はじめての卒園アルバム
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2022.3.16
あなたの卒園アルバムには「文集」をつけますか?-文集制作のノウハウ-
あなたの卒園アルバムには「文集」を取り入れる予定がありますか?
そもそも幼稚園・保育園に「文集」が必要なのか…と懐疑的であるかもしれません。
ここ3年くらいで、この「文集」と「アルバム」の境界線が曖昧になってきています。
文集ページを専用で作るか、アルバムページ内での併用で済ますかを、悩まれるお客様が多くいことから、今日は文集の扱いについてお話をしたいと思います。
制作のノウハウのついても掘り下げていますので、制作予定であれば、参考になさってください。
- 文集に載せる内容を知りたい
- 文集を作るべきかどうか悩んでいる
- 予算が無いが文集も取り入れたい
- 文集に変わるアイデアが知りたい
このブログの動画版がございます
このブログをダイジェストにした動画がございます。お時間のない方はどうぞこちらをご覧ください。
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
はじめて卒園アルバム委員や卒園対策委員となり、多くの決め事の中に「卒園アルバムに文集を取り入れるか」があると思います。
ですが 「文集自体が具体的にどういうものなのか分からない」 という内心もおありでしょう。
一般的な文集の内容と、その各項目に対する利点や、委員に対する負担などについて解説いたします。
卒園文集の内容
卒園文集というと…
- 各家庭で制作された手作り個人ページ
- 親からのメッセージ
- 先生からのメッセージ
- 将来の夢
- 手形足形
- 卒園生へのアンケート
- 園児制作の作品(絵画)
などが、構成要素として取り入れられます。
解説を入れたいと思います。
各家庭で制作された手作り個人ページ
顕著であるのが「1ページ1名」の個人ページを掲載する「文集」のハイライトページとも言えます。
- 年長と赤ちゃんの写真1点づつ
- 上記意外の切り貼りスナップ2点ほど
- 4問程度のアンケート
- 将来の夢(専用ページがある場合は無し)
- ご家庭からのメッセージ
- 園児本人からのメッセージ
- 挿絵やイラスト
などが代表的な掲載コンテンツになります。
A4用紙を各家庭に渡し、提出日程までに「自由に創作」していただきます。
これにより熱量のこもるご家庭もあれば、あっさりとした風合いで制作されるご家庭もあり、統一性を図ることは元来期待しない方が良いでしょう。
モノクロ印刷の注意点
このページの制作に伴い下記の点に注意されることをおすすめします。
アルバム用プリント用紙にモノクロ印刷するのであれば、カラーからモノクロに変換しても、鮮明かつスタイリッシュに印刷されます。
ですが、薄紙にコピーに類似した印刷方式の場合、濃淡の近い色味は「黒一色」につぶれ、写真本来の良さを出せない可能性が高いと言えます。
このことから「写真を2点(明暗のはっきりしたもの)」あるいは「写真無しで文章のみ」とした方が結果として見栄えはいいでしょう。
制作期間に余裕がないと提出が滞る
委員に負担がかかる点で最も多いのが 「提出期限までに原稿が提示されない」 ことによるストレスです。
ですが、この原稿制作は多忙な保護者にとって正直負担であり、どうしても「後回し現象」が生まれます。
- 赤ちゃんの写真がすぐに見つからない
- 文章力に自信が無く重い腰が上がらない
- 気合いが入りすぎて創作に時間を要す
- 子供の直筆に今一つ納得できない
などが代表的な遅延原因です。
このことを想定して最低1ヶ月、出来れば2ヶ月の猶予を持ち、1ヶ月経過、残り2週間、残り3日の各タイミングでアナウンスをすると良いでしょう。
それでも遅れる方は必ずいらっしゃいます(笑)。
先生からのメッセージ
各園児に向けたメッセージを担任の先生からいただきます。
先生からのメッセージは、写真以上に価値がある品であると言っても過言ではありません。
このプロセスを参考までに記載いたします。
- 4月から5月にはメッセージ制作の承認を得る
- 6月にはレイアウトを決めて「記載のサイズ」を図る
- 記載いただく用紙を用意し6月から7月に渡す
