卒園アルバム制作のヒント
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2021.11.6
卒園アルバムで使いたい「おもしろ写真アイデア」
今回は卒園アルバムに使いたい「写真のアイデア」をご紹介します。
卒園アルバムの写真選定は「園児が自然な姿で映るスナップ」を使用するのが通例です。
これとは逆に、ページのコンセプトを決め、それに沿った写真を「あえて能動的に撮影」して取り入れると、個性的かつユニークなページが生まれます。
そんなおもしろアイデアをいくつかご紹介します。
- いい写真がなくて困っている
- 一般的でない企画ページを作りたい
- 行事中止が相次ぎ写真が全くない
- 将来の夢ページを引き立てたい
おもしろ写真とは
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
おもしろ写真とは、決してその写真を見て大笑いしてしまうといった内容とは異なり、企画ありきで撮影をした写真を意味します。違いを示しますと…
が例となります。内容自体たいへん楽しい絵となるのですが、もっと素晴らしいメリットがあります。それは…
ことです。一般の写真は「知らないうちに撮影されていた」ことがほとんどであるのに対して、おもしろ写真は「企画内容を説明して撮影に望んでもらう」というプロセスを踏むことから、園児や先生はこの写真に強い興味を抱きます。
完成したアルバムを渡されるやいなや、そのおもしろ写真を探しにページをめくることでしょう。
このようにアルバム自体に興味を深めてもらうことにより、アルバムの価値は何倍にも膨れ上がります。
それではおもしろ写真の一例を紹介します。
おもしろ写真のアイデア
赤ちゃんの写真と年長写真
小さかったころの写真と現在の写真を並べることにより、その成長を楽しめる「赤ちゃんと年長写真」。文集ページや卒園生一同紹介ページに良く採用されます。
一般的には左右に並べて「比較」する仕様ですが、こんなアイデアがあります。
さくらんぼ
2つの果実に、「丸型」に切り取った赤ちゃん写真と年長写真を配置するイメージです。
さくらんぼのイラストは、フリー素材提供のイラストACやいらすとやで入手することができます。
年長の撮影は顔全体が丸型に収まるようなアングルで行い、全員統一した場所での撮影が良いでしょう。
バルーン
バルーンの中に「赤ちゃん写真」が入り、そのバルーンを手を伸ばしてもつ「年長写真」の構図を作ります。
年長園児に「あえて手を伸ばした」写真撮影をお願いしますが、数人は手を胸元位置にするなどアクセントを加えると効果的です。
1名に対してそれなりの領域をとりますので、掲載ページに余裕があることが条件となります。
赤ちゃん写真を両手に持つ
年長写真を撮影の際、両手で大型画用紙を胸元付近で持ってもらい、その写真に赤ちゃん写真を合成します。
合成といっても赤ちゃん写真を四角でカットしたものを前面に配置するだけで、ユニークな画となります。
画用紙を持つ際、わざと少しだけ角度をつけると自然な雰囲気な写真に仕上がります。
両手に持った球体に赤ちゃん
前述の「画用紙に赤ちゃん」と類似しますが、年長写真撮影の際に「両手を胸の位置で花が開くような形」にしてもらい、その部分に「丸型」で赤ちゃん写真を掲載します。
パソコン制作でフォトショップ等のエフェクト(特殊効果)が扱える方がいらっしゃれば、赤ちゃん写真の周囲に光を放ち、強調させるにも良いでしょう。
このほか、鉢植を持ち、中央に赤ちゃん写真を組み込んだ「花」のイラストを合成するなどの応用アイデアがあります。
先生に協力いただく
先生が園児たちと触れ合う写真の掲載は、ありそうでなかなか無いのが現実です。
写真数の制限や、人数合わせに集中することから、先生はどうしても二の次となりがちです。ですが、こどもにとってみれば先生の姿や、触れ合うシーンは強い思い出としてたくさん欲しい所ではないでしょうか。
先生にご協力いただいて作るおもしろ写真をご紹介します。
手のひらからジャンプ
人物のシルエットに沿って忠実に切り抜きを行うことができる場合、アイデアのバリエーションが増えます。
この「手のひらからジャンプ」は先生が片方の手を広げ、そこからジャンプしたり、ぶら下がったり、空にはばたいたりするこどもたちの写真を合成するものです。
A4縦幅に先生の頭部から胸元まで入れる構図はインパクトがあり、大好きな先生の大型写真に園児は喜ぶことでしょう。
園児の写真自体は小さめとなりますが、大きな先生との対比があるほど、構図は引き締まります。
本来であれば、多量の写真でページを埋め尽くすところですが、あえて大きな空間を設けてシンプルな表現にすることで、アルバムを見る方を強く引きつけます。
ページごとにメッセージ
各ページに担任の先生が、そのイベントに対しての思いを語っていただく企画です。
過去の実歴では、各ページ最大1/4ページを使用したケースもありました。写真の確保が難しい場合などの補填(最終的には好転)にも最適です。
