面構成を行いつつも、変形フレームや主張性を持たない装飾フレームを用いて「卒園アルバムらしい」演出を施したデザイン仕様になります。
ポップスタイルのサンプルは下記のページからご覧いただけます。
シンプルスタイル
時代の変化に伴い、シンプルなデザインが主流となりつつある現代に同調し、装飾やエフェクト等を削除した「写真そのもの」を見せる目的で施工されたデザイン仕様です。原則写真を囲むフレームは無く、写真を型抜きするような変形デザインもありません。
シンプルスタイルのサンプルは下記のページからご覧いただけます。
2つの共通点
異なるデザイン仕様ですが、下記の点に於いては共通です。
- 1.大中小の写真サイズを設けてメリハリを持たす
- 2.コラージュを適用し散らかる写真にまとまりを設ける
- 3.背景はシンプルなデザインを基準として写真を引き立てる
- 4.タイトルやキャプションの文字情報はカラーや効果で引き立てる
- 5.写真間の空間設定を一律に保つ
- 6.天地左右に空間を設けてページを引き締める
- 7.写真を最良の見え方にトリミング加工する
- 8.全ての写真に当社基準の補正効果を施す
- 9.必要に応じて装飾素材を配置する
- 10.円形を効果的に使用してやわらかさを演出
次の章では、この共通のデザインコンセプトがありつつも、ポップとシンプルはどのような「見た目」の違いがあるかを見ていきます。
2つの共通点を比較
それでは前章で挙げた「10の共通点」に沿って、図解で比較をしてみます。
1.大中小の写真サイズを設けてメリハリを持たす
(大中小の写真サイズを設定-ポップ版)
(大中小の写真サイズを設定-シンプル版)
卒園アルバムを見る方が、1ページから最後の裏表紙まで「わくわく」しながらページをめくっていただけるにはどうしたら良いか?
という課題に対して13年前の創業の際「写真サイズにメリハリを持たす」という結論に至り、現在でもそれは継承されています。
集合写真は、高精細であれば「大きすぎるくらいに大型サイズ」で掲載しページを開いた時にインパクトを与えます。
2〜5名程度の小グループ撮影の写真は「表情がわかるギリギリのライン」で中型サイズに、そして個人は小サイズでありながら個性的な造作で際だたせる方法でレイアウトを行なっています。
避けたい従来のデザイン
一方避けたいのは旧態依然のアルバムに見られる「同一サイズでタイル状に敷き詰める」方法です。
決してこの仕様を否定するものではありませんが、20人で写るも、個人で映るも同じサイズでは、大人数の各個人の表情を見出すことはできません。
またワンパターンで写真が並ぶ構成は「見ていて飽き」を生じさせます。
感動やわくわく感、ユニークさを取り入れてないアルバムデザインはするべきではない…というのがキッズドン!の持論です。
2.コラージュを適用し散らかる写真にまとまりを設ける
(コラージュを適用して写真にまとまりを施す-ポップ版)
(コラージュを適用して写真にまとまりを施す-シンプル版)
仮に1ページに20点の写真があり、見開き40点の掲載だったと仮定します。
これを1点ずつ単独で掲載していくと次のような弊害が生まれます。
- 写真間の空間が多く発生することで縦の線と横の線が目立ちすぎる
- 写真が散乱してるように見え原稿に引き締まり感がない
- 同じシーンで撮影されたものも別のシーンの写真のように錯覚してしまう
このことから4点をコラージュ、2点をコラージュといった「まとまり」を設けて、よりアルバムを見やすくする工夫をとっています。
下記リンクカードは「コラージュ」をテーマにしたブログ記事になります。
3.背景はシンプルなデザインを基準として写真を引き立てる
キッズドン!の所有する背景を大きく2つのカテゴリーで区分すると「オリジナルイラストを含む背景画」と「シンプルな背景画」となります。
オリジナルイラストを含む背景画
大空に舞い上がるキャラクターが乗る気球や、夏祭りをイメージしたものなど、クリエイターが丹念に書き上げた背景画は、いつ見ても心が躍ります。
