はじめての卒園アルバム
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2021.9.7
卒園アルバム-カメラマンの写真じゃなきゃダメですか?
卒園アルバムを作るのにカメラマンの写真じゃなきゃダメですか?」という問合せをこの時期多くいただきます。
アルバムご担当者にとっては、カメラマン以外の方の撮影ですと「クオリティ低」「印刷に適する解像度低」「保護者からの信頼性低」などの「3つの低」が頭をよぎり、不安を抱かれるようです。
でも、その心配はご無用です。園児が喜ぶ写真は大人が良いと思う写真とは異なります。
こんにちは、卒園アルバム制作メーカーキッズドン!の宗川 玲子(そうかわ れいこ)です。
梅雨のシーズンを越えると早くも7月。もう1年の半分が過ぎてしまいました。7月はアルバム委員による「写真選定」が活発になる季節です。
新年度開始から、園の先生が撮影してきた写真がある程度ストックされた…また、カメラマン撮影であれば、春から初夏の行事写真が納品される…など、アルバムのページ構成をする上での候補写真が、この時期にまとまってきます。
複数のカメラで撮影された写真を広げると、あまり写りの良く無い写真が大半という事実。さらに重要な行事で先生にお願いした写真の数が少なく、なんとなく画質が粗いような…
今迄の写真選定の場面で、皆様そんな経験をされてるのではないでしょうか。しかし、その一見「使えなさそうな写真」は、子ども達から見れば「宝物の写真」かもしれません。いや、その可能性が非常に高いといえます。
今日は、アルバム委員から伺った「誰が写真撮影し、その写真に対する逸話や苦労したこと、そして発見」をご紹介したいと思います。撮影や選定におけるヒントが見えてくると思いますので、参考になさってください。
皆さんのお話から浮かび上がった共通点は「園児が喜ぶ写真は決して大人が良いと思う写真ばかりではない」という事です。
先生撮影だから撮れるもの
保育園通園のH様よりお話を伺いました。
園がネット写真販売会社と契約しており、その写真撮影のためカメラマンが撮影に来てくれます。色彩や明るさが素人撮影とは格段に違い、保護者からは高評価を受けています。
アルバム委員発足当初は、ネット販売されていた写真が使えるだろうとたかを括っていましたが、これが大きな誤解でした。
まず、撮影した写真は「販売以外での提供」が不可である事、仮に再販でのデータ購入であった場合、そのデータ自体が低解像度化されてるため、印刷に適さないとの事(撮影時の記録画質での提供も不可)。
急遽、先生に委員のカメラを渡し、出切る範囲で構わない条件で撮影をお願いし、同時に保護者参加ができる行事には委員が出向いて撮影をしました。(もちろんネット販売のためのカメラマンも同行します)
先生、保護者、カメラマンの三刀流で撮影された写真を見比べてみると、そのレベルの差が歴然となります。美しさとハズレが無い点ではやはり(使用できませんが)カメラマン撮影が一番で、他の委員も同じ感想です。
「こどもはどんな写真がいいと思うのだろう?」とふとした疑問が浮かび、委員の集まりで同席(といってもそばで遊ばせてる)の子どもたちに「いいな〜と思う写真を何枚か選んで」とお願いしてみました。
その結果、大方のお気に入り写真は「先生が撮影した写真」でした。確かに先生が撮影した写真は「園児が自然な笑顔」をカメラに向けています。また、普段恥ずかしがり屋で、カメラマンや保護者に寄って来ない園児も、先生の持つカメラにはしっかりと笑顔で写っています。
子どもたちからは下のような感想をもらいました。
・これ撮るとき先生変顔して笑わせたんだよね
・先生の撮った写真は教室や庭がたくさん写ってるから、これこそ保育園の写真だと思う
・一人よりも皆で一緒に写っている方がいい
・このカメラマンいい写真撮れるまで何回もシャッター押すんだよね
など、大人の視点との違いに少し驚きを感じました。
先生にこの一件をお話し、これを機会に「先生撮影」を選考の中心とし、保護者同行の撮影でも強制的にカメラに向かせるのでは無く、自然体で、更に複数の園児単位の構図を心掛けました。
