卒園アルバムのつくりかた
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2021.9.9
ベストな卒園アルバムの写真点数とは
「卒園アルバムに掲載する写真点数は、何点くらいが適切なのでしょうか?」
よくこのような質問をいただきます。
掲載点数を決めるのは、あくまでも作り手の自由であり、納得いく枚数で制作されるのがベストです。ですが一般的に「アルバムを見る方が自然に閲覧できる」おすすめの枚数があります。
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
今日はこのおすすめ枚数について、点数が膨れ上がった際の対処法、反対に少数点数での配置方法などについてお話しします。
- 適切な掲載写真点数とは?
- 集合写真と個別写真のバランスは?
- 写真が少ないと見劣りする?
- 写真が多くてまとまらない
1ページ:20枚前後を推奨
結論ですが、私たちは1ページに対して20枚前後(アルバム見開きで40枚前後)の枚数が適切とご案内しています。
この枚数は、私どもキッズドン!の卒園アルバムデザイナーが制作する際にも指針としている枚数です。
ただし卒園生一同紹介や、個人ページ、先生紹介ページなどはその人数分の構成のため、この限りではありません。
20枚前後の根拠
園児数の平均を約15名と仮定し、15名分の個人中心の写真で15枚、3〜5名程度のグループが5枚、集合写真を2枚の内訳として合計22枚換算となります。
そして集合写真1を最大サイズ、集合写真2をそれより二回りほど縮小のサイズ、グループ写真をミドルサイズ、個々中心の写真を最小サイズで構成すると、アルバムの1ページに綺麗に無駄なく収まる黄金比率となります。
もちろん上で説明したカテゴリーが都合よく選べるわけではありません。
「集合写真以外、全てが3〜5名程度のグループ写真」や「全ての写真が個人写真」といった場合もあるでしょう。あくまでも意識の上で気に留めておき、選定作業を進めてみてはいかがでしょうか。
大中小写真の配置ポジション
見る方に評価を得やすいデザインの必須要素は「メリハリをつける」にあります。
集合写真は「大きすぎない?」というくらい迫力満点で中央を陣取り、それを支えるように中サイズ小サイズが適切なサイズで配置されてる…そんな構成が理想です。
恐れず何回もレイアウト
反対に、全ての写真を同等サイズであたりさわりなく配置する構成は、訴求力に欠けるため「何を伝えたいのかわからない」となる傾向があります。
はじめてアルバムレイアウトを行う際「バランス良く配置しなければ…」という思いが先立ち、大胆さを怖がって消極的なレイアウトになりがちです。
無理もありませんが、パソコン制作等でやり直しができる環境の場合、何度もラフを描いてみて、インパクトを与えるレイアウトになるまでブラッシュアップすることをお勧めします。
多量掲載のデメリット
写真点数が多量になるとどのようなデメリットが生じるでしょうか。
- 煩雑(はんざつ)性を生む
- 個々の写真が引き立たない
- 良好なレイアウトがとりにくい
- 後の修正が困難となる
- 作業量が増加する
繰り返しになりますが、一番のデメリットは煩雑性が高まり、いったいどこを見ていいかわからない状態を作ってしまうことです。
作り手としてはできるだけ多くの思い出を残そう、たくさんのベストショットを詰め込もう、という思惑で制作に労を費やしても、見るがわにとっては反対の評価や感想になることがあります。
せっかく苦労して時間をかけ制作するページですので、見るがわの心理を考慮しつつ構成を練ってはいがでしょうか。
それでも減らせない!解決方法は?
とはいうものの写真を減少させるのは、選定担当者からすれば至難の技と言えます。いかようにしても減少が図れない場合での対処例を挙げてみます。
- コラージュで構成する
- 文字や挿絵など写真以外の情報を減らす
- グループ写真を減らし単体写真を増やす
- ページごとに「多い」「少ない」を設定する
- 切り抜き画を使用して空間を確保する
- 徹底的に写真を詰め込んだ特殊なページにする
いくつか解説します。
コラージュとはインスタグラム等でおなじみの「数点の写真を隙間なく敷き詰める」構図を示します。例えば4枚〜6枚といった画像を接続し、一つのフレームで枠取りし、1枚の画像として表現する方法です。
これにより実際には多量の写真が使用されていても、枠数としてはそれより減少して整理が図れるのです。
情報量を減らして、少しでも写真を引き立てるようにします。
例えばメインタイルだけは装飾文字とし、それ以外は一般的フォントでさらりと表示させる、挿絵は本当に必要な部分だけに配置する、などが挙げられます。
これも情報量削減を目的としています。
仮に4〜6名で写る写真が見開きで60点ある場合と、個人で写る写真が60点では、当然個人の方がスッキリと見栄えが良くなります。
写真点数が過多となったページの次のページは「シンプルに少数写真で構成」し、その次のページは平均的枚数、ページをめくると再び多量写真で賑やかな雰囲気…といった流れで、見る方に「ページ構成」の点でメリハリを与えます。
全てのページが写真多量ですと、恐らく数ページで「もうお腹いっぱい」となり、その後のページ閲覧への興味がそがれる可能性が出てきます。
実際この構成は綿密な計画が必要ですが、成功すれば多量ページが良い効果を生み出す役割となります。
レオナルド・ダ・ビンチが描いたモナリザが新聞の全面広告に掲載。
でも良く見るとその絵は何百枚という写真が集まって作られたレプリカ…といったアートをご覧になったことがありますでしょうか。
そこまで気合を入れて…とは申しませんが多量の写真ページであれば徹底的に数を増やし、様々な人が入り乱れた中から1人を探す絵本「ウォーリーを探せ」のようなコンセプトページも手段の一つです。
実際に切り抜きのみで見開きページに110点を掲載し、非常に評判がよかったという事例も。ただし制作者は二度とやりたくないと仰ってましたが…
このように「写真が多ければ多いなり」に工夫を凝らし、それなりのコンセプトをもって制作すれば、喜ばれるアルバムになることは間違いありません。
少ない写真は見劣りしてしまう?
反対に写真点数が相当に少ない場合はどうでしょうか。
心配ありません、この場合「クオリティは向上する」傾向にあります。
アルバムとは本来「ありのままの写真を忠実に見せる」ことが目的です。
写真点数が少なければ1点1点が大きめのサイズになることから園児の表情が鮮明に引き出されます。そして数が少ないことによるシンプル効果により、見る人を引きつける作用が働き、結果印象に残るアルバムと評価されるのです。
以前のアンケートで「1ページ30枚で切り抜きや多くの造作を行いデザインしたページ」と「1ページ4枚でシンプルなフレーム仕様のページ」のどちらが好印象かの問いをしたところ、結果の7割が「1ページ4枚…」を選んだという事実があります。
それだけ見る人は「シンプル」に心を寄せることがわかります。
おわりに
今回は、卒園アルバムに掲載する「適切な写真点数」についてお話しました。
黄金比としては1ページ20枚前後、それより少なければ少ないだけ、見る人の心に刺さるページが作れる傾向にあります。
点数を決めるのはあくまでも制作者の自由ですが、意識しての写真選定をされてはいかがでしょうか。その結果が素敵なアルバムとなる事を願っております。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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