卒園アルバムのつくりかた
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2025.3.18
卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ-その4.ページ構成を考える
こんにちは。卒園アルバム専門メーカー キッズドン!代表の宗川玲子です。
「シリーズ:卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ」、今回は「その4.ページ構成を考える」をお届けします。
卒園アルバムのページ構成を考える時、多くの方が「ページ数が多ければ多いほど良いアルバムになる」と思い込みがちです。
私たちキッズドン!に寄せられる相談でも「24ページのアルバムを考えているのですが、36ページに増やした方が良いでしょうか?」という声を耳にします。
そんな最適なページ設定のノウハウと、ページ数を決めていく上での着目点などについて解説いたします。
- アルバムはページ数は多ければ豪華に仕上がる?
- どんな行事を載せれば喜ばれる?
- 予算がなくて少ないページ数でしか作れない
- 1ページに掲載する写真点数の最適枚数は?
- ページ数の参考例を見たい
なぜページ構成が大切なのか
ページ構成はアルバムの骨格となる重要な要素です。
ですが、ここで陥りやすい落とし穴があります。
卒園アルバムの良し悪しは「ページ数の多さ」では決まりません。
むしろ、限られたページ数で園生活の思い出を凝縮させた方が、見る人の心に響くことが多いといえます。
例えば、36ページのアルバムでは、1つの行事に4ページも使うことがあります。すると似たような写真が並び、かえって見る人の興味を削いでしまいます。
一方で、16ページのアルバムでは、1行事2ページと決めることで、インパクトのある写真だけを厳選でき、見応えのある構成に仕上がるのです。
ページ構成を考える3つのポイント
卒園アルバムのページ構成で大切なことは次の3点です。
- 1.無理のない予算に見合ったページ数を設定する
- 2.保護者の負担(料金面)を考慮する
- 3.見る人を飽きさせない写真の選び方をする
高額なアルバムを作ろうとして保護者から反感を買ったり、たくさんのページを作ろうとして制作が間に合わなくなったり…。
こういった失敗を防ぐためにも、まずは無理のない計画を立てることが賢明です。
上の三項目を詳しく説明します。
1.無理のない予算に見合ったページ数を設定する
予算が決まっている場合、その範囲に必ず収めることが重要です。
「もっと内容を豪華にしたい」といった特定の思いから、予算を超えて検討することは好ましくありません。
卒園アルバムは、あくまでも「思い出を想起(思い起こさせる作用)させるツール」として割り切る必要があります。
品質とページ数の関係
仮に「本文ページに厚紙を使用し印刷には最高品質のものを」と理想を立てれば、コスト高のため、ページ数は少なくなります。
反対に「どんなにペラペラの紙で低品質でもいいからたくさんの写真を詰め込みたい」と割り切ればページ数を多くすることができます。
どちらを選択するかは人それぞれですが、私が過去13年間で見聞きしてきた経験として言えることは
ようなアルバムが、園児、保護者、先生等に好評を得る傾向にあります。
全て詰め込もうとしない
厳選された写真をシンプルに掲載するアルバムがなぜ好評を得るのでしょうか。
- シンプル(少数)ほど印象に残りやすい
- 少ないページは最後まで飽きることなく閲覧できる
- 優れた1点の写真はたくさんの記憶を想起させる
- デザインレイアウトが洗練される
このような作用がコンパクトなアルバムには期待できます。
2.保護者の負担(料金面)を考慮する
「卒園アルバムを全ての保護者が求めていない」という前提をもつことが大切です。
経済的理由、卒アル委員の負担危惧、園に対する個人的感情、卒アルの存在意義、など様々な「内に秘めた意見」があります。
このことから無理のない予算設定が必要となり、保護者の意見を事前に徴収することが卒アル制作の「はじめの一歩」と言っても過言ではありません。
このシリーズ記事の「ステップ1」を併せてご覧ください。
仮に低予算という結果であっても、前述の通り「コンパクトなアルバムが好まれる」の思想に立って計画を行えば、きっと誰もが満足できる仕上がりになるはずです。
記録と作品
卒園アルバムのページデザインを想定する際「唯一無二の素敵なデザイン」を巡らすことがあるでしょう。
ですが、仮に低予算で「印刷品質があまり良くなく紙質も薄くてペラペラ」の場合、思い描くデザインのポテンシャルを十分に引き出すことは困難です。
さらに「良い写真が思いの他少ない」といっったこともあるでしょう。
