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2025.4.5
少人数だからこそ輝く小中学校の卒業アルバムの作り方
こんにちは、卒園アルバム制作メーカーキッズドン!の宗川 玲子です。
近年、少子化の影響で小規模校が増加する中、少人数の卒業アルバム制作にお悩みの先生方も多いのではないでしょうか。
本記事では、少人数だからこそ実現できる高品質な卒業アルバムの作り方や、少ない写真点数でも魅力的に仕上げるコツをご紹介します。
- 少人数の卒業アルバムはコストが高くなりがちで困ってる
- 写真が少なくても見栄えのする卒業アルバムを作るには?
- 少人数ならではの個性的なページ構成のアイデアは?
- 先生の負担を減らしながら質の高いアルバムを作るコツは?
- 少人数の集合写真を魅力的に見せるテクニックとは?
- 小規模校の良さをアルバムにどう反映させればいい?
目次
はじめに-少子化時代の小中学校の現状
全国各地で進む少子化の波は、教育現場にも大きな変化をもたらしています。
特に地方では過疎化と相まって小規模校が増加し、卒業アルバム制作においても新たな課題が生まれています。
しかし少人数だからこそできる魅力的なアルバム作りの可能性も広がっているのです。
子化による小規模校の増加と卒業アルバム制作の課題
日本の出生率低下は止まることを知らず、2024年の出生数は72万9988人と過去最低を記録しました。
この社会的変化は学校現場にも如実に表れています。
統計からみる小規模校の現状と将来予測
文部科学省の調査によると、全校児童数が100人未満の小学校は、この20年で約1.5倍に増加しています。
特に山間部や離島などでは、一学年の児童数が一桁という学校も珍しくありません。
長野県の場合、小学校の約4割が全校児童100人未満の小規模校となっており、その数は年々増加傾向にあります。
このような状況は卒業アルバム制作にも影響を与えています。
少部数=高単価に
従来のアルバム制作は「大量生産ほど単価が下がる」という原則がありました。
そのため10人に満たない卒業生のためのアルバムは、一冊あたりの単価が高くなってしまうのです。
限られた予算の中でどのように質の高いアルバムを作るかが、多くの小規模校の先生方の悩みとなっています。
地方過疎化と学校の小規模化の関係性
地方の過疎化は小規模校増加の主要因です。
若い世代の都市部への流出により、地方の子どもの数は確実に減少しています。
さらに深刻なのは、かつて地域に根付いていた写真館や印刷業者の廃業も増えていることです。
「毎年お願いしていた地元の写真館が閉店してしまった」という話は珍しくありません。
こうした状況下で、学校の先生方は「少ない予算」「限られた写真素材」「頼れる業者の不足」という三重の課題を抱えながら、卒業アルバム制作に取り組まれています。
また、一部地域では地方自治体が補助金を提供する動きも見られます。
例えば、千葉県長生村では2024年度から公立小中学校卒業アルバムへの1万円補助を開始しました。
少人数だからこそできる卒業アルバムの可能性
しかし、こうした状況はピンチであると同時にチャンスでもあります。
少人数だからこそ実現できる、質の高い卒業アルバムづくりの可能性が高まっています。
大規模校では実現できないきめ細やかな記録
少人数校の最大の強みは、一人ひとりに十分な紙面を割けることです。
大規模校では考えられないような「一人一ページ」や「見開き2ページの個人ページ」も可能になります。
また、写真の選定も丁寧に行えます。
「この子の表情が最も輝いている一枚」を見極め、その子らしさが伝わる写真を厳選できるのです。
ある山間部の小学校では、卒業生5名に対してそれぞれ見開き2ページの個人ページを設け、入学から卒業までの成長の軌跡を丁寧に記録しました。
保護者からは「一人ひとりの個性や成長がよく伝わるアルバム」と大変喜ばれたそうです。
絆の深さを表現できる少人数ならではの魅力
少人数の学校では、子どもたち同士の絆が非常に深いことも特徴です。
