卒園アルバム制作のヒント
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2023.3.1
将来の夢は古い?小学校で何を習いたい?に卒園アルバムアンケートが変わってきています
卒園アルバムの定番と言えば「将来の夢」ですよね。
毎年数多くの「将来の夢」がキッズドン!にも届き、時代の移り変わりや、年長期における大きな夢に関心させられます。
この「将来の夢」という表現、時代とともに段々と変化しているのがわかります。
10年ほど前までは「将来の夢」、そこから「大きくなったら何になりたい」に、そして最近はもっと現実的なこの設問がことの他多く、スタッフ間で話題になっています。
それは 「小学校で何を習いたい?」 です。
この質問にした背景は?そしてこども達はなんと回答しているのか?実際、今の「習い」のトレンドは?…
などについて今回はお話ししたいと思います。
- アンケートの設問は何にすればいい?
- ユーモアある回答を園児から引き出したい
- どんなお習いごとが流行しているの
- 将来の夢をアルバム上でどう表現したらいい?
目次
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
「将来の夢」から「少学校で何を習いたい」へ…
壮大なスケールの質問から、直近の現実的な問いになった背景にはどんな理由があるのでしょうか。
なぜに「少学校で何を習いたい?」
お客様に伺った内容をまとめてみました。
- 1.年長期では数多くの職種を理解していないため回答が陳腐化する
- 2.この問いで「実際どんな学び」をしたいかを引き出すことができる
- 3.この問いを機に、様々なことにチャレンジする心を育てたい
非常に現実的な理由ですが、もう少し詳しく見ていきましょう。
1.年長期では数多くの職種を理解していないため回答が陳腐化する
男子であれば「サッカー選手」や「youtuber」、女子であれば「パティシエ」や「アイドル」が定番の回答であることはお察しいただけると思います。
かなりの確率で上に挙げた「夢」が園児同士で重複します。
裏を返せば、こどもたちはまだ様々な職業を知らないことから、どうしても自分が注目する「あこがれ」を基準にして回答することになります。
最近ではより現実的に「会社員」や「公務員で安泰生活」なども多くなってきましたが、まだまだファンタジーの部分が多いのは確かです。
このように定番回答となるならば、もっとその子のキャラクターを知ることができるような質問にしてみては?…
というのが発端になります。
2.この問いで「実際どんな学び」をしたいかを引き出すことができる
ここでの「学び」とは少学校の授業における学習ではなく、学校外における「稽古や習い事」が焦点とされています。
保護者は就学に合わせて、学校外生活をどのように過ごすかを模索します。
夫婦ともにお仕事をされてる場合、下校後のこどもの居場所は切実な問題です。
学童か、お習い事か、友達の家か、少し離れてるけど保護者実家か…など、こどもの心身が養われ、かつ時間を経過させることのできる場所がテーマとなります。
何やりたい?では答えが出ない
大切なのは「こどもの考え」であり、こどもが本当はどうしたいのか、に耳を傾け、それが安全で無理なく継続できれば、それにこしたことはありません。
ですが、こどもにいきなり「学校行ったら放課後に何やりたい」と聞いても、情報がないため「う〜ん、なんでもいい!」という回答となるでしょう。
これを「卒園アルバムに載せるアンケートで“小学校で何を習いたい?”という質問があるんだけど、一緒に調べてみようか」と切り出すことにより、こどもは興味を寄せて行動しやすくなると聞きました。
Web検索で地元地域での習い事教室を探し、その「習う内容」について親子で話す。
興味を寄せた「習い事」に「体験」があれば、それに参加してみる。
などの行動につながり、親子で過ごす大切な時間を作るのにも一役買うこととなります。
3.この問いを機に、様々なことにチャレンジする心を育てたい
「お稽古・習い事」をWeb検索すると、実に様々な学びが表示されます。
こどもにとっては、こんなに自分も参加できる習い事ってあるんだ!とまさに青天の霹靂(へきれき)でしょう。
これにより目を輝かせて一つ一つの習い事に興味を寄せ、お母さんお父さんに「これどういう意味?」などの質問をしながら、内容の理解に努めます。
この時点ですでにこどもには「チャレンジ精神」が芽生えています。
親としてはこのこどもの気持ちを「体験学習」等でまずは実行させて、こどもがどんな感想を持つかを見出すという流れになります。
ともだちの影響力
「何を習いたい?」のアンケートは次のような効果もあるといいます。
卒園アルバムが納品され、アンケートページを見ると、自分が知らない「習いたい事」がともだちの回答に書かれています。
