卒園アルバムのつくりかた

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2022.5.22

手作り卒園アルバムに「仕掛け」を取り入れる時に注意したい5つのポイント

手作り卒園アルバムに仕掛けを取り入れる時に注意したい5つのポイント-タイトル

一冊づつ手作りする卒園アルバムを計画する際「みんなが驚くような仕掛けがあったらいいなー」と思うことがきっとあるでしょう。

ページを開くと集合写真が立ち上がる、平面の写真をめくるとその下から別の写真が起き上がる…

などなど、仕掛けアルバムは卒園生を喜ばすサプライズに溢れています。

ですが、この「仕掛け」を自然な見え方でアルバムに収めるには、それなりの工夫が必要です。

今回はその内容と、実践に入る前に注意したい内容を紹介いたします。

今回のポイント:事前のレイアウト計画が仕掛けアルバムのクオリティを左右します
この記事はこんな問いにお答えします
  • ポップアップを卒園アルバムに取り入れたい
  • なるべく簡単に
  • 折り紙と写真のサイズはどう合わす?
  • 仕掛けを付けるためにどんな計画が必要?

こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。

複数の写真で構成されるアルバムに、仕掛けを自然な形で取り入れるためには、 事前の「計画」 が必要になってきます。

仕掛けをつける上で課題となってくることはなんでしょうか?それは、

仕掛けがあることで見えなくなる写真がある

という点と

仕掛けが収納されていた場所が空白となる

という2点になります。

つまり「仕掛け前」「仕掛け後」の見え方に対し、不自然のない配慮が必要であるということです。

この 不自然のない写真レイアウト構想のポイントと事前準備における注意点を5つ を紹介します。

1.起き上がりタイプの仕掛けの課題

ページをめくると起き上がる仕掛け写真

ページを開くと、見開きセンター部分にまたがるように固定された写真が起き上がるポップアップタイプ。

比較的制作が簡単であり、かつ驚きレベルも高いことから、ポップアップの王道とも言われています。

インパクトを与える目的から、他に掲載する写真と比較しても、大型写真であることが顕著です。

課題:起き上がると後ろの写真が見えなくなる

このタイプの課題は「起き上がった後、後方に配置された写真が隠れて見えなくなる」という点です。

さらに仕掛けが倒れて収納されていた場所に、写真やなんらかの造作がないと、起き上がった後にそこに空間が生まれ、なんとも不自然な印象を与えてしまいます。

この仕掛けの配慮するべき点

これにより下記の点を配慮すると良いでしょう。

  • 仕掛けが起き上がった時の後方にある写真は重要度の低い内容で
  • 仕掛け収納場所にも写真を配置して不自然さを無くす
  • 仕掛けは両面が写真で見れるリバーシブルが理想

上の3点が現実的に出来れば、ベストなポップアップ構造となりますでしょう。

2.めくりタイプの仕掛けの課題

写真をめくると別の写真が起き上がる仕掛け

平面上にある写真を「めくる」と、その内側に隠された別の写真がポップアップする仕掛けです。

1.が自動で起き上がるのに対して、2.は閲覧者が自発的に仕掛けに触れて動作させます。

このことから、仕掛けに触れるまでに「期待感」があり、それなりに「完成度」が求められる仕様と言えます。

課題:めくる写真の裏側に何もないと不自然さが生まれる

上の写真は、めくる写真の裏に、関連性のある写真、かつポップアップする写真の原本を同サイズで貼り付けて、なるべく不自然な感覚を与えないようにしています。

仮にこの「裏の写真」が無いとしたら「なんかもったいないな」という印象が生まれるでしょう。

この仕掛けの配慮するべき点

めくり写真の裏側にも写真を貼って、自然な流れを作ると良いでしょう。

サンプルではポップアップと同じ写真を貼っていますが、花や草木の絵などにしても好印象でしょう。

3.平面写真とのバランスが大切

平面写真のイメージ

仕掛け以外に平面の写真を混在させる場合、そのサイズ感と仕掛けの数のバランスが課題となります。

考慮したい代表的な項目を挙げてみます。

課題:全体のレイアウトデザインの計画が必要

  • 仕掛けに注目させるために平面写真はシンプルにする
  • 仕掛けの数は見開きで3〜4点程度が上限
  • 仕掛けが多いほど、他の写真への加工を減らす
  • 無理なく制作完了できる構造とする