同じクラスで6年間、あるいは3年間を過ごすことで育まれる関係性は、大規模校では味わえない貴重なものです。
このような絆の深さは、写真からも伝わります。
お互いを支え合う姿、協力して何かを成し遂げる場面など、少人数だからこそ捉えられる瞬間があります。
たとえば、5名の卒業生全員で協力して行った学校行事の準備風景を時系列で並べたページは、友情の物語として心に残るでしょう。
また、全校児童での活動では、上級生が下級生をサポートする場面も自然と生まれます。
そんな温かい交流の瞬間も、少人数校ならではの魅力的な写真になります。
関連ブログがございます。併せてご参照ください。
少人数の卒業アルバム制作が抱える課題と解決策
少人数の学校では予算面や写真素材の確保など、独自の悩みがあるものです。
ですが、そんな課題にも解決策があります。
この章では、少人数の卒業アルバム制作における具体的な課題とその解決のヒントをご紹介します。
予算面の課題(少部数=高単価)への対応
「少ない部数だと1冊あたりの単価が高くなる…」というのは、印刷業界では避けられない現実です。
小規模校の卒業アルバム制作では、このコスト面の課題が最も大きな壁となることが多いのです。
ここでは、コストを抑えながら満足度の高いアルバムを作るためのポイントをいくつかご紹介します。
ページ数の最適化
必要最小限のページ数に絞ることで、印刷コストを抑えられます。
少人数なら、むしろ1人あたりのスペースを広く取れるメリットもあります。
表紙の材質選び
ハードカバーは高級感がありますが、ソフトカバーやバインダーカバーなどの選択肢もあります。
表紙の素材を少しだけ簡素にすることで、内容の充実に予算を回せます。
余白を味方につける
写真を詰め込みすぎず、適度な余白を取り入れたレイアウトにすることで、少ない写真でも見栄えのするデザインに仕上がります。
シンプルで洗練されたデザイン
装飾を抑えたミニマルなデザインは、コスト削減になるだけでなく、写真の魅力を引き立てる効果もあります。
あるお客様の事例では、24ページから16ページに絞り込み、その分を表紙のグレードアップに振り替えたところ、生徒たちからとても好評だったそうです。
大切なのは、予算制約の中でメリハリをつけることです。
複数年度での共同制作の可能性
小規模校ならではの解決策として、「複数年度での共同制作」という選択肢も考えられます。
これは、2〜3年分の卒業生をまとめて1冊のアルバムにするという方法です。
例えば、各学年に10名程度の卒業生がいる場合、3年分まとめることで約30名分のアルバムとなり、1冊あたりのコストを大幅に下げることができます。
この方法のメリットは下記の通りです。
- 印刷部数増による単価の低減:部数が増えることで、1冊あたりの制作費が下がります。
- 学年を超えた交流の記録:異なる学年の関わりも記録できる、小規模校ならではの魅力が生まれます。
- 学校の継続性を感じられる:複数年度にわたる学校の歩みが見えるアルバムになります。
実際に、ある地方部の小学校では3年に1度、充実した内容の「学校記念誌」として卒業アルバムを制作している例もあります。
複数年度の思い出が一冊に凝縮されることで、むしろ学校の歴史を感じる貴重な資料としての価値も高まるのです。
実はこの発行方法は海外で「イヤーアルバム」と名付けられ、定番となっています。(反対に卒業アルバムが存在しません)
もちろん、毎年の卒業生に何らかの記念品を渡したい場合は、そうした年には簡易版の小冊子や写真集を作り、数年に一度の本格的なアルバム制作と組み合わせるという工夫も可能です。
私どもキッズドン!にも、ベトナムや韓国から、卒園アルバムでの同様の依頼があり、また国内からのご依頼も年々増加しています。
上記に関連したブログ記事がございます。
写真素材の確保と効果的な活用法
少人数の学校では、「写真が足りない」という悩みをよく耳にします。
人数が少ないと行事の写真も限られてしまいがちですし、撮影担当の先生も授業や行事の運営で忙しく、なかなかカメラを構える余裕がないことも…。
しかし、写真が少ないことは必ずしもデメリットばかりではありません。
