卒園アルバムのつくりかた
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2022.7.25
卒園アルバムの内容に取り入れたい「園の一日」の作り方
登園から退園に至るまでの生活シーンをダイジェストにまとめた 「園の一日ページ」。
在園記録の基礎とも言える、卒園アルバムの人気コンテンツです。
今回はこの園の一日ページをテーマに、制作ポイントやアイデアを紹介いたします。
- 園の一日の見本が見たい
- どこまで載せればいい?
- 楽しめるアイデアはないか
- 写真撮影はどうする?
目次
このブログの動画版がございます
このブログをダイジェストにした動画がございます。お時間のない方はどうぞこちらをご覧ください。
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
「園の一日」の制作で最も大切なことは 「園に相談」 することです。
制作担当者の頭の中では「こんなシーンを載せたい」という様々な構想が湧いてきます。例えば…
- 登園で先生が出迎えてくれる
- はじまりの会での合唱
- 給食当番の活躍
- いただきますの号令
- 午睡前の読みきかせで真剣な眼差しの園児
などなど魅力あふれるシーンが幾つも浮かびます。
ですが、そのシーンをカメラに収めることは本当に出来るのでしょうか。
レイアウト構成を綿密に計画した後、先生から撮影NGを言い渡されて白紙に転じるケースも少なくありません。
「園の一日」をアルバムに載せることが決定したらば、まずは担任の先生に次のような確認を取ると良いでしょう。
制作過程を順に追ってみます。
なによりもするべきは「園に相談」
前述通り、どこまで理想のシーンを確保できるかを調べるために、担任の先生に次のような相談を持ちかけます。
- 園の一日を卒アルに掲載する許可をいただけるか
- 一日の流れ全てを掲載して良いか、または一部か
- 保護者による撮影はできるか
- 保護者撮影NGの場合、先生撮影の協力要請は許されるか
- 撮影はせずに取材(見学)はできるか
終日を通して保護者(または派遣同行のカメラマン)の撮影許可が降りるのであれば、まさに願ったり叶ったりです。
制作担当者のイメージにふさわしい「絵」が手に入るため、本制作の際も迷いなく進めることができます。
ですが、それは非常にまれです。
撮影は保育の妨げになる恐れがある
保育中における保護者の撮影は、先生の教えに対する園児の集中力を妨げることになり、円滑な保育運営に支障をきたす恐れがあります。
このことから、「終日は遠慮いただくが部分的であれば可」というケースが顕著です。
- 登園時間帯
- いただきます号令から食事時間帯
- 午睡での寝顔撮影
- 夕刻以降の時間帯
上の撮影シーンは比較的許可が降りやすい内容であり、それ以外は先生撮影の写真で対応というのが主流です。
写真がだめなら文がある
仮に写真撮影がままならぬ場合、園の一日ページはあきらめるほか無いのでしょうか。
いえ、写真がだめなら 文章で綴る という方法があります。
園の一日専用での撮影となるとNGですが、その他の行事ページで使用する写真にも「園の一日」に流用できるものが必ずあるはずです。
専用の撮影と比較して枚数は少数ですが、その写真プラス「文章」で構成すれば、記録としてふさわしい園の一日ページとなるはずです。
このように園の事情を優先的に考慮して「得ることのできる素材」を確認し、その出来る範囲内で構成を行うことが大切と言えます。
続いてどのようなレイアウト構成にするかを紹介します。
レイアウト構成を練る
限りある紙面の中で、いかに分かりやすく1日の流れを表現するか…。
その方法例を挙げてみます。
- 1.写真点数を絞り込む
- 2.シンプルな掲載を心がける
- 3.時計や矢印等のアイコンを使用する
- 4.キャプションや吹き出しを使用する
それぞれ深堀してみます。
1.写真点数を絞り込む
写真点数は少なければ少ないほど、アルバムを見る方々にインパクトを与えます。
一つのシーンを、小さめのサイズで3枚の写真を掲載して表現するのと、大型の1枚の写真で表現するのでは、圧倒的に後者の方が心を揺さぶります。
