卒園アルバム制作のヒント
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2021.10.24
こどもと作ろう卒園アルバム(前編)-こどもは頼りになる卒アルクリエイター-
今回は、こどもと一緒に卒園アルバムを制作してみては…という提案です。
記事は「前編」「後編」に分かれ、次のような紹介の構成になっています。
- こどもと一緒に制作する理由
- こどもの「作る」能力は卒アル制作にマッチ
- かけがえのない親子の時間
- 素材購入は100円ショップで
- 選ぶ素材とその活用法
- 安定した作業は「簡単な課題」で
ほとんどの方は「こどものいない時こそ制作のチャンス」としていますが、こどもの手を借りると意外にも私より上手…なんてことも大いにあるのです。そして何よりその時間は、唯一無二のかけがえのない時間となります。
- こどもが声を掛けてきて集中できない
- 僕にもやらせて!と言ってきたらどうしてる?
- こどもに何かしてもらうことってあるかな
- こどもと作ることにメリットはある?
こどもと制作することで行動できる
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
今日はこどもと一緒に作る卒園アルバムがテーマです。
そもそも本当にこどもと作った経験者はいるの?と疑問を持たれるかもしれません。
ここ1年半、切り貼りで制作されるご家庭では、こどもの手を借りて、制作時間を共に過ごすケースが多数あったことが事実です。
きっかけはコロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言の影響。幼稚園・保育園の休園が相次ぎ、親は仕事を休暇、またはリモートワークの手段を取らざるを得なく、少なからず平常時よりこどもと過ごす時間が増加しました。
この状況の中「切り貼り制作を進める」機会と捉え、時間を持て余すこどもの面倒も兼ねて制作を一緒にする構図が生まれたのです。
一旦作業に着手するとこどもは目をらんらんと輝かせて作業を楽しみます。
その日を境にこどもから毎日のように「今日もアルバムつくろう」とせがまれ、今までついつい後回しにしてきて全く進まなかった制作作業がとたんにはかどるようになったという談話もあります。
こどもがいるとはかどらない?
孤独に黙々と作業に打ち込むタイプの方や、そこまで極端ではないにせよ、近くにこどもがいると一向に作業がはかどらない、という状況は想像に難くありません。
「ぼくもやりたい」と言われても次のような心理が働き、ついついNGを出してしまいます。
- 刃物を使うことで少々危険
- そばにいては集中できない
- 理想通りのものに仕上がらないリスク
- 原稿を見せるのはサプライズとしてとっておきたい
こども個々の性格や能力がありますので一括りにしてお話しできませんが、上の内容は次のように置き換えることができます。
刃物を使うことで少々危険
年長期においてほとんどの園が「はさみ」を使う「制作」が行われています。
お客様からお預かりする写真の中に「制作」をテーマにしたものがあり、ここ数年では制作風景や、制作物を手に持った構図の写真を、アルバムに掲載するケースが増えてきています。
その制作物ひとつ一つを観察すると、そのクオリティに驚くことがままあります。
繊細にカッティングされたロボットのパーツ、丹念に様々な色で着色された恐竜の肌、気が遠くなるような多量のうろこを乱れなく貼り付けたこいのぼり、複数の形状の異なるペットボトルを組み合わせて作った大きな客船…など、これ本当にこどもが作ったの?と疑いたくなるような出来の良さに感嘆します。
このことから「はさみ」の扱いには相当慣れており、かつその扱いに自信があり、お母さんお父さんに見てもらいたいからこそ「やらせて」の進言があるのでしょう。
そばにいて集中できない
作業開始の時点からこどもが集中しそうな作業を与えると、普段より寡黙に打ち込み、かえって親は集中できるかもしれません。
また本来「10」やらなくてはならないことがあるとして、その内「4」をこどもにお願いすると、親は「6」の作業で済むわけですから、その分余裕が生まれます。