- 提出期限を2月中旬とする
十分な時間を先生に提供する
先生メッセージで大切なことは 「十分な時間内で書いていただく」 ことにつきます。
文章が上手な先生、そうでない先生、日々の忙殺状況にメッセージが追加されて苦痛でない先生、苦痛に思う先生、など先生によって受け取る負担はさまざまです。
例えば「メッセージ記載のお願い」を11月にしたとします。年間で保育士の方が慌ただしくなるのは11月から1月下旬であり、その期間にメッセージを記述することは酷である意外何ものでもありません。
最善は、先生にいつの時期が最もメッセージが書くにふさわしい時期かをヒアリングし、それに沿って計画を行うのがベストでしょう。
先生からのメッセージに関する関連記事がございます。
将来の夢
将来の夢の表現方法は次のようなものがあります。
- 直筆文字だけ
- 直筆文字とその仕事の絵を描く
- 画用紙に上記いずれかを持つ写真を掲載
- 保護者が首から下の職業イラストを描いて顔写真のみ合成
ビジュアルをつけた方がキャッチ度が高く、とかく文章中心の文集にこのビジュアルがアクセントにもなります。
文集担当者としては大変ですが、見せ方をぜひご検討ください。
下のリンクは「将来の夢」をテーマにしたブログ記事になります。
手形足形
当然ですが手形足形は 「実物大」 であることが条件になります(笑)。ページ数を稼ぐために1ページを2名で使用し、手形足形のスキャン画像を縮小して掲載するなどは意味がありませんので避けるべきでしょう。
時間が経過し、掲載の「形」に今の手や足を這わせ、どのくらい成長したかを比較することの面白さは、制作の段階では分からないことかも知れません。
きっと大きくなった子供は声を出して笑いながらこのページを楽しむことと思います。
卒園生へのアンケート
各家庭で制作の「個人ページ」に掲載せず、独立したページに「アンケート」を集約させる場合もあります。
- 好きだった給食
- 楽しかった園での遊び
- みんなで歌った好きな歌
- おともだちに一言
- 担任先生に一言
- 小学校で頑張りたいこと
などの項目から3〜4項目を選び「直筆」または「入力」で記載します。
年長期の字の特徴
今までも「直筆」記載に触れていますが、年長期の筆記の特徴として 「斜め上に膨れあがる傾向」 があります。
あまり細い枠のサイズですと「はみ出す」リスクが多いため、できれば縦幅を広く取った筆記フィールドを設けたいところです。
園児制作の作品(絵画)
ページ都合により、その掲載サイズは千差万別ですが、ここでの絵画は「テーマを設けて」書くことをお勧めします。
そしてできれば担任の先生に、 授業や保育指導の一環として「決められたサイズ」に「このテーマ」で絵を描く時間を取ってもらえないか… との相談を持ちかけることをお勧めします。
園児もみんなと一緒に絵を描くことで集中力も高まりますし、一緒に描いた絵が記録に残ることは、園児にとって喜ばしいこととなります。
卒園文集の体裁や特徴
いわゆる文字情報を中心とした内容であるのは言わずもがな、体裁には次のような特徴があります。
- 基本、保護者や先生からの提供物で9割が成り立っている
- アルバムと文集が結合して一冊に製本化
- アルバムと文集が分離して個別製本化
- アルバムページは「見せる」文集は「読ませる」に主眼を置いている
- 文集はコストダウンの目的でモノクロ仕様も多い
- 薄い紙質が多い
- デザイン性はさほど重視されない
- 経年ごとにアルバムより価値が高まる傾向にある
- 個人情報保護の観点から制作自体を問題視されることもある
さして目新しい内容では無いのですが、委員での文集担当者にどのような影響があるかを中心にいくつか深堀りしていきます。
基本、保護者や先生からの提供物で9割が成り立っている
これが最大のポイントと言えます。
写真構成のアルバムページは、制作担当者の手によって(場合によっては業者外注)制作されますが、文集は「対外」の人によって制作されます。これにより
- 文集の趣旨の説明
- 制作されてる方からの質問窓口
- 個人ページの依頼や取り決め
- 先生への依頼や交渉
- 依頼のタイミングや提出期限の時間管理
- 相談や苦言に対する対応
などの負荷が課せられることとなります。