ですが、イラスト背景は「写真点数が少数」の場合に効果を発揮し、写真点数が多い場合(1ページ15点以上)には正直不向きと言えます。その理由として、
- イラストが隠れる
- 写真間の空間に「わずかに見える」イラストがかえってわずらしい
- イラストのクオリティが写真とぶつかり写真の魅力が失われる
などが挙げられます。
少数の写真であれば、イラストを活かしつつレイアウトを行うことで、楽しいページに仕立てることができます。
シンプルな背景画
淡いパステルカラーで構成された「シンプル背景」は万能背景といっても良いでしょう。
写真を引き立てることに徹し、魅力を阻害することもありません。
また時代が「シンプル」なデザインを求める傾向にあることから、現在の制作の8割はこのシンプル系を使用しています。
4.タイトルやキャプションの文字情報はカラーや効果で引き立てる
(デザインフォントを仕様したポップなタイトル)
(オーソドックスなフォントを用いたシンプルなタイトル)
タイトルの扱いについてはポップもシンプルも次の3つのテーマを用いて変わりありません。
- 読みやすく
- カラフルスタイル
- インパクトを与えて主張させる
「タイトル」をはじめとする「文字」は、そのページのテーマを表現する役割から、フォント、色、掲載位置には気を配ります。
ベースとなるフォントは3つだけ
過去13年間、卒園アルバム制作に於いて約300種類ほどのフォントを扱ってきましたが、行き着く所は「3つ」のフォントをベースに構成するに至っています。
- メインタイトル:DFP太丸ゴシック体
- サブタイトルとキャプション:ヒラギノ丸ゴPRO
- キャプションと吹き出し等の語りかけ:ふい字P・花とちょうちょ
フォントはアルバムを見る方の「好き嫌い」が明確になるシロモノです。
このことから「気を衒(てら)うようなデザインフォントに傾倒せず」「シンプル」で「読みやすい」フォント選定を最優先することにしています。
フォントに関するブログ記事がございますので併せてご覧ください。
5.写真間の空間設定を一律に保つ
(写真と写真の間を一律の空間で制御したグリッドデザイン-ポップ版)
(写真と写真の間を一律の空間で制御したグリッドデザイン-シンプル版)
どんなに写真点数が多くとも、ポップでもシンプルでも「空間」を設けることはデザインの命題と心得ています。
写真と写真の間に「同一」の空間を設けることは「写真を美しく見せる」ために欠かせないデザインです。
グリッドデザイン(方眼紙上で数値設定でデザインを行うイメージ)を基本とし、同一空間で構成されたレイアウトは、見る方に「安定感」をもたらします。
ただし、この空間も一定量を超えると「煩(わずら)わしさ」を感じます。
このことから前述した「コラージュ」や「大中小の写真サイズ設定」を駆使して「適切な空間量」を設定しています。
空間の大切さをテーマにしたブログ記事がございます。
6.天地左右に空間を設けてページを引き締める
原稿の天地左右にやや大きめの「空間」を設けることは、そのページ全体を引き締める効果があります。
美術館やギャラリーで見る「大きな縁のついた額に収まる絵画」のイメージです。
空間があることで、その写真や絵画は最大限に魅力を発揮します。
もし仮に「デザインがうまくいかない…」とお悩みであれば、まずこの空間を設けることを試してください。
卒園アルバムのデザインにお困りの方に向けた「誰でもできるデザインの3原則」を紹介したブログがございます。
7.写真を最良の見え方にトリミング加工する
(写真をトリミングして被写体を強調-ポップ版)
(写真をトリミングして被写体を強調-シンプル版)
私どもキッズドン!はお客様からお預かりする写真の全てに「何らか」のトリミングを施します。
トリミングとは「写真内の一部を切り取る」ことを意味し、人物のシルエットに沿って切り抜くものとは異なります。
このトリミングの狙いは次の通りです。
- 被写体を中央に配置
- 不要と判断した背景をカットし被写体を強調
- レイアウト上のサイズ調整
- 他クラスや観客等を外す
- 被写体ズームアップ
