卒園アルバムのつくりかた
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2022.11.21
卒園アルバム 「最初のページ」は何にする?
あなたの作る卒園アルバムの「最初のページ」はどのような内容でしょうか?
卒園生や保護者の方が一番初めに目に触れるページですので、慎重に内容を検討されると思います。
今日は過去に卒園アルバムを制作された担当者から伺ったお話しを基に「最初のページ」の例を紹介します。
- 最初のページは紹介ページ以外に何がある?
- いきなり行事ではおかしいか
- 何か工夫したほうが良い点があるか
- そもそも卒アルの構成をどうしたら良いかわからない
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
卒園アルバムの最初のページは?と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「卒園生一同の紹介」ではないでしょうか。
同じ大きさの枠に卒園生個々が収まり、整列して並んでいる卒園アルバム王道のページです。
私どもキッズドン!でも9割のお客様が、紹介ページを最初に位置付けています。
はじめの談話は、この紹介ページにアレンジを加えてオープンングとした幼稚園の先生Aさんのお話しになります。
12ページ中9ページを紹介ページに使いました
私の勤務する幼稚園は、年長3クラスで合計54名の園児がいます。
昨年まで園で制作していた卒園アルバムは、職員による手作りアルバム。
卒園生分のフエルアルバムを購入し、職員総出で個人写真を貼り付けたり、装飾を施したり、ライトなメッセージを数カ所に手書きするスタイルです。
当園は保護者参加の行事も多く、全て撮影OKのため、年長の成長記録のような形で写真を選定し、3ページ分をこの制作に使用します。
職員総出のアルバム制作に不満が…
とは言っても、作業が本格化する2月中旬から卒園式までは騒然とした状態が続き、私ほか2名の担任は事実不眠不休の日もありました。
園長先生に制作方法改善を提案
毎年「良く終わったな〜」とアルバム制作を振り返るのですが、私から園長先生に「改善要望」の意を唱えました。
園長先生は、ご自信も改善の必要を感じていらっしゃり、共感を得てくださいました。
園長先生から次の4項目を重視して欲しいとリクエストをいただきました。
- 改善するなら徹底して職員の負担を減らしたい
- 写真を選ぶにせよ公平性を考えて長時間かけるのは避けたい
- シンプルな構成で制作に時間をかけないこと
- 業者コストは上限6,000円まで
改善が一歩前に進んだことに喜ぶ一方で、園長先生からのリクエストを全てクリアするのは難しい現実に直面。
私としては、どうせ作るなら豪華なハードカバーで、印刷品質も良く、たくさんの行事の思い出が散りばめられてるイメージだったのですが、園長リクエストに当てはめると、予算オーバーや仕事量が掛かるなど解決ができません。
園長の要求を実現できない所に提案が…
業者からの見積を見ては「これは無理かな」と思いを固めつつある時、キッズドン!から提案をいただきました。それは、
といった内容でした。具体的には…
- 1名に対して年長写真・赤ちゃん写真・氏名・誕生日・3問アンケートの構成
- 1名枠が幅を取るため1ページ6名の配置
- 上記により6名×9ページ分で54名掲載
- 全12ページ使用で残る3ページは1クラスずつの集合写真を2点掲載
- 料金は制作料込みで5,800円(税込)
卒園生紹介ページは注目度が最も高い
キッズドン!のPRポイントとしては、卒園生や保護者の注目ポイントは「卒園生紹介ページ」であり、そこに文集要素を組み込むことで、個々のキャラクターの魅力を表現できるというものでした。
運動会や発表会といった行事掲載がないことについては「保護者撮影が許可されてるため、掲載削減の対象として行事が挙げられる」との回答。
さらに「制作者が思っているほど、見る方々は行事掲載必須とは思っていない」という経験値のお話もありました。
アドバイスを基に制作開始
まずはじめにキッズドン!による仮レイアウトが行われ、写真枠のサイズや文章が入るサイズが確定されました。
その後、私たちは写真選定と保護者からの素材提供依頼を進めました。写真選定といっても、卒園生個人の年長写真と、全員が写る集合写真に限定されたことから、公平性を見る必要がなく、園長のリクエストをクリアする形となります。
すべての作業にゆとりが生まれた
そして昨年までは意識もうろうとした中で、名前や文章の校正を行なったことから、後から誤植が発覚することがあり、その点今年は余裕を持って校正に取り組めたことが大きなメリットと言えます。
完成したアルバムは、園児個々の魅力が伝わってきて、職員はもちろん、卒園生や保護者の方も大変喜んでいただけました。(完)
卒園生紹介ページの作り方を解説したブログがあります。よろしければご参照ください。
続いては「メッセージ」重視した「最初のページ」です。
見開き4枚の集合写真と担任メッセージ
見開き2ページに春夏秋冬の集合写真と、各季節ごとの思い出のメッセージを添える構成にしました。
個人ページがあるのに紹介ページもいる?