上の課題をもう少し詳しく解説します。

平面写真はシンプルにする

仮に仕掛けもゴージャス、平面は細かい切り抜きがひしめく構成であった場合、恐らく双方の主張がぶつかり、煩雑な雰囲気になりかねません。

もちろんその雰囲気が目的であれば考慮の必要はありませんが、すっきりみせたいのであれば、少々方向性を変える方が良いと思います。

平面写真の造作をシンプルに、つまり、四角や丸でのトリミングのみの写真を、あまり主張のない装飾で配置する方が、仕掛けが引き立ちます。

仕掛けの数は見開きで3〜4点程度が上限

多量の仕掛けを取り入れるのは「自然に見えない」「作業工数が増加」といったデメリットが発生します。

簡易的な工作で作れることを知ると、あれもこれもポップアップで…と不思議に制作ボルテージが上がるものです。

ですが、「園児全員分」の制作をするとなると、簡易的な工作でもその時間と労力は積み上がり、 ある時点で辟易 してしまうことも考えられます。

無理せずにできる範囲を見出して、はやる心を沈めて制作されることをお勧めいたします。

仕掛けが多いほど、他の写真への加工を減らす

前項と同様ですが、仕掛けもつくる、他の写真も切り抜きや凝った装飾を施す… では、制作許容量をオーバーしてなし崩しになるリスクがあります。

仕掛けの量と、他の写真の装飾量をバランスに掛けて作業を進めましょう。

無理なく制作完了できる構造とする

辟易してるアルバム委員の母親

今までお話ししてきた総合として、やはり一番大切なのは 「無理は禁物」 ということでしょう。

例えば6ページ仕様のスクラップブックに対して、次の条件を課したとします。

  • 2ページに仕掛けを3点
  • 2ページに切り抜きを4点
  • 2ページに装飾平面写真を6点
  • 園児は23名
  • アルバム委員4名

作業工数の合計は

  • 1冊での仕掛け9点×23冊=207点
  • 1冊での切り抜き12点×23冊=276点
  • 1冊での平面写真18点×23冊=414点

となり、アルバム委員1名に対して「約175点」の工作作業がノルマとして与えられます。

この数字を見て「いや、ムリムリ…」ときっと思われたかと思います。

勢いでスタートしたはいいが、ゴールまで完走できなかったという事象はなんとしても避けたいものです。

上記の条件で言えば、アルバム委員1名に対して「50工数」を上限とし、制作も出来る限り早い時期から、最低でも夏の終わり頃には開始としたいところです。

仕掛けアルバム制作の上で、最も肝心なこととなりますので、念入りに計画されてください。

4.写真サイズを理想通りに変更して作業に活かす

写真サイズが合わずに悩むアルバム委員

通常「手元にある写真を切り抜きし、それを台紙に貼り付けて手作りする」が一般的な「手作りアルバム」の定義と思われます。

この制作方法の最大のデメリットは 「理想のサイズで作れない」 ことになります。

  • A君の写真だけ大きくてバランスが悪い
  • 集合写真があと二回り大きければベストだが…
  • どうしてもあと1枚が治らない
  • グループ写真より個人写真が大きくて違和感

きっとこんな状況に多々遭遇することと思います。

この繰り返しは相当のストレスとなり、制作者のモチベーションを低減させることは言うまでもありません。

さらに追い討ちを掛けるのはこれです。

仕掛けはサイズ計画無しに上手く作れない

例えば「ページをめくると起き上がるポップアップ」を作るとします。

この仕掛け単体はサイズを気にすることなく制作できますが、仕掛けの裏に位置する写真や、仕掛けが収納されていた場所の写真等のサイズは、仕掛けのサイズに対する考慮が必要になってきます。

これらの事から、仕掛けアルバム制作を検討する際は、同時に 「写真サイズ変更をしてのレイアウト計画」 を想定する必要があるのです。

写真サイズを変更してプリント

では、どうやってプリント写真のサイズ変更を行うのか?と、言うことになりますが、簡単に表現するならば

デジタルデータを加工した後にプリント発注する

と言えます。詳しい制作方法を下のブログで紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

5.仕掛けが巧妙なほど「のり」のはみ出しに注意

写真の裏に糊付け

最後は意外な指摘どころかもしれません。

仕掛けを作る上で欠かせない文具が 「のり」 です。

仕掛けが巧妙なほどのり付け部分も多く、テープのり、水性ボンド、スティックのりなど複数ののりアイテムを駆使することとなるでしょう。

ここで注意したい点が「気付かぬのりのはみ出し」です。

しっかりと目的の面のみのりを付着させて接着していたと思っても、わずかなはみ出しがあることが多大にしてあります。

これによる悪影響は

仕掛けを閉じた際に他の部位にくっついてしまう

点です。閉じたはいいが開かない、無理やり開けて紙面が破れてしまう、最悪は仕掛けの破損…

恐らく仕掛け制作をする上で必ず経験する事柄です。

余計なのり付着の解決方

各パーツを制作した後、完全にのりが乾くまで待ち、乾き切ったことを確認の後に次の工程に進むしか方法は無いでしょう。

これにより、のりの乾くまでの時間に「どんな他の作業ができるか」等を事前計画して臨まれると良いでしょう。

制作スピードを優先するあまり、のりが付着して「アルバムが開けない」となっては、本末転倒です。

ここはじっくりと構えて制作をしたいものです。

補足.平面写真の扱い

前項で仕掛けのレベルや量によって「平面写真」の造作度合いを考慮した方が良いでしょう…とお伝えしました。

平面写真にもハンドメイド感を与えたいのであれば、切り抜きなどの凝った造作でなくとも、 折り紙やふせんなどの文具品 でも十分効果を出すことができます。

出来れば、写真サイズを変更してプリントする方法を採用され、写真と装飾品のサイズバランスを計画して行えば、ステキな紙面が作れます。

関連ブログがありますので、よろしければご覧ください。

おわりに

今回は、手作り卒園アルバムに「仕掛け」を取り入れる時に注意したい5つのポイントを紹介しました。

「仕掛け前」と「仕掛け後」の見え方に対し、不自然のない配慮として、周囲の写真をどのようにレイアウトするかが重要であり、その写真サイズも仕掛け写真のサイズとバランスが取れたものが理想です。

その理想のレイアウト構成を、事前に計画し、写真サイズをデジタル上で変更しプリント発注する方法で事を進めれば、効率的に楽しい手作り作業が叶うはずです。

アルバム委員全員が無理ない範囲で作業ができて、卒園生のみなさんが声をあげて驚く「仕掛けアルバム」ができるのが一番の理想です。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。

卒園アルバムキッズドン!代表-宗川 玲子
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)

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