2021.9.7

卒園アルバムを短期で制作する5つの秘訣

（この記事は2020年10月29日にリリースしたものです）

こんにちは、卒園アルバム制作kidsDon!（キッズドン！）の宗川 玲子（そうかわれいこ）です。

さて、卒園アルバム制作の予定はあれど、未だに何も決まっていないという境遇の方は少なくありません。

平均的に10月下旬は「アルバム業者」「ページ構成」「納期までのおよそのスケジュール」が決定されており、本格制作が始動する平均的な時期といえます。

ですが今年はコロナ禍の影響により、上記の「最低ラインの決定事項」が未決であり、例年とは比較にならない「短期決戦」が必要とされる年となっています。

アルバム委員にとっては、気ばかりが焦り、でもその心境とは裏腹に「素晴らしいアルバムを園児に渡したい」といった夢もある…そんな狭間で混沌としている胸中を、多くのご相談の会話から痛感します。

今回は、卒園アルバム委員になったものの、具体的なアクションに至っておらず「まだ何も決まっていない」または「どうすれば今から素敵なアルバムを作ることができるか」といった不安や心配を解決すべく方法を5つの項目でご案内いたします。

はじめに

何も決まっていなくとも、決定の候補となってる卒園アルバムの構成要素や、漠然としたイメージはお持ちであると思います。

「今から始めても大丈夫だろうか」「作り終えることが出来るのだろうか」と強い不安を抱く方の特徴として「見る人が声をあげて感激するような壮大な卒園アルバム制作」を空想してる傾向があります。

つまり、ページ数も多く、ハイクオリティを目指すゆえの膨大な原稿制作時間、全ての写真が高精細でなくては許されないという概念…などがその空想につながり、これらの課題が大きな壁となって立ちはばかり、行動に制限がかかってしまうというケースを何度も見てきました。

例えば壮大なアルバム作りの計画を納品の1年前から策定し、制作も粛々と進行してるのであれば、この構想は実現可能と思われますが、10月下旬からの開始となると、相当に困難を極めます。

強行突破を目指して負担を背負い、精神面や健康面に支障が出ては身もふたもありません。ましてや数々のプレッシャーを受け、鍛錬にも似た制作環境でクリエィティブな作業を安定して行うのは無理でしょう。

そこで必要なのは「やることを減らす」につきます。順追って5つの秘訣を順に見て行きましょう。

1.制作量を減らす

短期で完工し、質の高いものに仕上げるには「何かを捨てて残したものを磨く」につきます。

前述した壮大な計画から、引き算を行い、本当の大切な内容だけを残してシンプル化するという行為は、品質の低下を誘発するのでは無く、シンプルゆえの「見やすさ」や「インパクト」そして「読みやすいサイズ」にすることにより、当初構想よりクオリティの高い創作を目指します。

作業の内容は下記の4点が代表的な項目であり、各項目について説明します。

ページ数を減らす

例えば想定していたページ数が20〜24ページ程度の場合、8〜12〜16ページ程度に減少させます。

ページ数が少なければ比例して制作時間を少なくすることが出来ます。

ページ数削減の際注意したいのが、仮に「24ページ」構想であった際、24ページ分の内容全てを「削減したページに詰め込む」ということではありません。あくまでも掲載したい内容を吟味して「削減」する方法になります。

「思い描いていた構想にならない」という自己の葛藤があるでしょう。ですが今は「短期でアルバムを作りきる」現実が優先されれます。

また、アルバムを閲覧する園児や保護者は、卒園アルバムに大きな期待を寄せていないものです。ページ削減後のクオリティでも十分に期待を超える品質で提供できる…と、ここは自分に言い聞かせ、それを実現化させる事が大切と言えます。

制作者の思いと保護者の期待のギャップをテーマにした記事がございます。よろしければご覧ください。

写真点数を減らす

卒園アルバムというと、たくさんの写真が賑やかに敷き詰められてるイメージですが、見る方にとっては煩雑さによる見やすさ低減や、多情報による胸に突き刺さるものが無いといった進言があることも事実です。

