卒園アルバムのつくりかた

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2025.3.14

卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ:その3.写真撮影と選定のコツ

卒園アルバム-写真撮影と選定のコツ-ヘッダー

こんにちは、キッズドン!の宗川玲子です。

シリーズでお届けしている「卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ」

今回は「その3.写真撮影と選定のコツ」についてご紹介します。

前回のステップ2「制作方法の選択と作業分担」で、写真撮影担当者と方針が決まりました。

そこで今回は、卒園アルバムに使用するための効果的な「写真撮影」方法をお伝えします。

スマホカメラの弱点や効率的な写真選定方法、選定後の共有方法など、実践的なポイントをご紹介していきます。

この記事はこんな問いにお答えします
  • アルバム用の写真はどんな風に撮れば良いの?
  • 写真撮影は誰が行うべき?みんなで撮ればいいの?
  • 写真選びの基準はどう決めたらいい?
  • 撮影した写真はどうやって整理すればいい?
  • 写真の共有で気をつけることはある?
  • プライバシーに配慮した写真撮影のコツは?

撮影担当者を決める

撮影担当者を決める

卒園アルバム制作において、まず決めるべきは「誰が写真を撮影するか」です。

毎年の慣例に従うだけでなく、今年度の状況に合わせた計画を立てましょう。

撮影者の特徴とメリット・デメリット

撮影者は主に以下の3つのグループに分けられます。

  • 1.卒園アルバム委員
  • 2.先生
  • 3.プロのカメラマン

それぞれの特徴を理解した上で「どの行事を」「誰が」「どのように撮影するか」の計画を立てることが重要です。

1.卒園アルバム委員による撮影

卒園アルバム委員による撮影

卒アル制作をする上で最も多いのが「委員による撮影」です。

現代ではその内の7割がスマホカメラで撮影されています。

メリット
  • 費用がかからない
  • 撮影時間や枚数に制限がない
  • 様々な場面を自由に撮影できる
デメリット
  • 特にスマホのみの場合、遠くの被写体を撮影する際に画質が低下する
  • 暗所での撮影が難しい
  • 写真が多すぎて選定作業が煩雑になりやすい

スマホ使用での注意点をテーマにした関連ブログがございます。

2.先生による撮影

先生による撮影

先生が日常的に撮影している写真は「記録」としての性質が強いため、芸術的な作品を期待するのは適切ではありません。

この点は事前に理解しておきましょう。

メリット
  • 保護者が普段見られない園生活の様子を捉えられる
  • 避難訓練や交通安全教室などのマイナーイベントの様子も入手できる
デメリット
  • 記録としてのスナップショット風の画調が中心
  • 多くの写真を撮るために低画質設定にされていることが多く印刷時に問題が生じる場合がある

先生が撮影に使用する機材選びについて書いたブログも併せてご覧ください。

3.プロのカメラマンによる撮影

プロのカメラマンによる撮影

卒園アルバムの印象を決める要素として、写真のクオリティは7割を占めると言われています。

高品質な写真があれば、シンプルなレイアウトでも魅力的なアルバムに仕上がるという特徴があります。

メリット
  • 明らかに素人より高品質な写真が得られる
  • 適切なレンズの使用で、遠距離からでも鮮明な写真が撮影できる
デメリット
  • 費用がかかる
  • 運動会や卒園式などの人気行事は予約が取りにくい

以下はカメラマン関連のブログ記事になります。

各撮影者の特性を活かした行事別の撮影分担例

前章のメリットデメリットから、各撮影者は下記のような条件での撮影に向いてると言えます。

  • 運動会・発表会→カメラマンを中心に近距離のショットは保護者が補完/li>
  • 園での普段の様子やマイナーイベント→先生が撮影
  • 親子遠足・保護者参観などの近景撮影ができる行事→保護者が撮影

