はじめての卒園アルバム
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2021.9.6
卒園アルバム制作経験者に聞きました「思ってたのと違ったこと」-アルバム反応編-
3月の卒園式にアルバム贈呈予定の納品がほぼ完了し、この後、続々と様々なご意見・ご感想がキッズドン!に寄せられてきます。そのお話に必ず出るのは、今だから笑って話せる「思てったのと違った」の数々。
こんにちは、卒園アルバム制作メーカーキッズドン!の宗川 玲子(そうかわ れいこ)です。
今日は、卒園アルバム委員発足当時描いていた「作業や完成」のイメージと、実際にはこんな違いがあったという内容を紹介する第三回。
前回と前々回のブログでは〈「思ってたのと違ったこと」-写真が使えない!編-〉〈「思ってたのと違ったこと」-作業が進まない!編-〉をお届けしました。今回は「アルバム反応!編」です。
アルバム委員は、卒園アルバムを手に取った園児から喜びの声が上がるシーンをイメージし、ひたすら努力と苦労を重ねて制作に勤しんでいます。現実は「あれ?でもそいうリアクション?」という事もあり、それはとても良い事であったり、悪い事であったり…
そんな談話を参考にされ、現実を知り(?)より有意義なアルバム制作を行っていただければと思います。
10人の卒園生に向けた卒園アルバムを3月中旬の卒園式に渡すスケジュールで制作を進めました。
私自身がグラフィックデザインを仕事にしてる為、制作は苦では無く、むしろ我が子の成長を振り返りながらデザインを行う事に、喜びさえ感じていました。とは言うものの、時間もあまり無く、それなりに拘りを持って制作をすると苦労を強いられ、思い起こせば大変な作業ではありました。
表紙をどうするか?というアイデアが浮かばずキッズドン!に相談。シンプルなテイストで本文を制作していると伝えると、1人1人の園児が個別に全面掲載されてるスタイルを提案してもらい、それを採用することに。
カメラマンにお願いし、完璧なクオリティで園児10人を撮影し、何の装飾も無く表紙に全面配置。あるのは園のロゴと園名、卒園年度がさりげなく表記されてるレイアウトにしました。
卒園式当日1人1人にアルバムを渡すと、表紙に写る自分の姿に歓声があがり、想定通りのリアクションでこちらも感極まります。
「さあ、中も見てみて!」心でそう願い、園児の動きを見てると、パラパラパラとめくってはそれなりに反応を示すも、もっぱら友達同士で表紙の写真を見せっこする方に夢中な様子…
あげく、まともに中身を見ずに袋にしまってしまい、遊び出す子も多く、子どもの反応に期待しすぎたのがいけませんが、少し残念な気持ちになりました。
保護者から中身のページについて「素晴らしい出来ですね」と労いの言葉をたくさんいただきましたが、「ああ、表紙のインパクトって絶大だな」と改めて思った次第です。
表紙のデザインをどうするか?この記事をご覧のみなさんも、恐らく真っ先にイメージするのは「表紙のデザイン」ではないでしょうか。キッズドン!のデザインの観点からのおすすめは「超インパクト」か「超シンプル」の2択です。
前者の例は、Oさんのお話に出て来た「1冊づつ異なり、園児が全面掲載された表紙」、後者の例はは白一色のベースに集合写真のみが中央にさりげなく掲載されてる等です。
前者は園児に渡した瞬間に驚きの声が上がる事は間違いありません。後者は「これからどんなページが展開するのだろう」とワクワク期待感を持たせます。
この他、文字パネルを持つ園児と保護者の写真をコラージュして「タイトル」を作る、園庭の写真を全面配置のバックグランドに使い、その上に園児と担任の先生の全身写真を切抜き、楽しく遊んでるように見せる…など、多くのアイデアが存在します。
ぜひ楽しんでたくさんの候補を挙げ、採用を検討してください。
立派な卒園アルバムにしようと、拘りを持つ内容を計画して委員5名の作業はスタート。それなりに作業量は多くなり、片手間では追いつけない程のレベルの制作が待ち受けていました。
卒園式のページを制作し、納期を5月中旬に定めたにも関わらず、3月上旬で進捗は5割にも見たず、業者制作変更や、拘りを捨てて、ある程度妥協ラインで進める事も検討しました。
ですが、ここまで苦労を重ねてハイレベルのページを作ってきたのだから、最後までコンセプトは貫き通したいと言うリーダーの決意により、納期を延長し7月に配布する事に変更。
しかしこれが間違いでした。
