卒園アルバムのつくりかた
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2022.10.18
卒園アルバムの「レイアウトのコツ」はこの9つをお試しください
白紙の状態から、卒園アルバムのレイアウトを計画する時の 「コツ」 についてお話しいたします。
原稿を目の前に、なかなかレイアウトの構想が浮かばない、あるいは作ってみたけどどうも納得いかない…
などの問題解決の一助になれば幸いです。
- 短時間できれいに原稿制作をしたい
- 作成でおさえるべきポイントは?
- うまく見せるコツがあったら知りたい
- デザインセンスがなくても作れるの?
目次
このブログの動画版がございます
このブログをダイジェストにした動画がございます。お時間のない方はどうぞこちらをご覧ください。
こんにちは、卒園アルバム制作メーカーキッズドン!の宗川 玲子(そうかわれいこ)です。
ご自身でアルバム制作をされるコースで成約されたAさんより相談をいただきました。
Aさんは制作にあたり、次のようなポリシーを掲げています。
- なるべく時間と労力をかけない
- 基本「四角」の写真で構成
- シンプルな万人受けする雰囲気
- 写真は1ページ30枚前後(見開き60枚前後)
ご相談内容は
ためしにレイアウトしてみたけど、どうも今一つパッとしないのです。
小学校以降の「卒業アルバム」によくある構成みたいで、卒園アルバム特有の「かわいらしさ」や「華やかさ」がなくて、自作ながらテンションが下がります。
どうやったらもっと見栄え良く、素敵な雰囲気にすることができるのでしょうか。
といった内容です。
実際にAさんが制作した原稿をお見せすることはできませんが、概ね下の図のような雰囲気となります。
これでも十分卒園アルバムとして成り立つわけですが、あえてクオリティアップを図るとすれば、どんなところに手を加えれば良いか…
それを、Aさんの原稿をベースに紹介していきたいと思います。
紹介する「レイアウトのコツ」は次の9項目です。
- 1.原稿の天地左右に均等の空間を設ける
- 2.伝えたいなら写真は控えめに
- 3.写真と写真の空間を均等の設ける
- 4.そろえることを意識
- 5.「丸」でカットできるものを事前にピックアップ
- 6.写真サイズに「大中小」の緩急を設ける
- 7.配置は「集合写真」から
- 8.コラージュとグルーピングを先に確定させる
- 9.仮レイアウトで「あたり」をつける
1つづつ解説していきます。
1.原稿の天地左右に均等の空間を設ける
写真を1mmでも大きく見せたい…
この意図から、原稿のフチぎりぎりまで写真を配置するレイアウトがあります。
ですが、その構図から原稿全体に「窮屈感」が生まれ、ゆとりを感じることができません。
アレンジ
天地左右に「空間」を均等の設けると、写真がより引き立ちます。
美術館に展覧されてる絵画で、絵画自体を大きく上回る「額縁(がくぶち)」が付帯されてるのと同じ作用です。
余白やその周囲の空間が「その絵が最も美しく見える」ようにしています。
この後に紹介する「コツ」にも「空間」に触れた内容が出てまいりますが、それだけ 「空間」はレイアウトにとって「命」 となるのです。
2.伝えたいなら写真は控えめに
たくさんの写真で行事の名シーンを網羅したい…
頑張ってる姿を全員載せたい…
このような理由や、やむを得ない「公平性順守のルール」によって、卒アル掲載の写真はついつい膨れ上がる傾向にあります。
Aさんの原稿にも60枚の写真が所狭しと配置されています。
ですが、たくさんの写真使用は次のデメリットを生み出します。
- 個々の写真が小型化され人物の表情が見えない
- 訴求力が分散されるため印象に残りにくい
- 制作工数が多くなる=作業時間が長引きストレスとなる
つまり、よかれと思ってたくさんの写真を掲載しても逆効果になる恐れがあるということです。
アレンジ
写真点数をできる限り絞り、1点1点の写真の表現力を高めることが理想です。
私がおすすめする写真点数は、1ページに対して20点前後、見開きで40点前後となります。
この枚数ですと大中小のサイズ変化をもたせた時、最小サイズであっても「被写体の表情」が読み取ることができます。
そして写真は少なければ少ないほど、良好なレイアウトが行える傾向にあります。
写真点数に関連するブログ記事を併せてご覧ください。
3.写真と写真の空間を均等の設ける
Aさんの原稿は、写真と写真の間を「すき間」なく敷き詰めています。
細いホワイトラインで「境界」がありますが、写真どうしが融合したように錯覚するものもあります。
アレンジ
冒頭でお話しした「原稿の天地左右に均等の空間を設ける」と類似しますが、写真どうしの間にも「空間」を設けると、美しいレイアウトに仕上がります。
ここで注意したいのが「原則、全ての写真に対して「同じ幅の空間」を設ける」ことです。
空間の幅がバラバラですと「いい加減な配置」に見えることから、好印象を与えることができません。
4.そろえることを意識
写真どうしの 「フチ」のラインを揃える と、美しさが増します。
いわゆる「整然」という見え方となり抜群の安定感をもたらします。
サイズが異なる写真でそろえるのは不可能では?