年間撮影計画の策定

年間撮影計画の策定

年度初めの4月にアルバム委員会または卒対委員会が発足したら、まず撮影計画を立てましょう。

アルバムのページ数が決まったら「どの行事をどのページに掲載するか」を決定し、それに基づいて撮影計画を立てます。

委員による撮影の場合は、園に行事の日程や時間を確認し、どの委員がどの行事を担当するかまで決めておくと具体的なイメージが掴みやすくなります。

委員による効果的な撮影方法

委員による効果的な撮影方法

卒アル委員が撮影を担当する場合、押さえておきたいポイントをご紹介します。

以外に大切なのは「撮影担当者の人数」です。

撮影者は少数精鋭で

「多くの人が撮影すればシャッターチャンスも増える」

と考えがちですが、実際には撮影後の「写真選定」作業が膨大になり、効率が悪くなります。

同じような写真が何枚も出てくると、選定作業は想像以上のストレスとなります。

理想的なのは「3名体制」です。

各委員が異なる役割で撮影に臨むことでバラエティに富んだ写真が効率よく集まります。

  • 遠景担当→全体の雰囲気や会場の様子を捉える/li>
  • 中景担当→複数の園児が映る集団活動の様子を撮影
  • 近景担当→個々の園児の表情や細かな動きを捉える

この分担により、写真の種類に多様性が生まれ、選定作業も効率的に進められます。

主要行事はスマホだけに頼らない

スマホカメラのデジタルズームには限界があります。

特に運動会や発表会などの大きなイベントでは、距離のある被写体を撮影する必要があります。

スマホの「ピンチイン・アウト」によるデジタルズームは、標準で捉えた画像を単に引き伸ばすだけなので画質が著しく低下します。

遠くにいる園児の表情をしっかり捉えるには、一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラの使用を検討しましょう。

最高画質設定を選択する

最高画質設定を選択する

一眼レフやデジタルカメラを使用する場合は、必ず最高画質に設定しましょう。

印刷用の写真は画面で見る時より約4.2倍の解像度が必要です。

撮影時点では、その写真がアルバムのどこに使われるかわかりません。

小さな写真としての使用か、大きな見開きページでの使用か、様々な可能性があります。

どのような使用方法にも対応できるよう高画質設定は必須です。

HDR機能の積極的活用

逆光や室内の暗い場所など、光量不足の状況では「HDR(ハイダイナミックレンジ)」機能を有効にしましょう。

後から写真を明るく調整すると画質が劣化する恐れがありますが、HDRなら撮影時点で明暗部のディテールをしっかり捉えられます。

外付けストロボの効果用

外付けストロボの効果用

ストロボと聞くと「室内撮影をする時だけ」使用するものとイメージされていませんか?

実は、屋外でも曇りの日や強いコントラストの条件下(プールサイドや強い日差しの公園など)でも、写真が予想以上に暗くなることがあり、ストロボが欲しいシーンが多々あります。

この問題を解決するには「外付けストロボ」の使用が効果的です。

カメラ内蔵のストロボを直接被写体に向けると平面的な印象になりがちですが、外付けストロボには以下のメリットがあります。

  • 光量調整により、日中でも自然な明るさを実現
  • バウンス撮影(天井に光を反射させて柔らかい光を作る)が可能
  • シャッタースピードの安定により手ブレを防止

こちらのブログもご参照ください。

専門機材はレンタルの活用を

カメラレンタルという選択

「でも卒アル用写真撮影だけに高額な一眼レフやストロボの購入はためらう」という方も多いでしょう。

卒アル撮影のためだけに高価な機材を購入するのは現実的ではありません。

カメラ機材のレンタルサービスを利用すれば、必要な時だけ一眼レフやストロボなどのプロ仕様の機材を手頃な価格で借りることができます。

運動会や発表会などの特別なイベントに限定して利用すれば、コスト面でも効率的です。

下のブログは撮影機材レンタルをテーマにした内容になります。

近景撮影は撮影後のトリミングを意識して

トリミングでアップされたキャラクター

園児や先生の近景撮影では、背景を含めた構図で撮影すると、後の加工や編集に便利です。

トリミングや切り抜きを前提とした撮影方法を心がけましょう。

編集しやすさを優先する

完璧な「作品」を目指した撮影よりも、編集しやすい写真を撮ることを優先しましょう。

体の一部が切れていると、後の切り抜き作業が難しくなります。

撮影者が「渾身の一枚」と思っても、制作者にとっては「扱いにくい一枚」になることもあります。

全体をしっかり捉えた写真が結果的に使いやすい素材となります。

AI編集機能を過信しない

AIの力によって「不要なものを不自然なく消去」する「スポット修正・削除」機能、最近では一般的に「消しゴムマジック」などと呼ばれていますね。

「後から消せばいいから周囲の人物は気にせずとろう」との過信はやや危険です。

消去の限界を理解する

消去対象が大きければ大きいほど、自然な仕上がりは難しくなります。

小さな対象でも、周囲の状況によっては不自然な結果になることも少なくありません。

できるだけ撮影時点で、不要な人物や物が写り込まないよう注意するべきです。

特殊モードより標準撮影を

スマホカメラには「ポートレートモード」など背景をぼかす機能や様々なエフェクトがありますが、これらの設定に時間をかけるうちに、決定的瞬間を逃してしまう可能性があります。

