はじめての卒園アルバム
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2021.9.9
卒園アルバム委員会の第一歩は「想定される問題」の確認から
卒園アルバムを複数のメンバーで制作する場合、最初に行うべき作業はなにか。
それは「問題点」の洗い出しであると確信します。
こんにちはキッズドン!の宗川 玲子です。
今回は卒園アルバム委員が決定した後、制作プランを行う際に、まずはじめに取り組んでいただきたい「問題点」の抽出と「その対策」についてお話をします。
- この先どんな問題が出てくるか
- アルバム委員の作業の種類
- どんな風に役割分担すればいい
目次
想定される問題点と対処方
予測される問題点とはどんなものでしょうか。
例えば「写真選定を行ったがサイズが小さく印刷に不向きであった」「スマホでスキャン撮影をしたがあまりきれいじゃない」など、作業の裏に潜むリスクを示します。
予め想定される問題点を把握しておけば、問題が勃発してもうまく対処できる可能性があがります。このようなリスクヘッジ(問題想定と対処案)をリスト化し、その作業にあたる際に意識すると、格段に効率アップとなるでしょう。
それでは「想定される問題点」を見ていきましょう。
パソコン非所持者がいた
意外に多い問題がこれです。一例としてこんなストーリーがあります。
今期のアルバム委員は6名。業社選定を行い「業社提供の卒アル制作ソフト」で制作することで6名とも合意。誰がどのページを制作するかの役割分担の話を進める途中、2名の委員がパソコンを持っていないことが発覚。
業社決定を行う際になぜ未申告であったか問うと「スマホでできると思った」との回答。この2名のうち1名は切り貼りで、もう一人は別の業社にデザインのみを依頼し解決となった。
「パソコンがなくてもスマホがあるから…」という解釈を持たれる方は少なくありません。ですが、全ての「業社提供の卒アル制作ソフト」がスマホに対応してるわけではなく、さらに対応していても、スマホの小型スクリーンでの細かい作業は不向きと言えます。
業社選定の際「業社ソフト」の使用を前提とされるのであれば、委員のパソコン所有を確認し、パソコン非所持者に対してはどのような制作方法、または役割をお願いするか事前に検討されてはいかがでしょうか。
パソコンが動かない
「スマホ利用でパソコン不要」の方も多いと思われます。
ここでの問題例は下記の通りです。
- 長期使用がなく、いざ起動しようにも起動しない
- バージョンアップが長期されておらずソフトが起動しない
- 性能が低いため頻繁にフリーズや動作不良を起こす
業社ソフトの使用を前提とされる際は、まず所有のパソコンの動作確認をし、そのソフトが事前トライアルが可能であれば、実際に操作をして支障ないかをチェックすると良いでしょう。
これがダメであった場合、パソコンを使用しない「切り貼り」や「業社へのデザイン依頼」で制作を進めるか、制作意外の担当に就く等の措置となるでしょう。
時間がない
委員発足当初は、夢と期待に気持ちは膨らみ、高い向上心で望む意志がありますが、月日の経過に伴い「制作がしんどい」「後回し」「思ように進まない」等の壁が必ず目前にそびえます。
ここでの問題は「限られた時間で本当にその制作ができるのか」をシミュレーションされていないことです。
各委員それぞれ制作に充てることができる時間が異なります。ざっくりでも良いので委員発足直後に次の流れで、制作可能範囲の確認をしてはいかがでしょうか。
- サンプルとして一度原稿を本番さながらに制作してみる
- 1で費やした時間を記録
- 3×納期1ヶ月前までの月数
- 4÷2で制作可能ページ数が割り出される
各委員がこの結果を持ち寄り、その「制作可能内容」の合計でアルバム全体を完成させることができるかを判断します。
思いのほか「時間がなくこれを無理」となった場合、業社への制作依頼、納期の延期、制作開始時期の前倒しなどを検討しましょう。
写真が大きい
写真のファイルサイズが大きいとどんな支障があるでしょうか。
写真撮影直後、スマホでもそのサイズはA3用紙を超えるほどの大型であり、それなりの「ファイル容量」を所有します。
下記をご覧ください。
- パソコン制作で動作がもたつく、フリーズする
- Googlephoto等の共有クラウドのアップロード/ダウンロードに時間がかかる