決してグラビアの様なハイクオリティではありませんが、素朴な写真の中にも、園児の喜ぶものが詰まったアルバムが作れたと思い、園児保護者共に満足しています。
少点数写真でも問題無し
幼稚園通園のK様よりお話を伺いました。
当初思い描いていたアルバムページの雰囲気は、カラフルで賑やかで、個人対象の写真から集合写真までバリエーション豊かに散りばめるというものでした。
ですが、私たちの幼稚園は、先生以外の撮影は一切禁止で、カメラマンの派遣もありません。
保護者は普段の園の様子はおろか、運動会やお遊戯会、親子遠足などのビッグイベントまでも撮影禁止です。更に販売も無し。
「親が行事に参加する際は、しっかりと子どもの姿を見て欲しい」「保護者撮影後の個人情報の管理が困難」などが主な理由ですが、これにより、卒園アルバムに使用出来る写真は先生撮影の写真に限定されます。
夏にアルバム委員が集まり、それまでに撮影いただいた写真選定を行いました。感想は、保育の合間での撮影ですので「集合写真」や「当番グループ」単位での写真が多く、個人を対象とした個性的な写真はありません。
選定を行っていると、必ず子どもがパソコンモニターを覗き込み、写真の感想をペラペラ意味不明に語り始めます。「やかましいなー」と思いつつ、その「意味不明な言葉」に改めて耳を傾けてみると、それはなかなか興味を誘う内容であった事に気付きました。
例えばお遊戯会で、劇の衣装のままでの集合写真。一人一人の名前の役柄を誰に教えるのでも無く、好き気ままに言い放ち、更にその役のセリフを話し出します。
春の遠足での、遊具が立ち並ぶ公園前での集合写真ではこんな発言が。
・◯◯君が病気でこれなかった
・この遊具でこんな遊びをした
・この一番右の人、◯◯ちゃんのお母さんだよね
など、記憶がどんどん甦り、嬉しそうに1点1点の写真に想いを馳せます。
その時、なにも数多くの写真を掲載しなくとも、究極「集合写真」だけでもいいかも知れない…(もともと撮影量が少ないし)と、アルバム構想の転換もありではないかとを思いたったのです。
キッズドン!にこの事の相談をし、その結果、各行事2/3ページを集合写真に、1/3をグループ写真数点という極めてシンプルな構成で20ページの大半を統一した仕様にしました。
多少画質が粗くても、多少手ぶれやピンぼけがあっても、子どもたちはページをめくる度に目に飛びこんでくる大きな集合写真に驚き、そしてとても喜んでいました。
卒園アルバム=綺麗な写真で手のこんだ賑やかなスタイルとイメージしがちですが、子どもが喜び、作り手のメッセージが届く体裁であれば、どんな形でも構わないというのが、作り終わった後の感想です。
談話から汲み取れる点
2名様の談話から次の傾向が汲み取れます。
各園の方針から扱える写真は限定的になります。アルバム委員は「先生撮影のみ」「保護者撮影が中心」「全てカメラマン」「複式混合」など、その境遇での写真使用を余儀なくされます。
この時「先生、綺麗に撮影してくれるかな」「カメラマンの写真でなくていいものが作れるのかしら」「私たちが撮影するのって責任重大」とつい思いがちですが、その心配はいりません。
特に保護者撮影の場合、構図やいかに綺麗に撮るかに意識を集中させるのでは無く、いかに自然体で子どもたちと楽しみながら撮影する事が重要と言えます。
先生に撮影をお願いする場合、多量の写真をしかも拘りを持って撮影するのは不可能ですので、「集合写真だけは必ず撮影してください」とだけ、シンプルに依頼するのが良いと言えます。
おわりに
卒園アルバムは「園児のため」のアルバムです。
アルバムを開いた時、思わず笑顔がもれる写真の数々は、大人の感覚とは異なります。決して写りが良く無くても、イマイチな写真が並んでも、そこに友だちや先生と笑う姿があれば、深い思い出として園児の心に刻まれるはずです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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