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2025.4.5
卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ -その6.作業の効率化とクオリティアップ
こんにちは、キッズドン!代表の宗川玲子です。
「シリーズ:卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ」、今回は「その6.作業の効率化とクオリティアップ」をお届けします。
卒園アルバム制作の作業を効率化し、さらに品質も高める…そんな一石二鳥の方法をご紹介します。
制作の経験がない方でも実践できる内容となっていますので、参考にしていただければ幸いです。
- 卒園アルバム作りが思うように進まない原因は?
- 写真整理の効率的な方法を知りたい
- 作業時間を短縮するコツはある?
- クオリティを上げるポイントが知りたい
- 業者に依頼すべき作業の見極め方は?
- 委員間での役割分担はどうすればいい?
目次
作業効率化の重要性
卒園アルバムを制作する過程で、もっとも嘆かわしいのは「仕事と家庭の合間を縫って作業をしているのに、なかなか前に進まない」というジレンマです。
作業に追われ、その作業自体も迷走し、結果として見栄えの良くない原稿になってしまう…
この悪循環を断ち切るには、まず「効率化」を意識して取り組むことが大切です。
具体的な方法を見ていきましょう。
時間の使い方を見直す
「時間がない」と嘆く前に、まずはその「時間」をどのように使っているかを見直してみましょう。
例えば写真選定。
せっかく作業に着手したのに、その写真がどのフォルダに保存されているかを探すことに時間を費やす…といった経験はありませんか。
あるいは制作ソフトやアプリの使い方に戸惑い、何度も操作をやり直す…
この「無駄な時間」を減らすことが、効率化の第一歩となります。
こちらのブログもよろしければご覧ください。
スケジュール管理は絶対条件
「制作時間を見つけられたらその都度進めよう」
いたしかたないかもしれませんが、この考え方は相当に危険と言えます。
見つけた時間は限られているのに、そこで何をすべきかを考えることに時間を浪費してしまうからです。
年間スケジュールを立て、そこから逆算して「今日は何をする」という計画性を持つことが重要と言えます。
下のブログはスケジュールをテーマした記事になります。
やるべきことの優先順位付け
アルバム制作には数多くの課題が存在します。
写真撮影、写真選定、デザイン検討、レイアウト作業、文字入力…など、やるべきことを列挙するとキリがありません。
これらを「時間のある時にやれることから」と進めると、後で大変な事態を招きます。例えば…
- デザインに凝りすぎて肝心の写真選定が後回しに
- 個人ページの作り込みに時間を取られ共通ページが雑に
- 文字入力を後回しにして校正時間が確保できない
この「後悔」を避けるため、やるべきことの優先順位をしっかり決めましょう。
卒園アルバム制作は決して短距離疾走ではなく長い道のりのマラソンのようなものです。
ペース配分を考えて着実に前に進むことをおすすめします。
こちらの関連記事も併せてご参照ください。
写真整理のコツ
アルバム制作で時間を浪費するのが「写真の整理と選定」です。
特に、スマホで気軽に撮影できる時代だからこそ、卒アル委員撮影班の写真を集めるとその量は膨大なものとなります。
この写真整理に明確なルールを設けないまま進めると、後々大きな後悔を招くことになりかねません。
フォルダ分類で迷わない管理を
整理されていない写真群から必要な1枚を探し出すのは、まさに「干し草の山から針を探す」ような作業となります。
写真を受け取ったらすぐに次のような分類でフォルダを作ります。
- 行事ごと(運動会、発表会など)
- 時期ごと(春夏秋冬)
- 用途ごと(集合写真、個人写真など)
そして各フォルダの写真は「Good」「使用可能」「ボツ」「要検討」などのサブフォルダに振り分けます。
この作業を後回しにすると毎回同じ写真を見直す無駄が生じてしまいます。
写真選定の基準をつくる
「いい写真」の判断基準は人それぞれです。
そのため委員間で写真を選定する際なかなか意見が一致しないことがあります。
