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2024.12.1
園舎の写真、こう撮れば卒園アルバムが見違える!園の風景撮影テクニック
こんにちは、卒園アルバム専門メーカー キッズドン!の宗川玲子です。
卒園アルバムには、行事の写真や園児の楽しそうな表情を撮ることが大切ですが、「園舎」の写真も重要な役割を果たします。
今日は意外と見落とされがちな「園舎写真」について、その重要性と効果的な撮影方法をお伝えしたいと思います。
- 行事以外にどんな写真を掲載するべき?
- 園の外観や教室の写真が必要か迷う
- どんな写真が思い出を呼び起こす?
- 園の外観を綺麗に撮影したい
- 園舎はどの位のサイズで掲載するのがベスト?
目次
なぜ園舎の写真が大切なのか
卒園アルバムを彩る写真にはそれぞれ異なる役割があります。
その中でも園舎の写真は、特別な意味を持つ存在と言えます。
思い出の場所としての価値
園舎は子どもたちの「第二の家」とも言える場所です。
毎日通い、友達と遊び、給食を食べ、お昼寝をする…。
全ての思い出の舞台となっているのが園舎です。
廊下を走った記憶、窓から覗く園庭の景色、大好きな先生の教室。それらの思い出は、園舎の写真を見ることで鮮やかによみがえってきます。
時を刻む記録写真として
園舎の写真には「時を記録する」という大切な役割もあります。
例えば入園時に撮影した園舎と、卒園間近の園舎。一見変わらないように見えても、新しく増えた遊具や、成長した木々の様子など、確実に時の流れを感じることができます。
また、建物や設備が後に建て替えられることもあります。その意味でも園舎の記録を残しておくことには大きな価値があるのです。
意外と撮影されていない現状
このように重要な意味を持つ園舎写真ですが、実際には多くの卒園アルバムではあまり掲載されていないのが現状です。
行事の写真に比べ、意識的に撮影する機会が少ないこと、また「何気ない日常の風景」として見過ごされがちなことが、その理由として考えられます。
このことから、園舎写真を効果的に取り入れることで、他のアルバムとは一味違う深みのある作品に仕上げることができます。
園舎写真の効果的な使い方
園舎の写真をアルバムに取り入れる方法は様々です。ここではその効果的な使い方をご紹介します。
行事写真との組み合わせ
行事の写真と共に園舎写真を配置することで、その日の雰囲気をより豊かに表現することができます。
例えば運動会のページでは、朝日に輝く園舎を配置する。
お遊戯会のページには装飾された玄関の様子を添える。
このように園舎写真を添えることで行事の空気感までも伝えることができます。
四季の移ろいを映す風景として
園舎は四季折々の表情を見せてくれる絶好の被写体です。
桜の季節の園舎、新緑に囲まれた園舎、紅葉の季節の園舎…。
同じアングルで撮影した写真を季節ごとに並べることで1年間の流れを美しく表現することができます。
未来に向けたタイムカプセルとして
園舎の写真には「懐かしさ」を呼び起こす不思議な力があります。
子どもたちが大きくなった時、教室や園庭の写真を見ることで、その場所での思い出が鮮やかによみがえってくるはずです。
そういった意味で、園舎写真は「今」の記録であると同時に、未来に向けた大切なタイムカプセルとしての役割も果たします。
では次に、具体的にどのようなシーンを撮影すれば良いのかをご紹介していきましょう。
どんなシーンを撮影するか
園舎の撮影ポイントは意外にもたくさんあります。
それぞれの場所には、子どもたちの異なる思い出が詰まっています。
撮影場所を工夫することでより充実した記録を残すことができます。
園庭からの全景
園舎の全体像を収めることは、その園の特徴や雰囲気を伝える上で最も重要な撮影となります。
どの園にも、その園らしさを象徴するような「ベストポジション」があるものです。
例えば緑豊かな園庭の奥に建物が佇む様子や、明るい園庭に面した教室が連なる風景など。
その園ならではの特徴を見つけそれを活かした撮影を心がけてはいかがでしょうか。
撮影位置のポイント
- 園庭の隅から斜めに撮影すると、建物の立体感が出ます
- 朝夕は太陽光の角度により、建物に陰影が生まれ印象的な写真になります
- できるだけ電線や周辺の建物が入らないアングルを探しましょう
季節感を出すコツ
- 春は桜や花壇の花を前景に入れる
- 夏は青空と緑を意識して
- 秋は落ち葉や紅葉を取り入れる
- 冬は澄んだ空気感を活かす
教室の様子景
毎日の生活の中心となる教室は最も思い出深い場所の一つです。