この構成の発端は、アルバム中面に「1ページ二分の一枠で園児プロフィール紹介」を計画したことから、改めて「卒園生紹介ページ」を作る必要があるのか?と疑念が生じていた事からになります。
年長園児15名のプロフィールで8ページを割くこととなり、全16ページのため残りは8ページ。
ただでさえページ数が少ないことから、できるだけ無駄のない構成にしたいと思い、デザインレイアウトもお願いしたキッズドン!に相談。
一番最初のページの「役割り」を再認識
てっきり最初のページは「年間行事の春ページ」で…といった回答かと思いきや、全く異なる回答でした。
それは 「最初のページは最も先生が園児に伝えたいことを表現することをお勧めします」 というものです。
さらに 「できるだけ心に響くようにシンプルなデザインが良いでしょう」 と。
様々な会話を繰り広げる中写真4点とメッセージという構成に行きつきました。
- 春:春の遠足集合写真
- 夏:プール遊びの集合写真
- 秋:運動会の集合写真上記により6名×9ページ分で54名掲載
- 冬:発表会の劇の衣装での集合写真
- 写真のシーンにおける担任の思いをメッセージで
シンプルかつインパクトある構成に驚き
キッズドン!制作による出来上がってきた原稿を見て、その迫力に驚きました。
やはりシンプルな構成はインパクトが違うな〜という感想と「このページだけで後はいらないんじゃないかな」という思いも抱いたほどです。
いつも一緒にいた15名の友達のつながりがうまく表現されており、メッセージがその写真をより輝かせてるようにも見えました。
予定通りこの見開きページを先頭に位置し、続いて8ページをプロフィール、残りの6ページで卒園式を含む年間行事を掲載しました。
行事ページがもう少し欲しかった所ですが、プロフィールページに「その子が中心に写る行事スナップ」を取り入れたことにより、ほぼ網羅することができました。(完)
続いては「先生紹介と園のイメージ写真で構成したページ」です。
施設の写真は後の閲覧で思い出を想起させる
アルバム最初のページと言えば「卒園生紹介ページ」が思いつきます。
ですが私たちの場合、中面で「こんなに大きくなりました」という赤ちゃんと年長写真を対比掲載するページがあり、紹介ページはそこで流用しようということに。
強く思い出を想起させる内容にしたい
このことから「最初のページ」では 「園の思い出」を強く彷彿させる「何か」 にしたいと悩んでいました。
キッズドン!の担当者に相談を持ちかけ談話している中で「園で覚えてることは次の3つのうちどれですか?」という質問をされました。
- 1.園舎外観
- 2.園舎内部の施設
- 3.先生の顔
真っ先に浮かんだのは1の「園舎外観」です。
その旨の返答に対して「私も園舎の外観です。正直それ以外はほとんど思い出せません」との言葉が。
思い出せるものを載せて思い出を引き出す
そして「不思議に園舎の外観は記憶に定着するようです。何年、何十年先にアルバムを開いた時、おぼろげでも記憶のある園舎の写真を見れば、それが想起となって他の思い出が蘇るかもしれませんね。」と。
さらに 「園舎の写真を掲載すると同時に、関りの深い先生方を併せて紹介する内容にすると、より記憶が鮮明となるでしょう」 という提案でした。
この言葉を機として、最初のページを見開き扱いで次のような構成にしました。
- 園舎の外観を大きめに
- 下駄箱や階段などの施設イメージ写真
- 主となる先生を「園の施設」の前で撮影し「先生紹介」に使用
- 主となる先生からはメッセージをいただき写真横に添える
- 上記以外の先生はクラスやセクションごとに「先生が好きな園の場所」で撮影
- 上記にて「なぜその場所」が好きかを一言で表現していただきそれを掲載
保護者の中でプロカメラマンがおり、撮影を依頼。
事前にイメージを擦り合わせて撮影に臨み、先生にも撮影の主旨を伝えて万事素晴らしい写真を確保することができました。
また先生からの「メッセージ」は後からサイズ調整ができるよう「テキストデータ」でいただき、手書き風フォントで載せることとしました。