原稿上には大型サイズの写真もあれば小型のものもあり、写真どうし全てを「そろえる」ことは出来ません。
ですが、天地左右の最も外側に配置される写真や、間隔が離れていても「ある写真とある写真の辺がそろってる」といった程度の造作でも、十分美しさが出るものです。
「何がなんでもそろえる」という気負いは必要ありませんので、出来る箇所の範囲で実行されてみてください。
5.「丸」でカットできるものを事前にピックアップ
Aさんの原稿は「全て四角形」で構成されています。
この構成ですと「同じ形」の連続とあり、原稿全体から抑揚(よくよう)を感じることができません。
ここで取り入れたいのが「丸型」です。
アレンジ
丸型はやわらかさや、かわいらしさを与えるほか、原稿全体の強力なアクセントとなります。
また、レイアウトの不都合を解消する役割も果たします。
あと一枚がどうしても入らない
レイアウトを組み立てていき、終盤で「どうしてもあと1枚写真を入れることができない」というのは、卒アル制作のあるあるです。
この時、仮に無理やり最後の一枚を下の図のようにレイアウトしたとします。
四角形4枚の中央に最後の写真が四角形で重なる構図ですが、どうにも違和感を感じます。
また上に載せた最後の1枚が、背面の写真の面積の一部をかなり奪ってることから、良好なレイアウトとは言えません。
次に最後の一枚を「丸型」で載せてみます。
四角と比較して自然な雰囲気ではないでしょうか。
このように「写真を重ね合わす時」の救世主となるのが「丸型」なのです。
丸の候補をあらかじめ選んでおく
丸でトリミングができる写真をあらかじめ候補としてピックアップしておくと良いでしょう。
丸型でとれるのは「正方形でトリミングができて、かつ天地左右に十分な背景空間がある」ことが条件となります。
レイアウトを進行させ「ここで四角が入らない…」などの障壁が現れた時に、丸の使用をご検討ください。
丸型写真採用をテーマにしたブログがございます。
6.写真サイズに「大中小」の緩急を設ける
Aさんの原稿に配置されてる個々の写真は、ほぼ「同じサイズ感」となっており、どの写真がメインとして見るべきかが今ひとつ見えてきません。
さらに前章にも書きましたが、同じサイズ・同じ形の連続は、単調性を生むことから、どうしても心に響く構成からは遠ざかります。
アレンジ
思い切った「大中小」のサイズ設定をお勧めいたします。
当然「大型サイズ」を設ければ、それ以外の写真は「均等サイズ」より小型化していきます。
ですが、卒アルページで重要なのは 「インパクト」 です。
見る方にページを開いた瞬間にまずインパクトを与え、興味を抱かせてから細部を見ていてだく…
といった流れが本来理想となります。
前章でお話しした「写真点数を1ページ20枚前後」にすることで、大型写真を設けても、最小サイズの写真はきっちり認識できるはずです。
大型写真と中サイズと小サイズ写真は、お互いを引き立て合い、より強調性を持たせることができるのです。
下記のブログも参考になさってください。
7.配置は「集合写真」から
ここから3つの「コツ」はレイアウト実践に近い内容となります。
まずは初めに「集合写真」、または「大型で掲載する写真」は、 一番最初に配置場所を決め 、確定させることのお話しになります。
この「大型配置」を基本として、それ以外の写真を「空きスペース」に配置していく「型」は、最も効率の良い方法と言えるでしょう。
上の図は「集合写真」を配置する場所の一例です。
考え方で大切なのは「集合を配置して狭い空間にどのような写真を入れることができるか」を考えながら場所を決めることになります。