このような場合、卒園アルバムを「作品」として見立てるのではなく「記録」としての位置付けにして制作を行うのも一考です。
大切なのは「その写真が綺麗か、アート的か」というより「その写真から何を思い出すことができるか」という卒アル委員担当者の「想像力」になります。
この点を割り切って制作を行えば、「制作する責任」のストレスも軽減され、結果として皆様から喜ばれるアルバムになるでしょう。
3.見る人を飽きさせない写真の選び方をする
例えば「公平性」を重視するあまり「同じような写真が並ぶ」掲載があります。
運動会の跳び箱を飛ぶ瞬間のような個人競技、遠足のお弁当グループ、制作物を手にもった個人写真…
このように徹底した公平性を求めると、アルバムを見る方々にとっては「つまらない」表現として映ることがあります。
また、このような構成ですと、いくらページ数があっても足りません。
それゆえにアルバムの品質を落としてページ数を稼ぎ、その結果「クオリティも表現も残念な結果に行き着く」となる場合があります。
また写真選定や制作自体にも大きな労力と時間がかかり、息切れしてしまうリスクを伴います。
アルバム全体で公平性を考慮する
この解決方法としては、その行事、そのページ内で公平性を保つのではなく「アルバム全体」で公平性を保つような構成にすることです。
これにより1ページに掲載する写真点数は低減され、シンプルで見やすくなり、作業自体も楽になります。
ページ制作を複数の委員で行う場合「このページはAくん、Bちゃん、Cくん」といったルールを作り、その「主となる園児」を中心に担当者は制作を行うと良いでしょう。
絶対的公平性は無理なことを事前案内
できれば年度はじめの保護者会で、卒アル委員より各保護者に向けて、このようなアナウンスをするとベストでしょう。
この一言を放つだけで、各卒アル委員の肩の荷が降りて、余計な思いにかられながら制作を進めることから抜け出すことができるでしょう。
卒園アルバムはマラソンですので、いかに余計なエネルギーを消耗することなく、楽しくゴールを目指せるかが成功の鍵となります。
次の章では、具体的なページ構成のパターンをご紹介していきます。
定番のページ構成を知ろう
どのページをどういう順序で配置するのか。
これはアルバム制作の中でも初期に決めておきたい重要なポイントです。
ここからは代表的なページ構成をご紹介しますが、いずれも「ページ数を抑えて」作るコンセプトでご案内していきます。
園生紹介ページ
アルバムの冒頭を飾る大切なページです。
ですが、個人写真を大きく使おうとすると写真点数も増え、結果的にページ数も膨らんでしまいます。
おすすめは「1ページに4名」のコンパクトな構成。
写真は年長時の笑顔のショット1点か、あるいはその写真を中心に、赤ちゃんの写真と必要最小限の情報やアンケート(名前・誕生日・好きな遊びや将来の夢)を添えましょう。
園児が多い場合は6名構成にすることで、ページ数を抑えることができます。
最も注目度の高い「園児紹介ページ」
卒園生が未来でアルバムを開く時、常に注目度が高いのは、この園児紹介ページと言われています。
元々「文字情報」は人の注意を惹きつけるものであり、それも含めて「ともに過ごした仲間たち」が一同に見え、さらに個々のプロフィールは何度見ても楽しいものなのでしょう。
それゆえに「重要なページ」と位置づけられますが、ページ数が少ない場合、あえて園児紹介をカットしてしまう方法があります。
それは各行事ページの決められたスペースを「園児紹介コーナー」として、全ページに散りばめる構成です。
この構成により、最終ページまで「次は誰が登場するだろう」といった楽しみがあり、見る人を飽きさせない効果があります。
先生紹介ページ
ページ数に余裕がある場合は、園長先生から始まり、全ての先生までを1名づつ載せる方法があります。
ですがページ数に余裕が無い場合、この掲載は理想的ではありません。
この場合、先生全員を「集合写真」として撮影し、写真下に氏名表記をする方法をおすすめします。
なるべく「弾けたいつもの先生」の姿で
この集合写真を撮影の時、ぜひお試しいただきたいのが「先生に弾けていただく」ことです。
手には園児の皆さんと遊んだ玩具や思い出の品を持ち、個々にポーズを取っていただきます。
できるだけ明るい表情で口を開けたり、少し変顔したりがちょうど良いでしょう。
園児は「かしこまって入社式の記念撮影のような先生」を期待していません。
この「弾けた写真」により、いつも優しく語りかけてくれて、体全体を使って遊び、たくさんの玩具や遊具に囲まれた日々を思い起こすことでしょう。
先生紹介ページの制作方法をテーマにしたブログがございます。
行事ページ
運動会や発表会など、ビッグイベントは見開き2ページが基本です。