- 保管容量を圧迫する
解決策として、「印刷に対応できる適切なサイズまで圧縮する=リサイズ」を行うことです。関連記事がありますので、ご覧ください。
写真が小さい
一眼レフやコンパクトカメラ、Audroid系スマホカメラで、撮影枚数を稼ぐ目的で「画質設定を低く」している、iPhoneで写真転送の際「低」にした…
などの写真を使用する際は要注意です。モニターできれいに見えてる写真も印刷となると「画質劣化」となる場合があります。
出来れば卒園アルバム用の写真は、カメラ設定で「最高画質」にして撮影することをお勧めいたします。
スケジュールの勘違い
一例をあげます。
- 業社から「3週間営業日」と言われた→21日待っても連絡が来ない(土日祝日は営業日に含まれません)
- 全原稿を入稿し終えたらすぐに印刷が開始されると思った(製版データを作り最終チェックをお願いしております)
- 卒園式を終えて、印刷製本期間が1ヶ月とし、4月末には渡したい(業社依頼の場合、制作する期間が必要となるためもう少し先になります)
業社ソフトが使えない
正確には「使えるが理想を叶えることができない」になるでしょうか。
例えばテンプレートに存在する写真枠数と理想が合わず追加もできない、背景画に自分の好みのものがない、切り抜き画像等で使用される背景透過のPNGファイルが使用できない…など、ふたをあけてみたら出来なかったという事例です。
成約を行う前に、トライアルで制作ソフトが持つテンプレート、デザイン、機能性を確認し、合わぬようであれば所有ソフトでの独自制作、業者変更、原稿制作のみ業者依頼等を検討しましょう。
行事開催が定かでない
コロナ禍で、先に予定されてる行事開催は不透明であり、何かと気を揉むものです。当初構想したページ構成はその通りに進まず変更を余儀なくされ、この先まだ続くのかと思うと不安…。
といった境遇の方も多いのではないでしょうか。当然ながら催行中止となれば、予定されていたページが空白となります。この対処法は2つあります。
- 開催された行事のページ数を増やし、1ページあたりの写真点数を減少させる(写真点数が少ないほどそのページのクオリティは上がります。園児の表情が大きく反映され、訴求力が高まり、シンプル化となることが要因です)
- ページ数を減らす(業者成約前に、制作期中にページ数変更が可能かどうかの確認を必ずとりましょう)
メッセージを提出いただけない
先生、あるいは保護者かにメッセージを依頼し、それが提出期限までに出てこない…といった事象をよく聞きます。
この解決方法は「それが一般的」と割り切り、依頼から提出期限を長期に設け、途中数回の催促アナウンスをかける以外にないでしょう。
個人ページ用の写真が集まらない
前項同様です。個人ページに関連する記事がございます。併せてご参照ください。
個人ページの趣旨に疑問
各家庭から複数の写真を募る際、次の方針を決めると良いでしょう。
- 1.その写真は「園で撮影された友達と触れ合う姿(または本人のみ)」を中心としたものか
- 2.その写真は「プライベートで撮影された姿」を中心としたものか
本来は「卒園アルバム」ゆえに1が好ましいと思います。
そのページの該当者以外の保護者が見ても、楽しめる要素があるからです。2の場合、成長の記録を卒アルの場を借りてと割り切ればそれで良いのですが「なにも家に飾られてる写真をここに掲載しなくても…」という感想も多いことを気にとめておくべきです。
また掲載内容によってもなんらかの優劣評価がつく可能性もありますので、注意が必要です。
予算に収まらない
業者から見積を取る際、印刷製本料金、場合によってはデザインの制作料、以外にどのような費用が計上されるかを念入りに確認しましょう。
例えば送料、切り貼り原稿であればスキャン代、オプションでのケース代金、振込手数料などがそれに該当します。
カメラマンの写真
カメラマンに写真を依頼する際の注意点は2つです。
- 1.撮影後から納品までの期間
- 2.その写真は印刷に対応するサイズか
2.は意外かもしれません。下記の場合不都合が生じやすくなります。
ネット写真販売の場合:ネットで購入写真を選びプリント写真が自宅に届くシステムの場合で、デジタル画像としてダウンロードする仕様は「低解像度設定」されてる場合が多いのです。