中途半端な位置への配置ですと、どの写真も入れることができない空間が発生したりすることがあります。
いくつか仮レイアウトをしてみて、最も座りの良い場所を見出してください。
集合写真を使用すると魅力度が増す行事を解説したブログがございます。
8.コラージュとグルーピングを先に確定させる
複数の写真を境界線なく結合させる「コラージュ」、複数の同テーマの写真をまとめ「ひとつの枠」で囲む「グルーピング」。
この手法は、限られた卒アル原稿の空間を無駄なく使用するものであり、かつおしゃれさが加わる、必須のデザインです。
お勧めなのは、この コラージュとグルーピングをあらかじめ制作(あるいは仮にサイズと位置関係だけ制作)し、確定してしまう方法 です。
前章で「集合写真等の大型をまず初めに」と書きました。
その大型配置が決まり次第、コラージュ等の「確定」させたものを引き続き配置していきます。
仮にコラージュやグルーピングが4〜6点程度あった場合、恐らく原稿全体の8割が完成していることでしょう。
あとは単体写真をバランスを見ながら配置するのです。
なぜコラージュを先に確定させる?
コラージュやグルーピングを先に確定させると言いましたのには次の理由があります。
- 面積を取ることから事前に検討するべき
- おしゃれ感が強いため先にデザインを行うべき
- 強制的に「確定」を設けることで後からの迷いをなくす
集合+コラージュ+グルーピングで、そのページ原稿は完成したも同様ですので、ぜひお試しください。
コラージュを解説したブログがございます。
9.仮レイアウトで「あたり」をつける
レイアウト構想を立てて、初めの一回でレイアウトが決まることはまず無いでしょう。
仮のレイアウトを何回か行い、候補を作る、または「ほぼ確定した内容」をもとにアレンジを施すといった流れを踏むと思います。
この時次の順序で制作を進めると良いかと存じます。
この順序はあくまでも、今までお話しした1から8までの「レイアウトのコツ」を前提とした流れになります。
- 1.仮レイアウトで写真を配置
- 2.サイズ感を決めていき配置が確定する
- 3.その配置された写真を線ツールや四角ツールなどで「輪郭を描く」
- 4.この輪郭は、天地左右や写真どうしの空間を設けて描く
- 5.本確定した「写真サイズ」の枠に対して等しいトリミングを行う
全ての写真に対し 「レイアウト以前」に最良の見え方に「トリミング」すること をお勧めいたします。
そして、上記の「5」に書かれてる様に、さらに適正サイズに合わせて「再トリミング」を行うことになります。
ぜひお試しください。
また、トリミングに関する詳細は下記のブログをご参照ください。
おわりに
今回は卒園アルバムのレイアウトを計画する時の「コツ」についてお話しいたしました。
頭に描いたイメージを白紙の原稿に落とし込む作業は、想像以上に難しいことです。
理想と現実のギャップに嫌悪感を持ち、制作自体を投げ出してしまうというケースも少なくありません。
もし強いこだわりがないのであれば、今回お話しした「9つのコツ」を実践されてはいかがでしょうか。
どれもほんの少しの手間で見栄え良く、お子様から保護者まで喜んでいただけるアルバムになるはずです。
今回はあくまでも「四角や丸」の写真をどうするかに焦点を絞ってお話ししたものになります。
切り抜きを多用する等、別の風合いの場合は、このコツが活かされないこともありますが、基本は同様と言えます。
ぜひ素晴らしい原稿をお作りください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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