前章でも触れましたが、公平性を得るための「全ての競技や演目を個人ごとに載せようとする」ことは一考が必要です。
写真は行事の雰囲気が伝わる全体像と、園児の表情がよく分かるアップショット、この2種類を中心に構成します。
1ページ25点以上の写真を使用すると、かえって見づらくなってしまうので注意が必要です。
ビッグイベントをあえて掲載しない選択肢
ビッグイベントは、保護者参加が主流であり、スマホカメラなどによる我が子中心の撮影を「各ご家庭」でされています。
このことから運動会や発表会などの保護者参加行事は「あえてアルバムに載せる必要はないのでは」という発想が多くなってきています。
ページ数を削減できる、もっと大切なイベントや園の様子のページ数を増やせるといったメリットがあり、合理的手法と言えます。
こちらの関連ブログもご参照ください。
日常生活ページ
お散歩や給食、自由遊びなど、日々の園生活を切り取るページです。ここは見開き2ページで季節ごとにまとめると、アルバム全体がすっきりとします。
遊んでいる姿、お友達と笑いあう姿など、園生活の自然な表情が伝わる写真を選びましょう。
時計や矢印素材を使用して
日常生活は「異なる様々な日程から集めたスナップを掲載」するものと「特定の1日を密着するようなスタイルで掲載」する2つのパターンがあります。
前者のタイトルは「ふだんのようす」、後者のタイトルは「えんのいちにち」などになるでしょうか。
多く採用されてるのは、後者の「1日密着」型です。
この場合重要になってくるのは「時系列」。
あさの会から始まり、活動や給食、お昼寝を経て降園までのシーンをダイジェストにまとめます。
この時ぜひ使用したいのが「時計」と「矢印」のフリー素材です。
各シーンごとに時計を配置し、時系列の誘導として矢印を効果的に使用します。
これら日常生活ページは、普段保護者が目にしていな光景が集まるため、注目のコンテンツとなります。
また、園児たちも身近なシーンであることから、未来でこの写真を見た時、鮮明に園の様子を思い起こすことでしょう。
「園の一日」ページの作り方を解説したブログがございます。
個人ページ
個人ページといえば「卒園アルバムになくてはならないページ」とされてきていました。
ですが時代の変化とともに、このページは削減傾向となっています。理由としては、
- 家庭に大量の写真があるため作成の必要を感じない
- メッセージを書くのが負担
- 乳児期から幼児期の写真を探すのが困難
- 個人情報保護の観点から掲載に対して懸念がある
- ページ数を割くため他の載せたい行事が犠牲になる
などが挙げられます。
これらの理由から「個人ページ」は作成せず「卒園生紹介ページ」に数点のアンケートを記載して代用を図るケースが、現在は顕著です。
家庭からの写真提供に疑問
個人ページを作成する際の写真選定方法は、主に「各家庭から数点のお気に入り写真を提供いただく」こととなります。
ですが、よくよく思えば「なぜ、家庭で過ごした場面」を卒園アルバムに載せなくてはならいのかという疑念が生じます。
本来卒園アルバムは「ともに過ごした仲間たち」との大切な時間と思い出をシールドするものです。
「各個人の成長を喜ぶ」「あの子の知らない普段の様子が見れる」といった前提の元であれば「各家庭写真」でも良いと思いますが、今一度、個人ページ作成の趣旨を考え、作成の有無をご検討ください。
キッスドン!の個人ページ
私どもキッズドン!のアルバム商品「ハードカバーフルフラットスタンダード」は、1冊づつ異なる「個人別ページ1ページ」、または1冊づつ異なる「表紙」の仕様にすることができます。
これにより人数分のページを割くこともなく「ぼくだけ・わたしだけ」のアルバムが完成します。
この仕様であれば、「そのご家庭だけの卒園の記録+個人ページ」となることから、前述の「l個人ページ削減傾向の理由」の課題はクリアされます。
詳しくは下のボタンから専用コンテンツをご覧ください。
個人ページに関するブログをご用意しております。
おすすめのページ構成パターン
卒園アルバムのボリュームは、保護者の予算や委員の作業量を考慮して決めることが大切です。
高額なアルバムを作っても、保護者から「そこまでする必要があったのか」と言われては本末転倭です。
ここでは3つの現実的なパターンをご紹介します。
基本パターン(16ページ)
コストを抑えながらも思い出をしっかり残せる、最もおすすめの構成です。
- 卒園生紹介(2ページ)
- 先生紹介+クラス写真(2ページ)
- 運動会(2ページ)
- 発表会(2ページ)
- 園のいちにち(2ページ)
- 春夏の思い出(2ページ)
- 秋冬の思い出(2ページ)
- 卒園式(2ページ)
このパターンでは各ページの写真点数を20点前後に抑えることで、1冊の制作にかかる時間も大幅に削減できます。