これを避けるため、事前に以下のような選定基準を設けることをお勧めします。
- 1.画質が劣化していない
- 2.被写体のピントが合っている
- 3.周囲に不要な人や物が写っていない
- 4.他の園児との掲載回数バランスが取れている
- 5.人物の背景に思い出を想起できるものが写り込んでいる
- 6.下着類が見えていない
- 7.先生がスマホ撮影する光景が写っていない
数点解説を挟みます。
1.画質が劣化していない
何よりも重要なのが画質劣化している写真を除外することです。
画質劣化とは「カクカクしたイクセル表示のように見える」「うっすらとにじみのような模様が見える」「ずばり鮮明でない」などの現象です。
これが発生する原因は「撮影時の設定が低画質になっている」あるいは「LINEアルバムのようなクラウド管理」が挙げられます。
特にLINEアルバムは「手軽に共有しやすい」という点で選ばれがちですが、アップした時点で、相当に基の解像度より圧縮が掛かると思って良いでしょう。
トークへの「オリジナル」画質を選択しての送受信は問題ありませんので、使用方法を改めて検討してみてください。
こちらのブログもご参照ください。
4.他の園児との掲載回数バランスが取れている
園児掲載枚数の公平性は大切です。
ですが、あまりこれにこだわりすぎると「心に響く良質な卒園アルバム」からほど遠くなることもあります。
- 個人競技や個人仮装を全員載せることでページ面積を圧迫
- カウントが面倒になり安全圏である「集合写真」ばかりに頼りがちになる
- 前半ページは公平となってるが後半ページは手が抜かれて公平になっていない
これらのリスクを防ぐ方法として「アルバム全体で公平性を保つ」、「予め年初の保護者会で完全な公平性は無理であると宣言」などがあります。
公平性を意識するあまり「単なる記録写真集」とならないよう、ご留意ください。
5.人物の背景に思い出を想起できるものが写り込んでいる
- 園児の後方に写り込む特徴的な園庭の遊具
- 降園のシーンで後方に見える印象的な玄関と満開の桜の木
- 教室での集合写真撮影の背景にある「誕生日タペストリー」
- いつかなくなるであろう「散歩コース」でのあの風景この建物
これら「人物」以外のモノが、数十年後にアルバムを開いた時の「想起(思い出す力)」の強力な引き金となります。
キッズドン!が「おまかせコース」で「人物のシルエットに忠実な切り抜き」を行わない理由の一つとして上記のことが挙げられます。
ぜひ「中心人物の後」にあるモノまで目を凝らして選定されてください。
こちらの記事も併せてご覧ください。
6.下着類が見えていない
特に集合写真での最前列で座っている園児に注目し、下着が見えていないかを確認してください。
対象の園児が「今は気にしない」でも、数十年後にこれを見て嫌悪感を抱くことは想像に難くありません。
昨今、プール遊びにおける「水着姿」を掲載NGとする傾向が強まっています。
写真をどうしても使用すべき際は画像処理等で下着部分を消去するなどの対処をします。
スマホのアルバム機能を活用
パソコンが無い場合は、スマホに標準装備されている「写真→アルバム機能」で分類をかけておくと良いでしょう。
また、最近のスマホには顔認識機能が搭載されており、特定の人物が写っている写真を自動で抽出することができます。
しかし、この機能を過信するのは危険と言えます。
- 横顔や後ろ姿は認識されない
- 複数人が写る写真で誤認識が起きる
- 遠景写真は認識されにくい
などの制約があるためです。
機能に頼りすぎず、目視での確認も怠らないようにしましょう。
写真整理は地道な作業ですが、この段階での手抜きは後の工程で何倍もの時間を費やす結果となり、さらに完成後の後悔にもつながります。
作業時間を減らす工夫
アルバム制作に着手してみると、想像以上に細かな作業の連続であることに気づきます。
この作業を「思いつきで」「場当たり的に」進めると、余計な時間を費やすことになります。ここでは効率化のための具体的な工夫をお伝えします。
テンプレート活用のメリット
アルバムの各ページをゼロから作り上げようとすると、途方もない時間がかかります。
それを避けるため、次のような「テンプレート」を活用しましょう。
卒園アルバムのテンプレートなんてあるの?
