卒園アルバムのつくりかた
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2021.9.7
集まれなくて卒園アルバムの切り貼り制作ができない!
こんんちは、卒園アルバム制作メーカーkidsDon!(キッズドン!)の宗川 玲子(そうかわれいこ)です。
卒園アルバム製作ご担当者や園の先生から日々いただくお問い合わせの数々…。今年はコロナ情勢の影響を受け、平常の年とは全く異なる相談内容で溢れています。
今回はその中でも多い相談内容-集まれないので切り貼り制作が出来ない!です。同じ悩みを持たれる方、またこれから切り貼り制作を予定されてる方の参考にしていただければと思います。
目次
相談:集まれないので制作が進みません
今回の相談は次のような内容です。
私の園で卒園アルバム制作は、慣例により保護者が有志で「切り貼り」で行います。前年の委員からの引き継ぎを受け、5月から2月の期間10~20回程度「作業場所(主に委員の自宅)」を設け、そこに一同が集まり共同で制作を進めます。
ですがコロナウィルスの影響により3密(密閉・密集・密接)を避ける必要があり、この「グループワーク」に踏み切る事ができません。
今年度における卒園アルバム制作中止という選択肢も出ましたが、出来ればそれだけは避けたく、グループワーク以外の制作方法やアイデアがないかと相談をしました。
さて、過去に切り貼り制作を経験されてる方や、経験者からお話を聞いてる方は、相談内容の「グループワークができない」という悩みに共感できると思われます。
一方、原稿制作をパソコンで制作される方や、制作を業者委託される方からすれば、グループワークの必要性や集まる回数に少し驚かれることでしょう。
・個人単位での制作はできないの?
・集まる回数があきらかに多い気がする
・リモートワークで解消できるのでは
などの声が聞こえてきそうですが、グループワーク実施の意図はそれで解消できるほど簡単なものではないようです。
具体的にその必要性を見ていきましょう。
失われた集まりの場
幼稚園や保育園で職員および園児が感染しクラスターとなった報道もあり、アルバム委員の保護者としては、戦々恐々の日々であり、少しでもリスク回避のために必要以上の「集まりの機会」を自粛する傾向が顕著に現れています。
切り貼り制作の成功は集まりの回数が決めて
特に「切り貼り」でアルバムを制作する事が慣例とされる園のアルバム委員は、前述の通り少なくとも5~7回、多くて20回ほど「集まりの場」を設け、原稿制作を進めると聞きます。
さらに本格的になると泊まりがけの合宿まで実施…「集まる」ことを重視する目的は次の通りです。
集まることの目的
総じて言うとこれに行き着きます。
まず自宅作業で克服すべく課題は「こどもとの関わりとの両立」です。仮にこどもが起きている時間帯に作業を行うとすると次のような支障が予測されます。
制作環境を荒らされる
切り貼りはパソコン制作と異なり「制作場所」を広くとる必要があります。
多量の写真を広げ、ハサミやテープ、シールや背景台紙など、とにかく物で溢れ返ります。
そこに我が子の登場。こどもにとっては非日常の光景であり、広げられた写真には自分をは友達の面々が写り、興味津々に写真を手に取り「この時○○くんはこうだった」など思い思いの話を始めます。
独り言ならまだしも、作業してるお母さんお父さんに「解説」をし始めると、さあ大変。無視することも出来ず制作どころでは無くなってきます。更に整理して区分けした写真をバラバラにされたり、気づくとお母さんのまねごとでハサミで写真を勝手に切り取っていたり…
とにかく集中できる環境では無く、作業を断念し「先延ばし」せざるを得ない状況になることが多いのです。
甘えてくる・世話が多くなる
切り貼り制作に向き合うお母さんお父さんの姿を見て、こどもは少なからず寂しさを感じます。「テレビを見ていて」「そこで遊んでいて」と言われれば言われるほど、親の制作を阻止して親に甘えてきます。
また必要以上に「あれしてこれして」と欲求を投げてきては、自分に目を向かせようとし、結局作業は進まず…となるのです。
危険が潜む