- 変形フレーム作成によるシェイピング
このトリミングによって各写真が活き活きとして輝き、全体のインパクトにつながります。
下記はトリミングをテーマにしたブログ記事になります。
8.全ての写真に当社基準の補正効果を施す
(補正効果を与えた写真-ポップ版)
(補正効果を与えた写真-シンプル版)
どんなに研ぎ澄まされたデザインでも、可愛らしい切り抜きでも、写真の質が低ければ「それなり」のものにしかなりません。
お客様からお預かりした写真をキッズドン!は次の手順で加工していきます。
- 1.印刷に準拠した解像度にリサイズ
- 2.低品質と判断した際はお客様に通達し差し替えを検討いただく
- 3.1で問題無い場合「当社基準」の補正を行う
- 4.特に「明度(明るさ)」に注視して作業
特に重要なのは「1.明度(明るさ)」に注視」の点です。
アルバムを見る方は、ページを開いた瞬間「明るいか / 暗いか」の二択で印象を決定づけます。
「明るくて鮮やかなページで素敵」「全体的に沈んだような暗さで残念」といった感想が瞬時に頭に浮かぶのです。
もしご自身でアルバム原稿を作成されてる場合、写真によっては明るくする限界がありますが、出来ればこの明度調整だけは全ての写真に行うことをお勧めします。
写真の「明るさ」だけを保てば、どのようなデザインであっても「良いアルバム」の評価につながると言えるでしょう。
(※おまかせコースでは、お客様からの指定による補正作業は行なっておりません。予めご了承ください。)
下記のブログも併せてご覧ください。
9.必要に応じて装飾素材を配置する
私どもはスタンプやイラストなど「装飾素材」の使用をなるべく控えるようにしています。
それは、お預かりした写真の「世界観」を壊しかねないからです。
素材単体は「可愛らしく素敵」であっても、それがページ原稿上に配置されると「驚くほどマッチしない」という経験があるのではないでしょうか?
その素材が複数あり、かつ異なるクリエイターが作成したものだと、支離滅裂といって良いほど「写真だけの原稿スタイルの良さ」を損失させます。
このことから必要最低限の装飾に留めることを、ポップでもシンプルでも共通認識としています。
最低限の素材としては下記のような内容です。
- 運動会の万国旗やバルーン
- ハロウィンのモンスターやゴースト
- 夏祭りの花火
- クリスマスのサンタやツリー
10.円形を効果的に使用してやわらかさを演出
(円形写真を使用した一例-ポップ版)
(円形写真を使用した一例-シンプル版)
四角ばかりの写真レイアウトと、2割ほど「円形」を使用した写真レイアウトでは、圧倒的に後者の方が「良質なレイアウト」となります。
円形を使用するメリットは次の通りです。
- ページに「柔らかさ」をもたらす
- 四角写真との重なり合いで不自然にならない
- メリハリに貢献
- 園児の表情を引き立てる
このことからポップ、シンプル共通で円形の使用を積極的に行なっています。
ポップとシンプルの中間デザインは?
おまかせコースでは「ポップスタイル」または「シンプルスタイル」の二者択一でお客様にお選びいただいてます。
良くある質問としてこのような内容があります。
というものです。そうされたい心理は良くわかります。
どちらにも、それ相応の魅力があり、どちらかだけだとちょっと心許(こころもと)ない…
というお気持ちからの質問ですが、キッズドン!ではこの「2つのでデザインのミックス」を承っておりません。
その理由は「良い結果を生み出さない」という検証結果によるものです。
2つのスタイルがぶつかり合うことで「ページ内でのケンカ」が起きます。
もちろんアクセントとして「ポップスタイル」にわずかの「シンプルスタイル」を組み入れることはしますが(あるいはその逆転)、それは制作進行の上での判断となります。
このことから「どちらかのスタイルのみの選択」をお願いしておりますことを、ご了承ください。
2つのデザインのメリットデメリット
さて、ここまで紹介してきた内容で、あなたはどちらのデザインが良いと思われたでしょうか?