むしろ、一枚一枚の写真を丁寧に扱うことで、その価値を最大化できるチャンスともいえるのです。
ここでは限られた撮影機会を活かし、質の高い写真を確保するためのヒントをご紹介します。
撮影計画を立てる
年間行事予定を確認し、重要な場面での撮影を事前に計画しておきましょう。
「この行事ではこの場面を絶対に撮る」という優先順位をつけておくと安心です。
複数のアングルから撮影
同じ場面でも、全体を捉えた写真と、表情にフォーカスした写真など、異なる構図で複数枚撮影しておくと、レイアウトの幅が広がります。
バッファ(余裕・ゆとり)を持った撮影
「これでいいだろう」と思っても、念のためもう数枚余分に撮っておくことで、後から選ぶ余地が生まれます。
デジタルカメラの時代、撮影枚数を気にする必要はありません。
生徒による写真撮影
高学年の生徒に撮影を任せてみるのも一案です。
子どもたちの視点で捉えた写真には、大人では気づかない魅力があることも多いものです。
私どもがサポートした中学校では、各クラスに1台のデジタルカメラを置き、当番制で日常の写真を撮影する取り組みを実施。
その結果予想以上に生き生きとした写真が集まったそうです。
生徒が撮影した写真には、先生には見せない表情や場面が写っていて、アルバムに新しい魅力を加えることができたと、後日談をいただきました。
少数の写真を大きく使う
「少数の写真を大きく使う」というアプローチは少部数アルバムにおいて最も効果的です。
集合写真一枚を見開きページ全体に大きく配置するだけで、迫力のあるレイアウトになります。
私が卒園アルバム制作メーカーを14年してきて思うのは「少人数の集合写真を大きなサイズで掲載する」という手法は、最もアルバムを見る人の心に響くということです。
背景には思い出の場所が鮮明に映り込み、少ない人数の被写体は個々の姿と表情がはっきりと分かります。
これが仮に25名クラスの集合写真の場合「塊(かたまり)」として見えることから、少人数ほどのインパクトを出すことができないのです。
また、10名以下であれば、「集合写真=大きなサイズで掲載」でなくとも、中サイズ、小サイズでも「個々の認識」ができます。
このことから、日頃より積極的に「集合写真」を撮影されることをおすすめしています。
下のブログは集合写真撮影をテーマにした記事になります。
日常風景の記録の重要性と撮影テクニック
行事の写真だけでなく、日常の学校生活の一コマも貴重な思い出です。
むしろ、毎日の何気ない場面こそ、子どもたちの本来の姿が現れるものです。
- 「朝の会や帰りの会」:教室での何気ない日常の風景こそ懐かしい思い出に
- 「給食の時間」:配膳の手伝いをする姿なども記録
- 「掃除の時間」:協力して教室をきれいにする姿は子どもたちの成長を感じさせる大切な場面
- 「休み時間の様子」:校庭や廊下での自然な笑顔や友達との交流シーンは必要不可欠
業者選定の難しさと新たな選択肢
少人数の卒業アルバム制作では、適切な業者を見つけることも一つの課題です。
従来の地元写真館が廃業するケースも増え、大手業者は少部数の注文を受け付けないこともあります。
しかし、こうした状況の中で新たな選択肢も生まれています。
従来の写真館からの変化とその背景
かつては地元の写真館が学校の卒業アルバムを一手に引き受けるというのが一般的でした。
しかし、デジタル化の波と少子化の影響で、そうした写真館の数は減少の一途をたどっています。
写真館が減少している主な理由としては次の通りです。
- デジタルカメラの普及:誰でも簡単に写真が撮れる時代になり、プロに依頼する機会が減った
- 少子化による受注減:学校数や生徒数の減少により、安定した収入が見込めなくなった
- 後継者不足:写真業界全体で若い世代の参入が減少している
こうした背景から、特に地方の小規模校では、卒業アルバムを制作してくれる業者を見つけること自体が難しくなっています。
その一方で、インターネットの普及により、地元にこだわらず全国の業者と取引できるようになりました。
その一つが私ども「卒園アルバム専門メーカー キッズドン!」です。
専門メーカーとのコラボレーションのメリット