ハサミにカッター、エッジの鋭いペーパー類、芯の尖った鉛筆などなど、切り貼り制作アイテムは「ケガの元」となる要因が潜みます。
こどもは興味本位でこれに触れる、または予期せぬ行動で触れてしまいケガをすることも多々あります。注意を払いながら作業を進めるも、集中力は途切れ、思いのほか進まないというのは良くある話です。これらの要因から
となるのです。
切り貼り作業は「一切り入魂」が必要です。パソコンの様にカッティングが失敗したら「操作取り消し」でもう一回…というわけにはいきません。集中して1点1点の写真を綺麗に切り取る事が基礎であり、大変なエネルギーと時間が必要となります。
発想は各家庭から集団作業へ
各家庭単位での作業は集中できず非効率、ならば制作メンバーで集まり、強制的に作業時間を設定して集中する…。
こどもも同伴させ、こども同士で遊ばせる事で、甘えてくることも少なくなる…。
時には当番制でこどもの世話係を設け、他メンバーはより集中力を高めることができる…。
このような発想から「切り貼り制作は個より集団」での制作の方がメリットが多いという過去のノウハウが語り継がれ、グループワーク形式が定着し、多くのアルバム委員がこのスタイルで制作を進めています。
それでは上記以外での「集まる目的とメリット」を見ていきましょう。
集まることのメリット
集まりの場の作業は下記のような内容があります。
1.業者選考
2.写真選定
3.デザインの方向性検討
4.原稿の共同進行制作
5.制作ツールの共有
6.進捗報告と原稿評価
7.モチベーションキープ
8.コミュニケーション向上
等になります。いくつかの項目をピックアップしてみます。
最も時間を割くのが写真選定
特に2.の写真選定には時間を要します。膨大な写真を持ち寄り、どのページにどの写真を掲載するかを、各ページ担当者間で協議し、重複が無いよう選定する作業になります。
レイアウトは至難の技
選定終了後、レイアウト構想を行いますが、当然ながらプリントは拡大縮小が出来ないことから、原寸大サイズで配置を決めなくてはなりません。
意図しない空間が空く、詰め込みすぎて逆に入らないなど、写真サイズを自由に変更できるパソコン制作と比較し、非常に歯痒い状況が立て続きます。
ある意味この駆け引きが切り貼りの醍醐味でもあるのですが、うまくいかない状況になる度に、レイアウト変更や写真再選定を繰り返し心が折れそうになることも。
ここで必要なのが同士の意見。他メンバーにアイデアを募ったり、切り抜きの技で上手く配置してもらったりと、協働でことを進めることで負担が軽減され、作業を楽しく継続することができると言います。
制作キットを共有して
切り貼りに欠かせないのが「制作キット」です。
変形バサミやマスキングテープ、デコレーションカードや様々なシール、色鉛筆や特殊サインペンなど、原稿を可愛く装飾するのに必要不可欠なアイテムといえましょう。
グループでの協働作業では、各メンバーがこれらのキットを持ち寄り、必要に応じて共有します。
特定の写真に対し、どのアイテム使用が相応しいかを考えるにも、他のメンバーの意見を聞きながら進めることにより、より完成度の高いデザインになる言われています。これも大きな協働のメリットと言えるでしょう。
遠慮しない評価でブラッシュアップ
複数の委員で制作する場合、基本は「ページ担当制」とし、各メンバーは自分が担当したページの原稿制作を進めていきます。
ほぼ完成した状態で待ち受けるのは「講評」…とまではいきませんが、個々の原稿に対する意見交換です。
あくまでも担当制ですので、批判的な評価や強制的な再制作を促すことは絶対避けなければなりませんが、「ここにこのアイテムを追加するといいかも」「〇〇ちゃんが目立たないから写真をもう1点増やしてみれば」などの意見を出し合います。
各メンバーも固執した概念にとらわれず、意見を受け入れることでその原稿のクオリティは向上し、同時に強いメンバーシップを感じることで心身ともに満足感を得る結果となります。
見られてるから動ける
仮に夏場から制作をスタートしたとして、卒園まであと9ヶ月…
「まだ期間もあるし来週からやればいいか」といった心境はアルバム制作者であれば誰でも経験するはずです。アルバムは必要不可欠であれど、生活の必需では無く、ましてや至急性も無いことから、どうしても「先延ばし」になりがちです。