制作自体の作業より、人と接する機会の方が数段多いため、この状況をスムースに渡れるタイプの方が担当者として適任と言えます。
アルバムと文集が結合して一冊に製本化
卒園アルバムと卒園文集が結合して「1冊の冊子」となってるケースです。
いわゆる「卒業アルバム」タイプであり、スマートな仕様にそれなりに人気があります。
ただし料金は割高傾向であるため、複数の業者に相見積を取り、予算に見合うかを図りましょう。
アルバムと文集が分離して個別製本化
アルバムは高精細な表現を生む高品質タイプ、一方文集はローコストな一般紙タイプで別々に製本を行い、全体のコスト低減とバランスを図る方法です。
分離すると「紛失(特に文集)」する恐れがありますが、それを管理できれば、本来の目的は果たせているため、この方式が近年多く採用されています。
また、この文集を「個人だけの手作り文集」として各園児分制作し、写真アルバムに添えて進呈するケースが急増しています。
このケースにつきましては後述の「文集は本当に必要か」でご案内します。
文集はコストダウンの目的でモノクロ仕様も多い
一般的にカラー印刷よりモノクロ印刷の方が安価に仕上げることができます。
文章中心の文集ですので、写真の表現低下は目をつぶり、モノクロ印刷を採用するのも良いでしょう。
薄い紙質が多い
紙質や紙の厚さのクオリティを下げてコストダウンを図り、またアルバムページとの差別化でアルバム側を引き立てることができます。
文集のコンテンツごとに用紙の色をパステル数色に変えて、単調性を回避する方法も業者によっては可能です。
経年ごとにアルバムより価値が高まる傾向にある
アルバムと文集を受け取った時点では、写真のインパクトからアルバムに対する評価が高くなります。そして文集は「文字」構成のため、受ける印象はアルバムほどではありません。
園児も「読む」ことに慣れてないことから、その時点では自分のことが書かれてる内容に満足し、その他の内容をつぶさに読み尽くすことは多く無いと言えます。
ですが、時が経て文集を広げた時、それはアルバム以上に大きな感銘を受けると言います。
当時の直筆の字体に笑い、輝かしい未来を夢にいだき、先生や親から愛されていることを実感する…
今でも付き合いのある旧友のプロフィールを見れば「なんだ、全然変わってないじゃん」などの感想をもち、その当時に思いをはせる…
このような作用は「ビジュアル」より「言葉」の方が強く作用すると言われ、文集の大切さを実感させます。
仮に文集を作らなくとも、写真での卒園アルバムに色々な「言葉」を散点させて、より思い出が深まる仕掛けを施されてはいかがでしょうか。
個人情報保護の観点から制作自体を問題視されることもある
個人情報が露呈することを敬遠し、文集掲載を辞退、さらに制作自体を問題視されることがあります。
出来れば進級早期のタイミングで文集制作、卒園アルバム制作の承認を保護者会で提案します。
各家庭ごとに個人情報保護の観点における情報の扱いを提示し、園、そして家庭ごとに「承認」を得るようにします。
問題視される方が居り、辞退を申し出る際はこれを受け、制作自体に問題を掲げる場合は、上記のプロセスを経て承認されてる旨を丁寧に説明し納得いただきます。
非常に面倒な場を踏む必要があるかも知れませんが、これらの転ばぬ先の杖を用意しておくことで、早期解決を図ることができると思われます。
アルバムや文集不要の方への対応方法を記事にしたブログがございます。
文集は本当に必要か
ここまで文集を特集してお話をしてるにも関わらず「文集は本当に必要か」という手のひら返しのような見出しですが、「制作を問題視して反対提言される」まで行かずとも、心の中で 「文集いる?」 と思われてる方は一定数いることを心得ておくべきでしょう。
- 我が子以外の内容は見ない
- 自分の書いた文字や文章を見られたくない
- アルバムだけより割高になる
- 個人ページを制作してる時間が無い
- 文集のみならずアルバムにも価値を感じない
- 個人情報が開示される部分もありやや心配
などが心情の主だったところです。
同調圧力や長いものに巻かれる気持ちで「文集制作承認」であっても、実在する本音と言えます。
卒園アルバムや文集は「あくまでも園児のための記念誌」と分かってていても保護者本人の感情をなかなか変えることはできません。
アルバム委員以外の保護者とのトラブル事例と、その回避策をまとめた記事がございます。