シャッターチャンスが最優先

特に園児は常に動き回っているため、レンズを向けてから素早くシャッターを切る必要があります。

背景のぼかしや色彩調整は、後から画像編集ソフトで行うことができます。

まずは「標準モード」で確実に瞬間を捉えることを優先しましょう。

バッテリーとSDカードの確認習慣

バッテリーとSDカードの確認習慣

園児のかわいい瞬間を目の前にして、「カードが入っていません」というエラーメッセージに唖然とした経験はありませんか?

データ移行後にSDカードをカメラに戻し忘れたり、充電したバッテリーをセットし忘れたりすることは意外と多いものです。

予備の準備が安心につながる

この問題を解決するには「SDカードとバッテリーの予備」を常に用意しておくことが効果的です。

卒アル撮影はバッテリー消費が激しいため、スマホ撮影でもモバイルバッテリーは必須アイテムです。

特に寒い季節はバッテリーの消耗が早まるため容量に余裕を持たせましょう。

携帯用三脚の活用

コンパクトな三脚

折りたたみ傘のようにコンパクトになる「ミニ三脚」があると、様々な場面で役立ちます。

  • 発表会など暗い場所での手ブレ防止
  • 小グループの記念撮影
  • 全体集合写真の撮影
  • ハンドグリップとしての使用

最近では100円ショップでも三脚用のスマホホルダーが販売されていますので、ぜひ活用してください。

今の時代の写真撮影スタイルについて触れた記事をご紹介します。

効率的な写真選定の方法

写真が多くて困惑してる卒園アルバム委員

大量の写真から適切なものを選び出す作業は、アルバム委員にとって最も労力を要する工程です。

「全員が均等に写っているか」「表情は自然か」「ブレていないか」など、多くの条件を確認しながらの選定作業は、想像以上に時間と労力がかかります。

事前に選定基準を明確にしておくことで、作業効率は大幅に向上します。

公平性と見栄えのバランス

公平性と見栄えのバランス

すべてのページで園児の掲載回数を完全に均等にしようとすると、アルバム全体の魅力が損なわれることがあります。

例えば運動会の跳び箱競技で、20名の園児全員の跳ぶ瞬間を掲載すると、同じような写真が並んで違和感が生じたり、紙面を圧迫して他の重要な写真が目立たなくなったりする問題が生じます。

全体的なバランスを重視する

ページごとに掲載の公平性を保つのではなく「アルバム全体を通して」各園児の掲載頻度がバランスよくなるよう心がけることをお勧めします。

例えば、運動会のページでAさんの写真が多く使われているなら、発表会のページではBくんを中心に取り上げるといった配慮が効果的です。

このような柔軟な公平性が自然で魅力的なアルバム作りにつながります。

事前に保護者に公平性のあり方の理解を得る

このような「全体を通しての公平性」という方針は、アルバム制作開始前の保護者会などで共有しておくことをお勧めします。

特にページ数に制約がある場合は、この方針の共有が不可欠です。

事前に了承を得ておくことで制作担当者はストレスなく作業を進められます。

AIの顔認識機能を活用する

GoogleフォトやAppleフォトなどに搭載されているAI顔認識機能を活用すれば、選定作業が格段に効率化されます。

これらの機能を使えば、特定の園児が写っている写真を瞬時に見つけ出すことができます。

さらに、これらのアプリではタグ付け機能も利用可能で、「運動会」「遠足」などのイベント別や「笑顔」「活動中」などのシーン別に分類することで、必要な写真をすばやく探せるようになります。