先生のメッセージは「吹き出し」「枠組み」など様々です。
先生からクイズ
体験した行事や園についてクイズをつくり、その問題を出題するコーナーを、各ページに設ける企画です。たとえば動物園遠足であれば「おりの中にいた猿は1.オナガザル 2.テングザル 3.メガネザルの3つのうちどれ?」といった雰囲気です。
先生には画用紙を両手で胸の位置で持っていただき、それを撮影。あとから「出題内容のテキスト」を合成。ホワイトボードの素材との合成でもいいでしょう。
出来れば「ヒント」なる写真がそのページに隠されているといいですね。アルバムを見る方はくまなく写真に目を通し、回答を探す以外に個々の写真に感動したり、意外な発見をすることでしょう。
回答は最終ページにまとめて表記します。
先生からタイトル紹介
「ヤッホー」のような両手を口の両脇に添えて言葉を発するポーズを、いくつかのバリエーションで撮影し、その写真から吹き出しを出して内部にタイトルを合成します。
本来タイトルは25ポイントから50ポイント程度の大型表記が理想ですが、写真が多くそのサイズで配置することができない、シンプルな表記にしたいなどの場合に有効です。
タイトルも語り口調的だとより個性が出ます。例えば本来であれば「うんどうかい」と表記する所を「まちにまったうんどうかい、はじまるよー」であったり、「はっぴょうかい」を「せんせいないたよー、りっぱにできたね、はっぴょうかい」などにアレンジします。
年間行事+出来事
多くの卒業アルバムの最終ページに掲載されてる「この年の出来事」を園の行事も絡めて、先生の語り口調で紹介します。
色々な表情の先生を撮影し、首から下はフリー素材等のイラストを用い、吹き出しや、手に持つプラカードに各項目の「タイトル」や「解説」を合わせます。
ページ全体のレイアウトデザインに労を費やすことと思いますが、未来でアルバムを開くとき、注目度の高いページになることが間違いありません。
集合写真
イベントごとの集合写真はお決まりですが、普段なにげない日常での集合写真が撮れると、写真不足の補填、インパクトを与える素材として重宝します。
バードアイ
園庭や正面玄関などの広い敷地に集まり、2階以上のバルコニー等から見下ろす形で撮影する「バードアイショット」。空間の広がりを感じさせ、園児の顔が上を向くことから自然と良い表情が生まれます。
ランダムに並んでの撮影も良いですが、ハートや人文字、富士山、など「形」に特徴のあるものをつくります。
出来れば「花」「花火」「葉っぱ」「雪だるま」などを作って、季節ごとのページに添えると意味ある撮影となります。
インセクトアイ
バードアイとは対照的にインセクト(虫)アイも見る人に驚きを与えます。
年長クラス全員での撮影は難しいので、いくつかのグループに分けて8人程度で行うのが良いでしょう。
サークルになり中央にカメラを置いて撮影。出来ればその撮影はどんなイベントに撮ったかがわかる「シンボル」を入れると良いでしょう。
デザイン時は丸く切り取り、特別なフレームを付けることで特別感が増します。
最近のスマホでも広角レンズ機能が増えてるので、積極的に使用したい集合写真です。
遠近撮影
広角レンズ機能を使用するこにより、極めて近い被写体から、遠方の風景までの全てにピントが合う写真撮影ができます。
特に最近のスマートフォンではこの「全ピン」に優れ、これを使用した特殊効果撮影を行います。
各園児のポジションを「手前と奥」でその離れ方の段階を決めて撮影すると、手間の園児は大きく写り、奥の園児は小さく写ります。
この要領で「ガリバートンネル」や「ウエーブ」「先生怪獣におびえる園児」などの演出を決めて撮影します。
遠近撮影の活用例を紹介してるサイトリンクを貼っておきます。
制作・作品
私たちは日頃からお客様よりお預かりする「制作」の写真を見て、園児の皆さんを羨望の眼差しで見ています(笑)。
年長期の制作でつくる作品は、大変創意工夫に溢れ、本当に「こどもが作ったの?」といううほどの秀作も少なくありません。
ページ数に余裕があれば、ぜひ卒園アルバムに残したいコンテンツです。
本人解説付き
手に作品を持ち、お気に入りに部分を指差して「あいうえお」と大きく口を開けて発声してもらいます。そこをすかさず連写。
制作時にはこの写真に吹き出しをつけ、作品の解説を短文でつけるという趣向です。
この時被写体が「口をつぐんでいる」より「開いてる」方が、実際に吹き出しの解説をしゃべってるかのようなイメージになります。
合同で大掛かりな制作をした場合は、数名が作品のポイントを指差して「引き気味」で撮影すると良いでしょう。
家の方に感謝
例えば遠足や園外活動でのお弁当タイムに、各園児とお弁当を一緒に撮影し、制作時に「おいしいおべんとう、ありがとう」等のメッセージを吹き出しで付加する演出です。
ポイントは胸の高さでお弁当を持ってもらい、少し傾けてお弁当が見えるようにすることです。
あるいはおかずを今まさに口に入れようとしてる瞬間でもユニークな絵となります。
ご家族としては何よりも嬉しく記念となるコーナーかもしれません。
