はじめての卒園アルバム
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2024.11.4
“たった1つ”の作業が卒園アルバムの印象を左右します
卒園アルバムを開いたとき、誰もが最初に感じる印象。それを決定づける要素はたった一つ、
にあります。
ここで言う「写真の質」は、決してプロカメラマンによる完璧な一枚を意味するわけではありません。
むしろ、日々の保育生活の中で先生方や保護者の皆さまが心を込めて撮影された写真こそが、かけがえのない思い出として輝くのです。
しかし、せっかくの思い出の一枚が…
- 暗くて表情がよく見えない
- スマートフォンのズームで粒子が荒れている
- 室内の照明で全体的にオレンジ色や青色に染まってしまっている
こんな経験はありませんか?
これらの写真をそのままアルバムに使用してしまうのは、とても大きな損失となります。
今回はちょっとした工夫で「写真の質」を改善し、大切な思い出をもっと輝かせる方法を紹介します。
- 思わず「素敵!」と言われるアルバムを作りたい方
- 使えそうな写真が少なくて悩んでいる
- 写真の補正方法やおすすめツールを知りたい
- あまり写りの良くない写真でもっと良いアルバムを作れないか
目次
卒園アルバム「早く作りたい!」そのはやる気持ちを抑えて
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
好印象を与える卒園アルバムと、さほど印象に残らない卒園アルバムの違いは「写真の質」ありきです。
時間がなければまず画質調整を優先
吟味して選定した「背景画」や、苦心した切り抜きのレベル、斬新な写真レイアウト、凝ったデザインなどは「写真の質」と比べれば、重要なポイントではありません。
昨今顕著である、仕事・家事・育児に追われる日々の合間を縫っての卒園アルバム制作…
いかに効率を上げ、やるべきことに集中し、やらなくていい事を捨てていくかが課題となっています。
この課題に対する回答をシンプルに言うなれば「画質調整だけに時間をかけてください」となります。
写真補正のスマホアプリ「Adobe フォトショップ エキスプレス」の解説をしたブログ記事がありますので、下のバナーより併せてご覧ください。
アルバムを見る方がはじめに感じるのは「暗いか明るいか」
「写真選定もようやく終わった。オンラインでグラフィック制作するWebアプリのアカウントも作った。さあ作るぞー!」と意気込む前にちょっと立ち止まってください。
その写真の質は十分でしょうか?せっかく苦労して厳選した写真ですから、最高の品質の状態でアルバムに載せたいですよね。
ここは、はやる気持ちを一旦置いて、改めて写真の質を1点1点チェックしてみましょう。
写真の質を考慮せずに作業を進め、痛い目にあったという、お客様との談話を紹介します。
【Webアプリを使用して卒アル制作をしたAさんの談話】
初めて卒園アルバムを作ることになり、オンライングラフィックツール「Canva(キャンバ)」を使うことに。複数名で共有もできるし、みんなインスタのテンプレートで使ったことがあるということで。
私は「春の遠足-見開き2ページ」を担当していて、長い時間掛けて写真選定をしました。
写真選定は結構苦痛で、公平に園児の登場数をカウントしたり、集合写真と個人写真のバランスを考えて「早くデザインに移りたいのに…」と、選定に時間がかかればかかるほど、キャンバに取り掛かりたい気持ちが増幅します。
やっとの思いで選定が終了し、その直後に間髪おかずにキャンバに写真をアップロード。
まずは全部の写真を適当にキャンバスに並べてみます。ですがここでモチベーションを下げる問題が2つ起こりました。
一つは、見開きで50枚の写真を並べてみたのですが、キャンバスサイズ100パーセントで見ると「全体的に暗〜い印象」が漂っています。
試しにA4サイズに縮小してプリントしてみると、モニターで見てるよりさらに暗さが目立つ!