印刷に適した画質の確認方法

スマホやパソコンの画面で見ると綺麗に見える写真でも、実際に印刷するとぼやけてしまうことがよくあります。

印刷では画面表示の約4.2倍の解像度が必要なためです。

この問題を事前に確認するには、写真を400%まで拡大表示してチェックします。このとき極端な画質の乱れが見られなければ、印刷に適していると判断できます。

画像が荒れている場合は、別の写真を選ぶことをお勧めします。

またサイズの基準値としては「横幅2200ピクセル」あれば、まず使用に問題は無いでしょう。

自然な表情を重視する

園児の自然な表情が捉えられた写真を中心に選びましょう。

カメラを意識した作り笑顔より、友達と遊ぶ姿や行事に夢中になっている瞬間の表情の方が、アルバムとしての価値が高まります。

笑顔だけでなく、真剣な表情や時には涙ぐんでいる様子など、様々な感情が映し出された写真も、その時の空気感を伝える貴重な記録となります。

何年後かに振り返った時、そうした自然な表情の写真こそが心に残るものです。

自然な表情を捉えるコツ

カメラを向けると「ピース」のポーズをしてしまう、あるいはカメラを気にして自然な様子が撮れない…これは園児撮影の典型的な課題です。

この問題を解決する効果的な方法が「望遠レンズ」の使用です。

スマホの固定望遠レンズ機能や、一眼レフの望遠ズームレンズ、コンパクトデジカメの光学ズームを活用しましょう。

離れた場所から撮影することで、園児は「撮影されている」ことを意識せず、自然な表情や行動を捉えることができます。

ただし、望遠撮影には手ブレのリスクが高まる、ファインダーから被写体を見失いやすいなどの課題もあります。

事前に園児の動きを我が子で想定して練習しておくことをお勧めします。

こちらの写真選定に関連するブログもご参照ください。

効率的な写真管理システム

デジタルとアナログの最適な共存

アルバム制作期間は4月から翌年の卒園式まで、約1年に及びます。

この間に撮影される写真は膨大な量になるため、適切な管理が不可欠です。

必要な写真をすぐに取り出せる整理システムを構築することが、スムーズなアルバム制作の鍵となります。

オンラインとオフラインの併用保存

複数の撮影担当者がいる場合、Googleフォトなどのクラウドサービスが便利です。

Googleフォトでは、アップロード時に容量削減のための圧縮処理が行われますが、視覚的にはオリジナルとほぼ変わらない品質を維持します。

他にもDropbox、iCloud、OneDriveなど様々なクラウドサービスがありますので、画質への影響を確認した上で、チーム全体が使いやすいものを選びましょう。

ローカル保存の重要性

クラウド保存は便利ですが、ハードディスクやUSBメモリなどの物理的なメディアにもバックアップを取っておくことが重要です。

クラウドサービスからデータが突然消失することは稀ですが、「インターネット接続の問題」「サービスのメンテナンス」などで一時的にアクセスできなくなることはあります。

効率的な作業環境を確保するためにも、手元(ローカル)にもデータを保存しておきましょう。

撮影直後の整理習慣

撮影後はできるだけ早いタイミングで整理することをお勧めします。

ここでの「整理」とは本格的な選定ではなく写真を分類して管理しやすくすることです。

一眼レフやデジカメの場合、以下の手順で整理するとスムーズです。

  • 1. パソコンに新規フォルダを作成
  • 2. フォルダ名を行事名に変更(例:「運動会2023」)
  • 3. カメラのSDカードから写真をフォルダに移動
  • 4. 明らかに使用できない写真(ピンボケ、露出不足など)を削除
  • 5. 残った候補写真をクラウドにアップロード

スマホ撮影の場合は、次の手順がお勧めです。

  • 1. 写真アプリで「アルバム」を新規作成
  • 2. アルバム名を行事名に設定
  • 3. 撮影した写真をアルバムに追加
  • 4. 明らかに不適切な写真を削除
  • 5. 選定候補の写真をクラウドにアップロード
先伸ばししない心がけ

「急いで選定する必要はないから後でいいや」と先送りにすると、次の撮影分も同様に後回しになりがちです。

これが習慣化すると作業が滞り、大きな負担となります。

また、SDカードのデータ移行を怠ると、カードの容量不足で「これ以上記録できません」というエラーに遭遇することもあります。

こうしたリスクを避けるためにも「すぐに整理する」習慣を身につけましょう。

LINEでの共有は注意が必要

LINEアルバムとGoogleフォトの課題点

「写真の受け渡しはLINEアルバムが一番手軽では?」と考える方も多いでしょう。

しかし、LINEアルバムでは画像が大幅に圧縮されるため、印刷に適した品質を維持できません。

委員間での画像共有であれば、LINE「トーク」機能で「オリジナル画質」を選択して送信する方法は問題ありません。

このように、オンラインでの写真共有には便利さと引き換えに画質の犠牲が伴うことがあります。

必ず元画像とアップロード後の画像を比較し、用途に適した品質が保たれているか確認しましょう。

委員同士でデータ送受信をする内容で書いたブログが2つございます。

プライバシーへの配慮

プライバシーへの配慮

園児の写真を扱う上で最も重要なのがプライバシーへの配慮です。

特に注意すべき点は下記の3項目です。

  • 他クラスの園児が写り込んでいる写真の使用を避ける
  • 個人を特定できる情報(名札など)が写り込んでいないか確認する
  • 水着姿や着替えなど、配慮が必要な場面の写真は使用しない