そしてはたと気づけば街はクリスマス一色となり、まばたきすれば除夜の鐘が…
いささか大げさですが、アルバム制作に携わることにより、時間は通常より倍速の勢いで流れていきます。
「早い時期から計画的に行動できればこんなに焦ることはなかったのに」と後悔しないための一つの方法に、今回のグループワークが挙げられます。
この日までにこのページの制作を終わらせる」そして前述した「原稿に対する意見交換をこの日に行う」といった目標設定を行うことにより、責任と評価の矢面に立つことから「行動」を起こすことが出来ます。
そして集まりの場で協働制作となると、他メンバーの目や、制作の動きをいやがおうにも意識することから、自然と「やる気」が湧いてきます。これらの強制効力を利用することにより、卒園間際で慌てることなく、良好なペース配分で制作を進めることができるのです。
裏を返せば一人孤独の作業となるとモチベーションを長期に渡りキープするのは困難と言えましょう。
でも一番楽しいのはおしゃべり
理論的なグループワークのメリットを連ねてきましたが、実は本音は「ママさんたちと集まって楽しくワイワイと作業すること」が集まりの目的という場合もあります。
グループワークのデメリットと言えるのが「脱線」です。大きな脱線は無いとしてもこんな一例があります。
・写真選定の際、懐かしい過去の思い出に花が咲き、前に進まない
・子供同伴での作業が通例であり「やかましい」「問題を起こす」など集中できない場合がある
・複数のメンバーが制作に行き詰まり「現実逃避」でおしゃべりが止まらない
ですが、このコミュニケーションがチームワークを強固する大切な要素とも言えます。
脱線することで煮詰まりかけた原稿制作から意識が離れ、再び原稿と向き合うと新鮮な感覚で作業を進めることができることから、ある意味これもメリットと言えるでしょう。
キッズドン!からの返答
そんなグループワークがコロナの影響で実施困難となっています。
相談を受けるアルバム業者によって、自社のサービス提供内容が異なることからその返答は異なりますが、私ども卒園アルバム制作メーカーキッズドン!として、次のような提案をしております。
1)全ページの制作は時期的に困難と思われるため、5割をキッズドン!による制作とし、5割を集まれる時期を待ち、回数を縮小して制作を進める。早期に集まりが可能となった場合、キッズドン!制作分を減少させる。
1)2)今後の社会情勢に期待を持てないことから「縮小での集まりも難しい」と判断された場合、全ページをキッズドン!の制作とする
1)3)制作完了=納品時期は自由であるため、納期を設けず、長期制作の構えで全ページをお客様で制作。
が一例となります。
完成時期を設けない
キッズドン!ではご成約後「いつまでにアルバムを完成させなければならない」といった取り決めはありません。
1年遅れで制作のご依頼をいただく事は、当然のようにあります。これにより、無理に社会情勢が不安定な時期に行動を起こすのでは無く、ある程度落ち着いた時期から集まりを開始し、制作されることもお勧めしています。
就学以降は環境も変化することから「会いづらくなる」事は否めませんが、ご利用者様の声としては「親も子も同窓会みたいで楽しい」といったポジティブな感想を多く耳にします。
おわりに
シリーズ「コロナ情勢で相談を受けるベスト5」での第5位として「切り貼り制作-委員で集まる機会が持てず制作の進行に不安がある」を今回はお届けしました。
本来ご自身で全ての制作を行う意気込みであれば、どんなに制作のプロであっても、自分以外の手によって原稿を制作されたくは無いでしょう。ですが事態は深刻であり自己の主張を通し続けるわけにもいきません。
キッズドンはそんな制作者の気持ちを尊重し、現実的に完成にいたるにはどこまで力になれば良いかを考え、提案をしております。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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