もう一つは1点1点の写真をキャンバス上で移動しようにも正確に動かず、またサクサク快適な動作にならないんです。
掲載点数が多いのかなと、大幅に減らしてみてもあまり動作に変化がなく、今回相談をかねてキッズドン!に連絡した次第です。
談話の課題1-全体的に暗い
撮影した写真は、基本「暗い」ものです。どんなに明るい晴天の屋外であっても「暗く」写ることがあります。
その理由は、カメラやスマートフォンが持つ「自動露出補正」という機能にあります。
空が明るすぎたり、逆光だったりすると、カメラは明るすぎる部分を基準に全体の明るさを調整します。その結果、人物の表情が暗くなってしまいます。
特に園庭や公園での撮影では、空の明るさに影響されやすいため、子どもたちの表情が暗くなりがちです。
その個々に暗めの写真が集まり、一つのキャンバスを埋め尽くし、全体を俯瞰して見ると「なんとも暗い印象でパッとしないページ」というものになってしまうのです。
印刷ではさらに明度が低減
そしてAさんはこの原稿を自宅のプリンターで印刷し、状態を確認したところ、さらに暗さが目立ったと語っています。
これは、自宅のプリンターに限らず、アルバムを印刷する機械であっても同様の現象が起こりうるのです。
暗いの解決策
補正ソフトやアプリを使用して1点1点を丁寧に明るさ調整する以外にありません。
写真の明るさ補正には、次のようなツールがおすすめです。
上に挙げた3つのアプリの共通点は「使いやすい」「AIがアシスタント」「信頼性が高い」となります。
明るさ調整はもちろんのこと、全体的に写りの良くない写真や、微妙にピンボケしてる写真をAIの技術で鮮明に生成する点なども評価に値します。
また、画質補正の未経験者や、初心者の方にとって「スマホアプリ」は強力な味方となります。
パソコンソフトは難しいがアプリは本当に簡単
Adobe Photoshopに代表されるデスクトップソフトの場合、理想の写真に仕上げるまでには、それなりの操作テクニックが必要となります。
ですがスマホアプリは「誰でも簡単に」が大前提のため、指のスライドとタップ一つで完璧な姿に変えることができるのです。
この点からスマホアプリを使用した方が、より効率的に、より直感的に「補正作業」を進めることができます。
談話の課題2-快適に動作しない
この原因は写真サイズの大きさにあります。
仮にi-Phone15の背面カメラを4:3の縦横比率で撮影した場合、横幅は5500ピクセル程度となり、コピー用紙A3を少し超えるほどのサイズがあります。
いわばアルバム制作を行うオンライン上のキャンバスと同じくらいの写真が50枚配置されてることになります。
パソコンモニター上では、写真を縮小して操作しますが、大元の写真ボリュームの情報は変わらないことから、オンラインツールの処理が追いつかないことにより、動作不良が発生するのです。
快適に動作しないの解決策
アルバムに掲載する画像のサイズはスナップ扱いで横幅2000ピクセル(解像度は300dpi)あれば十分です。つまり元サイズの約三分の一まで縮小していいことになります。
このように写真のサイズ変更を行うことを「リサイズ」と呼んでいますが、リサイズはどうすればできるでしょうか。ここでもwebアプリやスマホアプリが活躍します。
以上、お客様の談話を基に「全体的に暗い印象の解決法」と「快適に動作しない解決法」を紹介しました。
写真補正をオススメするその他のケース
前章は「暗い」をテーマにしましたが、その他の「補正をおすすめ」するケースを紹介します。
切り抜きをする
インスタや卒園卒業アルバムで活躍する切り抜きアプリ。テクニック無しで一瞬にして人物を切り抜きます。
ですが切り抜く前にこの点に注意してください。
「写真全体で見ると普通に見えるが、切り抜いた人物だけ見るととても暗い」という現象に陥る場合があります。
これは人物の背景は鮮明ゆえに、全体を見ると違和感を感じさせぬ仕上がりに見えますが、人物は暗い写りをしてることからこのような現象になります。
この際補正アプリで、背景はハレーションしてもいいので人物を明るくし、その後に切り抜きを行うと良いでしょう。
実は難易度が高い切り抜き
直接「画質補正」とは関係ありませんが、実は切り抜きの扱いは難易度が高いものです。
- 1.使いすぎると支離滅裂に
- 2.オリジナリティが低減
- 3.空間が見る人を不安定な気持ちにさせる
- 4.写真の質に違いが見えやすい
切り抜いた写真を多用するとページの統一感が失われます。
あちこちに切り抜かれた人物が配置されることで、見る人の目線が定まらず、意識が断片的になってしまいます。
また、たくさんの切り抜き写真が密集して配置されると、写真が重なり合って不自然な塊のように見えることも。