3月下旬に卒園生保護者宛に納期延長を告げるお手紙を配布した所、「その理由を説明して」「5月にもらえる事を楽しみにしていたのに」「今からキャンセルしたい」などクレームやネガティブなリアクションが想像以上に多く、困惑しました。
「完成度の高いより良いものをお届けするべく努力している」旨返答しても「完成度が高く無くていいから納期に間に合わせるべき」「良いものを期限までに作るのが委員の務めでは?」など火に油を注ぐこととなり「本当に業者と製本契約されてるのか」と直接業者に連絡をとる方までいました。
そんな非難を受け止めつつ、完成したアルバムを喜んでいただけたのはごく少数で、今までの苦労が全て水の泡となり喪失感だけが残りました。
「納期を決められた期限から延期する」は、卒園アルバムで実は最もリスクの高い行為と言えます。
各保護者は予定されている期日に、アルバムを届く事を楽しみに待っています。
それが1日2日の遅れであればまだしも、数ヶ月の延期となった場合、アルバムが見れないという残念な気持ちと、さらには制作担当者への不信感が募ります。これが、アルバム制作を保護者に了解を得る際、賛否両論の末の制作の場合、当時の否定派からは多くの非難の声が上がるでしょう。
保護者が卒園アルバムに対する期待度は、実はそれほど高くありません。妥協無きクオリティやサプライズ感は二の次三の次であり「楽しそうな雰囲気である程度我が子の写真が掲載されてればOK」なのです。
作り手の気持ちや信念も理解できますが、ここをはき違え、作業時間ばかりがかさみ、期日延長となるのは、全くの本末転倒。
委員発足の際「その計画は本当に自分達だけで実行できるのか」を熟考する必要があります。必要に応じ引き算をし、または業者のサポートを借りて理想に近づけるなどの柔軟性が必要と思われます。
毎年卒園アルバムは、卒園生以外に園寄贈用を手配します。委員より担任の先生に渡し、後日アルバムに対するご意見を伺うのが当園の恒例となっています。これは、次の年への制作参考意見として活用する事が目的で、よって手厳しい本音もいただく事となっています。
今年のアルバムは、1冊づつ個人ページ1ページ分が異なる仕様とし、その個人ページには該当の園児だけの写真を8枚、担任の先生からのメッセージを1点掲載するレイアウトにしました。
その他のページも掲載での不公平感を無くすため、なるべく園児のアップ画像を選定し、全ページ合計で同数になるように配慮。個人で写る量が大半を締める構成となりました。
先生からのご意見でお説ごもっともと感じたのは「友達と触れ合っているシーンを中心に構成した方が、子どもたちはもっと喜ぶのではないか」というモノです。
「スマホでも美しい写真が撮影できる昨今、こども達は「自分の写真」は見飽きるほど見て来ています。本来卒園アルバムでは、どのような友達と触れ合い、どのような環境に身を置き、どのような経験をしてきたのかを収める目的と思います。
個人のアップが多い事にはこの目的が見えてきません。保護者の視点を考慮すれば、公平性を重視して個人のみを掲載する方法に行き着くでしょうが、それが果たして本当の卒園アルバムの真意でしょうか。
多少写ってる写っていないに偏りが有ろうと、楽しそうな、そして友だちとの関係が見える掲載の方が園児の心に染み入ると思います。」このようなお言葉を頂戴し、即次のアルバム委員に引継をし、方向性を修正したそうです。
ついつい保護者のクレームを気にしがちですが、忘れてはならないのは「卒園アルバムは子どものもの」という事ですね。
一言添えるのもおこがましい素敵なご意見、誠にありがとうございます。
おわりに
今日は、卒園アルバム制作経験者に聞いた「思ってたのと違うこと」の「アルバムを見た反応!」を紹介しました。終わってみれば笑いとなることも、コトを進めてる上でのその時その場では、大変に悩み苦しむのが卒園アルバム制作。
ご紹介の談話を情報として得て、素早い解決を図っていただければと思います。
尚、「思ってたのと違う」シリーズは、第一回と第二回があります。よろしければ併せて下記バナーよりご覧ください。
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今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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