こうした配慮を徹底することで、保護者からの信頼を得て、円滑なアルバム制作を進めることができます。

近年ではSNSの普及により、個人情報やプライバシーへの意識が高まっています。

アルバムは「クラス内限定」とはいえ、写真の取り扱いには細心の注意が必要です。

クローズアップで名札が見えるショットや、デリケートな場面の写真は避け、制作過程での写真共有方法や完成後の余剰写真の取り扱いについても、事前にルールを決めておくことが大切です。

掲載拒否への対応

シリーズの「その1.アンケートで保護者の意向を確認しよう」でも触れましたが、中には「アルバム掲載を拒否」される保護者もいらっしゃいます。

卒アル制作開始時に「保護者の意向を確認する」重要な理由の一つが、写真選定後に掲載拒否されるというトラブルを防ぐためです。

多大な時間と労力をかけて選定した写真が使えなくなると、作業をやり直す必要が生じるからです。

このようなリスクを避けるために、まず「写真掲載に関する特別な配慮事項」を確認し、それを踏まえて選定作業を進めることが効率的です。

教員の写真使用許可の確認

先生と園児が一緒に写っている近景写真は、貴重な思い出の一場面です。

しかし、先生の中には「掲載を控えてほしい」「遠景なら問題ない」「自分がスマホを操作している姿は使わないでほしい」など、様々な要望がある場合があります。

トラブルを防ぐためにも、先生の写った写真を使用する際は、事前に許可を得ることをお勧めします。

こちらのブログもご参照ください。

「良い写真がない」場合の対応策作

良い写真がない」場合の対応策作

「複数人で撮影したのに適切な写真がない」

「先生に依頼したが十分な写真が撮れていなかった」

「画質設定の誤りで印刷に耐えられない」

などの事態が生じることもあります。

そのような場合、無理に低品質の写真を使うのではなく、保護者に写真提供を呼びかける方法が効果的です。

その際、目的と用途を明確に伝えることが大切です。

  • 「卒園アルバムの〇〇ページに使用させていただきます」
  • 「アルバム制作のみを目的とし、他の用途では一切使用しません」
  • 「ご提供いただいた写真は、アルバム完成後に責任を持って削除いたします」

このような丁寧な説明により、保護者も安心して写真を提供してくれるでしょう。

また、どのような写真が必要かを具体的に伝えると効果的です。

「5月の遠足でお弁当を食べている場面の写真」など、明確な情報があると、保護者も探しやすくなります。

提供方法も、高画質を維持するために、メール添付よりもクラウドストレージへのアップロードやUSBメモリでの受け渡しなどを推奨すると良いでしょう。

おわりに

今回は卒園アルバム制作における写真撮影と選定のポイントについてご紹介しました。

撮影者を適切に選定し、効率的な写真整理システムを構築し、個人情報に配慮した共有方法を実践することで、アルバム制作はよりスムーズに進みます。

最も重要なのは「後工程を見据えた撮影」です。

魅力的な写真を撮る情熱は大切ですが、選定作業の負担を考えると「必要な写真」に焦点を絞った撮影アプローチが効率的です。

卒園アルバムは子どもたちの貴重な思い出を形にするものです。

撮影と選定の段階でしっかりとした基盤を築くことで、最終的には感動的なアルバムが完成します。

撮影担当者間のコミュニケーションを大切にし、意図や方針を共有しながら進めることも、質の高い写真を効率的に集める秘訣です。

また、保護者への丁寧な説明も重要です。

「全員の写真数は均等になるよう努力しますが、自然な表情や行事の雰囲気を優先します」といった方針を事前に共有することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

次回は【ステップ4-ページ構成を考える】をテーマに具体例を交えてご紹介します。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。

卒園アルバムキッズドン!代表-宗川 玲子
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)

シリーズ:卒園アルバム|保護者が作成する時の失敗しないための12のステップ
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