「切り抜きを多用しなければならない」「かわいく文字を装飾しなければならない」「とにかくたくさん写真を掲載しなければならない」といった「〜ならない」は制作する当事者だけの固定概念であり、見る側にとってみれば、全くその必要に縛られる必要はありません。

1ページに集合写真が4枚だけでも、十分に見る方に感動を与える事が出来ます。

ましてや今年はコロナ禍の影響により春先の行事を含め、ただでさえ写真枚数が例年と比較し激減の状況にあると思われます。その状況を逆手にとり「少数枚数でいかに魅せる原稿構成にするか」を検討されてはいかがでしょうか。

過去の関連記事を併せてご覧ください。

制作工数を減らす

仮に切り貼り制作で、プリント写真「10点」から切り抜きをする、仮にパソコン制作でデータの写真「10点」を補正してフレームを付加する作業をする…これらの写真に何らかの加工を加えてオブジェクトとにする作業は、想像以上に時間を要します。

最初の頃は新鮮さや発見が多く、作業は楽しいと感じますが、徐々にそれは苦行に変わり、ゴールがいつまでたっても見えない境地に陥ることがあります。

作業が負担と感じる事で、行動は遠のき、ただでさえ時間がない制作期間に対し、焦りだけが募ることとなるのです。

よほど作業が好きである、作業を効率よく進めるスキルが備わってると自負する方以外は、これたの想定から、初期の段階で「現実的に負担のかからない範囲の工数」を想定し、無理のない計画を立てるべきと言えます。

制作工数を減らす

アルバム委員はどのページにどの写真を掲載するかを決定し、選定した写真を業者に送付し、あとは業者がデザインレイアウトを行う「制作委託」方法。最も短期制作に適した手段と言えます。

検討の際に浮上してくるのは「自分たちで作りたいけど、今から自力での制作は現実的に無理…でも、業者委託だと想いを込めることができないのでは…」という葛藤です。

しかしこの心配は不要と言えます。それは「写真選定の段階で十分想いは込められてる」からです。

アルバム委員は膨大な写真を1点1点確認し、写真に写る園児の表情や、その行事の思い出に心を寄せて、最良の選定を行っていきます。

当然この作業は、卒園生たちに直接関わりの無い私どもには出来ない作業です。つまり、この写真選定がアルバム品質の7割を決定づけてるのです。

私ども業者はそれを引き立てる黒子にすぎません。人気アーティストのライブにて、ステージに立つのはアーティストですが、舞台演出や美術、照明や音響などのクリエイティブワークは専門のプロが携わり、魅了するエンターテイメントを作り上げるのと似た図式と言えます。

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2.納期を卒園式後にする

仮に卒園式にアルバムを手渡す予定である場合、よほどの理由が無いのであれば、卒園式後の納品に変更することをお勧めいたします。

ご自身で原稿制作をする場合、どの業者も最低納品の一ヶ月前までに原稿の入校が必要となります（早い所では３ヶ月前という所もあります）。

仮に3月20日の納品を希望の場合、2月19日の入校となり、そこまでの期間は今（10月28日に本記事を投稿しています）から約３ヶ月になります。

業者の場合（当社の場合）はさらに条件はひっ迫し、年内に9割の原稿を完成させ、年明け1月10日までに残りの写真を納めなくてはなりません。

３ヶ月で果たして制作が可能であるか…作業するにはふさわしくない年末年始をはさみ、2月は3日少なく、2月に入れば卒園や就学の準備に追われる日々…そんな状況下の中で無理やり形にして「完成」としてしまう事は避けて通りたいところです。

卒園式後であれば、当然作業時間のみならず心にも余裕が生まれます。

そして卒園式前納品の予定で、泣く泣く掲載をあきらめた1月2月の行事、そして園最大のイベント「卒園式」をアルバムに掲載できることが最大のメッリトと言えます。

また、コロナ禍の影響で春から夏の写真が集まらず、その写真点数確保の補填を、秋から冬の行事で行うことも可能でしょう。

卒園後の渡す方法がネックとされてるかもしれませんが、卒園後の同窓行事での配布、園に保管いただき取りにきていただく、個別郵送など、なんらかの手段にて解決できると思われます。