専門メーカーにはいくつかの大きなメリットがあります。
- 少部数対応の柔軟な姿勢:少人数の学校向けの特別プランを用意している業者が増加
- デザイン力の高さ:アルバム制作に特化しているため、洗練されたデザインやレイアウトが実現
- 効率的な制作プロセス:デザインおまかせ制作や、テンプレートの活用での自主制作により、先生の負担を大幅に軽減
- コストパフォーマンスの良さ:高品質ながらも適正価格でのサービス提供が可能
私どもキッズドン!は、もともと「卒園アルバム」の制作を専門としていましたが、近年は小中学校からのご依頼が増加する情勢から、これに柔軟に対応しています。
特に少人数の学校からのご相談が多く「少ない写真でも魅力的に見せる」「一人ひとりの個性を大切にする」といった卒園アルバムで培ったノウハウが、小中学校の卒業アルバム制作にも活かされています。
少人数の卒業アルバム制作は創意工夫を行うことで、むしろ人数の多い学校では実現できないような魅力的なアルバムを作ることができます。
下のブログ記事は、キッズドン!のおまかせ制作が選ばれる理由を解説した内容になります。
次章では、少人数だからこそ実現できる高品質なアルバム制作についてご紹介していきます。
少人数だからこそ実現できる高品質なアルバム制作
少人数の卒業アルバム制作はその「少なさ」こそが大きな魅力になります。
人数が少ないからこそ、一人ひとりに光を当てた丁寧な制作が可能になるのです。
「少ない写真点数」がもたらす洗練された印象
写真の点数が限られているというのは大きなメリットになり得ます。
多くの写真を詰め込んだページよりも厳選された写真をゆったりと配置したページの方が、見る人の印象に残ることが多いと言えます。
1枚の写真の価値を最大化する撮影テクニック
少ない写真を効果的に活用するには、まず撮影時の工夫が大切です。
- 1.表情にフォーカス
- 2.構図の工夫
- 3.光の条件を考慮
特に集合写真では、全員の表情がはっきり見えるよう、距離や角度を意識しましょう。
少人数なら自然な笑顔も引き出しやすいですね。
また、撮影のたびに大袈裟なくらいのポーズを取ってもらうと「写真映え」します。
教室や校庭などの背景も含めて学校生活の雰囲気が伝わる構図を心がけると、一枚の写真で多くのことを伝えられます。
特に「校舎全景」「校庭」「音楽室や理科室などの専門教室」などを取り入れた生徒撮影は、遠い未来でアルバムを開いた際に、思い出を想起する貴重な素材となります。
窓際での撮影や、朝夕の柔らかい光を利用するなど、写真の質を高める工夫で雰囲気はがらりと変わります。
少ない写真だからこそ、一枚一枚の仕上がりにこだわりたいものです。
集合写真は広角レンズと望遠レンズを使い分けて
撮影機材が一眼レフの場合、レンズ交換によって「少人数の集合写真」を演出することができます。
人物をアップぎみにし、なおかつ「背景」をきっちり取り込むのであれば広角レンズを使用。
反対に多少離れた場所から望遠レンズで撮影することにより、背景がぼけて顔が際立つ美しい写真になります。
こちらの記事もご参照ください。
余白を活かしたレイアウトの魅力
「写真の数が足りない」と感じたとき、つい写真を詰め込みがちですが、あえて余白を生かすレイアウトが効果的です。
- 1.メリハリを付ける
- 2.空間に意味を持たせる
- 3.シンプルさの魅力
一番伝えたい写真を大きすぎるくらいに大きくし、周囲に小さな写真を配置するレイアウトは、視線の流れを作り、ページ全体を引き締めます。
写真と写真の間の余白は「息継ぎ」の空間と言われています。
適度な同一幅での余白があることで写真が互いを引き立て合います。
また、各写真に「美術館に展示されてる絵画のような写真枠(フレーム)」を設け、フレーム内に空間を意図的に設けて引き立てるという技法もあります。
1ページに2〜3枚程度の写真をゆったりと配置するだけで、洗練された印象のページに仕上がります。
私どもが過去に制作した中学校の卒業アルバムでは「見開きA3サイズで1点のみ掲載」「1ページに2点:見開きで4点」をルールにしたことがあります。