これは「園の一日」に限らず、卒園アルバム全体に言えることです。
当然園児の掲載における公平性を考慮しなければなりませんが、その点をクリアしつつ、理想の掲載点数から引き算を行い、可能な範囲で写真を絞りこむことをお勧めいたします。
上の流れで選定作業を進められてはいかがでしょうか。
写真点数を絞り込むことでどのような効果が生まれるかをテーマにした関連記事がございます。
2.シンプルな掲載を心がける
園の一日は、他の行事ページ(例えば運動会や発表会等)のような「演出で魅せる」ものと異なり、「解説で見せる」趣旨が強いページと言えます。
よって、多くの切り抜き写真を使用するよりも、「四角形」や「正円」などのシンプルな形状の写真を整列させる方が、見やすく仕上がる傾向にあります。
この後の解説にも出ますが、写真のほかに「文字情報」や「アイコン素材」などが数多く投入される可能性があります。
これらの素材が入り込むことにより情報過多が生れ、煩雑的な紙面になるリスクを避けるためにも、写真はシンプル系の方が良いでしょう。
シンプルなレイアウトやデザインの効果をテーマにした関連記事も併せてご覧ください。
3.時計や矢印等のアイコンを使用する
時計
園の一日ページを引き立たす素材は 「時計」 です。
「時系列による解説」がされてることを一瞬でイメージさせるパワーを持ちます。
ベストな「時計の素材」は「本体と長針と短針」が独立しているPNGファイルです。これにより、写真のシーンに適した時間を刻む時計を作ることができます。
矢印
一日の流れをスムーズに見せる演出として「矢印」を使用して「写真を見る順番」を促すと良いでしょう。
異なるシーンの写真が、そのサイズや形によって「前後左右に入り込む」ことも想定されます。
そのような時、矢印があれば、見る人は迷うことなく視線を送ることができます。
4.キャプションや吹き出しを使用する
「朝の会」や「お昼寝」など、その写真は何のシーンであるかを示す文字の表記が必要となるでしょう。
「朝の会」などの小見出しであれば、写真上に重ねても支障ありませんが「吹き出し」を設けるとなると、それなりのスペース確保が必要となります。
吹き出しで写真が覆われることがないよう、事前の計画を行い、状況によっては写真を1点削除してでも吹き出しを優先させることもあるでしょう。
以上の要素を検討しながら全体のレイアウト構想を練っていきます。
シーンの選択一例
園の一日のページにふさわしいシーンはどのようなものがあるでしょうか。
こればかりは各園の特徴や、制作担当者の想いによる所が大であるため、一概に決め打ちはできません。
ですがどの園でも似通ったシーンがあり、原稿制作の上で重要な場面となるものがいくつかあります。
- 登園して先生との挨拶
- はじまりの時間での合唱
- 散歩の1場面
- 給食当番による給仕シーン
- 給食当番によるいただきますの号令
- 先生による読み聞かせ
- 全体を収めた昼寝シーン
- リトミック
- 午後の園庭遊び
- 退園児の先生との触れ合い
上の中からいくつかポイントをピックアップしてみます。
全体で収められるものは1枚写真で大きく掲載
例えば「給食」や「お昼寝」などは、全体で見せた方が迫力あるシーンとなり、見る者を引きつけます。
とかくテーブル単位での小グループ撮影や、個人別の寝顔を掲載したい衝動に駆られがちですが、紙面レイアウトを考えると得策とは言えません。
全体撮影はポーズをつけてでもいいですし、自然な雰囲気の中での撮影のどちらでも映えます。
また撮影は「脚立」や「ステップ」をご用意いただき、上方から見下ろすようなアングルで撮るとインパクトある絵になりますね。
なるべく先生も写る写真を選定
園の一日は、当然のごとく先生の掛け声によってシーンが進んでいきます。
ですがその先生の掛け声を記録している卒園アルバムはなかなかお目に掛かりません。
もし掛け声や、普段園児に語りかけてる言葉があれば、園児はリアルに園の思い出を想起することができるでしょう。
このことから、園児と一緒に写る先生のそばに吹き出しをつけて、語り口調の文字を入れてはいかがでしょうか。