ここでのテンプレートとは次のようなイメージです。
- 1.配置等のルール決めを行っておく
- 2.Canva(キャンバ)等のグラフィックツールで「配置枠」を定めて共有
- 3.卒アルメーカー提供のテンプレートを使用
解説を挟みます。
マイクロソフトWordでもExcelでもコピー用紙への手書きでも、なんでも結構です。
「ここに大きく集合写真」「ここにメインタイトルを」「ここには園児個々の顔アップ写真を丸く切り取って」などの「ルール」を決めます。
ただし、ルール厳守というわけではなく、制作に負担が無いようであれば自由にアレンジOKという柔軟さを入れておきます。
制作に苦手意識がある方は「ルール通り」に、創意工夫心に溢れてる方はルールをアレンジしてオリジナルに…という考えで作成を進めます。
下のブログは「自作テンプレートのすすめ」をテーマにした記事になります。
SNSのテンプレートやグラフィックテンプレートも豊富に揃う「オンライングラフィックツール」の数々。
中でもCanva(キャンバ)は圧倒的台頭をしめます。
キャンバには「フレーム」と「グリッド」という二つの「写真枠設定」を造作できる機能があり、これを活かしてベースとなるテンプレートを作成しておきます。
各「写真枠」のサイズや縦横比率の可変は自由自在なため、原稿制作メンバーは「ベース」となるテンプレートを調整しながら、担当するページを作っていきます。
キャンバを使用して卒アル制作を行うハウツーを紹介した記事も併せてご参照ください。
卒園アルバムメーカーの多くは「卒園アルバム制作ソフト」を提供しており、多くのテンプレートを用意しています。
そのメーカーと「アルバム制作契約」を行うことが前提ですが、これを活用して制作を進めます。
尚、私どもキッズドン!にはこの制作ソフトの提供はございません。
ですが「背景と写真枠が描かれ<写真部分が透明化>されてる100種のテンプレートファイル」を提供しております。
詳しくは下記のブログ記事をご覧ください。
繰り返し作業はルーティン化
アルバム制作では、同じような作業を何度も繰り返すことがあります。例えば、
- 写真の明るさ・色彩等の補正作業
- 文字入力の書式設定
- 写真の適切なサイズ変換
これらの作業のほとんどは「数値化」で処理できるものです。
「明るさは+0.2」「メインタイトルは24ポイントで太字丸ゴシック」「写真の横幅1800ピクセルでWebアプリで処理」なです。
作業手順を明確にし、できれば手順書として残しておくことをお勧めします。委員間で共有するれば「繰り返しの飽き」から解放され効率があがあることでしょう。
委員同士の作業分担
「みんなで同じ数のページを作る」というのは、一見公平に思えますが、全体のプロセスを俯瞰してみると非効率な方法となる場合があります。
仮に創作が苦手な方に「原稿制作」が割当てられて良いものが出来るでしょうか?
写真撮影に全く興味ない方に撮影を頼んだ場合「何を中心として撮影してるんだろう」的な絵が大量に出来上がる恐れがあります。
このことから、卒園アルバム制作をチームで行う場合「得意分野」を活かした役割分担が良いとされています。
- 写真撮影が得意な人
- デザインセンスがある人
- 文章を書くのが上手な人
- 進行管理が得意な人
このように適材適所で作業を割り振ることで、全体の作業効率は格段に上がります。
こちらの記事もご覧ください。
クオリティアップのポイント
効率化を進めながら、同時にアルバムの質も高めたいもの。
しかし「クオリティアップ」と聞くと難しい技術や特別なセンスが必要と思われがちです。
実は、いくつかの基本的なポイントを押さえるだけで、アルバムの仕上がりは大きく変わります。
写真の品質にこだわる
どんなに凝ったデザインを施しても、写真の品質が良くなければアルバムの価値は半減してしまいます。
特に注意したいのは次の点です。
- 1.シーンの特性を理解して撮影機材を選ぶ
- 2.ストロボを効果的に使用
- 3.クラウドサービス利用での圧縮に注意
- 4.時としてカメラマン派遣を考慮
解説を挟みます。
1.シーンの特性を理解して撮影機材を選ぶ
スマートフォンは手軽さが魅力ですが、暗い場所や遠くの被写体の撮影は苦手です。
望遠専用レンズがスマホに搭載されてる場合でも、被写体に対して「狙った画角」で抑えることはできません。
また、画面をピンチインして拡大する「デジタルズーム」は極端に「画質劣化」を伴うことから使用を控えるべきです。
これらのことからスマホカメラは「近景」や「近くのものから遠くのものまでも全ピント」で撮影の特化し、それ以外は一眼レフやコンパクトデジタルカメラの使用をおすすめします。
下のブログカードは写真撮影に関する関連記事です。
2.ストロボを効果的に使用
「ストロボを発行すると立体感が失われる」という理由で使用をためらう方が多くいらっしゃいます。