写真の精度が高いことも必要ですが、細々とレイアウトされた多量写真のページと比較し、絶大なインパクトを見る側に与え大変好評でした。
写真の「質」にこだわるための具体的アプローチ
少ない写真でアルバムを作る場合、その分だけ一枚一枚の写真の「質」が重要になります。
- 1.適切な解像度
- 2.色調補正
- 3.トリミングの工夫
印刷用写真は少なくとも300dpi程度の解像度が必要ですが、撮影時はおおかた72dpi設定となっているので、さしてこれを気にすることはないでしょう。
むしろ写真のサイズが重要です。
具体的には小サイズから中サイズであれば「横幅2500ピクセル程度」、大型写真であれば「横幅4000ピクセル程度」が理想となります。
スマホ写真でも最大画質設定なら十分対応できます。
デジタル写真は、簡単な明るさ・コントラスト調整だけでもグッと印象が良くなります。スマホの編集機能でもできる簡単な補正をぜひ試してみてください。
特に「明るさ」が大切で、印刷ではモニターで見てる印象より若干明るさが沈む傾向にあります。
このことから「少し明るすぎるかな」程度が適切と考えて良いでしょう。
写真補正専用アプリにはAdobe フォトショップエキスプレスや、Adobe ライトルームなどがあります。
予めプリセットされた補正効果をワンタッチでかけたり、部分的な補正をしたりと、理想の写真に仕上がります。
尚、キッズドン!のおまかせコースでは当方規定に伴う補正作業を、全ての写真に施します。
写真の一部を切り取って再構成することで、より伝えたいものにフォーカスした写真に生まれ変わります。
「不要な背景をカット」「被写体をなるべくセンター位置に配置」「ズームアップ」「保護者をカット」などトリミングによって得ることのできる効果は数多くあります。
一人ひとりに光を当てた個性的な構成
少人数の卒業アルバムの最大の魅力は、一人ひとりにたっぷりとページを割くことができる点です。
この特性を活かして、子どもたち一人ひとりの個性が輝くアルバム作りを目指したいところです。
個人ページの充実によるストーリー性の強化
多人数のクラスでは難しい「一人一ページ」や「一人見開き2ページ」という贅沢な個人に特化した構成が、少人数なら実現可能です。
こうした個人ページでは、単に写真を並べるだけでなくストーリー性を持たせることで魅力が高まります。
- 時系列構成:入学から卒業までの成長の軌跡を追う構成は時間の流れが感じられて感動的
- テーマ別構成:「授業」「行事」「部活」「友達との思い出」などテーマごとにまとめる方法も効果的
- インタビュー形式:将来の夢や学校での思い出など、子どもの言葉を添えることで、写真だけでは伝わらない内面も表現できる。
ある中学校では、卒業生一人ひとりに見開き2ページを割り当て、左ページに写真とプロフィール、右ページには「10年後の自分への手紙」を数点の写真と合わせて掲載しました。
ページをめくるたびに個性豊かな夢や抱負が語られ、深みのあるアルバムに仕上がりました。
インタビューや作文を組み合わせる表現方法
写真だけでなく「ミニ文集」のように文章も組み合わせることで、アルバムの深みが増します。
特に少人数の場合は一人あたりの文章量も充実させられます。
- 思い出のインタビュー:「一番楽しかった行事は?」「友達との忘れられない思い出は?」など
- 作文や詩の掲載:学校生活をテーマにした作文や詩を添えると内面の成長も感じられる
- 先生からのメッセージ:少人数なら、先生から一人ひとりへの温かいメッセージもたっぷりと掲載可能
文章を取り入れる際は、子どもの手書き文字をそのまま活用するのも一つの方法です。
デジタル全盛の時代だからこそ、手書きの温かみがアルバムに特別な価値を与えてくれます。
動画を取り入れたて個人ページを魅力的に演出
前述の「インタビュー」に答えてる生徒の姿や「作文や詩」を朗読している光景を「動画撮影」し、卒業アルバムとハイブリッドに見せる方法もあります。
撮影した動画は適度な尺に編集し、それをyoutube等の動画投稿プラットフォームにアップロード。