下のブログは先生が写る写真を多く選定することを推奨したブログ記事です。
アイデアを盛り込む
紙面構成に余裕があるようであれば、次のようなアイデアを盛り込んでみてはいかがでしょうか。
- 先生からのメッセージ
- 宝さがし
- すごろく仕様
- 1シーンに1クイズ
- まちがい探し
- タイトルを持つ園児
解説します。
先生からのメッセージ
園で過ごした思い出にはせるメッセージを先生からいただき、それを掲載する覧を設けます。
「毎日みんなと過ごした時間は、先生にとって宝物です」といった相対的なお気持ちをいただけると「園の一日ページ」の価値がぐっと上がります。
宝さがし
例えば入り口上に掲示されてる「クラス名表記看板」や、夏祭りで制作したおみこしキャラクター、飼育していた小動物や昆虫などの写真を小さめにカットし、ページのある場所に配置します。
「園の一日」のメインタイトル横に「次の3つの隠れキャラがいるよ。探してね。」という誘導文を添えます。
なるべく分かりにくくするように同系色の写真やデザインのそばに配置して同化させるといいですね。
すごろく仕様
すごろくはアルバムをいただく側にとっては人気が高く高評価を得る仕様です。
登園シーンをスタートとして退園シーンのゴールまで、写真1点を1マスとしてコマを進めていきます。
途中に「お昼寝タイムなので1回休み」や「先生が怒ってるから振り出しに戻る」などのイベント要素を入れて盛り上げます。
制作は思いのほか大変
誰もが楽しめるすごろく仕様ですが、作る側は普段以上の労力がそれなりに追加されます。
迷いなく進行できるように写真配置を行う、文字の掲載量が多く認識できるサイズで配置が必要、みんなが楽しめるイベントを考案する…。
などがそれにあたります。
何回もラフを書いて「いかにコマを進めやすくできるか」の状態まで昇華させ、実践に踏み込むことが大切と言えます。
1シーンに1クイズ
そのシーンにちなんだクイズを載せることで、このページに対する注目度が高まります。
- 登園時に時間を記入する用紙に書かれてる行数は30ある
- はじまりの会で最も多く唄われた歌は「あさだよおはよう」である
- 給食に唐揚げが出る時は必ず麦茶パックが出る
- 午睡用コットの地面からの高さは38cmである
- リトミックの発祥はスイスである
- 園庭にある上り棒の高さは3m20cmである
などのマルバツ回答方式にし、保護者も思わずうなるような出題が良いでしょう。
まちがい探し
例えば見開きページの右はじと左はじに「加工した背景の一部」を見せて、「左と右で間違いが5つあります」と出題を記します。
あらかじめ背景の右はじ左はじには相違点を加工しておきます。
昨今、ファミリーレストランではメニューに間違い探しを載せるのがトレンドであり、園児も目を輝かせて向き合うでしょう。
こつとしては全5問であれば、うち2問は簡単に見つけられるようにし、3問は難易度を高くすると楽しんでもらえます。
タイトルを持つ園児
園児が白紙の画用紙(または横長の紙)を持ち、その写真をシーンの一部に掲載。後から「白紙の画用紙」にテキストデータでタイトルを入れる方法です。
おわりに
今回は、卒園アルバムの内容に取り入れたい「園の一日」の作り方を紹介しました。
アルバムを受け取る方に好評を得るコンテンツだけに、力を入れて制作したいところですが、園の方針によって理想の写真を入手できないかもしれません。
まずはじめに園の担任の先生に制作の相談を持ちかけ、保護者撮影OKか、先生の撮影は可能かなど、写真入手方法を確認することが最重要課題です。
入手できる写真が決まったら、時計や矢印の素材を取り入れつつ、各シーンのレイアウトを楽しみましょう。
宝探しやすごろくなど、遊び心を盛り込むにもふさわしいコンテンツですので、ぜひ園児や保護者の皆さんを楽しませるプランを加えてください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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