そんな事象を見越した上で「文集」を「文集」として作らず、他の方法で代用するケースもあります。
文集を別の方法で制作
文集を作らず、でもその内容の一部を実現する方法として、下記の仕様があります。
- アルバムにコンパクトなプロフィールページを作成
- アンケートはアルバムの卒園生紹介ページに統合
- 先生からのメッセージはアルバムの職員紹介ページに統合
- 一冊づつ異なる個人ページを作り文集内容を可能な限り投入
- 園児ごとの手作りアルバムを別途作成し、文集内容を折り込む
解説します。
アルバムにコンパクトなプロフィールページを作成
アルバム内に1ページを数名分の分割枠を設け、そこに文集で載せる予定のプロフィールの一部を掲載する方法です。
保護者による手作りはありませんが、理路整然とした見やすさが長所と言えるでしょう。
アンケートはアルバムの卒園生紹介ページに統合
オープニングを飾る「卒園生一同紹介ページ」に「文集」のアンケートを組み込みます。
好きだった遊び、好きな食べ物、将来の夢が設問のトップ3でしょうか。
乳児期と年長期の写真を並べて成長を比較する仕組みも同時に行います。
先生からのメッセージはアルバムの職員紹介ページに統合
先生の写真は「集合写真」1点とし、残スペースに先生からのメッセージを入れます。
言葉だけでなく写真もそばにあることから、より深くメッセージが届くことでしょう。
一冊づつ異なる個人ページを作り文集内容を可能な限り投入
キッズドン!の「ハードカバーフルフラットスタンダード(アルバム製本タイプ)」は初めから 「1冊づつ異なる個人別ページ」 が付いています。
仮に24ページ仕様の場合、特定のページの部分だけが「その園児だけの」ページになるものです。
全員のプロフィールを文集のように見ることはできませんが 「ページ数を多く割くことはできないが個人ページを大きく採りたい」 という理想を叶えます。
このページはキッズドン!がテンプレート仕様で制作もできますし、あるいは各ご家庭で制作した原稿を取り入れることもできます。
園児ごとの手作りアルバムを別途作成し、文集内容を折り込む
今だに強い人気を誇る 「手作りアルバム」 。
保護者の手によって制作されるハンドクラフトタイプとなり、これを卒園アルバムとは別に、卒園生一人一人に「手作り」して進呈するという趣旨です。
- 数点の園での思い出の写真
- 家族写真
- 文集における個人ページの内容
- 園児の作品を撮影した写真
これらの素材を切り貼りし、デコレーションを施し、時にポップアップ(飛び出し仕掛け)などにも凝って、制作を行います。
大変愛情が注がれた品であり、いつまでも宝物として残るであろう記念誌となりますが、デメリットは「大変な時間と労力がかかる」こと。
クラフトが得意な方、好きな方はその威力を存分に発揮できると思いますが、そうで無い方は苦痛の他何ものでもない感情に悩むリスクもあります。
この点を考慮し、制作の役割分担や無理のない制作期間を設けることが課題と言えます。
手作りアルバムの計画と準備、どんな手作りタイプがあるかを紹介した記事ありますので、併せてご覧ください。
写真で構成される「卒園アルバム」に掲載する「個人ページ」の扱いについての関連記事がございます。併せてご覧ください。
おわりに
今日は「卒園文集」のあり方と、制作するに当たってはその内容の紹介、制作担当者に掛かる負担などについてお話しました。
卒園アルバムと文集の双方を制作する場合、十分な時間と制作者人員、そして何より園と保護者の理解と協力が必要となります。
理想だけではことは上手く進まず、本当に制作できる環境があるのか?などを計って制作するしないを決めるべきと言えます。
時間や、制作人員が確保できないのであれば、キッズドン!のおまかせコース(デザイナーによるフルデザイン)でアルバムは制作し、文集の構成と編集を委員で行うと言った方法もあります。
私どもキッズドン!では文集のみの制作は行なっていませんが、お困りのことがありましたら、どうぞご相談ください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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