卒園アルバムのつくりかた
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2021.9.10
見やすい卒園アルバムにするには写真の詰め込みをやめましょう
今回は、卒園アルバムに掲載する写真点数が多すぎると、アルバムを見る方がどのような印象を持つかについて解説をします。
- 出来るだけたくさんの写真を載せたい
- 少ないと貧相に見えない?
- 最適な写真枚数とは
目次
写真を詰め込むデメリット
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
卒園アルバムに使用する写真選定は、制作担当者にとって一番の大業です。
スマホを含むカメラの精度が格段に向上している昨今、どの写真も捨てがたい写りの良さで、より取捨選択に悩まれると思います。
ですが、どれも良い写真とばかりに多量の写真をアルバムに載せようとするのは、いささかリスクを伴います。詰め込みで生じるデメリットを見てみましょう。
- 1.雑然とした雰囲気となる
- 2.原稿からのメッセージ性が弱まる
- 3.インパクトがない
- 4.制作に時間がかかる
ひとつづつ見ていきましょう。
1.雑然とした雰囲気となる
難儀な写真選定
写真が多い傾向となるのは無理もありません。
膨大な写真点数からページ掲載用に絞り込みを行う写真選定は、非常に難儀な作業です。公平性に基づく園児ごとの枚数調整、園児の表情など様々な条件を考慮しながらの絞り込みが必要となりますが、そうそう上手くはいかないもの。
どうしても捨てることのできない写真が多く、結果、想定してる枚数より多めとなることは、しごく当たり前のことです。
そして掲載
うまくレイアウトすれば多量の写真を載せても大丈夫だろう…との判断で掲載した卒園アルバムには次のような特徴があります。
- 楽しそうなイメージだが写真が見えてこない
- 写真が多いのは賑やかではあるが雑然とした雰囲気が先立つ
- 作り込まれてない部分が所々ある
写真が増えれば増えるほど1点の写真サイズは小型にならざるをえません。
同時にその写真に写る人物の表情は読み取れなくなってきます。
卒園アルバムでありながら、写真としての意味をなさないというのはあまり良いことではありません。
見る側は、制作者の技巧や、演出面にばかり注意が向き、その結果「賑やかだけどなんか雑然とした雰囲気だな」という感想で終わってしまうことがあるのです。
2.原稿からのメッセージ性が弱まる
アルバム委員が原稿を制作する際「最も見せたい写真、最も見てもらいたい演出、全体的にどう感じて欲しいか」などを無意識に抱くものです。
意図が伝わらない
特大サイズに見開きページ横断で載せた集合写真、全ページの片隅に共通で載せた先生からのメッセージ、園児のアップ写真を多用し躍動感を表現…
などがその例になりますが、写真点数が多いことにより、このような制作意図が見えづらくなります。
写真はおしなべて同一サイズに余儀なくされ、細かい造作をするも全体の煩雑さに影を潜めてしまいます。このことから、製作者の制作苦労が先立ち、肝心の意図するところやメッセージ性が届かぬこととなります。
3.インパクトがない
多量の写真の投入によってインパクトは高まるのでは?と思われがちですが、実際はその反対に動くことが多いと言えます。
インパクトとは人の胸に突き刺さるような感動や衝動のことをいいます。
多量写真のアルバムは、見開いた瞬間「うわー」と思いますが、その後の感動や、すごい!といった感想には繋がりにくいのです。
シンプルでないと伝わらない
それは「シンプル」でないことにあります。情報量が多ければ多いほど注目点が散漫となるのに対し、情報量が少なければ、それだけメッセージは直球化して見る側に届きます。
このことから、仮に多量の写真投入の目的が「驚かせよう」という趣旨であるならば、その作戦はもう一度考え直した方が良いでしょう。
「ベストな写真点数とは」を、テーマにした記事を過去に書きました。併せてご参照ください。
4.制作に時間がかかる
写真点数が増えるほど、その制作における工数が増加します。
普段から時間に余裕がない場合、これが致命傷となり、制作に時間がかかり過ぎてる事自体にストレスを感じることでしょう。
短期に集中して終わらせたい
なにごともそうですが、短期に集中して終わらせる方が良い結果を生みます。
制作も同様で、長時間かけるよりも、なるべく限られた時間内で全力で作りあげる方がクオリティは高まるのです。制作工数が増えて時間がかかり、終えたいけど終わらすことができないジレンマに苦しまないよう、どうかご注意ください。
卒園アルバム制作にかかる「時間」をテーマにしたブログ記事がございます。
多量写真の扱い
それでは多量の写真を使用しなければならない状況はあります。その場合、次の工夫が幾分の解決の手立てとなるでしょう。
1.コラージュ化
複数の写真を隙間なく敷き詰め、1枚の写真として見せる手法です。
インスタグラムでこの単語が一般的になりました。
仮に6枚の写真をコラージュして見せると、太枠は1枚分で作られるため、整理されたデザインに写るのです。これを多用することで情報を少なく見せインパクトを引き出すことができます。
2.メリハリ化
多量であっても写真サイズの緩急づけは大切です。
えてして写真が多いと「全てほど均一サイズ」になりがちです。
ここは大胆に「大きく見せたい写真」はさらに大きく、さほどメッセージ性のない写真は、さらに小さくしてメリハリを与えます。
3.文字情報を控えめに
文字から受けるインパクトは絶大であり、多量写真掲載の中に、さらに目立つタイトルや多くのキャプション等が入ると、ますます煩雑性が高まることとなります。
これにより、文字情報は必要最低限として、メインタイトル以外にはあまり装飾を行わずシンプルに表記するのが良いでしょう。
写真レイアウトに関する2つのブログ記事を併せてご覧ください。
おわりに
今回は、卒園アルバムに掲載する写真点数が多すぎると、アルバムを見る方がどのような印象を持つかについて解説しました。
点数が多くなることはいたしかたないことだと理解しています。
あくまで制作者の意図する判断ですので、異論は唱えませんが、少しの工夫で見やすさを良くすることができます。
せっかくならば、アルバムを見る方から「だくさんの写真を使って賑やかだけど見やすいね…」という感想をいただきたいですよね。
苦心が伴う作業ですが、どうか素晴らしいアルバムを制作してください。
おわりに「少数写真構成のメリット」をテーマにした記事をご紹介します。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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