「A君すごいな、体小さいのにボルダリングなんて…、Bちゃんはミュージカルかぁ、唄もダンスも上手だしきっとスターになるんだろうな… 自分はプログラミングって書いたけど、体を使うライフガードがやっぱ向いてるかな?」
などと、ともだちの回答によって自分の目標を修正したり、より「自分は何をしたいのか」を深く考えることとなるのです。
これにより複数の習い事に興味が向けば、体験等で学習内容の比較ができ、最も自分に向いてる習い事を選択できるのだと言います。
一方で学校内での「習い」も多い
質問の狙いは「お稽古・習いごとにおける回答を引き出す」が多いのですが、その一方では学校外ではなく、授業の範囲で「何を習いたい?」を聞き出す目的の方もいらっしゃいます。
実際には「お稽古・習い事」の回答を期待してても「理科の観察」「国語」「漢字を覚える」「体育を頑張ってリレー選抜選手」という回答が多く集まることもあります。
親からの「習い事」への誘導があったかなかったかも要因の一つと思われますが、これはこれで全く問題ありません。
むしろ習い事より大切な「学習目標」がはっきりとした事により、親としてはその教科学習に力を入れる指針となるわけです。
家庭の事情で習い事ができない場合があることを意識して
「小学校で何を習いたい?」の設問にする際、具体的な質問ゆえに保護者へ回答を求める際、注意が必要となります。
「習いたい?」と聞くと大方の保護者は「お習い事は何にする?ということ?」と解釈します。
もちろん全ての方が習い事をするわけではなく、家庭事情、親の教育方針等により「学びは学校と家のみで」ということは多くあることです。
よって回答を求める際に「習いたいは、学校での授業内容でも、放課後や校外での習いごとでもなんでも構いません」と注釈を設けるのが良いでしょう。
質問表現の変更
前述の「習い」の範囲につき、とある園では保護者から「何を習いたい?」では誤解を生むので「何を頑張りたい?」に変更してはどうか…
との意見が挙がり、最終的にはそのように変更となったそうです。
学研教育総合研究所が公表している「2022年小学生白書web版」では、72.5%の小学生が習い事をしていると書かれています。
一見多い数字ではありますが、裏を返せば「4人に1人は習い事にいってない」という事になります。
これらのことから「設問の表現」は慎重を期す必要があります。
どんな習い事がある?
さて、そんな「何を習いたい?」ですが、今やあらゆるジャンルの習い事が乱立しており、習い事を不要と思われてる方さえ「どんな習い事が人気でどんなものがあるのか」には興味があると思われます。
ここからは、卒園アルバムのノウハウには直接関係ありませんが、昨今のお習い事について少しだけ触れたいと思います。
人気の習い事
前述した「2022年小学生白書web版」による「小学生が現在行っている習い事ランキング」をまずは紹介します。
1位:水泳・スイミング
2位:音楽教室
3位:学習塾
4位:通信教育
5位:英会話教室
6位:体操教室
7位:書道・習字
8位:そろばん
9位:サッカー・フットサル
10位:ダンス(バレエ以外)
11位:その他のスポーツ
12位:武道(柔道・空手・剣道など)
13位:バスケットボール
14位:バレエ
15位:プログラミング、ロボット教室
(2022年小学生白書web版より引用)
いかがでしょうか。15位中9ランキングが運動系となっています。
特に水泳は低学年における人気が高く、2013年から首位を保っています。
2位の音楽教室は「音楽」と一括りにされていますが、ピアノ、バイオリン、歌唱、ギター、ドラムなど様々なジャンルがこの数字に含まれます。
そしてにわかに人気上昇してるのが15位のプログラミング、ロボット教室。
特に男子の受講が多く、男女比では2:1の割合です。
16位以下も注目
ちなみにこの白書は26位までを発表しており、16位以下も興味を誘う科目が並びます。
16位は野球関連。10年前は15位以内にランキングされていたものの、他の習い事に押されてか、現在はトップ15のランク外となっています。
17位は絵画教室・造形教室で、ようやくアート系がここで出てきました。
この後、将棋・囲碁、手芸・料理、ゴルフ、スケート、動画制作などが続きますが、注目なのは19位の「ボルダタリング」です。
東京オリンピック2020の種目に加えられたことにより人気が高まりました。
特に少学校低学年は身軽であることから、この種目に適しているとも。
指の力が強固される他、バランス感覚や柔軟性が養われると同時に「落下」の恐怖感克服といった精神の鍛えにもつながるそうです。
マイナーではあるが注目したい習い事
習い事は「こどもの心身の育成」「手軽さ」「開催施設の多さ」の3拍子が揃うことで人気が高まります。