ですが、教室内や暗所での「発行なし撮影」は「シャッタースピードが低速になる故の手ブレ」や「必然的に暗い」という結果になりがちです。
この場合「レンタルで外付けストロボ」を手配され、天井に発行して降り注ぐ自然な光で撮影する「バウンス撮影」等を利用し、美しい写真を残すべきだと思います。
撮影機材レンタルをテーマにしたブログもご参照ください。
3.クラウドサービス利用での圧縮に注意
前章でもお話ししましたが、LINEアルバムでの写真共有は「画質劣化」の元となります。
同様にクラウドサービスでも大なり小なりの圧縮は必須であり、使用の際はビフォーアフターを良く見て「品質に問題ないか」を確認すると良いでしょう。
ちなみに多く存在するクラウドの中でも優れた保管品質を保持するは「Googleフォト」です。
「高圧縮」にも関わらず、画質劣化はほぼ無しという技術が活かされています。一度お試しいただければと思います。
こちらの記事もご参照ください。
4.時としてカメラマン派遣を考慮
予算が取れるようであれば「要(かなめ)となる行事」にはカメラマンの手配をお勧めします。
動きが早く遠方からの撮影となる運動会や発表会、普段の様子に密着して保護者の知らない側面を収めてもらう…
など数ページ分の撮影でも良いと思います。
アルバム全体の中に数ページでもハイクオリティな写真で構成されてるページがあると、不思議にアルバムそのものの品質が高まったように思えます。
カメラマン派遣に関する記事を貼っておきます。
統一感のあるデザイン
ページ制作者の感性は十人十色のため、ページごとの風合いが異なってこそ「卒園アルバムらしい」と言えます。
ですが、デザインが得意な方ならまだしも、そうでない方に対して「自由に創作して!」と伝えても、どうしたらいいかわからないという気持ちが正直なところでしょう。
このことから「ある程度の雰囲気」を統一するようにし、オリジナリティを出したい方はどうぞどうぞ…といったスタンスが良いでしょう。
共通要素の一例としては、
- 基本写真点数
- 文字のフォント
- 余白の取り方
- 見出しの位置
- 基本的な色使い
共通項目が守られてるアルバムですと、自然と統一感が生まれ「見やすさ」が向上します。
校正作業は複数人で
誤字脱字のチェックは制作者一人では限界があります。
特に気をつけたいのは次の項目です。
- 園児の名前の表記
- 行事名や日付
- 先生からのメッセージ
- 保護者のコメント
これらの間違いは完成後に発覚すると取り返しがつきません。
校正は最低でも3人以上で行い、それぞれ異なる視点でチェックすることをお勧めします。
業者の力を借りる判断
アルバム制作を全て自分たちの手で行おうとする気持ちはとても素晴らしいものです。
しかし、時として「業者の力を借りる」という選択肢も検討する価値があります。
ここでは、その判断のポイントをご紹介します。
作業のアウトソーシング
- 委員の数が少なく作業が追いつかない
- パソコンを持っている委員が限られている
- 仕事や家庭との両立で時間が取れない
- デザインに自信がない
- 保護者制作に批判的意見があり購入を拒む方がいる
このような場合、デザインやレイアウト作業を業者に委託することで、負担を大幅に軽減できます。
私どもキッズドン!では「おまかせコース」の名称の基、この作業サービスをご提供しております。
プロの技術を活用する
ちなみにキッズドン!のおまかせ制作にて、プロの技術が特に活きてくるのは次の項目です。
- 写真の画質補正
- デザインレイアウト
- 印刷品質の確保
- 製本作業の安定性
- お客様作業のコンサルティング
慣れない作業に時間を費やすより、信頼できる業者に任せることでかえって効率的な場合もあります。
コストと作業量のバランス
業者委託には当然コストがかかります。しかし、次のような視点で考えてみてはいかがでしょうか。
- 委員の負担軽減の価値
- 作業時間の短縮効果
- 完成品の品質保証
尚、キッズドン!の場合「おまかせコース」と「お客様ご自身で原稿制作」のアルバム単価差額は「300円」です。
金額だけでなく、これらのメリットも含めて総合的に判断することが大切と思いますがいかがでしょうか。
おわりに
卒園アルバム制作は、効率化とクオリティアップを両立させることで、より良い思い出の一冊となります。
今回ご紹介した方法を参考に、無理なく、でも妥協せず、あなたらしい制作を進めていただければ幸いです。
次回は【ステップ7-写真の補正と加工】として、写真をより魅力的に見せるテクニックをご紹介します。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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