これにより、こどもが作業に飽きて、多少声を掛けてきたり脱線したりして、親の集中力が途絶えたとしても、甚大な影響にはならないでしょう。
理想通りのものに仕上がらないリスク
こどもと一緒に作業した委員の方々は「制作クオリティは二の次」だったとおっしゃっています。
ですが、その原稿はどれも温かみがあり素晴らしいものです。がさつな点は数あれど、それはアナログ的な良さと愛情に溢れ、非の打ちどころが無い完璧な原稿よりも魅力に感じます。
卒園アルバムは、その担当者が自由な発想で制作することが醍醐味であり、また魅力であると言えます。
この親子協働で制作したページを未来で見る度に、体を寄せて原稿を作った光景が思い出されるでしょう。
原稿を見せるのはサプライズとしてとっておきたい
アルバムが完成し、母親の制作したページを見て、こどもは母親を羨望の眼差しで見ることでしょう。
そして「えへん」とお母さんは誇り高い表情を浮かべるという心温まるシーンが想像できます。
ですが、サプライズを与えるその一瞬の喜びと、今現在「こどもが親と一緒に物づくりをしたい」という気持ちのどちらが大切でしょうか。
考え方は人それぞれですので一概に選ぶことはできませんが、完成した卒園アルバムは、こどもが遊びで作り、知らぬうちにどこかへ無くなってしまうような工作物とは重みが違います。
卒園アルバムは記念誌であり、生涯本棚に納められてる宝物になるかもしれません。その唯一無二の貴重なものを、親子ともども楽しみ、笑いながら制作するという機会が、この先そうそうあるとは思えません。
楽しい買い物時間
親子で作るお楽しみの一つに「素材の買い物」があります。
制作にあたり、事前にどんな材料が必要かを親子で話し合い、一緒にお店に買い物にいきます。この時次の流れでステップを踏むと、意味のある買い物になります。
- 1枚のメモに1つの購入品を記し、それが制作の「何」に使われるのかを書いておく
- 買い物での「選択」はこども主体とする
- こども購入の上限金額を決めておく
- 購入品の管理はこどもにお願いする
ただふらっとお店に行き、なんとなく買い物をするよりも、事前に「計画」をし、買い物の場所で「少々の責任」を与える方が、こどもの買い物に対する真剣度が格段に上がります。
上限金額が決まってることから、こどもは「買い物ゲーム」のような感覚で目を輝かせ、ベストと思うものを選んでゆくのです。
そして自分で選んだ品は、安価なものであってもきっと大切に使うことと思います。
どこで買い物をするか
100円ショップがお勧めです。
- 同一金額ゆえに商品選びに集中できる
- 予算を与える場合、こどもがすぐに計算できる
- 豊富な品ぞろえ
- こどものお気に入りの場所
などが理由に挙げられます。出来れば店舗規模が大きいショップがお勧めです。規模が大きいと1つの品目に対する種類が多くなり、選択肢が増えます。
この「100円ショップ」で「何の目的で何を買うか」は、本シリーズ後編でお届けいたします。
おわりに
今回はこどもと一緒に作る卒園アルバムをテーマにした「前編」をお届けしました。
「後編」では素材や制作ツールを親子で買い物し、それを何に役立てるかをご紹介します。
頼りになる協力者とかけがえのない時間として
視点を変えてみると、こどもの力は卒園アルバム制作のヘルパーとしてなりうる可能性を秘めています。
そして、親子で生涯の記念となるものづくりをする、かけがえのない思い出の時間となります。
お客様の中には「私ひとりでの作業だと、どうしても後回しにしがちで作業は遅れに遅れていた。こどもと作るようになって以降は、こどもから「アルバムつくろう」と声が掛かり、それが行動力のきっかけとなり、作業がスムーズに進行した」という方もいらっしゃいます。
今は2021年の10月です。あっという間に年は越えていきます。「どうも気が乗らない」という方は、上の経験談のように、こどもの力をバネにして、ステップアップしてみてはいかがでしょうか。
尚、このシリーズ後編は下記リンクよりご覧いただけます。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)