先のボルダリングのように「やってはみたいが近くに施設が無い」ということもあるでしょう。
ここからは、そのような「人気はあるが開催場所が現在は限定されてる」という習いごとを紹介します。
いつかお住まいの近隣でオープンした際は、体験されてみてはいかがでしょうか。
スケートボード
東京オリンピックの「夏の大冒険」で注目を浴びたスケートボードは、運動神経やバランス感覚が養えることで人気が高まってるスポーツです。
東京お台場にあるH.L.N.A スケートボードスクールは体験レッスンもあり、5歳から受付可能です。
チアダンス
習い事ランキングの10位に位置している「ダンス」の部類に入りますが、チアダンスは小学生女子から強い人気を博しています。
きっかけは「かわいらしいユニフォーム」かもしれませんが、実際は思いのほかハードスポーツ。
メンバーと息を合わせ一糸乱れずダンスの型を合わせるのは、強い集中力が必要となります。
それゆえ協調性が養われ、1曲における達成感はひとしおであるとの感想を聞きました。
首都圏を中心に14校を運営するチアリングインターナショナルは2歳から受講ができ、6クラスのレベルに分けてレッスンが行われます。
和太鼓
幼稚園・保育園で太鼓に触れてる園児は多く、かつ人気のアトラクションだったのではないでしょうか。
和太鼓教室は複数名での演奏中心のため、協調性が身につき、かつリズム感覚が向上します。
発表会や定期公演にも積極的であるとのこと、日本の伝統芸能にこの折触れてみるのはいかがでしょうか。
日本舞踊
伝統芸能をもう一つ。
幼稚園・保育園の生活発表会でも見かける日本舞踊は2歳からでも学べるとのことです。
今や忘れがちでもある日本特有の所作や行儀を身につく点も特長。
派手な爽快さや喜びはないものの、日本伝統の良さを発見できる大切な場所になるでしょう。
ヨガ
運動は苦手だけど体を動かしたい…という子供は多いことでしょう。
そんな時、このキッズヨガがお勧めです。
姿勢矯正、体力向上、感情のコントロール、集中力などがアップし、体がどのような仕組みで動くのか、などの知識も会得できます。
今やお母様にも大人気のヨガ。親子そろって受講するのも良いですね。
フラワーアレンジメント
園の遠足などで植物をつないで花飾りを作ったり、園庭の草を刈って造形教室のモチーフにしたりするシーンを、各園の写真で拝見します。
このような経験がある園児は、フラワーアレンジメントには抵抗なく入り込めるでしょう。
普段気にかけることがあまりない「植物を大切にする心」が養われ、複数の植物を組み合わせてできる「美」への興味が湧いてきます。
そしてなんといっても植物に自然と詳しくなる点が魅力的。将来ブライダル担当や、様々な式典等で活躍することになるかもしれません。
ミュージカル
ここ数年衰えることのないミュージカルブーム。
数々の若手名スターも生まれ、こどもから大人までを魅了しています。
ミュージカルは歌唱・ダンス・演劇のそれぞれの要素での向上が必要であり、ものごとに取り組む姿勢を学ばせるには、これ以上の習い事はないでしょう。
全国26ヶ所、小学1年生から高校3年生までの700名近い劇団員が所属する「児童劇団 大きな夢」は日本最大級のミュージカルカンパニー。
キャストオーディションが各地の劇団内で実施され、後に7ヶ月に及ぶレッスンを経て、大舞台で大人をも魅了するパフォーマンスを行います。
団員は必ず舞台に立てるキャスティングがされ、その姿をこの業界では名だたるプロのスタッフが支える構図です。
体験レッスンや見学、賛助会員の募集も随時行ってますので、ご興味ある方は下のリンクよりどうぞ。
おわりに
今回は卒園アルバムに載せるアンケート「将来の夢」が、「小学生になったら何を習いたい?」に変化してきてるいきさつについてお話ししました。
もちろん、今だ「将来の夢」や「大きくなったら何になりたい?」などは健全ですが、直近の目標に視点を向けた質問は、この時代の風潮なのかもしれません。
親はこの「何を習いたい?」に質問をきっかけに、こどもと習い事や、学校の教科の特長について調べ、語り合うことでしょう。
我が子の思わぬポテンシャルが見つけられるかもしれません。
反対に意気揚々と入会したものの、すぐに飽きて習い事を転々ということがあるかもしれません。
習い事などせずに学校生活で充実した毎日を過ごせると見直すことができるかもしれません。
今は多種多様の習い事が存在し、かつ学校も多くの魅力を用意しています。一つのことに没頭できなくとも、いつか自分に最適な学びが見つかることでしょう。
ぜひ素敵な「まなび」を親子ともどもお探しください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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