子どもたちにとって、教室は学びと遊びが交差する特別な空間。
特に子どもたちがいない早朝や降園後の静かな教室には、普段は気づかない趣があります。
整然と並んだ椅子や机、壁面を彩る子どもたちの作品、季節の装飾など…。
これらが醸し出す独特の雰囲気を写真に収めることで、思い出がより深みを増すことでしょう。
空の教室を撮影する意味
- 子どもたちがいない静寂な空間だからこそ伝わる雰囲気
- 整然と並んだ椅子や机が印象的な写真になる
- 壁面の装飾や作品展示が映える瞬間を狙うことができる
撮影の工夫
- 朝一番の清々しい光を活かす
- 黒板やお誕生日表など思い出の掲示物を入れ込む
- ドアの外から覗き込むようなアングルも効果的
園庭の遊具
子どもたちの笑顔と歓声が溢れる場所、それが園庭の遊具です。
一つ一つの遊具には、数えきれないほどの楽しい思い出が刻まれていることでしょう。
滑り台での冒険、ブランコでの空中散歩、砂場でのおままごと、などなど。
これらの遊び場を丁寧に写真に収めることは将来子どもたちが振り返った時の大切な手がかりとなるはずです。
遊具別の撮り方
- 滑り台は下から見上げるアングルが迫力満点
- ブランコは複数台を並びで撮るとリズミカルな構図に
- 砂場は朝露で湿った砂の質感を活かすと印象的
光と影の活用
- 滑り台は下から見上げるアングルが迫力満点
- ブランコは複数台を並びで撮るとリズミカルな構図に
- 砂場は朝露で湿った砂の質感を活かすと印象的
玄関まわり
毎日の登園降園の思い出が詰まった玄関まわり。
子どもたちを見送る保護者の姿、元気に「いってきます!」と飛び出していく園児たち、「おはよう」と迎える先生の笑顔、いつまでもお母さんにしがみついて離れなかったあの頃…。
一日の始まりと終わりを見守り続けてきた玄関には、数えきれないドラマが存在します。
その特別な場所を丁寧に記録に残されてはいかがでしょうか。
撮影のポイント
- 靴箱や傘立ての様子も含めて
- 玄関の飾りつけは季節ごとに撮っておくと良い
- 下駄箱は最大の記憶を想起させる画像
構図の工夫
- 正面からだけでなく斜めからも
- 玄関の屋根や柱を活かした構図
- 園名プレートを入れ込んだ撮影も
【コラム:時代と共に変わる園舎の記録】
私が13年間卒園アルバムの制作に携わる中で、興味深い変化を目にしてきました。それは「園舎の建て替え」です。
耐震補強工事や設備の近代化により、多くの園で建て替えが行われています。
その際、以前の園舎の写真を探されるケースが度々ありました。
「昔の園舎の写真が欲しいのですが、ほとんど撮っていなかったんです…」
このような声をよく耳にします。当時は「日常すぎて」写真を撮ることを思いつかなかったのでしょう。
最近では、建て替え前の園舎を丁寧に記録として残す園が増えてきました。
それは単なる建物の記録ではなく、そこで過ごした子どもたちの思い出を大切にする気持ちの表れなのかもしれません。
このように園舎の写真には、建物の記録以上の大切な意味が込められているのです。
園舎の撮影のポイント
園舎の写真撮影は、一見シンプルに思えますが、いくつかのポイントを押さえることでより魅力的な一枚に仕上がります。
ここでは実践的なテクニックをご紹介します。
光の方向と時間帯
建物を美しく写真に収めるには光の扱いが最も重要です。
朝焼けや夕焼けの柔らかな光、真昼の陽射し、曇り空の優しい光…。
それぞれの時間帯で園舎は異なる表情を見せてくれます。
特に「黄金時間」と呼ばれる朝夕は、建物に自然な陰影が生まれてより立体的な写真が撮影できます。
おすすめの撮影時間
- 早朝(日の出直後):清々しい空気感が伝わる
- 午前10時頃:程よい陽射しで明るい印象に
- 午後3時以降:温かみのある光が建物を優しく照らす
天候による違い
- 晴れ:くっきりとしたコントラストが出る
- 曇り:やわらかな印象の写真に
- 雨上がり:反射する地面も活かせます
アングルと構図
建物をどの位置からどのように切り取るかで、写真の印象は大きく変わります。
基本的には建物全体が安定して収まるアングルを探しつつ、時には思い切った構図にチャレンジすることで、印象的な一枚が生まれることもあります。
基本的な構図のポイント
- 建物が傾かないよう水平を保つ
- 電線や周辺の建物をなるべく避ける
- 手前に余白を設けて奥行きを出す
チャレンジしたい構図
- 超広角での迫力ある構図
- 地面すれすれからの見上げアングル
- 建物の一部分をクローズアップ
その他写真撮影に関するブログ記事がございます。併せてご覧ください。
人物を入れるか入れないか