この章では2つのデザインのメリットデメリットを「アルバムを見る方の視点」で挙げてみたいと思います。
- 卒園アルバムらしい
- 可愛らしい
- プロならではのデザイン造作に満足
- 唯一無二の佇まいがある
- にぎやかすぎる
- 写真よりデザインが目立つ点がある
- 色数が多く目が疲れる場合がある
- 現代のデザインに慣れてるため異質感がある
- スタイリッシュ
- 写真が強調されている
- 見やすい
- 現代的で安定感がある
- 卒園アルバムとしてやや物足りなさを感じる
- 単調な雰囲気から閲覧が退屈になる時がある
- 「プロにしかできないデザイン」を直感で感じにくい
どちらも一長一短ですが、いずれのデザインで私どもが大切にしているのは「未来で見ても違和感を感じさせない」ことです。
いつまでも色褪せることのない思い出作りは、卒園アルバム制作メーカーとしての使命のようなものであり、大切な記録をあずかる責任があります。
仮にあなたが自主制作を行なってる場合「10年、そして20年後にアルバムを開いたとき、同じ感銘を受けるか」に想像力を巡らして制作してみてはいかがでしょか。
きっと人生と共に歩む価値あるアルバムが出来上がるはずです。
卒園生紹介ページと先生紹介ページは同じデザイン
卒園アルバムのオープニングを飾るのは、一般的に「卒園生一同紹介ページ」です。
卒園生の氏名のほか、最近ではこのページに「アンケートや誕生日、出生時の体重身長」などを組み込む例があります。
このページはいわばアルバム見る方に対して「つかみ」をする重要なページであり、アルバム閲覧者の第一印象を左右するほどの破壊力があります。
このことから、私どもは「ポップ」であっても「シンプル」であっても、該当ページは共通のデザイン仕様で制作を行います。
人数や扱えるページ数によってデザインは異なりますが、概ね上部のような雰囲気となります。
先生からのメッセージは園児の注目の的
先生からのメッセージページがある場合、卒園生にとっては、アルバム全体の中でも最も価値のあるページとなるでしょう。
このことから、このページもシンプルでありながら華を添えたデザインにし、先生からの言葉を最大限に引き出すようにしています。
キッズドン!の卒園生紹介ページ用無料テンプレート
キッズドン!では無償でダウンロードできる「卒園生紹介ページ用のテンプレート」をご用意しています。
ダウンロードしたフレームをグラフィックツール「Canva(キャンバ)」などで使用し制作に役立てることができます。
よろしければ下のリンクカードからご覧ください。
また「Canva(キャンバ)」についての使用法方についてのブログ記事もございます。
個人別ページのデザインは?
キッズドン!の「ハードカバーフルフラットスタンダード」は、特定の1ページを1冊づつ異なる内容にすることができます。
ここに該当するのは「個人ページ」で、10種のテンプレートから1種をお選びいただき、それに写真を当てはめて制作を行います。
ここでのデザインは「ポップスタイル」1種のみで、個々の園児の姿を弾ける雰囲気で演出します。
個人別ページに関する内容は下記ボタンよりご覧ください。
おわりに
今回はデザインのヒントをお届けする目的で、キッズドン!がデザインする「ポップスタイル」と「シンプルスタイル」を比較しながら、その特徴とメリットデメリットを紹介いたしました。
さて、あなたはポップとシンプル、どちらがお好みでしょうか?
私どもはお客様から「プロでなくてはできないデザイン」を求められています。
それは裏を返すと「アルバムを見る方全ての方から喜んでいただける内容」にするという課題になります。
このことから「ポップ」であっても「見やすく・整理されていて・気を衒(てら)った内容を避ける」といったシンプルに通じるコンセプトを持っています。
一方「シンプル」であっても「単調にならず・コラージュや円形角丸等の形状加工・半透明枠や影付き効果を活かす」といったポップに通じる仕様を心がけています。
つまりは、ばっさりと「ポップ」VS「シンプル」という図式には当てはまらず、どちらも「お喜びいただけるアルバム」の制作に取り組んでいます。
もしあなたが自主制作でデザインに悩まれたら、このブログを再度ご覧いただき、制作のヒントとしていただければ幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
(宣伝になります)
SNSで情報更新をお知らせします
ブログや、フリー素材の新作、ニュースなどの更新情報を、ツイッターとインスタグラムでお知らせしています。フォローしていただき最新情報をお受け取りください。