質の高いアルバム制作で、読み手の方が納得いただける内容を望むのであれば、多少の配布手段の労をいとわず、卒園式後納品を検討されることをお勧めいたします。

関連のブログ記事がございます。

3.分担作業-制作手段もそれぞれ

アルバム委員が複数名での場合、制作手段や進行には様々なやり方がありますが、短期決戦の場合は「分担責任制作」方法をお勧めします。

例えばAさんは「1〜4ページ担当で切り貼り制作」、Bさんは「ご自身のパソコンソフトを用いてデータ制作」、Cさんは切り貼りもパソコンも苦手なため業者委託」といった方法です。

仕上がってきた原稿にはもちろん他言無用。各ページで趣が異なるのは卒園アルバムらしく、統一したテーマを用いた構成より格段に卒園生からの受けが良いのが事実です。この制作方法の特徴は

となります。裏を返せば「委員間での制作方法は統一、原稿ができた時点で意見交換」がまだまだ多いのが事実なのです。

決められた制作方法が自分の嗜好にマッチし、かつクオリティに自信がある場合は問題ないですが、その真逆の立場であったらば苦痛でしかありません。

時間を追うごとに、委員の決め事に順応できないメンバーは辞退となり、残るメンバーもその一件で軋轢を生み、アルバム制作は滞るといった末路の展開にて、深刻な相談を受けることも少なくありません。

夢を創造するためのアルバム委員ですから、楽しく作業を進める環境づくりが最も大切なことと思います。

キッズドン！ではアルバムの一部のページのみの制作を請け負うプランがございます。関連記事と併せてご覧ください。

4.制作に費やす時間を知る

以前、当社をご利用のお客様を対象に「制作に費やす時間」に関するアンケートを実施し、統計を出した事があります。その内容をブログにしたのが下記の記事です。

下記は記事内でも紹介している平均データとなります。

この平均値にご自身の制作条件をすり合わせ、現在の構想が納品期日までに制作可能か否かを判断してみるのはいかがでしょうか。もちろん生活環境により違いがありますので、その辺りは調整されてください。

以外にも時間は限られてると感じるのではないでしょうか。

ちなみにアンケート回答者のほとんどの方が「もっと時間を確保する事ができて、制作も短時間でできると思っていた」と述べられ、さらに「もっと早くから作業を開始するべきだった」と異口同音の反省がありました。

すでに時間が限られてる月日に入っています。思い立ったら即なんらかの行動を起こされることをお勧めいたします。

5.力を入れすぎずに楽観的に進める

「みんなに喜んでもらえるか」「評価を得られるか」「文句を言われたりはしないか」「納期に間に合うか」「上手く作れるか」…アルバム委員の不安や悩みを数えるのには、両手両足でも足りないくらいです。

この悩みを順番に見ていきましょう。

みんなに喜んでもらえるか

（一部の存在するであろう反対派を除いて）卒園アルバムが存在する事自体に卒園生と保護者、そして先生は喜ばれるでしょう。

内心卒園アルバム制作に反対していた方も、現物を手に取り、その価値観を再認識することもままあります。

特に今年はコロナ禍の影響で「卒アル制作取りやめ」となった園も数多くあることから、制作できた事、そしてそれを実現化させたアルバム委員の気持ちに喜びと感謝の念を抱く事に間違いありません。

卒園アルバムは、制作がうまい下手で図るものでは無く、制作側の想いが込められた一冊であるかが大切と言えます。卒アルに注いだ熱い情熱や様々な気持ちは、必ずや見る側に届き、喜んでいただけることでしょう。

評価を得られるか

自分の作業や努力量を認めてもらいたい、活かした特技に感動してもらいたい、膨大な仕事量をこなした自分を褒めてもらいたい…といったいわゆる「承認欲求」は少なからず誰にでもあるものです。