発行されたURLを二次元バーコード(一般的にQRコード)化し、それを該当生徒のページに掲載します。
「静止画」を見て読む楽しみと「動画」のエンタメ感覚の楽しみの双方を得ることができる企画となります。
私どもキッズドン!では「短編動画制作」+「動画で使用した写真をアルバム化」にするサービスも行っております。
次の章では、少人数の卒業アルバム制作に役立つアイデアをいくつかご紹介します。
制作に役立つアイデア
卒業アルバムが「思い出が詰まった貴重な記録」であるならば、生徒が過ごした場所、時代、触れ合った人々などを写真掲載することが重要であることがわかります。
学校内部だけでの活動記録のほかに、学校外での様々な活動を記録すると、アルバムの制作意義が高まります。
地域行事への参加シーンの記録
地域の伝統行事や季節のイベントに参加する様子は、学校と地域の絆を表現する記録です。一例として、
- 地域のお祭りでの出し物
- 地元のどんど焼きや七夕行事への参加
- 地域清掃活動の様子
- 農業体験や伝統工芸体験
などが挙げられます。
地域の人々との交流を伝えるページ作り
地域の方々との触れ合いは、少人数校ならではの経験です。交流シーンの一例として、
- 地域の方を講師に招いた特別授業
- お年寄りとの交流会
- 職場体験や町探検で訪問した地域の施設
- 地域の方からのメッセージを添えた写真
などが挙げられます。
「〇〇さんからいつもお世話になっています」といったキャプションを添えることで、地域全体で子どもたちを育てている温かさが伝わります。
ある過疎地の中学校では、地域の方々からの寄せ書きメッセージを卒業生へのエールとしてページの周囲に配置しました。
「いつでも帰っておいで」という地域の方々の温かい言葉が、卒業生の心の支えになったと聞きます。
経年変化を魅力的に伝える構成テクニック
少人数のアルバムでは、入学から卒業までの成長過程を丁寧に記録することができます。
時間の流れを感じさせる構成はアルバムに奥行きと感動を与えます。
入学から卒業までの成長記録の見せ方
子どもたちの成長の軌跡を時系列で追うことで感動的なストーリーが生まれます。
- 入学式と卒業式の写真を対比
- 1年生の自己紹介と卒業時の将来の夢を並べる
- 作文や習字の作品を学年ごとに比較
- 身長測定の記録を年度ごとにグラフ化
ある小学校では「6年間の軌跡」として、入学時と卒業時の写真を並べ、その間の主な出来事を年表形式でまとめました。
わずか3名の卒業生でしたが、一人ひとりの6年間の歩みが丁寧に記録され、保護者からは「少人数だからこそ、一人ひとりの成長がよく分かるアルバムになった」という喜びの声が寄せられました。
生徒と共に作り上げる参加型アルバム制作
キッズドン!のおまかせ制作は通常次のようなプロセスで進行いたします。
- 1.ページ構成案および写真選定はお客様
- 2.上記素材をお預かりし当方で補正-デザイン-レイアウトを実施
- 3.初校提示の後「写真差し替え」「文字変更」があれば修正として実施
- 4.上記進行を経て校了し印刷製本-納品
ですが、原稿の一部に「お客様制作」の内容を取り入れることもできます。
この仕組みを利用することで、子どもたち自身がアルバム制作に深く関わることができます。
また、制作プロセスそのものが貴重な学びの機会になるとも言えます。
子どもたちの意見を取り入れる仕組みづくり
生徒参加は、思い出の共有だけでなく教育的な効果も期待できます。
- 写真撮影・動画撮影に参加 : 撮影の高さが大人と変わることから印象的な写真になる
- 写真選びへの参加 : 候補写真を提示し、子どもたちに「思い出深い写真」を投票してもらう
- キャプション作成 : 写真の説明文を子どもたち自身に考えてもらう
- インタビューの実施 : 「一番の思い出」「将来の夢」などを互いにインタビュー
- 手書きメッセージ : 友達や先生へのメッセージを手書きで寄せ書き
中規模以上の学校では難しいこうした参加型の取り組みも、少人数校なら実現可能です。
授業の一環としてのアルバム制作プロジェクト
アルバム制作を教育活動として位置づけることで、様々な学びを得ることができます。