オンラインツールで原稿制作
制作は私がオンライングラフィックツールの「Canva」を使用して制作。
事前にキッズドン!より「小さめの写真はコラージュにした方が映える」「大きい写真と小さい写真の差を明確にしてメリハリをつけて」などのアドバイスをいただいており、意識しながら制作した甲斐あってか満足行く出来になりました。
「園舎と先生」の組み合わせは思いもつきませんでしたが、完成したアルバムのオープニングを飾るページにふさわしい存在感を放っています。(完)
クイズ形式で「この子はだーれだ?」
普通のアルバム構成ではなく、卒園生が存分に楽しめるイベント性の高い構成にしたいと考えを巡らしていました。
各ページに主役の園児を割り当てて「ページ内容の解説」をしたり、QRコードの読み込みでYoutube限定公開の行事ハイライトが流れるなど、少しやりすぎかなというほど内容に凝りました。
最初のページはイベント性を持たせたい
その中でも構想の段階で最後まで悩み続けたのが「最初のページ」をどうするか…でした。
園児数28名の紹介ページにするのが妥当ですが、それではどうも面白みがない…
何かいいアイデアがないかと制作をお願いしてるキッズドン!に相談を持ちかけました。
「過去のお客様の制作からアイデアを探してみます」と協力いただく返答をいただき、後日メールでその回答がきました。
- 最初の見開き2ページで28名の「赤ちゃんのころ」の写真を掲載
- 3ページ以降「過年度クラス数ページ」
- 過年度の後は「年長行事を春夏秋冬」で掲載
- 最後の見開き2ページで最初の赤ちゃんと同一デザインで「年長写真」に差し代わっている
- 年長写真には「氏名」と「将来の夢」を記載する
というものであり「これは面白い!」と膝を打ち、即採用に向けて構成を整えました。
この子はだ〜れ?
最初のページのタイトルは「この子はだーれだ?」にし、最後のページは「こんなに大きくなりました」にして答え合わせ兼「卒園生紹介ページ」としました。
アルバム配布の後、最初のページからのクイズに園児ははまり、友達と楽しむ表示にほっと胸を撫で下ろしました。
このことをキッズドン!の担当者にお伝えすると「赤ちゃんの写真が並ぶだけでもインパクトがありますが、園児一人一人が主役として掲載されてる点が好評の理由に一つでしょう」とのリアクション。
そして「全然変わっていない子と、全く面影がなく成長してる子にほぼ2分されるので、そこがクイズの「少し解けて、でも結構難しい」という醍醐味になってるのでは?」との解説をいただきました。(完)
おわりに
今回は、過去に卒園アルバムを制作された担当者から伺ったお話しを基に「最初のページ」の例を4つ紹介しました。
「最初のページ=卒園生紹介ページ」という固定概念を破り、もっとユニークでもっとメッセージ性の高い内容がないだろうか…
と、貪欲に取り組まれた委員の方々に共感を持たれたのではないでしょうか。
アンケートや赤ちゃん写真を組み入れた「プチ個人ページ風園児紹介」を中心としたアルバム構成、春夏秋冬の集合写真とその季節に付随したメッセージを合わせたページ、園舎のイメージ写真と先生ページを連携させた想起誘発型ページ、そして赤ちゃん写真と年長写真を最初と最後に掲載したマッングクイズ…など、どれも卒園生の心を揺さぶるページであると思います。
色々な成約の中、アイデアを絞り出すのはたやすいことではありません。
ですが「アルバムを渡されてはじめてページを開いたとき、園児を笑顔にするのはどんな内容だろう」と思いを巡らせて、内容を考案することは、以外に制作者にとっても楽しいものです。
アイデアが現実化せずとも、その苦心の心意気は必ず「最初のページ」に反映され、見る方々を喜ばすことと思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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