スタンダードパターン(24ページ)
基本パターンに、いくつかのページを追加した標準的な構成です。
ただし、ページ数が増えることで制作期間と費用も増加する点に注意が必要です。
- 卒園生紹介(4ページ)
- 先生紹介+クラス写真(2ページ)
- 春の思い出(2ページ)
- 運動会(2ページ)
- 夏の思い出(2ページ)
- 発表会(2ページ)
- 秋冬の思い出(2ページ)
- 園のいちにち(2ページ)
- 個人ページ(4ページ)
- 卒園式(2ページ)
その他のページ構成につきましては、下記のブログをご参照ください。
ページ構成での失敗例と対策
ページ構成で迷走してしまうと、その後の制作作業全体に影響が出てきます。
ここではよくある失敗例とその対策をご紹介します。
ページ数と写真数のバランスが取れない
「とにかく全ての写真を載せたい」という思いから、1ページに大量の写真を詰め込んでしまうケースです。
写真を小さくしすぎて表情が分からなくなったり窮屈な印象を与えてしまいます。
対策として、1ページあたりの写真点数の上限を決めておきましょう。
- 見開き2ページで40点程度
- 1ページあたり20点程度
- 集合写真は大きめに1〜3点
このくらいの配分で進めると見やすく整ったページに仕上がります。
卒園アルバムの写真選定は「引き算」であり、大胆な取捨選択がものをいいます。
行事の掲載順序がちぐはぐ
運動会のページの次に入園式が来たり、夏祭りの後に春の遠足が来たり…。
時系列が前後するとアルバムを見る人が混乱してしまいます。
1年間の主要な行事をリストアップし、その中から掲載する行事を厳選。
時系列に沿って配置していきます。季節感も大切にしながら構成を考えましょう。
似たような写真が多いページができてしまう
前章でも触れましたが、特に運動会や発表会など大きな行事で起こりがちな「同じ種目(演目)で同じアングルでの園児全員写真」。
「玉入れの写真を5枚も使用している」「お遊戯会の同じような踊りの場面が続く」といった具合です。
対策としては、1つの種目や演目につき2〜4点程度と決めてしまうことです。
- 全体が分かる引きの写真2点
- 表情が分かるアップの写真2点
このように使用する写真に明確な役割を持たせることで、メリハリのある構成が作れます。
繰り返しになりますが、卒園アルバムは「全ての場面を記録する」のではなく「数点の写真から全てのシーンを思い起こしてもらう」ものです。
このポイントから逸脱することなく、シンプル化を目指すことをお勧めします。
ページ構成を決める時の具体的な手順
理想的なページ構成を実現するため、具体的な3つのステップをご紹介します。
Step1-利用可能な写真を確認
手元にある写真と、これから撮影が出来る行事の写真はどの程度あるか…。
カメラマン撮影の写真、先生撮影の写真、保護者撮影の写真。それぞれどのくらいのボリュームとなるかを、ざっくり想定してみます。
この時点で撮影の機会が少ない、または撮影不可が多いいと分かれば、ページ数を抑える判断ができます。
反対に写真が多すぎる場合は、選定基準を厳しくする、またはページ数を増加させる必要があります。
Step2-おおまかな構成を決める
写真撮影可能範囲が把握できたら、ページの並び順を考えます。
行事ページは時系列順が基本ですが、インパクトを考えて意図的に順序を変えることも場合によっては可能です。
例えば卒園式を巻頭に持ってくる、先生紹介とメッセージを巻頭に持ってくるなど、設定によっては感動的な演出になります。
Step3-各ページの写真点数を決める
1ページあたりの掲載点数を決めることで、写真選びの指標になります。
また後から写真を追加したくなっても、この基準があれば安易な追加を防ぐことができます。
委員全員でこの基準を共有することで、作業効率も上がり、統一感のあるアルバムに仕上がります。
おわりに
ページ構成は、アルバム制作の設計図とも言える重要な工程です。
ページ数を増やすより、コンパクトでメリハリの効いた構成を目指すことをお勧めします。
予算面での保護者の負担、作業面での委員の負担、この両方に配慮しながら進めることで、きっと素敵なアルバムが完成するはずです。
次回は【ステップ5-個人ページの作成】に移ります。
前章でも「個人ページは削減傾向にある」とお話ししましたが、このような課題にどう対処するかなどを解説してまいります。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
シリーズ:卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ
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