園舎の写真に人物を入れるかどうかは悩ましい問題です。
人物がいることで生き生きとした雰囲気が出る反面、建物本来の佇まいが損なわれることもあります。
状況に応じてその両方を撮影しておくことをお勧めします。
また人物を入れる場合は、個人情報の観点から遠景でシルエット的に収めるなどの工夫も必要です。
【コラム:建物写真は「待つ」ことが大切】
建築写真のプロカメラマンは、しばしば何時間も同じ場所で「待つ」そうです。
それは最高の光を待つため。
例えば曇り空の中、一瞬差し込む光、あるいは雨上がりの虹…。
以前ある保育園の撮影に立ち会い、素敵な瞬間に出会いました。
曇り空が続く中、突然雲の切れ間から光が差し、園舎のステンドグラスが輝き出したのです。その光景は今でも忘れられません。
このように、少しの「待ち時間」が、思いがけない素晴らしい一枚を生むことがあります。
時間に余裕があるときはぜひじっくりと園舎の表情の変化を観察してみてください。
撮撮影時の注意点
園舎の写真撮影では、技術的なことだけでなく、園や保護者への配慮も大切です。
特に近年は個人情報の保護が重視されており、思い出作りと安全性の両立が求められます。
ここでは撮影時に気をつけたい注意点をご紹介します。
撮影許可の確認
園舎を撮影する際は園に許可を得る必要があります。
特に園の特徴的な部分や、セキュリティに関わる場所の撮影については、事前に撮影可能な範囲を確認することが大切です。
また、園によっては撮影可能な時間帯が決められていることもあります。
丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
園に確認すべきこと
- 撮影可能なエリア
- 撮影可能な時間帯
- 園児が写り込む場合の対応
個人情報への配慮
園舎写真といえども、そこには様々な個人情報が含まれている可能性があります。
例えば掲示物に書かれた名前や、窓に貼られた作品なども厳密に言うと要注意です。
撮影後の確認も含めて慎重な対応が必要です。
確認が必要な要素
- 掲示物の園児名
- 個人の作品や制作物
- 教室内の持ち物
- 特定の園児が所有する写真やお便り
対処方法
- 撮影時に避ける
- 加工で消す
- 別アングルで撮り直す
- ぼかし処理を入れる
【コラム:「園の外」からの撮影について】
園舎の撮影で興味深い判例があります。実は「公道から見える建物の外観を撮影すること」は、基本的に法的な制限はないとされています。
しかし、それは法律上の話。
幼稚園や保育園の場合、子どもたちの安全を第一に考える必要があります。
外部からの撮影は、たとえ良かれと思ってのことでも、園や近隣の方に不安を与える可能性がありますので配慮が必要です。
レイアウトのアイデア
具体的に園舎の写真をレイアウトする際のヒントをいくつか紹介します。
大型表示
ページ数に余裕があるようでしたら見開き全面印刷で使用することをご検討ください。
園舎以外の風景に余裕があるようなら、そこに「集合写真」や「園歌」を掲載すると効果的です。
具体的に園舎の写真をレイアウトする際のヒントをいくつか紹介します。
季節の変化を並べる
同じアングルで撮影した園舎の写真を季節ごとに並べることで、園の四季の移ろいを効果的に表現できます。
これは単なる風景写真以上の、時の流れを感じさせる魅力的なページとなります。
例えば春夏秋冬のページがそれぞれあるようでしたら、各ページに、同じ季節で撮影した園舎を掲載します。
行事写真とのバランス
園舎の写真は行事の写真と組み合わせることで、より深みのあるページになります。
その行事が行われた場所の全体像があることで、子どもたちの思い出がより鮮やかによみがえってくるでしょう。
その他レイアウトに関するブログも併せてご覧ください。
おわりに
園舎の写真撮影は一見簡単そうで奥の深い作業です。
でも、難しく考えすぎる必要はありません。大切なのは「この場所で過ごした日々」を丁寧に記録しようという気持ちにあります。
写真の技術的な完成度以上に、その場所への愛情が伝わる一枚であれば、きっとそれが子どもたちの大切な思い出を支える土台となるはずです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆様の素敵な園舎写真撮影の一助となれば幸いです。
それでは、また
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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