先生に感謝その1
特定のページにまとめるのではなく、各ページに数名単位で散らし、園児から吹き出しで先生に「行事に関連した感謝のメッセージ」を添えます。
例えば運動会ページでの掲載であれば「竹馬をあきらめずに教えてくれてありがとう」「パラバルーンで転んだとき手当てしてくれて嬉しかった」などです。
先生に感謝その2
1冊づる異なる個人別ページページ仕様ができるアルバムの場合、先生寄贈の「個人別ページ」にまとめて園児からの謝辞を載せるのも良いでしょう。
園児は切り抜きでも、複数のグループ写真でも構いません。長文はNGとし、ごく短い言葉を吹き出しにして添えます。
キッズドン!のアルバム「フルフラットスタンダード」ではこのページを作ることが可能であり、多くのお客様から同様の企画に使われ、いたく先生から喜ばれたとの声を聞いています。
園の一日
登園から退園までの一日の流れを時系列に並べ、時計を用いて紹介する「園の一日」。大変人気のあるコンテンツです。
複数の園児をナビゲーターとして「その写真は何をしているのか」を吹き出しつきで解説してもらいます。
単純に写真が配列され、キャプションで「あさのかい」や「おひるね」の表記がされてるよりも、ぐっと注目度があがります。
その場面場面で実際に映る園児が画用紙も持ち、あとからその画用紙にキャプションや場面解説を入れても良いですね。
将来の夢
将来の夢専用のページを設ける場合、恐らくイメージされるのは「顔は本人で首から下はなりたい職業のイラスト」ではないでしょうか。
検索サイトに「将来の夢|フリー素材」のキーワードを入れることで「一般的」な職業のフリーイラストがヒットし、流用できると思います。
ですが「考古学者」や「仮面ライダー」など、なんとも絵になりにくい(絵にできない)内容になると、全てをイラストで網羅することが難しくなります。
そこで2つの提案です。
仮装する
自宅で将来なりたいものの仮装をしてもらい、それをご家族のカメラで撮影していただきます。
全身仮装が難しければ、その「なりたいもの」をイメージできるものや、一部のパーツでも良いでしょう。(虫めがね=探偵、グローブ=野球選手など)
ご家族の意向がかなり反映される企画ゆえに、徹底的に仮装のこだわる方もいれば、さりげなく一部だけという方もいるでしょう。
ですが、完成後に園児一同が並び、ここに比較が生まれることはほぼありません。あくまでもご家族と本人納得の上での撮影結果ですので、ご心配は不要と思われます。
絵に描いて持つ
将来の夢を絵に描き、それを胸元、あるいは顔の横に持って撮影をします。作品を記念に残す目的と、将来の夢をユニークに伝える目的が同時に行え、印象に残るページとなります。
背景画
一般的に背景画は「抽象的な画」や「イラストレーション」や「パターンデザイン」が採用されやすい傾向にあります。
ここでのおもしろ写真は「背景画」を写真にするという方法です。
園舎・園庭
園舎の全景や園庭、クラスルームやホールなどをなるべく広角で撮影し、その写真を半透明にしたり、特定の透明系のカラーを上乗せ(オーバーレイ)したりして背景に使用します。
その背景写真のほとんどが、その前面に配置される写真で見えなくなりますが、写真と写真の間からチラリと見える「見慣れた光景」は独特の良さがあります。
お散歩や思い出の場所
お散歩で訪れた公園や遠足の地などを背景にするのも良いでしょう。
これら背景に写真を使用する際のデザインポイントは「なるべくシンプル」に作ることです。
背景に情報量が多いだけに、複雑なレイアウトやデザインを用いると雑然とした雰囲気を引き起こします。
シンプルな切り抜きや、写真はノーフレームでシャドウのみで配置するなどがおすすめです。
運動会リレーの切り抜き
アルバム見開きページに「競技トラック」のイラストを描き、その上に「リレー」で走る園児の切り抜きを全員分掲載する、おなじみの作風での注意点を1つ紹介しておしまいにしたいと思います。
1方向だけからの撮影した写真で全員分を載せると、全員が同じ向きで疾走してるため、どうにも違和感が生まれてしまいます。
もしこの作風を事前に計画されてるのであれば、あえて撮影者を2名にして対面に構えて撮し、半分の園児をAさん撮影、もう半分をBさん撮影とするとしっくりくる構図となります。
撮影場所の規制がある場合は難しい場合は、撮影位置を少しずらすだけでも、雰囲気は変わります。
おわりに
今回は卒園アルバムに使いたい「写真のアイデア」をご紹介しました。
ページのコンセプトを決め、それに沿った写真を「あえて能動的に撮影」して取り入れると、個性的かつユニークなページが生まれます。
園児は面白い企画が大好きであることから、先生の許可さえ得ることが出来れば、喜んで撮影に臨んでくれると思います。
そして「自分も協力した卒園アルバム」の自負から、きっとアルバムを大切にし、見開くたびにおもしろ写真を眺めては、当時のシーンに思いをはせることと思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)