これはそのデジタル画像を印刷して複製することを阻止することが目的です。つまり卒園アルバムの印刷にも不向きとなります。
元々ネット販売ではなくデジタル画像での納品の場合、こういった事象は無いと思いますが、撮影契約の際に「どの位のサイズで撮影」かを確認しとくと良いでしょう。
原稿の天地左右がカットされた
お客様ご自身で完成原稿を制作され入校する場合に起こりうるケースです。
原稿は通常天地左右3mmほどが「製本時」にカットされます。
これを想定せずに、原稿の端ギリギリまで重要なオブジェクトを配置すると、不本意な形でアルバムができてくる事となります。
通常は業者から「ここ切れますよ」と事前通告が入りますが、出来れば予め「裁ち落としを意識した」設定をするとよろしいでしょう。
アルバムの受け渡し方法
卒園後のアルバム配布の場合の方法です。
昨年度最も多かったトラブルが「一昨年前までは、幼稚園に置かせてもらい、保護者に取りに来ていただいたが、昨年はコロナ禍の影響で卒園した保護者でされ立ち入りを規制され、アルバム保管もNGとなった」というものです。
このような固定概念は外し、確実な方法を考慮しましょう。
園から撮影許可が下りない
アルバム委員が行事に参加して撮影する場合、当然ながら事前に園に許可を得ることとなります。
ですが、昨年まではOKであったものが今年はNGとなるケースが多くなってきています。コロナの影響もしかりですが、様々なセキュリティ確保が必要となり、今まで全行事の保護者撮影が許されていたものが、今年になって全行事撮影禁止となったという極端な例もあります。
ページ構成を制作する際に、先生に撮影許可を確認し、それに合わせてプランを立てる必要があります。
集合写真に全員揃わない
必ずおやすみの子がいます(笑)。例えば卒園アルバム表紙に充てる写真撮影など、行事等の記念写真ではなく、意図的に撮影を行う際は3日ほどの候補日を設けると良いでしょう。
それでも誰かしらのおやすみ、天候不順等で撮影できぬ場合、とりあえず3日全て(天候不順を除く)撮影し、ベストショットを抽出し、お休みだった園児を同一アングルで撮影して後に合成する方法があります。
卒園児一同紹介写真が暗い
出来れば屋外で、さらに園の思い出となる背景で撮影すると良いでしょう。
屋内の撮影は、設定を行っても何かとアンダーで撮影されるものです。また自然光のほうが園児の表情をいきいきと捉え仕上がりも美しくなります。
一同紹介は、先頭ページを飾りますので拘りたい写りには拘りたいですね。
写真掲載枚数は理想より少し少なめがベスト
たくさんの思い出を詰め込みたいという気持ちはわかります。
1点1点の写真を小さくしてあまりに窮屈に詰め込んだアルバムページを閲覧者が見てどう感じられるでしょうか。
賑やかで楽しそうな雰囲気が良い、といった意見のかたわらで、その制作労力以上に「どこを見て良いか分からない」「響くものがない」といったものもあるでしょう。
本来アルバムは「写真を見せる」という命題があります。あまりに多量の写真を投入することで「写真が見えなくなっている」のでは、少し考えものと言えます。
これを載せようと決定した後「仮にあと10枚ここからカットするとしたら…」という気持ちで引き算し、適切な枚数で制作されることをおすすめします。
アルバムの材質が想定と違った
納品されてはじめて「契約のアルバム」に触れた…ではリスクが高すぎます。
契約以前に、気に留めたアルバムをサンプルで業者より借りて、表紙や本文ページの材質、重さ、見た目を確認しておきましょう。
その時点で自分のイメージに合致しない場合、別の仕様のアルバムを検討するか、他業者への相見積を検討するべきでしょう。
意見対立
この短いスペースでは書ききれないため、専用記事をご覧ください。
おわりに
今日は卒園アルバム委員が決定した後、制作プランを行う際に、まずはじめに取り組んでいただきたい「問題点」の抽出と「その対策」についてお話をしました。
ここに掲載した内容は代表的な事例であり、これ以外にもまだまだ問題要素は潜んでいます。委員同士で良くこの先の作業内容やスケジュールを問題発掘の観点で話しあい、事前の対処でスムーズに事を運ぶよう仕向けてください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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