ですがこれにとらわれすぎると、必要以上に労力をかけることとなり、制作目標期日をオーバー、精神的に苦痛が伴い、ある時点から制作に手がつけれなくなるといった負の連鎖に陥ることがあり、何のためにアルバム制作をしているのかさえ見失うこともあります。

辛辣な表現ですが、卒園アルバムはごく限られた人を対象に作られるものであり、その少人数からの承認評価が耳に入ってくるのは、ごく少数であり、さらに一瞬と考えておくべきでしょう。

その一瞬のために身も心も壊れてしまうのは本末転倒と言わざるを得ません。

制作プロジェクトのスタートから納品のゴールまで、息切れせず楽しく完走するためにも、７割程度の力量で「別に認めてもらわなくても、褒めてもらわなくてもいいや」程度の気持ちで望むことをお勧めします。それであっても完成品は十分に素晴らしい作品として、見る側の目に映ることでしょう。

文句を言われないか

私が知る限りでは、デザインレイアウト、趣旨や構想について、保護者から委員に対してクレームが入ったという声は聞いたことがありません。これは委員の方ご自身で制作されるケース、当社が制作するケースいずれもです。

あるとすれば（非常に少数ですが）「我が子があるページに1枚も掲載されていない」「文字記載に誤りがある」「（当日出席にも関わらず）使われてる集合写真に写っていない」などです。

つまりクリエイティブな事には「心での感想はあるかもしれないが文句としては発言されない」特徴があり、反対に「我が子の掲載内容につき、あきらかに不公平である場合苦言を呈す」こととなります。

常日頃より「園児掲載の公平性」には重々注意されて写真の選定を行ってると思いますが、反面、その点をしっかり抑えておけば、「良いアルバムの評価」につながると言えます。

納期に間に合うかか

前項でもご案内の通り、無理と予想される期日設定を精神論で乗り切ろうとすると、心身に影響を及ぼすことにより、いいアルバムを制作する事が難しくなる傾向にあります。

また、期日に間に合わないからと、やっつけ仕事で原稿を完成させる事は、せっかくの努力と苦労が水の泡となり、あとあと後悔しか残らないでしょう。

その事を保護者や園にも理解を得ていただき、卒園式後の納期に移行するなどの措置をとられるべきと思います。

上手く作れるか

上手く制作できるかは、気にする必要ありません…とは言うものの「あまりに格好悪かったら恥ずかしいな」「そもそもどんな風にレイアウトすればいいんだろう」など頭を抱えてしまうのは当然のことです。

上手く作りたいと思えば思うほど、作業に踏み切る事ができず、いつまでたっても原稿は白紙のままという事態は誰にでもあります。（私どものデザインスタッフも同じ悩みを抱えています-笑-）

ですが卒園アルバムは「上手くつくる」と言うよりは「想いを込める」方が重要であると思うのです。「想いを込める」とはいささ抽象的ですが、掲載予定の写真を見て思いついた工作や配置を、躊躇なくどんどん進めていくことに置き換えられます。

仮に切り抜きが不恰好であれ、配置のバランスが悪かろうと、そこで一喜一憂することなく、制作を進行することが自然とできれば、それは誰にも真似することのできない唯一無二のアルバム原稿となるわけです。

「切り抜きがうまく出来なかったから焼き増ししてもう一度やろう」「この配置で本当にいいのだろうか」などと考えずに、1点1点の写真に思いを馳せて、どんどん先に進めていきましょう。それが卒園アルバムで言うところの「本当の上手さ」となります。

おわりに

今回はこれから卒園アルバムを制作される方向けに、不安や心配を解決すべく方法を5つの項目をご案内しました。

結論としては「やることを減らす」「他人の評価を気にせず思いを込めてどんどん作る」「納期の延期検討」となります。

様々な制作方法、活動環境がある事から、今回の記事内容が全てではありませんが、指針としていただければ幸いです。

この記事に触れていないお困り事や、問題解決相談をキッズドン！は随時受け付けております。目からウロコのように、意外に早期解決することもままありますので、成約してるしてないに関わらず、ご遠慮なくご相談ください。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。

キッズドン！ 代表 宗川 玲子（そうかわ れいこ）

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