- 国語の授業 : インタビュー記事や思い出エッセイの作成
- 図工・美術の授業 : 表紙デザインやレイアウト考案
- 総合的な学習 : 学校の歴史調査や地域との関わりの記録
- 情報教育 : デジタル写真や動画の整理や簡単な編集作業
キッズドン!が提案する少人数校向けアルバム制作サポート
過去14年間にわたり保育園・幼稚園の卒園アルバム制作に携わってきた私たちキッズドン!では、前章でもお話しした通り、小中学校からの卒業アルバム制作のご相談が増えています。
卒園アルバムでの「おまかせ制作」のプロセスやコンセプトを、どのように「卒業アルバム」にマッチングさせるかの一部をご紹介します。
卒園アルバムのノウハウを卒業アルバムに応用
卒園アルバムと卒業アルバムは、対象年齢が異なるものの「大切な思い出を形に残す」という本質は同じです。
ただし、年齢に合わせたいくつかの調整が必要になります。
幼児教育機関向けから学校教育向けへの応用点
これまで培ってきた「少人数のアルバム制作」技術は、小中学校の卒業アルバムにもしっかりと応用できます。
特に以下のような点で強みを発揮します。
- 1.一人ひとりに光を当てる構成力
- 2.メリハリのある写真配置
- 3.ストーリー性のある構成
幼児向けアルバムでは子どもたち一人ひとりの表情や成長を大切に「デザイン・レイアウト」をしてきました。
この視点は少人数の小中学校でも非常に効果的です。
限られたページ数の中で思い出を効果的に伝えるレイアウトは、キッズドン!の得意分野です。
少人数の写真でも、サイズや配置の工夫で魅力的なページを作ります。
入学から卒業までの成長や変化を、時間軸を意識した構成で表現します。
特に少人数校では、学年を超えた活動も多いため、その絆の深さを伝える点を重要視しています。
年齢に応じたデザインの調整ポイント
卒園アルバムから卒業アルバムへの移行において、いくつかの重要な調整ポイントがあります。
- 1.デザインの洗練度
- 2.文字や書体の選択
- 3.構成内容の充実
幼児向けの明るく鮮やかなデザインから、小中学生向けには少し落ち着いたトーンに調整します。
ただし「シンプル=地味」ではなく年齢に合わせた洗練されたデザインを心がけています。
丸文字やポップな書体から、読みやすさと洗練さを兼ね備えたフォントへと変更します。
特に見出しと本文のコントラストを意識した設計を心がけています。
幼稚園・保育園では運動会や発表会といった行事が中心となりますが、小中学校では修学旅行や文化祭、部活動など、より多様な活動が含まれます。
また、小中学生は知識や技能の習得、人間関係の構築など、内面の成長も重視するため、インタビューや作文、作品なども取り入れています。
「子どもらしさ」を表現する方法も年齢によって変わります。
幼児期は無邪気な表情や遊びの様子が中心でしたが、小中学生は真剣に取り組む姿や仲間との絆を深める場面など、より多面的な「子どもらしさ」を表現していくことを大切にしています。
(「おまかせ制作」であってもページ構成案は先生にお願いをしており、キッズドン!は適宜相談に応じる方式をとっております)
おわりに
少子化時代の今だからこそ、少人数の卒業アルバムには特別な価値があります。
一人ひとりに十分なスペースを割き、個性や成長を丁寧に記録できることは、少人数ならではの強みです。
私たちキッズドン!は、卒園アルバム制作で培ったノウハウを活かし小中学校の少人数クラスの思い出づくりもお手伝いしています。
「少ない」ことをマイナスではなく、むしろ質の高いアルバム制作のチャンスとして捉え直すべきだと私たちは考えます。
少人数だからこそ作れる、一生の宝物となる特別な1冊を実現させるために、そして皆様の大切な思い出を形にするために、そのお手伝いをこれからも誠心誠意続けてまいります。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
(宣伝になります)
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