見る人によっては、そんな窮屈な配置に少し居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。
昨今のSNSやファッション雑誌、あるいは幼児を対象とした雑誌やテレビでは「切り抜き」を多様したコンテンツが多く見られます。
かわいらしくユーモラスで個性的といった特徴から、卒園アルバムにも使用したいと思われることでしょう。
ですが、本来切り抜きは「切り抜きにふさわしい被写体」に対して行うものです。
時に、なんでもかんでも切り抜いて、量産された切り抜き画像をレイアウトしてる原稿を見ます。
アルバムを見る側からすれば、日頃から優れた切り抜きデザインを見てることから食傷気味となり、これにオリジナリティを感じることができなくなるのです。
人物だけを切り抜くとその時の場所や雰囲気が失われます。
背景のない人物が宙に浮いているような違和感は、見る人に不安定な印象を与えることがあります。
プロのデザイナーのように空間構成を計算できれば問題ありませんが、難しい場合は写真をそのままの状態で利用することも検討しましょう。
切り抜いた写真を並べると、それぞれの写真の明るさや色味の違いが際立ちます。
統一感のある仕上がりにするには、より慎重な写真補正が必要になります。
プロの切り抜きとアマチュアの切り抜き
女性ファッション雑誌やインスタグラムへのハイレベルな投稿などで切り抜きを見ますが、これらは人物のフォルムから空間バランスまでを周到に計算して構成されています。
卒アル制作を切り抜き中心で行う際陥りがちなのが「ある程度の切り抜きオブジェクトを配置した→空間が気になってさらに切り抜きを追加→またまた空間が気になりさらに追加…」が繰り返される事象です。
制作者本人は満足かもしれませんが、人物が何十にも重なった切り抜きの展示会となり「我が子はどこにいるのやら」と閲覧者をと惑わしては、卒園アルバムも目的が失われてしまいます。
卒園アルバムを待つ方々は「切り抜き」を待っているのではありません。いかに見やすく、見た瞬間に思い出を想起させてくれるアルバムを待っています。
この点を意識しながら切り抜き使用のバランスを考慮されてはいかがでしょうか。
下のリンクは切り抜きに関連する記事です。よろしければご覧ください。
補正しても良くならないんだけど大丈夫?
中には、かなり旧式のコンパクトデジタルカメラやスマートフォンで撮影、しかも撮影時の画質サイズは「低」を選択してるということもあるでしょう。
これらが生み出す写真は、時に「大変残念な結果」となることがあります。
そして、卒アルに使用する写真の全てが「残念な結果」の場合もあり、制作者としてはなんとも気持ちが持ち上がりません。
このような時の解決方法は「写真点数を減らす」です。
卒アルに使用する写真点数を減らすと良いことたくさん
それはなぜかと言うと「残念」が多いより少ない方が残念度合いが軽減されるということと、大きく表示させることで細部が見えてくるからです。
アルバムを見る方はストレスを感じるのは「暗い、しかも写真は小さく認識しずらい」というダブルネガティブによる傾向が強いと言えます。
「暗い、だけど写真はそれなりのサイズをキープ」の方が理に叶っていると言えます。
この写真点数を減らすという手法は、実は「残念写真」だけに限らず、全ての卒アル制作にいえることです。
写真点数を減らすことで得られるメリットをご紹介しましょう。
- 子どもたちの表情がよく見える
- 場面の雰囲気がより伝わりやすい
- 写真の補正もしやすくなる
- ページ全体に適度な余裕が生まれる
- 写真同士が干渉せず、それぞれの場面に集中できる
- アルバムとしての高級感が増す
- 本当に残したい思い出を厳選できる
- 一つひとつの写真に込められた思い出により焦点が当たる
- シンプルは人の意識に残りやすい
- 補正する写真が減る
- レイアウトの試行錯誤が少なくて済む
- データ容量も軽くなり作業がスムーズに
少ない写真点数で作ることをテーマにしたブログ記事がございます。
おわりに
卒園アルバム作りは、確かに大変な作業です。特に写真の補正は、追加の手間がかかるように感じるかもしれません。
ですが「明るさ」というただ一点の部分に気を配るだけでもアルバム全体の印象は大きく変わります。
また、たくさんの写真を詰め込むことより、厳選した写真で思い出を語ることの方が、後々振り返ったときにより深い感動を呼び起こすでしょう。
今回ご紹介した写真補正のコツやアプリを活用して、あなたの卒園アルバム作りが、楽しい思い出作りの時間となりますように応援しています。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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